09/24/2024

中立
コンソリデーテッド・エジソン
中立
コンソリデーテッド・エジソン(ED)の現在の株価は104.02ドルで、弊社算出の一株当たり本質的価値である92.93ドルよりも高い水準にあり、安全余裕率(マージン)が-11.92%とマイナスとなっていることから、割高である可能性が示唆されています。
すべて表示
コンソリデーテッド・エジソン(ED)の今後の株価見通し:配当金は0.83ドルで増加傾向も割高?最新の業績と将来性に迫る!

time lapse photography of square containers at nightイアニス・ ゾルンパノスイアニス・ ゾルンパノス
  • 本稿では、コンソリデーテッド・エジソン(ED:配当貴族・予想配当利回り3.19%・配当性向66%・1株当たり配当金0.83ドル)の最新の2024年度第2四半期決算発表と配当推移に関するトレンド、さらに、同社の財務パフォーマンスを詳細に分析していきます。 
  • そして、それらの分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳細に解説していきます。
  • コンソリデーテッド・エジソンは、ニューヨーク周辺で電力やガスを供給する公益事業会社で、予想配当利回りは3.19%と高水準にある一方で、25年間以上連続して増配していることからも、米国株配当貴族の一角を担っています。
  • また、2024年第2四半期の決算ではEPSが前年同期比で減少しており、売上高は増加したものの、成長が鈍化しており、バリュエーション面でも割高であるように見えます。

コンソリデーテッド・エジソン(ED)の概要


レーティング:中立

バリュエーション:やや割高

リスクレベル:中リスク


セクター:公益事業

現在の株価:104ドル

時価総額:360億1,000万ドル

弊社算出の一株当たり本質的価値:92.93ドル

安全余裕率(マージン):-11.92%

過去5年間の配当成長率:2.40%

前回配当落ち日:2024年8月14日

前回配当支払い日:2024年9月16日

予想配当利回り:3.19%

過去5年間の売上高成長率:2.40%

過去10年間の売上高成長率:-0.40%


関連用語

安全マージン(Margin of Safety):株式の本質的価値(本来の価値)とその市場価格との間にある差のこと。投資家はこの差を利用して、予想が外れた場合や市場の変動によるリスクを軽減するための「安全な余裕(マージン)」を確保する。例えば、本質的価値が100円の株が市場で80円で取引されている場合、その20円の差が安全マージンとなる。この差が大きいほど、投資のリスクが低くなるとされている。

売上高成長率:企業の売上高が前年と比べてどれだけ増加したかを示す割合で、企業の成長スピードや市場での競争力を評価するための指標。一般的にプラス成長が望ましく、高いほど企業の成長力が強いと言える。


足元の株価推移

(出所:筆者作成)

コンソリデーテッド・エジソン(ED予想配当利回り3.19%・配当性向66%・1株当たり配当金0.83ドル)は、ニューヨーク市を含むニューヨーク州南東部およびニュージャージー州の一部地域に電力、天然ガス、蒸気を供給する大手ユーティリティ企業です。

同社の事業の中核を担うのは、子会社であるConsolidated Edison of New York(CECONY)とOrange & Rockland(O&R)で、クリーンエネルギー事業を2023年初頭にRWEに売却した後、これら2社がほぼ全ての収益を生み出しています。

そのため、この地域での安定した供給と、エネルギー効率化の取り組みが同社の強みとなっています。

また、同社は、配当株としても魅力があり、予想配当利回りは約3.19%と高水準を維持しています。

配当性向は66%と持続可能な水準で、安定した配当支払いが続いています。

さらに、同社は過去25年間以上連続して増配を実施しており、米国株配当貴族の一角を担っていることからも、保守的な配当収入を重視するインカム投資家にとって魅力的な選択肢となっています。

