09/18/2024

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カメコ
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カメコ(CCJ)は戦略的な資産、安定した財務状況、そして原子力エネルギー需要の拡大によって、長期的な投資に適した銘柄であるように見えます。最近の価格変動はあったものの、ウラン市場での確固たる地位や地政学的リスクの高まり、供給不足により、大きな上昇の可能性があると考えています。現在の株価下落は、まだまだ続くであろう同社の成長ストーリーに参加するための好機である考えています。
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カメコ(CCJ:Cameco)の将来性:ウラン市場の分析を通じて、注目の核(原子力)関連株の今後の株価見通しに迫る!

a nuclear power plant emitting smoke into the skyジェームズ・ フォードジェームズ・ フォード
  • 本稿では、ウラン市場の今後の見通し、並びに、注目の核(原子力)関連銘柄であるカメコ(CCJ:Cameco)の今後の株価見通しと将来性を詳しく分析していきます。 
  • プーチン大統領が西側諸国へのウラン供給停止を示唆したことで、核関連株が急騰し、ウラン市場の成長が注目されています。 
  • ウラン市場は供給不足、地政学的リスク、原子力発電の需要増加により価格上昇が続いており、カメコ(CCJ)はその中で長期的に魅力的な投資先であるように見えます。 
  • 同社は戦略的資産と財務の強固さを持ち、今後のウラン需要の増加とエネルギー市場の変化から恩恵を受ける可能性があり、現在の株価下落は押し目買いの好機であるように見えます。

ウラン市場の概要

先週、プーチン大統領が西側諸国へのウラン供給を停止する可能性を示唆したことで、核(原子力)関連株が急騰しました。

私は以前から私のポートフォリオである「EOW(エンド・オブ・ザ・ワールド)ポートフォリオ」や「YOLOポートフォリオ」の一部として核関連株を注目しており、マクロポートフォリオにも一部取り入れています。

EOW(エンド・オブ・ザ・ワールド)ポートフォリオ

YOLOポートフォリオ

今回は、このタイミングを利用して2つの核関連銘柄を紹介していきたいと思います。

1つ目は、業界でも最大手で信頼性の高い核供給企業。2つ目は、革新的な原子炉技術を開発中の投機的な銘柄で、昨年だけで130%の上昇を見せています。

まずは、なぜ私がウランと原子力に強気であるのか、その理由を明確にしたいと思います。

私が今ウラン市場に強気になる理由

現在、ウラン市場は供給不足、地政学リスク、そして、世界的な原子力エネルギーの需要増加により、大きな成長を遂げています。ここでは、今後のウラン市場の主要な要因といくつかのリスクについて見ていきましょう。

ウラン市場の構造

ウラン市場は他のコモディティとは異なり、主に長期契約を通じて取引されています。全取引の80~85%が長期契約で行われ、スポット市場での取引は15~20%にすぎません。そのため、価格変動は日々の取引にあまり反映されません。ウランの燃料サイクルには採掘、転換、濃縮などの工程があり、電力会社は既製の燃料を購入するよりも、これらの工程を契約を通じて管理することを選びます。

供給不足と価格上昇

2011年の福島原発事故以降、ウラン生産への投資不足が続いた結果、供給不足が深刻化しています。ウラン価格は16ドルから80ドルにまで上昇し、転換や濃縮などのサービスのコストも急騰しています。この傾向は、新たな供給が不足していることや、追加生産にかかる高コストのため、今後も続くと見られています。

ウラン市場の基本要因

(出所:カメコの2024年第2四半期決算資料)

地政学的リスクと供給への影響

ロシアは世界のウラン濃縮の約40%を占めており、ウクライナでの戦争が続く中、西側諸国は自主的に制裁を強化しています。さらに、世界最大のウラン生産国であるカザフスタンも生産量の確保やコスト増に苦しんでおり、供給がさらに厳しくなっています。この地政学的リスクは非常に大きく、アメリカの原子炉で使用されるウランの約半分がカザフスタン、ロシア、ウズベキスタンから供給されているため、供給の安定性に大きな影響を及ぼしています。

プーチン大統領、ウラン、チタン、ニッケルの輸出制限を検討すべきと発言

(出所:Reuters

原子力発電への需要増加

各国が原子力発電の拡大に注力する中、ウランの需要が高まっています。中国は急速に原子炉の建設を進めており、25か国が746ギガワットの原子力発電容量を増やす「トリプル・ニュークリア・イニシアチブ(Triple Nuclear Initiative)」に参加しています。これらの前向きな動きがあるものの、市場は長期契約に依存しているため、価格の反応が遅れることもありますが、需要が増加しているのは確かです。

世界的な原子力発電の大幅な成長

(出所:Deep Yellow Limited)

構造的な供給不足と投資の遅れ

2030年までに、世界のウラン需要の25%は、まだ開発も資金調達もされていない鉱山からの供給が必要になると予想されています。この構造的な供給不足が長期的な強気の要因となっています。鉱山業界が需要の増加に追いつくのに時間がかかるため、新たな鉱山の開発には数年を要し、ウランの供給は引き続き厳しい状況が続くでしょう。

注意すべきリスク

ウランの見通しは概ね良好ですが、いくつかのリスクもあります。例えば、ロシア・ウクライナ紛争中に原子力発電所への攻撃など重大な核事故が発生すれば、需要が減少する可能性があります。また、カザフスタンが内部問題を解決すれば生産量を増やす可能性もありますが、短期的にはその可能性は低いと考えられます。

結論:ウラン市場への強気見通し

ウラン市場は、供給不足や需要の増加、地政学的な緊張によって今後大きく成長する見込みです。構造的な供給不足が続く中で価格も上昇していることから、現在の市場動向はウランに対して強気の姿勢を支持しているように見えます。

