01/21/2025

【高配当】ブライトスパイア・キャピタル(BRSP)今後の株価見通し:配当金は0.16ドル!最新の決算分析を通じて将来性に迫る!

real estate letter blocksイアニス・ ゾルンパノスイアニス・ ゾルンパノス
  • 本稿では、注目の米国高配当REITであるブライトスパイア・キャピタル(BRSP・予想配当利回り11.05%・1株当たり配当金0.16ドル)の2024年10月29日に発表された最新の2024年度第3四半期決算と配当推移の分析を通じて、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
  • ブライトスパイア・キャピタルは、カリフォルニア州ロサンゼルスを拠点とする商業用不動産クレジットREITで、高配当利回り(11.05%)と多様な不動産投資ポートフォリオを特徴としています。
  • 直近の財務パフォーマンスでは、EPSの回復傾向が見られる一方、収益成長の減少や粗利益率の低下など、収益性の課題が浮き彫りとなっています。
  • 現在の株価は本質的価値を大きく上回っており、一部のバリュエーション指標で割安性が示されるものの、運営効率や負債水準に起因するリスクを慎重に検討する必要があるでしょう。

ブライトスパイア・キャピタル(BRSP)の概要


セクター:REIT(不動産投資信託)

現在の株価:5ドル

時価総額:7億5088万ドル

過去5年間の配当成長率:-13.30%

直近配当落ち日:2024年12月31日

直近配当支払い日:2025年1月15日

予想配当利回り:11.05%

過去5年間の売上高成長率:-7.60%


関連用語

安全マージン(Margin of Safety):株式の本質的価値(本来の価値)とその市場価格との間にある差のこと。投資家はこの差を利用して、予想が外れた場合や市場の変動によるリスクを軽減するための「安全な余裕(マージン)」を確保する。例えば、本質的価値が100円の株が市場で80円で取引されている場合、その20円の差が安全マージンとなる。この差が大きいほど、投資のリスクが低くなるとされている。

売上高成長率:企業の売上高が前年と比べてどれだけ増加したかを示す割合で、企業の成長スピードや市場での競争力を評価するための指標。一般的にプラス成長が望ましく、高いほど企業の成長力が強いと言える。


足元の株価推移

(出所:筆者作成)

ブライトスパイア・キャピタル(BRSP・予想配当利回り11.051株当たり配当金0.16ドル)は、米国カリフォルニア州ロサンゼルスに本社を置く商業用不動産クレジットREIT(不動産投資信託)です。同社は、商業用不動産債務およびネットリース不動産投資の多様なポートフォリオの組成、取得、資金調達、管理に特化しており、投資家に安定したリスク調整後リターンを提供することを目指しています。その主要な収益源は第一抵当ローンを中心とした商業用不動産債務であり、堅実なキャッシュフロー生成能力を備えています。

財務状況のハイライトとして、現在の予想配当利回りは11.05%と、過去10年間の中央値とほぼ一致しており、配当株としての魅力が高い点が挙げられます。一方で、配当成長率は近年低下しており、安定的な配当を提供する一方で、成長の余地には課題が残ります。同REITは四半期ごとの配当支払いを行っており、次回の権利落日は2025年3月31日と予想されています。

総じて、ブライトスパイア・キャピタルは、高配当利回りと商業用不動産投資の専門性を兼ね備えた投資機会を提供しており、流動性の高さや機関投資家からの信頼により安定感のある選択肢として注目されています。

そして、同REITは20241029日に2024年第3四半期決算を発表しており、下記では同REITの最新の決算と財務パフォーマンス、並びに配当推移を詳しく分析していきます。


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ブライトスパイア・キャピタル(BRSP)の最新の2024年度第3四半期決算発表に関して

ブライトスパイア・キャピタル(BRSP20241029日に発表された、最新の2024年度第3四半期決算発表では、非経常損益項目を除くベースでのEPSは0.092ドルを記録し、2024年第2四半期の-0.248ドル、第1四半期の-0.446ドルという大幅な赤字からの改善を示しています。この結果、2023年第3四半期と同水準のEPSとなり、変動の中で一定の回復力を示しました。一方、1株当たり売上高は0.658ドルに減少しており、2024年第2四半期の0.691ドル、2023年第3四半期の0.768ドルと比較して低下しており、収益成長の維持に課題が見られます。

一方で、直近四半期の粗利益率は47.12%で、過去5年間の中央値の50.05%および過去10年間の中央値の51.95%を下回り、収益性への圧力が伺えます。この利益率は過去10年間の最低値の43.48%に近く、コスト管理の課題を反映しています。