そして、同社は2024年8月1日に2024年第2四半期決算を発表しています。


コンソリデーテッド・エジソン(ED)の最新の2024年度第2四半期決算発表に関して

コンソリデーテッド・エジソン(ED)の2024年6月30日に終了した最新の2024年度第2四半期決算において、非経常損益項目を除くベースでのEPSEPS without NRIは0.532ドルで、前四半期の2.082ドルから減少し、前年同期の0.582ドルからも下がりました。

希薄化後のEPSも前四半期の2.08ドル、前年同期の0.65ドルからそれぞれ減少し、0.58ドルとなりました。

1株あたりの売上高は前四半期の12.341ドルから9.277ドルに減少しましたが、前年同期の8.474ドルからは増加しています。

一方で、長期的なパフォーマンスを見ると、下記のチャートからも分かる通り、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率(CAGR)は6.20%で、過去10年間の年平均成長率は2.90%となっており、中長期的に継続して成長を実現しているものの、足元の成長が加速していることが分かります

また、同四半期の粗利益率は52.48%で、過去5年間の中央値の53.81%をわずかに下回っています。

過去10年間で粗利益率は最高水準は58.38%、最低水準は39.57%、中央値は50.53%の範囲で推移しています。

EPSへの自社株買いの影響はほとんどなく、過去1年間の自社株買い比率は-0.60%で、発行株数が減少するどころか、わずかに増加しています。

これは、過去5年間の自社株買い比率-1.70%、過去10年間の平均-2.30%と一致しており、自社株買いよりも新株発行の傾向が続いていることを示しています。

一方で、今後の見通しについては、業界の予測では次の10年間で年間10%の成長が見込まれています。

さらに、市場のアナリストによると、同社の次年度(FY1)のEPSは5.275ドル、次々年度(FY2)には5.611ドルに上昇すると予想されています。

売上高も安定した成長が予測され、2026年には164億4,886万ドルに達すると見込まれています。

次の決算発表は2024年11月1日であり、同社がこれらの予想を達成し、業界の成長を活かせるかどうかがさらに明らかになるでしょう。

非経常損益項目を除くベースでのEPS

(年間ベース:直近4四半期の合計値

(出所:筆者作成)


関連用語

EPS(Earnings Per Share、1株当たり利益):企業が一定期間内に得た純利益を、その期間中に発行されている株式の総数で割った値のこと。EPSは、株主が1株あたりどれだけの利益を得たかを示す指標であり、企業の収益力を評価する際によく用いられ、EPSが高いほど、一般的にはその企業が効率的に利益を上げていると判断される。

非経常損益項目を除くベースでのEPS(EPS without NRI):非経常的な収益や費用(例: 一時的な訴訟費用や災害損失)を除いた後の1株当たりの利益(EPS)。これにより、通常の業績をより正確に反映することが可能。

希薄化後EPS:既存株主にとって、潜在的に新しい株式が発行された場合(例: ストックオプションや転換社債の行使)に、1株あたりの利益(EPS)がどの程度薄まるかを考慮したもの。

1株当たり売上高:企業の総売上高を発行済株式数で割った値で、1株あたりが生み出す売上を示しており、企業の売上規模と株式の価値を評価するのに役立つ。

粗利益率:売上高に対する粗利益の割合を示す指標。企業が商品やサービスを販売した際に、売上から直接かかったコスト(売上原価)を差し引いて得られる利益の割合を計算する。粗利益率が高いほど、企業が商品やサービスから得られる利益が大きいことを意味する。

自社株買い比率:企業が自社の発行済み株式を買い戻した割合を示す指標。この比率は、過去の一定期間において企業がどれだけ自社株を買い戻したかを示しており、通常は1年間の比率として表される。具体的には、買い戻された株式数をその期間の発行済株式総数で割ることで計算される。高い比率は、企業が積極的に自社株を買い戻し、EPS(1株当たり利益)を押し上げる可能性があることを示唆している。

各指標のより詳細な解説は、下記のコラムをご覧ください。

関連コラム

配当株投資関連の専門用語と重要指標一覧


コンソリデーテッド・エジソン(ED)の財務パフォーマンスに関して

コンソリデーテッド・エジソン(ED)の財務パフォーマンスを、投下資本利益率(ROIC)、加重平均資本コスト(WACC)、自己資本利益率(ROE)の観点から分析していきます。

