02/13/2025

強気
アップラビン
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この度、私は同社を自身のポートフォリオへの再追加を決定し、2026年夏までの目標株価として1株あたり750ドルに到達する道筋を描いており、同社の強い成長見通しがその根拠となっています。
【テクノロジー】アップラビン(APP)株価予想:目標株価は750ドル!最新の2024年第4四半期決算分析を通じて将来性に迫る!

person using black smartphone with gray and pink caseマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ
  • 本稿では、注目の米国テクノロジー関連銘柄であるアップラビン(APP)の2025年2月12日に発表された最新の2024年第4四半期決算分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
  • この度、私は同社を自身のポートフォリオへの再追加を決定し、2026年夏までの目標株価として1株あたり750ドルに到達する道筋を描いており、同社の強い成長見通しがその根拠となっています。
  • 同社のAIを活用した広告プラットフォームは、ゲーム領域を超えてeコマース分野へと拡大しており、1,000万以上の広告主が存在する巨大な市場を開拓しています。
  • また、アプリ事業を9億ドルで売却したことで、高成長が期待される広告テクノロジー部門に経営資源を集中できるようになり、今後の収益成長を後押しすると見ています。
  • 予想フリーキャッシュフローの51倍というバリュエーションではありますが、同社は依然として魅力的な投資先であり、とりわけソフトウェア部門の爆発的な成長は市場から十分に評価されていないと考えています。

アップラビン(APP)の最新の2024年度第4四半期決算発表を受け、ポートフォリオへの再組み入れを決定!

アップラビン(APP)に関しては、今回で4回目のポートフォリオへの追加になります。そして正直に言うと、「最初から持ち続けていればよかったのに」と思われる方がいるかもしれませんが、 私はバイ・アンド・ホールドの投資家ではありません。ポートフォリオ全体が弱気相場でも耐えられるように管理する必要があります。また、過去のチャートを振り返って大きなことを言うのは簡単というのも事実ではないでしょうか。

アップラビン(APP)に対する見解

アップラビン(APP)は、2025年2月12日に2024年度第4四半期決算を発表しており、今回も驚異的な業績を報告しました。私は、ここに十分な新たな材料があると考えており、2026年夏までの目標株価として、1株750ドルに到達する可能性があると見ています。

そして、投資の仮説はシンプルであるほど、成功する確率が高いと考えています。

私が強気の理由は、同社が「ルール・オブ・90」(私の推測による2025年第1四半期のフリーキャッシュフローマージンと売上成長率を基に算出)を達成すると予測している点です。

多くの企業が「ルール・オブ・40」の達成を目指している中、同社の「ルール・オブ・90」は圧倒的であり、パランティア・テクノロジーズ(PLTR)をも凌ぐレベルです。この成長性を考えれば、バリュエーションの高さもほとんど問題にならないのではないかと見ています。

因みに、「ルール・オブ・40(Rule of 40)」とは、主にSaaS企業の健全性を評価する指標で、売上成長率と利益率の合計が40%以上であることが望ましいとされる考え方です。この指標により、企業が成長と収益性のバランスを適切に取れているかを判断することができます。

例えば、急成長フェーズでは売上成長を優先し、利益率が低くても40%を維持できるかが重要となります。一方、成熟企業は安定した利益率と適度な成長率の組み合わせを目指すこととなります。そして、この指標は、市場の投資家にとっては、SaaS企業の評価基準として広く活用されています。

一方で、実践的な視点を持つことは非常に重要です。どんな投資でも価格は重要な要素です。企業の株価が適正価格に近づいた場合、私はその銘柄に関与したくありません。

その点で言えば、同社は依然として予想フリーキャッシュフローの51倍という水準であり、まだ適正な価格帯にあると考えます。

では、なぜ私は同社が2026年夏までに750ドルに向かうと考えているのか、その理由を詳しく説明していきます!

アップラビン(APP)の今後の見通し

アップラビン(APP)は、モバイル広告プラットフォームを運営しており、企業がモバイルゲームをプレイするユーザーに自社の製品を訴求できるよう支援しています。

現在、毎日10億人以上がモバイルゲームをプレイしており、同社はそれらのゲーム内に広告を配信しています。従来は他のゲーム向け広告が中心でしたが、現在はあらゆる製品の広告を掲載するようになりました。10億人の視線を集められると考えると、そのインパクトは計り知れません。

これは、企業がソーシャルメディアのように、エンゲージメントの高い環境で潜在顧客にリーチできることを意味します。同社の強みは、AIを活用した広告配信システムにあり、適切な広告を適切な人に適切なタイミングで届けることが可能です。これにより、広告主にとっては効果の高い広告運用が実現し、ゲーム開発者にとってはゲームからの収益向上につながります。

さらに、同社はゲーム広告を超えて、eコマース領域への本格的な進出を進めています。同社の広告システムは、ゲームだけでなく、あらゆる業界の商品販売にも優れていることが証明されています。

すでにゲーム以外のブランドとの提携を進めており、非常に良い成果を上げています。しかし、最大のチャンスは、企業が簡単に広告を出稿できるセルフサービスツールの展開にあります。これにより、世界中に存在する1,000万以上の広告主市場を開拓することが可能になります。

もしこの戦略が成功すれば、同社はデジタルコマース広告の主要プレイヤーとなる可能性があり、メタ・プラットフォームズ(META)やGoogle(GOOG)が築いた広告帝国に匹敵する存在になるかもしれません。

