アメリカの株価はどこまで下がるのか?横ばい相場が到来の可能性?

- 本稿では、足元の米国株の急落を受けて、「アメリカの株価はどこまで下がるのか?」という声をよく耳にすることから、私の米国株式市場に関する見通し、並びに、自身のポートフォリオ内の銘柄に関する見解を詳しく解説していきます。
- 米国株式市場はネガティブな材料が多く、横ばい相場が続く可能性がありますが、過度な悲観は不要であり、冷静な姿勢が重要であると考えています。
- 地政学リスクや景気後退の影響を受けやすい企業とそうでない企業を見極めながら、慎重にポートフォリオを構築する必要があると見ています。
- 市場の短期的な変動に一喜一憂せず、資産保全を優先しつつ、データをもとに柔軟に対応していく姿勢が求められるでしょう。
はじめに
米国株式市場の状況は厳しそうに見えます。あなたも私も、それは分かっていることです。 しかし、私が自身に問いかけている点は、「まだ株価に織り込まれていない新たな悪材料があるのか?」という点です。
現在、ニュースではネガティブな話題があふれており、弱気な気持ちになるのはごく自然なことです。
もちろん、今後の展開がどうなるのか、また、いつ落ち着くのかを正確に予測できるとは思っていません。
ですが、私は「横ばい相場」に備え始めるべきだと考えています。
横ばい相場が到来?
現在の投資家心理は非常に弱気です。ニュースを見ている人なら誰でも、それは明らかに感じ取れるはずです。
そのため、多くの悪材料はすでに価格に織り込まれているという現実を認識する必要があるでしょう。これは私のポートフォリオに限らず、市場全体にも言えることです。
ですので、株価が安定するために必要な好材料は、実はそれほど多くないかもしれません。 念のためにお伝えしておくと、私は大きな上昇相場や急反発が訪れるとは思っていません。
その代わりに、私が予想しているのは、株価が下落を止め、しばらく横ばいで推移するという展開です。 そして正直なところ、それは最近経験してきた状況と比べれば、はるかに好ましいものです。
私たちは横ばい相場でも利益を上げることができます。 しかし、急落する相場の中で利益を出すのは、非常に難しいことです。
私が考慮しているポイント
状況は急速に変化しています。最初に影響を受けるのは、世界的なサプライチェーンであり、とくに中国で製造されたものや、中国を経由するものが該当するでしょう。
そのため、私が保有している企業の中では、スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)、クレド・テクノロジー(CRDO)、ネビウス・グループ(NBIS)、エノビックス(ENVX)といった銘柄が、貿易戦争の影響を最も強く受ける可能性があると考えています。
一方で、パランティア・テクノロジーズ(PLTR)、アップラビン(APP)、アトラシアン(TEAM)、ドキュサイン(DOCU)、ユニティ・ソフトウェア(U)、センチネルワン(S)、ドキシミティ(DOCS)、ファイバー・インターナショナル(FVRR)、ルーブリック(RBRK)、スノーフレーク(SNOW)といったSaaS企業は、こうした影響をあまり受けないと見ています。
仮に米国発の景気後退に突入した場合、アップスタート・ホールディングス(UPST)、デイブ(DAVE)、セズル(SEZL)、トースト(TOST)といったフィンテック企業は打撃を受ける可能性があります。これらの企業は経済の減速に対して敏感です。ただし、ほとんどの企業は健全なバランスシートを持っています——アップスタート・ホールディングスを除いては。因みに、アップスタート・ホールディングスは約6億ドルのネット有利子負債を抱えています。
リクイディティ・サービシズ(LQDT)はSaaS企業ではありませんが、米国内を主な拠点とし、余剰在庫を扱うビジネスであることから、関税の影響を大きく受けることはないと見ています。また、セントラス・エナジー(LEU)についても、電力需要に紐づいた約20億ドルの受注残があり、時価総額を大きく上回っていることから、安定性は高いと考えています。
不確実性への対応
私はすでに全額投資済みです。振り返ってみると、2024年が非常に好調だったこともあり、仮に2025年に状況が悪化することが事前に分かっていたとしても、これほど急な下落は予想できなかったと思います。
通常は資金の5〜10%を現金で保有していますが、2月の下落局面でそのすべてを投入しました。ですので、現在は計画通りに行動しています。「今後18か月以内に必要となるお金は投資に使わないこと」、これを守っています。
そして、私は足元の市場の動向にあまり圧倒されないようにしています。株価の上下に一喜一憂し、それをすべて行動に移そうとしないことが大切であると考えています。悪い日もあれば、良い日もあります。しかし、すべての動きに反応していたら、資産を消耗するだけであると考えています。
「手を出さないこと」に慣れることも大切なのではないでしょうか。ときには、何もしないという判断こそが最善の行動と成り得ると考えています。
最後に
正直に言って、今の米国株式市場が特に魅力的とは言えないことは分かっています。しかし、すべての局面が大きな利益を追い求めるタイミングというわけではありません。ときには、資産を守り、忍耐強く待ち、適切なタイミングが来るのを見極めることが大切な時もあるでしょう。 それが簡単だとは言いませんが、必要なことだとは思っています。
私はこれからもデータを注視し、必要に応じて調整を行っていきます。しかし今は、冷静さを保ち、理性的に判断し、市場にとどまり続けることに集中しています。 そうすることで、私たちはこの難局を乗り越え、より強くなって戻ってこられるのだと信じています。
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