まず、ROICとWACCを比較した際、わずかではありますが経済価値が創出されていることがわかります。

過去5年間の中央値ではROICが3.92%で、WACCの中央値である3.38%をわずかに上回っており、この期間においてはプラスの経済的な価値が創出されていることが分かります。

しかし、下記のチャートからも分かる通り、現在の数値ではROICは3.26%と、WACCの5.50%を下回っており、資本コストを超えるリターンを生み出せていないことが示されています。

一方で、ROEは過去5年間の平均で7.73%、直近では8.39%に上昇しており、株主に対して一定のリターンを提供しているものの、WACCの上昇をカバーするには至っていません。

全体として、コンソリデーテッド・エジソンは過去に資本コストを超えるリターンを確保してきましたが、現在は経済価値の持続的な創出に課題があり、資本配分や業務の効率性を見直す必要があるかもしれません。

投下資本利益率(ROIC)加重平均資本コスト(WACC)の比較

(出所:筆者作成)


関連用語

総資産利益率(ROA: Return on Assets):企業が保有する全ての資産を使ってどれだけの利益を生み出したかを示す指標。計算は純利益を総資産で割ることで算出され、ROAが高いほど、企業が資産を効率的に運用していることを示す。

自己資本利益率(ROE: Return on Equity):企業が株主の出資(自己資本)を使ってどれだけの利益を生み出したかを示す指標。計算は純利益を自己資本で割ることで算出され、ROEが高いほど、株主にとって効率的な運用が行われていることを示す。

投下資本利益率(ROIC: Return on Invested Capital):企業が投下資本(株主資本+負債)を使ってどれだけの利益を生み出したかを示す指標。計算はNOPAT(税引後営業利益)を投下資本で割ることで算出され、ROICが高いほど、企業が効率的に資本を運用していることを示す。

ジョエル・グリーンブラット氏の資本利益率(ROC: Return on Capital):株主資本と長期負債の合計である資本に対して、どれだけの利益(NOPAT)を生み出しているかを示す指標。ROICと同様に、資本の効率的な運用を評価する。

加重平均資本コスト(WACC: Weighted Average Cost of Capital):企業が資金を調達する際に必要となる平均的なコストを示す指標で、株主資本と負債のコストを加重平均して求める。WACCが低いほど、企業の資本コストが低く、投資がより利益を生む可能性が高くなる。

各指標のより詳細な解説は、下記のコラムをご覧ください。

関連コラム

配当株投資関連の専門用語と重要指標一覧


コンソリデーテッド・エジソン(ED)の配当に関して

コンソリデーテッド・エジソン(ED)は、緩やかではあるものの安定した配当成長を続けており、過去5年間の配当成長率は年平均で2.40%、直近過去3年間では1.90%とやや低めの配当成長率となっています。