実際、アップラビンはすでにトレード・デスク(TTD)の地位を奪いつつあります。

アップラビン(APP)の事業の転換点

長年、アップラビン(APP)はAIモデルを訓練するためにゲームスタジオを所有してきましたが、本質的にはゲーム開発会社ではありませんでした。そして、広告プラットフォームの成長を受け、同社はアプリ事業を完全に売却する決断を下しました。

具体的には、9億ドルでアプリ事業を売却し、5億ドルは現金で、4億ドルは統合後の非公開企業への小規模な持分として受け取ります。この取引は2025年第2四半期から開始される予定です。

この売却により、同社は広告事業の成長に100%集中できるようになり、一方でゲームスタジオは、ゲーム開発に専念できる企業のもとで新たなスタートを切ることができます。

これは、同社にとって大きな転換点となります。同社はもはや「ゲーム会社の広告事業」ではなく、「ソフトウェアを駆使した広告テクノロジー企業」として、グローバルなマーケティング業界を再定義しようとしています。

アップラビン(APP)の売上高:2025年の売上成長率は前年比35%を示唆

アップラビンの売上高成長率(%)

(出所:筆者作成)

アップラビン(APP)の2025年第1四半期のガイダンスは、前年比33%の成長を見込んでいます。しかし、第1四半期は最も厳しい比較対象となる四半期であることが重要なポイントです。

2025年が進むにつれ、同社の前年比成長率は高い30%台を記録する可能性が高いと考えています。

これが強気の根拠であり、その他の要素は大きな意味を持ちません。そして、特に注目すべきは、成長を牽引しているのが同社のソフトウェア部門である点です。

具体的に説明すると、2025年第1四半期のガイダンスではソフトウェア部門の前年比成長率は56%を見込んでいます。一方で、事業全体の成長を抑えているのはアプリ部門であり、経営陣はすでに売却の意向を示しています。

したがって、最も注視すべきはソフトウェア部門の成長です。現在の同社の連結売上成長率が前年比33%にとどまっているのは、アプリ部門が足を引っ張っているためであり、実際にはより強い成長ポテンシャルを秘めています。

この点を踏まえ、次にバリュエーションについて考察します。

アップラビン(APP)のバリュエーション:予想フリーキャッシュフローの51倍

アップラビン(APP)は、アプリ事業の売却を考慮すると純負債が24億ドルあります。この点については以前から認識しており、通常、純負債が大きい企業を私は避ける傾向にあります。しかし、今回に関しては時価総額の約1%に過ぎないため、それほど大きな問題ではないと考えています。

さて、昨年の11月8日に執筆した分析レポートにおいてお話しした内容を振り返ると——

「上記からも分かる通り、私の予想は控えめすぎたようです。同社のフリーキャッシュフローは、当初の見積もりよりも実際には30億ドルに近づく可能性があると思っています。」

※上記の分析レポートの詳細はインベストリンゴのプラットフォーム上よりご覧ください。

私の以前の予想では、2025年の売上は30億ドルと見込んでいました。しかし現在は、2025年のある時点で33億ドルに近づく可能性があると考えています。これはフォワード・ランレート(forward run-rate)としての見通しであり、例えば2025年第4四半期の時点から12カ月先を見据えた予測を意味します。

同社の事業は依然として明らかに成長フェーズにあります。ただ、今後はアプリ事業がなくなるため、これまでのように追加のフリーキャッシュフローを生み出すことはできません。この点も考慮する必要があります。

とはいえ、フリーキャッシュフローを最大化することが絶対に求められるわけではありません。しかし、今後12カ月間にわたって同社株式をポートフォリオに維持するべきかどうかを判断するために、バリュエーションを再確認することは重要です。そして、現時点においては、私はその判断が依然として妥当であると考えています。

アップラビン(APP)を取り巻くリスク要因

アップラビン(APP)がアプリ事業を売却すると、2025年第2四半期以降の売上成長の推移が不安定になる可能性があります。これにより、連結成長率が見た目ほど良くないと市場に映るかもしれません。

もし同社が「ハイパーグロース企業」と見なされなくなった場合、予想フリーキャッシュフローの51倍という評価は割高と判断される可能性があります。

アップラビン(APP)に対するまとめ

アップラビン(APP)のアプリ事業売却は、同社にとって重要な転換点となります。これにより、広告テクノロジー企業としての本来のポテンシャルを完全に引き出すことが可能になります。

AI駆動のプラットフォームがデジタル広告の変革を主導し、eコマース分野への拡大を進めることで、売上成長は市場予想を超えるペースで加速しています。

特に、ソフトウェア部門の爆発的な成長は依然として市場で過小評価されており、予想フリーキャッシュフローの51倍という水準でも、同社は依然として魅力的な投資対象であるように見えます。

以上より、市場が同社の本来の価値を正しく評価するにつれ、2026年夏までに1株750ドルへ向かう可能性は十分にあると考えています。

また、私はテクノロジー&エネルギー銘柄に関するレポートを毎週複数執筆しておりますので、私のインフレクション投資に関心がございましたら、私のプロフィール上にてフォローをしていただくと、ポートフォリオへの新規組み入れや除外の際に私が最新のレポートを執筆する度に、リアルタイムでメール経由でお知らせを受け取ることができます。

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その他のアップラビン(APP)に関するレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、アップラビンのページにてご覧いただければと思います。

加えて、今回の決算では、新たにパランティア・テクノロジーズ(PLTR)、アップスタート・ホールディングス(UPST)、アトラシアン(TEAM)をポートフォリオに追加しており、下記の詳細な分析レポートも執筆しておりますので、是非、併せてご覧いただければと思います。

パランティア・テクノロジーズ

アップスタート・ホールディングス

アトラシアン



アナリスト紹介:マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ

📍テクノロジー&エネルギー担当

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