ウランで利益を得る方法

ウラン価格の上昇で利益を得る方法は主に2つあります。

1. Sprott Physical Uranium TrustなどのETFを通じてウランに直接投資する方法

2. 原子力産業に関連する企業の株式を購入する方法

個人的には、コモディティ価格の上昇に加え、さらにレバレッジ効果が期待できる質の高い核(原子力)関連企業の株式を購入することを選ぶでしょう。

私がカメコ(CCJ)を保有する理由

私は以前から「EOWポートフォリオ」ポートフォリオの一部としてカメコ(CCJ)に投資しています。

(出所:Seeking Alpha)

この銘柄は2023年に好調でしたが、ここ数ヶ月で大きく下落しました。それでも先々週だけで10%上昇しており、今が買いの好機だと思っています。

カナダは豊富な天然資源を持つ国で、カメコは世界最高品質のウラン鉱山であるシガー・レイクやマッカーサー・リバーでのティア1オペレーションを通じて、ウラン業界で重要な役割を果たしています。また、カザフスタンのインカイ鉱山からの生産で資産を多様化しているのも強みです。さらに、ウェスティングハウス・エレクトリック・カンパニーへの出資により、原子力技術分野での地位を強化しており、さらなる成長の可能性があります。

カメコ(CCJ)に対する需要増加と地政学的な追い風

データセンターなどの技術拡大に伴う電力需要の増加や、地政学的な緊張の高まりにより、カメコの資産価値は一層高まっています。現在、世界で59基の原子炉が建設中で、そのうち35基がアジアにあります。このため、カメコは原子力エネルギーの長期的な成長から恩恵を受けると予想されます。また、同社はウランの需要が増加していると報告しており、今後、需要が供給を上回ることで大きな供給不足が見込まれています。

テック業界には信頼性のあるエネルギーが必要

原子力は唯一のカーボンフリーで信頼性のある解決策

(出所:カメコの2024年第2四半期決算資料)

カメコ(CCJ)事業の展望と今後の成長

カメコ(CCJ)は、マッカーサー・リバーとキー・レイクでの生産拡大に向けて準備を進めており、年間で数百万ポンドの増産が可能とされています。さらに、長期ウラン契約も増加しており、今後の成長が期待されます。2024年第2四半期はやや静かな動きでしたが、同社は財務の安定に力を入れ、負債の返済を進めながら、14億ドルの流動資産を確保し、堅実なバランスシートを維持しています。

財務の強固さ

リスクを管理した財務規律

(出所:カメコの2024年第2四半期決算資料)

カメコ(CCJ)のバリュエーションと同社の魅力

カメコ(CCJ)のPERは69倍と一見高く感じるかもしれませんが、2025年にはEPSが103%の成長を遂げることが予想されていることや、2026年以降のさらなる成長やエネルギー転換やデータセンターの拡大を考慮すると、大きな上昇の可能性があると考えています。

そのため、同社の株価が調整することがあっても、そうした下落は長期投資家にとって押し目買いの好機であるように見えます。

(出所:FAST Graphs

カメコ(CCJ)のテクニカル分析

(出所:TrendSpider

カメコ(CCJ)は足元で急落していましたが、現在はダブルボトムを形成しつつあり、RSIの強気ダイバージェンスが見られます。理想的には、さらに大きなABCパターンの展開を見たいところですが、仮にそのような場合でも、200日指数平滑移動平均線(EMA)の31ドルを大きく下回ることはないと見ています。そのため、今の価格は、長期的に見て非常に魅力的だと言えます。

カメコ(CCJ)は長期的に魅力的な投資先

カメコ(CCJ)は戦略的な資産、安定した財務状況、そして原子力エネルギー需要の拡大によって、長期的な投資に適した銘柄であるように見えます。最近の価格変動はあったものの、ウラン市場での確固たる地位や地政学的リスクの高まり、供給不足により、大きな上昇の可能性があると考えています。現在の株価下落は、まだまだ続くであろう同社の成長ストーリーに参加するための好機である考えています。

では、次章では、高成長銘柄であるロールスロイス(RYCEY)について解説していきます。この銘柄は、原子力需要の拡大だけでなく、地政学的な緊張や紛争の激化からも恩恵を受けることが期待されています。

※続きは「ロールス・ロイス(RYCEY)の将来性:最新決算は好調で株価上昇!注目の核・原子力関連株の今後の株価見通しに迫る!」をご覧ください。


アナリスト紹介:ジェームズ・ フォード

ジェームズ・フォード氏は、エコノミストとして、過去10年に渡り、世界市場の分析に従事してきました。そして、自らを「実践的な投資家」と位置付け、資産を継続的に維持・拡大させることを目的とした、分散されたポートフォリオの構築に重点を置いています。

主に、「グローバル・マクロ」、「ハイテク」、「コモディティ」、「暗号通貨」関連銘柄に焦点を当て、ファンダメンタル分析、並びに、テクニカル分析を用いた企業分析を提供しております。

また、フォード氏のその他のテクノロジー関連銘柄のレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、フォード氏のプロフィールページにアクセスしていただければと思います。

その他のテクノロジー銘柄関連銘柄レポート

1. エヌビディア / NVDA / NVIDIA:最新の2025年第1四半期決算速報・業績&競争優位性分析と今後の株価予想・将来性(前編)

2. サウンドハウンドAI / SOUN:2024年1Q決算速報・財務&テクニカル&競争優位性分析と今後の株価見通し・将来性

3. クラウドストライク(CRWD):2025年1Q決算速報・財務&強み分析と今後の株価予想・将来性(CrowdStrike)

さらに、その他のカメコ(CCJ)に関するレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、カメコのページにアクセスしていただければと思います。

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