さらに、同社は過去25年間以上連続して増配を実施しており、米国株配当貴族の一角を担っています。

また、最新の四半期での1株当たり配当金は0.83ドルで、最近の配当水準と同様に安定しています。

同社の予想配当利回りは3.19%で、過去10年間の中央値である3.59%よりやや低いものの、十分に競争力のある水準です。

配当性向は66.0%で、持続可能な範囲内に収まっており、下記のチャートからも分かる通り、過去10年の高水準や低水準と比較しても、堅実な状態にあると言えます。

加えて、将来の配当成長率は3.00%と見込まれており、過去の傾向に沿った控えめな成長が予想されています。

業界と比較しても、同社は安定を重視した保守的な成長戦略をとっており、安定した配当収入を求めるインカム投資家にとっては魅力的な投資対象となっています。

ただし、EBITDA有利子負債倍率が4.96倍と高く、財務リスクがあることを示しています。

基本的には、EBITDA有利子負債倍率は2倍以下であれば財務リスクが低く、4倍以上であれば財務リスクが高いことを示すとされています。

そのため、同社の倍率は適度な範囲を超えており、今後の配当増加には収益の拡大によって債務が軽減されることが必要でしょう。

同社は四半期ごとに配当を支払っており、次回の権利落ち日は2024年11月11日(月)と予想されています(直近の権利落ち日は2024年8月14日)。

以上より、コンソリデーテッド・エジソンの投資家は、今後も同社の財務レバレッジや業界の動向に注視しながら、配当の持続可能性を見守る必要があるでしょう。

予想配当利回り3.19%

配当性向66%

配当カバレッジ・レシオ1.57

過去5年間の配当成長率2.40%

EBITDA有利子負債倍率4.96

DPS(Dividend Per Share):1株当たりの配当金

(出所:筆者作成)

Dividend Yield:予想配当利回り

(出所:筆者作成)

Dividend Payout:配当性向

(出所:筆者作成)


関連用語

1株当たりの配当金:企業が株主に支払う配当金を、発行されている株式の総数で割った値。これにより、株主が保有する1株あたりに受け取ることができる配当金の金額が示される。

配当成長率:企業が過去数年間にどれだけ配当金を増加させたかを示す割合。配当成長率が高いほど、企業が株主に対して利益を還元する意欲が強いことを示す。

予想配当利回り:企業が次年度に支払うと予想される配当金を現在の株価で割った割合。投資家にとって、どれだけのリターンを配当として受け取ることができるかの見込みを示す。

配当性向:企業の純利益に対して、どれだけの割合を配当金として支払っているかを示す指標。計算は、配当金を純利益で割って算出され、配当性向が高すぎると、企業の成長投資に使える資金が減少する可能性がある。

EBITDA有利子負債倍率:EBITDA(税引前利益、利払い、減価償却前の利益)に対する有利子負債の割合を示す。企業の有利子負債が利益によってどれだけカバーできるかを示す指標で、低いほど財務的な健全性が高いとされている。

配当カバレッジ・レシオ:企業の利益が、支払われる配当金をどれだけ上回っているかを示す指標。計算は、利益(通常は純利益かEBITDA)を配当金で割ることで算出され、配当カバレッジ・レシオが高いほど、配当が持続可能であると考えられている。

配当王:50年以上にわたり連続して配当を増やし続けている企業。これに該当する企業は、長期間にわたり安定した利益成長と配当支払いを維持していることを示している。

配当貴族:25年以上連続して配当を増やしている企業。これも安定した配当成長を実現している企業に与えられる称号。

各指標のより詳細な解説は、下記のコラムをご覧ください。

関連コラム

配当金とは?配当金の詳細と仕組みを徹底解説!

配当株投資のメリットとリスクとは?

インカム・高配当株投資家として成功するためには?米国株高配当銘柄から成るポートフォリオのメリットと作り方を徹底解説!

50年以上連続して増配する米国株配当王の一覧・ランキングと投資を検討する際に考慮すべきポイントを徹底解説!

最新のバフェット銘柄:ウォーレン・バフェット氏がポートフォリオに保有する株式一覧と投資哲学、最新の注目銘柄を徹底分析!

配当株投資関連の専門用語と重要指標一覧


コンソリデーテッド・エジソン(ED)のバリュエーションに関して

コンソリデーテッド・エジソン(EDの現在の株価は104.02ドルで、弊社算出の一株当たり本質的価値である92.93ドルよりも高い水準にあり、安全余裕率(マージン)が-11.92%とマイナスとなっていることから、割高である可能性が示唆されています。

また、直近過去12ヶ月間の実績ベースのPERは20.2倍で、過去10年間の中央値の18.66倍をやや上回るものの、過去最高の25.02倍を下回っています。

一方で、予想PERは18.51倍となっており、市場が今後の収益成長を期待していることを反映しています。

ただし、EV/EBITDA倍率は11.35倍で、過去10年間の中央値の10.59倍を上回り、利益に対して割高に評価されていることがわかります。

さらに、PBRは1.67倍で、過去10年間の中央値の1.54倍より高く、過去10年間の最高値である1.83倍を下回るものの、純資産に対してやや割高な評価となっています。

