強気インテュイティブ・マシーンズすべて表示インテュイティブ・マシーンズ(LUNR)の将来性は良好!最新決算と強み分析を通じて今後の株価見通しに迫る!
マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ- 本稿では、米国の注目の宇宙関連グロース企業であるインテュイティブ・マシーンズ(LUNR)の最新の決算分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性に関する詳細な分析を解説していきます。
- インテュイティブ・マシーンズは、数十億ドル規模のNASAとの契約や宇宙産業の商業化に不可欠なサービスによる強い成長期待から新たにポートフォリオに追加することにしました。
- 現時点では赤字であり、インサイダーによる株式売却も見られますが、今後の売上成長や戦略的なポジションにより、大きな上昇余地があると見ています。
- NASAとの契約は最大48億2,000万ドルに及び、同社は月面商業化インフラの主要企業として位置づけられているように見えます。
- 2025年末までに1株あたり12ドルを目標株価としており、将来の予想売上高の2倍というバリュエーションであることを踏まえると、同社の現在のバリュエーションは魅力的であるように見えます。
インテュイティブ・マシーンズ(LUNR)に関して
インテュイティブ・マシーンズ(LUNR)は、私が新たにポートフォリオに追加することにした銘柄です。まずは、弱気な見方についてお話ししますが、これは強気な理由に納得していただくためのものです。
この会社は宇宙インフラサービスを提供しており、非常に魅力的です。特に、現時点でのバリュエーションは割安であるように見え、2025年末までに1株あたり12ドルを目標株価としています。本稿は少し内容が多いので、さっそく詳細に入っていきたいと思います。
インテュイティブ・マシーンズ(LUNR)に注目した理由とは?
インテュイティブ・マシーンズ(LUNR)は、宇宙の商業化を目指し、主に3つのサービスを提供しています。宇宙への輸送(たとえば月面ミッション)、データ伝送、自律運用です。これらのサービスは、月への荷物輸送や火星探査、小惑星の採掘などに欠かせないものです。同社は、これらのミッションに必要なインフラを提供しており、機器を運ぶ宇宙船や惑星の表面で自律運用を支援するデータサービスなどを提供しています。この3つのサービスが同社の強みとなっています。
短期的には、インテュイティブ・マシーンズは急成長しており、2024年の売上は前年の2.6倍から3倍に達する見込みです。最近のミッション成功、主要契約の獲得、強力な受注残高が、好調な成長の兆しを示しています。また、月面通信やナビゲーションに不可欠なデータ中継衛星サービスの新規契約獲得によって、さらなる成長が期待されています。この成長は、宇宙探査やインフラサービスの需要拡大を反映しています。
しかし、インテュイティブ・マシーンズはまだ黒字化しておらず、直近の四半期では2,820万ドルの営業損失を計上しています。損失の主な原因は、月面ミッションにかかる高額な初期費用や、上場企業としてのコスト、契約修正に伴う費用です。同社は今後12ヶ月間の運営資金を十分に確保していますが、高い運営コスト、ミッション成功のリスク、そしてNASAのVIPERプログラムなどの政府資金への不確実性といった逆風に直面しています。
それでは、弱気な見解について説明していきます。
インテュイティブ・マシーンズ(LUNR)のリスク要因に関して
インテュイティブ・マシーンズ(LUNR)に関するリスク要因としては2つの主なポイントがあります。
まず1つ目は、インサイダー(内部関係者)が非常に活発に同社の株式を売却している点です。こちらが9月の売却状況のスクリーンショットですが、9月以前にも売却が行われていました。
(出所:SecForm4.Com)
このインサイダーによる売却が投資家の不安材料となり、株価に悪影響を与えています。
さらに、昨日、独立取締役のマイケル・ブリッツァー氏が同社の全持株を売却し、約150万株(ワラントを含む)が市場に放出されました。
ただし、インサイダーがまだ大量の株式を保有している点も重要です。
