中立アルコアアルコア / AA / 予想配当利回り1.13% / 中立:最新の2024年1Q決算・強み(優位性)分析と今後の株価見通し・将来性
イアニス・ ゾルンパノス- アルコア(AA / 予想配当利回り:1.13% / 配当性向:マイナス)は、ボーキサイト採掘、アルミナ精製、一次アルミニウム製造を含む垂直統合型アルミニウム企業である。
- ボーキサイトの採掘とアルミナの精製を主な事業としており、その利益はアルミニウムのサプライチェーンにおける商品価格と密接に結びついている。
- 同社は2024年4月17日に2024年第1四半期決算を発表している。
アルコア(AA)の概要
セクター:金属・鉱業
現在の価格:36ドル
時価総額:64.8億ドル
弊社算出の一株当たり本質的価値:20.295ドル
安全マージン:-77.77%
過去5年間の配当成長率:N/A
直近配当落ち日:2024年3月4日
直近配当支払い日:2024年3月21日
予想配当利回り:1.13%
過去5年間の売上高成長率:-0.20%
過去10年間の売上高成長率:-0.90%
アルコア(AA/ 予想配当利回り:1.13% / 配当性向:マイナス)は、ボーキサイト採掘、アルミナ精製、一次アルミニウム製造を含む垂直統合型アルミニウム企業である。
ボーキサイトの採掘とアルミナの精製を主な事業としており、その利益はアルミニウムのサプライチェーンにおける商品価格と密接に結びついている。
同社はボーキサイト、アルミナ、アルミニウムの3セグメントから構成されており、アルミニウム・セグメントから最大の売上高を生み出している。
また、地域的には、売上高の大半を米国から得ている。
そして、同社は2024年4月17日に2024年第1四半期決算を発表している。
アルコア(AA)の収益と成長に関して
アルコア(AA)の2024年度第1四半期の非経常損益項目を除くベースでのEPSは-0.81ドルとなり、前四半期の-0.56ドルと比較して減少していることが分かる。
また、希薄化後のEPSも-0.84ドルから-1.41ドルに減少している。
一方で、一株当たり売上高は14.5~15.0ドルの範囲で比較的安定していると言える。
加えて、長期的なパフォーマンスを見ると、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率(CAGR)、並びに、過去10年間の年平均成長率は不安定であり、収益性にボラティリティがあることが伺える。
ただし、今後10年間の同社業界の成長予測はプラスであり、潜在的な成長機会を示している。
一方で、同社は歴史的に高い財務レバレッジを維持しており、業績にも影響を及ぼしており、近い将来、大幅な成長を実現する上で課題に直面する可能性がある。
以上より、投資家はアルコアが財務レバレッジと資本構造にどのように対処し、将来の持続的成長に向けてより良いポジションを確立していくかを注視すべきである。
アルコア(AA)の配当に関して
アルコア(AA)の直近の一株当たり配当金(DPS)は0.10ドルで、2024年3月21日に支払われており、2021年に配当の支払いを再開して以降、0.10ドルの支払いが一貫して継続している。
そのため、過去5年間と過去3年間の配当成長率がいずれも0.00%と低迷している。
また、同社のEBITDA純有利子負債倍率は134.11倍で、収益に比べて負債が比較的高い水準にあることを示している。
加えて、現在、同社の予想配当利回りは1.13%と控えめな水準となっている。
同社のセクターと比較すると、同社の配当実績は比較的安定しているように見えるが、大きな成長がないのも事実である。
より高い配当成長率を求める配当収入重視の投資家は、同じセクター内の他の企業でより良い機会を見つけることが出来るだろう。
以上より、アルコアの予想配当利回りは控えめだが、安定した配当を求める投資家にとっては安定した配当収入源を提供しているとも言える。
予想配当利回り:1.13%
配当性向:マイナス
配当カバレッジ・レシオ:-9.39
過去5年間の配当成長率:0.00%
EBITDA純有利子負債倍率:134.11
アルコア(AA)のバリュエーションに関して
アルコア(AA)の現在価格である36ドルは、弊社算出の一株当たり本質的価値である20.3ドルより高い水準となっている。
また、EV/EBITDA倍率は403.42で、EBITDAに対して同社株価が過大評価されている可能性を示唆している。
一方で、株価売上高倍率は0.61となっており、株価が売上高に対して比較的低い倍率で取引されていることを示している。
ただし、5年平均、10年平均と比較すると、株価売上高倍率とEV/EBITDA倍率に基づくと、同社はプレミアムで取引されているように見える。
そのため、投資家は同社の現在のバリュエーションを評価する際、過去の平均を考慮するとよいだろう。
以上より、投資家は現在のアルコアのバリュエーションに基づいてこの銘柄が適切な投資対象かどうかを判断するためには、さらに調査を行う必要があるだろう。
アルコア(AA)のリスクとリターンに関して
アルコア(AA)のリスク評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたい。
まずマイナス面では、ピオトロスキーFスコアが3であることは経営不振を示し、年平均-15.4%という長期的な売上総利益率の低下は重大な赤信号であると言える。
さらに、過去12カ月間の1株当たり売上高の減少と、1年ぶりの高値に近い株価水準も気になるポイントである。
また、アルトマンZスコアが1.03と窮境ゾーンにあることから、今後2年間の倒産リスクの可能性も指摘される。
さらに、株価売上高倍率が1年ぶりの高水準に近いこと、予想配当利回りが1年ぶりの低水準に近いことも、全体的なリスクプロファイルに拍車をかけている。
一方でプラス面では、ベニッシュMスコアが-2.09であることから、同社が利益操作をしている可能性は低いと考えられる。
以上より、複数のマイナス指標の組み合わせがプラス面を上回っていることからも、アルコア株式への投資に関連するリスクが高いことを示している。
アルコア(AA)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して
アルコア(AA)のインサイダーによる同行株式の取引は低水準で、過去12ヶ月でインサイダーによる同社株式の買い付けはなかった一方で、インサイダーによる売却は1件のみ確認されている。
しかし、インサイダーによる同社株式の保有比率はわずかに1.38%である点にはご留意いただきたい。
一方、機関投資家の同社株式の保有比率は50.98%とはるかに高く、機関投資家が同社に大きな関心を持っていることを示している。
トレンド分析によると、同社の取締役や経営陣は株式の売買に積極的に参加していない可能性があるが、機関投資家の存在感は大きいことが分かる。
これは、機関投資家がインサイダーと比較して、同社の方向性や業績に大きな影響力を持っていることを示している可能性がある。
アルコア(AA)の流動性に関して
アルコア(AA)の流動性は高く、直近営業日の一日の出来高は5,338,577株で、過去2ヶ月間の1日の平均出来高は6,862,392株となっており、これは同社株式が活発に取引されていることを示しており、投資家が容易に同社株式を売買出来ることを示している。
さらに、同社株式のダークプール指数(DPI)は43.85%で、取引活動のかなりの部分がダークプールで行われていることを示している。
※ダーク・プール指数は、ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。
この高水準のDPIは、同社株式の価格発見への透明性と市場全体の効率性に影響を与える可能性がある。
そして、この水準は、機関投資家がこの銘柄を積極的に取引していることを示唆している可能性がある。
また、ダーク・プールにおける流動性は同社株価の安定に寄与し、株価のボラティリティを低下させるとも言える。
全体として、アルコアは投資家のニーズを満たすのに十分な流動性と取引活動を有しているように見える。