加えて、株価売上高倍率は2.42倍で、過去10年の高値に近く、売上高を基準とした場合、投資家が過去平均よりも高い価格で評価していることが示されています。

市場のアナリストの評価では、最近の目標株価の平均が98.08ドルと現在の株価をやや下回っており、今後の成長見通しに対して慎重な姿勢が示されています。

過去3ヶ月間で同社への目標株価は徐々に上昇しているものの、依然として上昇余地は限定的であるように見えます。

全体的に見て、一部の指標は過去と整合していますが、安全余裕率がマイナスであることや株価売上高倍率倍、EV/EBITDA倍率が高水準にあることは、コンソリデーテッド・エジソンが歴史的な基準と比較して割高である可能性を示唆していることから、投資家は慎重に判断する必要があるでしょう。

(出所:筆者作成)


上記グラフにおける関連用語

Price:現在の株価

Yiazou Value:弊社算出の一株当たり本質的価値

DCF (FCF Based):フリーキャッシュフローに基づくDCF法を用いて算出した理論株価

DCF (Earnings Based):収益に基づくDCF法を用いて算出した理論株価

Median P/S:株価売上高倍率の中央値ベースの理論株価

Perter Lynch:ピーター・リンチ氏のバリュエーション計算方法に基づく理論株価

赤線:上記の各バリュエーション手法により算出された理論株価の平均値


関連用語

実績PER(Price Earnings Ratio):過去1年間の実績ベースの1株当たり利益(EPS)に対する現在の株価の倍率。企業が過去にどれだけの利益を上げたかに基づいて、株価が割安か割高かを評価する指標。

予想PER(Forward PER):予想される1株当たり利益(来年度のEPS予想)に対する現在の株価の倍率。将来の利益見込みに基づいて、株価が割安か割高かを評価する指標。

PEGレシオ(Price/Earnings to Growth Ratio):PERを企業の利益成長率で割った指標。成長率を考慮した株価の割安・割高を判断するために使われ、一般的に1以下が割安とされる。

株価売上高倍率(Price to Sales Ratio, PSR):企業の売上高に対する現在の株価の倍率。売上高に対して株価がどれだけの価値を持つかを示す指標で、低いほど割安とされる。

株価フリー・キャッシュフロー倍率(Price to Free Cash Flow Ratio, P/FCF):企業がフリー・キャッシュフロー(営業キャッシュフローから資本的支出を差し引いた金額)に対する現在の株価の倍率。企業のキャッシュフロー創出能力に対して株価が割安か割高かを判断する。

EV/EBITDA倍率(Enterprise Value to EBITDA Ratio):企業価値(EV:株式時価総額+負債−現金)をEBITDA(税引前利益、利払い、減価償却前の利益)で割った指標。企業全体の価値に対する収益力を評価するために用いられる。

PBR(Price to Book Ratio, 株価純資産倍率):企業の純資産(簿価)に対する現在の株価の倍率。株主資本に対して株価がどれだけの価値を持つかを示し、1倍以下だと市場での評価が純資産を下回っているとされる。

各指標のより詳細な解説は、下記のコラムをご覧ください。

関連コラム

PER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)とは?PERとPBRの詳細と目安を徹底解説!

PERはマイナスになることがあるのか?PERの詳細と目安を徹底解説!

PER(株価収益率)100倍の銘柄は買うべき?PERの考え方を徹底解説!

株価売上高倍率(PSR)とは?株価売上高倍率の詳細と目安を徹底解説!