(インテュイティブ・マシーンズのSECへの提出資料)
例えば、カマル・ガファリアン博士は複数の企業を立ち上げた人物ですが、それでも彼は同社のクラスA株とクラスC株(非公開・議決権あり)を合わせて約4,900万株保有しています。
このため、同社の経営陣が同社株の15%以上、場合によっては20%近くを保有していると考えられ、その価値はおよそ1億5000万ドルから2億ドルに相当します。確かに売却は行われていますが、この点はすでに株価に織り込まれていると見ています。
もう1つの懸念は、これまでのところ、同社はずっとマイナスの粗利益率を出している点です。いくら売上が急成長しても、そのコストが利益を圧迫しているのです。
(インテュイティブ・マシーンズの決算資料)
つまり、現時点では事業が拡大しにくい状況にあります。このため、同社株の約20%が空売りされています。
しかし、最近の動向を考慮すると、来年の今頃には事業規模がさらに拡大し、同社は損益分岐点に向かうと私は予想しています。
次に、同社に関する強気な見解についてお話しします。
インテュイティブ・マシーンズ(LUNR)の画期的な契約に関して
インテュイティブ・マシーンズ(LUNR)は、宇宙の商業化に向けて、主に「宇宙への輸送(月面ミッションなど)」「データ伝送」「自律運用」の3つのサービスを提供しています。
これらのサービスは、月への貨物輸送や火星探査、小惑星の採掘などに欠かせないものであり、同社はこれらのミッションに必要なインフラを提供しています。具体的には、機器を運ぶ宇宙船や、惑星表面での自律運用を支援するデータサービスなどを提供し、これら3つのサービスが同社の強みとなっています。
さて、先週、インテュイティブ・マシーンズはNASAから「Near Space Network」を通じて通信およびナビゲーションサービスを提供する大規模な契約を受注しました。このネットワークは、地球から月を越えた宇宙空間までをカバーするものです。
契約総額は最大48億2,000万ドルで、来月から契約がスタートします。契約はまず5年間、その後さらに5年延長するオプションがあり、最長で2034年まで続く可能性があります。
この契約は「固定価格・複数受注」形式で、段階的にタスクオーダーが発行される仕組みです。まずNASAは1億5,000万ドル分のタスクオーダーを発行し、契約が進むにつれてさらに追加される可能性があります。
この契約により、インテュイティブ・マシーンズはNASAの「アルテミス計画」を支援する重要な役割を果たします。アルテミス計画は、月に長期的な拠点を構築することを目的としています。
この契約の核となるのは、同社が計画している「月面衛星コンステレーション」の展開で、これにより月面探査に必要な高度なデータ伝送や自律運用が実現します。
ここで重要なのは、NASAが契約を発注するまでに厳しい精査を経ており、同社が宇宙探査のインフラサービスにおいて最高の技術を持っていると認められているということです。
事業が持続的に収益を上げる計画がなければ、NASAが資金を投じる意味はないでしょう。つまり、同社がその資金を有効に活用できないような状況では、NASAにとっても無駄になるでしょう。
現在の財務状況だけを見ると、将来は不透明に感じるかもしれませんが、こうした背景を踏まえた上で、次に同社の基本的な財務状況について詳しく見ていきましょう。
インテュイティブ・マシーンズ(LUNR)の売上高成長率は引き続き高い水準を維持する見込み
インテュイティブ・マシーンズ(LUNR)の売上高成長率(%)
(出所:筆者作成)
短期的には、インテュイティブ・マシーンズ(LUNR)は力強い成長を見せており、2024年の売上は2億1,000万ドルから2億4,000万ドルになると予測されています。これは前年の売上の2.6倍から3倍に相当します。
(インテュイティブ・マシーンズの決算資料)
ただし、上記の通り、同社のバックログ(受注残高)は前年同月比で減少しており、急成長を期待される企業としてはやや気になる点です。しかし、このデータは直近の2024年第2四半期決算によるもので既に古いものです。今後4週間以内に発表される2024年第3四半期の決算で、バックログが大幅に増加すると期待しています。