配当株投資関連の専門用語と重要指標一覧


コンソリデーテッド・エジソン(ED)のリスクとリターンに関して

コンソリデーテッド・エジソン(EDのリスク・リターン評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたいと思います

まずマイナス面では、過去3年間で同社は47億ドルの長期債務を追加しており、財務状況に負担がかかる可能性があります。

さらに、過去5年間で営業利益率が毎年平均-5.7%のペースで減少しており、効率の低下やコスト増加が収益性に悪影響を与えていることが懸念されます。

加えて、昨年の1株あたり売上高の減少は、成長維持が難しい状況を示唆しています。

バリュエーション指標においても、PBRや株価売上高倍率が10年ぶりの高水準に達しており、株価が割高である可能性があります。

さらに、ROIC(投下資本利益率)がWACC(加重平均資本コスト)を下回っており、資本の効率的な活用に課題があることが示されています。

一方、インサイダーによる同社株式の買い増しは、社内で一定の信頼があることを示し、ベニッシュのMスコアでは同社が利益操作を行っている可能性が低いことが示されています。

しかし、全体として見ると、財務の不安定さや株価の過大評価が懸念されるため、投資家は慎重に判断する必要があるでしょう。


関連用語

財務レバレッジ:企業が負債をどれだけ活用して資産を増やしているかを示す指標。高い財務レバレッジはリスクを伴うが、うまく活用すればリターンが増加する可能性もある。 目安は業界によって異なるが、一般的には2~3倍が理想とされ、高すぎると財務リスクが高まるとされている。

アルトマンのZスコア:企業の財務健全性を評価するための指標で、特に倒産リスクを予測するのに用いられる。複数の財務指標を組み合わせて計算され、Zスコアが低いほど倒産リスクが高いとされる。目安としては、3.0以上は安全、1.8未満は倒産リスクが高いとされている。

ベネッシュのMスコア:企業が財務報告において不正行為や収益の過大計上を行っている可能性を評価する指標。スコアが高いと、財務操作のリスクが高いとされ、-2.22以下で不正の可能性が低いとされている。

ピオトロスキーのFスコア:企業の財務健全性や成長性を評価するための指標で、9つの財務指標に基づいてスコアが付けられる。スコアが高いほど、財務状況が健全であると評価される。目安としては、7〜9は財務状況が非常に健全、4〜6は平均的、0〜3は財務上の懸念がある可能性が高いとされている。

インタレスト・カバレッジ・レシオ(利息カバレッジ比率):企業が稼いだ利益(通常は営業利益)が、支払わなければならない利息に対してどれだけ余裕があるかを示す指標。計算式は、営業利益 ÷ 利息費用。目安としては、2倍以上が望ましいとされ、これは企業が利息の2倍以上の利益を稼いでいることを意味し、財務的な余裕があると評価される。逆に、1倍以下だと、利息の支払いが困難になる可能性があり、財務リスクが高まる。

ベンジャミン・グレアム:現代のバリュー投資の父と呼ばれる著名な投資家であり、経済学者。「証券分析」や「賢明なる投資家」などの著書を通じて、企業の本質的価値に基づいて株を割安に買うというバリュー投資の概念を広めた人物。彼の投資哲学は、リスクを抑えつつ堅実なリターンを得ることを目指し、多くの投資家に影響を与えている。

各指標のより詳細な解説は、下記のコラムをご覧ください。

関連コラム

配当株投資関連の専門用語と重要指標一覧


コンソリデーテッド・エジソン(ED)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して

コンソリデーテッド・エジソン(ED)のインサイダー取引分析によると、過去12ヶ月間でインサイダーによる同社株式の買い付けが売却を大幅に上回っています。

具体的には、67件の買い付け取引に対して売却取引はわずか2件しかなく、役員や経営陣が同社株式の見通しに対して前向きな姿勢を示していることがわかります。

ただし、インサイダーによる同社株式の保有比率はわずか0.41%である点にはご留意ください。

一方で、プロの機関投資家の保有比率は68.69%と高く、プロの機関投資家が同社の成長に対して強い信頼を持っていることを示しています。

全体として、コンソリデーテッド・エジソンのインサイダー取引や保有比率の傾向からは、主要な利害関係者が同社の将来性に対して好意的であることがうかがえ、潜在的な投資家にとってもポジティブな要素と見なされる可能性があるでしょう。