この点を踏まえると、市場のアナリストの同社に対する2025年の予測は過小評価されているのではないかと疑問に思っています。
(出所:Seeking Alpha)
市場の売上成長率予測を見ても、2024年第1四半期との比較は確かに難しい部分があるでしょうが、市場のアナリストが予測しているほど厳しくない可能性もあります。
また、NASAとの契約は10月から始まり、その契約総額は最大で48億ドルに達すると見込まれています。2025年にはそのうち3億5,000万ドルから5億ドル程度が売上に反映されると考えられます。これはあくまで大胆な仮定で、契約額を10年間で均等に分割し、そのうえで保守的に見積もったものです。
いずれにしても、これによりインテュイティブ・マシーンズの2025年の売上は、アナリストの予想する3億7,000万ドルに対して、50%から80%増加する可能性があると見ています。
この前提をもとに、次は同社のバリュエーションについて見ていきましょう。
インテュイティブ・マシーンズ(LUNR)のバリュエーション:来年の予想売上高の2倍
インテュイティブ・マシーンズ(LUNR)には負債がなく、バランスシートには約2,000万ドルの現金があると推定しています。強固な財務基盤とは言い難いですが、来月にはNASAとの契約により、同社に必要な資金が大幅に注入される見込みです。
さらに、この契約の規模から、インテュイティブ・マシーンズはNASAが月面商業化インフラサービスにおいて最も信頼する企業のひとつであることが分かります。
つまり、今のバリュエーションは、将来の予想売上高の約2倍という水準である一方で、2025年に向けて年平均成長率100%以上の急成長を期待できる企業であると見ています。数十億ドル規模の契約が本格化すれば、同社の財務は非常に安定することでしょう。
インテュイティブ・マシーンズ(LUNR)に対する結論
私は、インテュイティブ・マシーンズ(LUNR)が今、将来の予想売上高の2倍程度で評価されている現状は非常に魅力的だと考えています。確かに現時点では粗利益率の改善に課題がありますが、宇宙インフラ市場での強力なポジションが今後の成長を大いに後押しすると見ています。
同社は、数十億ドル規模のNASA契約を契機に、今後数年間で大幅な成長を遂げる可能性があります。2024年から2025年にかけて売上が2倍以上になると予測されており、NASAも同社を月面商業化における重要なパートナーと見なしていることから、同社のスケール拡大と収益化の可能性は十分に高いと考えています。
そのため、この戦略的な成長の勢いは、現在のバリュエーションを正当化するものであると考え、2025年末までの同社株式の目標株価を1株12ドルとしています。
その他のインテュイティブ・マシーンズ(LUNR)に関するレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、インテュイティブ・マシーンズのページにアクセスしていただければと思います。
また、私のプロフィール上にて、私をフォローしていただければ、最新のレポートがリリースされる度に、リアルタイムでメール経由でお知らせを受け取ることが出来ます。
私のテクノロジー関連銘柄やエネルギー関連銘柄に関するレポートに関心がございましたら、是非、フォローしていただければと思います。
アナリスト紹介:マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ
📍テクノロジー&エネルギー担当
オリベイラ氏のその他のテクノロジー関連銘柄のレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、オリベイラ氏のプロフィールページにアクセスしていただければと思います。
インベストリンゴでは、弊社のアナリストが、高配当関連銘柄からAIや半導体関連のテクノロジー銘柄まで、米国株個別企業に関する動向を日々日本語でアップデートしております。そして、インベストリンゴのレポート上でカバーされている米国、及び、外国企業数は250銘柄以上となっております。米国株式市場に関心のある方は、是非、弊社プラットフォームよりレポートをご覧いただければと思います。