インサイダー(内部関係者)による売買

(出所:筆者作成)


関連用語

インサイダーによる自社株式の保有比率:企業の経営陣や役員、主要株主(一般的に10%以上の株式を保有する人)が、その企業の株式をどれだけ保有しているかを示す割合。インサイダーが多くの株式を保有している場合、彼らが企業の将来に自信を持っていると見なされることが多い。

機関投資家による株式の保有比率:投資ファンドや保険会社、年金基金などのプロの機関投資家が、その企業の株式をどれだけ保有しているかを示す割合。機関投資家の保有比率が高いと、その企業が市場で信頼されていると判断されることがある。


コンソリデーテッド・エジソン(ED)の流動性に関して

コンソリデーテッド・エジソン(ED)の直近営業日の1日あたりの出来高は1,053,576株で、過去2ヶ月間の平均である1,783,069株を下回っています。

これは、同社の流動性が足元低下している可能性を示しています。

また、同社のダークプール指数(DPI)は55.55%となっており、取引の多くがダークプールで行われていることを示しています。

この割合は、半数以上の取引が従来の取引所外で実行されていることを意味し、価格の透明性や市場の動きに影響を与える可能性があります。

DPIが高い場合、大口の機関投資家が活発に取引していることが多く、これにより公開市場での価格変動が抑えられる一方で、実際の市場需要や供給が見えにくくなることがあります。

現在の取引状況は、取引量が平均を下回り、かなりの割合の取引がダークプールで行われているため、流動性は中程度にとどまっていると考えられます。

これらの点は取引コストや価格変動に影響を与える可能性があるため、投資家はこれらの要素を考慮して取引の判断を行う必要があるでしょう。


関連用語

ダーク・プール(私設取引所):株式などの金融商品が公開市場(例えば証券取引所)ではなく、非公開の場で取引されるプラットフォームのこと。ダーク・プールでは取引の内容(注文の価格や数量)が一般に公開されないため、大量の株式を売買する際に市場に与える影響を最小限に抑えることができる。主に機関投資家が利用し、取引の透明性が低い点が特徴。

ダーク・プール指数(DPI):ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。


アナリスト紹介:イアニス・ゾルンパノス氏

イアニス・ゾルンパノス氏は、詳細なビジネス分析を通じてデューデリジェンス・プロセスを向上させることを目的とした株式市場調査プラットフォーム、「イアゾウ・キャピタル・リサーチ」の創設者です。

以前はデロイトとKPMGで外部監査と内部監査、並びに、コンサルティング業務に従事しておりました。ゾルンパノス氏は、公認会計士資格を保有し、ACCAグローバルのフェロー・メンバーでもあります。更に、英国の一流ビジネススクールで学士号と修士号を取得しております。

ゾルンパノス氏のその他の配当関連のレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、ゾルンパノス氏のプロフィールページにアクセスしていただければと思います。


直近の配当関連銘柄レポート

1. エマソン・エレクトリック(EMR:配当王・予想配当利回り2%・配当性向40%)決算後株価下落で割安?今後の株価見通しと将来性に迫る!

2. ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS:予想配当利回り5%・配当金1.63ドル)の今後の株価見通しと将来性に迫る!

インベストリンゴでは、弊社のアナリストが、高配当関連銘柄からAIや半導体関連のテクノロジー銘柄まで、米国株個別企業に関する動向を日々日本語でアップデートしております。そして、インベストリンゴのレポート上でカバーされている米国、及び、外国企業数は250銘柄以上となっております。米国株式市場に関心のある方は、是非、弊社プラットフォームよりレポートをご覧いただければと思います。

弊社がカバーしている企業・銘柄の一覧ページはこちら

Yiazou.com

※インベストリンゴ上のいかなるレポートは、投資や税務、法律のアドバイスを提供するものではなく、情報提供を目的としています。本資料の内容について、当社は一切の責任を負いませんので、あらかじめご了承ください。具体的な投資や税務、法律に関するご相談は、専門のアドバイザーにお問い合わせください。