また、自社株買いは控えめで、直近1年間の自社株買い比率は0.20%にとどまり、発行済株式数の減少はわずかとなっています。過去3年間では自社株買い比率が-0.40%で、ネットで発行済み株式数が増加している可能性が示唆され、EPSの改善に寄与していない可能性があります。

しかしながら、今後の見通しとして、市場のアナリストは2025年度のEPSを-0.795ドル、翌年には0.378ドルに回復すると予測しており、現在の課題を乗り越えた後の回復の可能性を示唆しています。売上高は2025年に一時的に減少するものの、その後は回復が見込まれています。業界全体では今後10年間、年間約5%の成長が予想されており、回復の余地があると見られます。

そして、次回の決算発表は2025年2月21日に予定されており、同REITの今後の成長軌道がさらに明らかになるでしょう。

非経常損益項目を除くベースでのEPS

(年間ベース:直近4四半期の合計値

(出所:筆者作成)


関連用語

EPS(Earnings Per Share、1株当たり利益):企業が一定期間内に得た純利益を、その期間中に発行されている株式の総数で割った値のこと。EPSは、株主が1株あたりどれだけの利益を得たかを示す指標であり、企業の収益力を評価する際によく用いられ、EPSが高いほど、一般的にはその企業が効率的に利益を上げていると判断される。

非経常損益項目を除くベースでのEPS(EPS without NRI):非経常的な収益や費用(例: 一時的な訴訟費用や災害損失)を除いた後の1株当たりの利益(EPS)。これにより、通常の業績をより正確に反映することが可能。

希薄化後EPS:既存株主にとって、潜在的に新しい株式が発行された場合(例: ストックオプションや転換社債の行使)に、1株あたりの利益(EPS)がどの程度薄まるかを考慮したもの。

1株当たり売上高:企業の総売上高を発行済株式数で割った値で、1株あたりが生み出す売上を示しており、企業の売上規模と株式の価値を評価するのに役立つ。

粗利益率:売上高に対する粗利益の割合を示す指標。企業が商品やサービスを販売した際に、売上から直接かかったコスト(売上原価)を差し引いて得られる利益の割合を計算する。粗利益率が高いほど、企業が商品やサービスから得られる利益が大きいことを意味する。

自社株買い比率:企業が自社の発行済み株式を買い戻した割合を示す指標。この比率は、過去の一定期間において企業がどれだけ自社株を買い戻したかを示しており、通常は1年間の比率として表される。具体的には、買い戻された株式数をその期間の発行済株式総数で割ることで計算される。高い比率は、企業が積極的に自社株を買い戻し、EPS(1株当たり利益)を押し上げる可能性があることを示唆している。

各指標のより詳細な解説は、下記のコラムをご覧ください。

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ブライトスパイア・キャピタル(BRSP)の財務パフォーマンスに関して

ブライトスパイア・キャピタル(BRSPの財務パフォーマンスを、投下資本利益率(ROIC)と加重平均資本コスト(WACC)の観点から分析していきます。

同REITの財務パフォーマンスは、ROICとWACCから見ると、厳しい経済状況に直面していることを示しています。過去5年間のROICの中央値は0.31%である一方、WACCは2.56%でした。これにより、同社の投資が資本コストを上回る収益を生み出せていないことがわかり、企業価値の減少を招いています。現在のROICは-1.32%で、WACCは3.47%とさらに悪化しており、ROICとWACCの負の差が資本配分の非効率性と価値の損失を浮き彫りにしています。そのため、投資から得られる収益が一貫して資本コストを下回っている状況です。

また、同REITのROICは過去に変動を見せており、過去10年間の最高値は6.26%、最低値は-2.10%でしたが、最近の数字は特に深刻な傾向を示しています。同REITが経済的価値を向上させるためには、運営効率と投資収益を改善し、資本コストを上回る収益を生み出す戦略に注力する必要があります。これにより、ステークホルダーに対してポジティブな経済的価値を創出することが求められていると言えるでしょう。

投下資本利益率(ROIC)加重平均資本コスト(WACC)の比較

(出所:筆者作成)


関連用語

総資産利益率(ROA: Return on Assets):企業が保有する全ての資産を使ってどれだけの利益を生み出したかを示す指標。計算は純利益を総資産で割ることで算出され、ROAが高いほど、企業が資産を効率的に運用していることを示す。

自己資本利益率(ROE: Return on Equity):企業が株主の出資(自己資本)を使ってどれだけの利益を生み出したかを示す指標。計算は純利益を自己資本で割ることで算出され、ROEが高いほど、株主にとって効率的な運用が行われていることを示す。

投下資本利益率(ROIC: Return on Invested Capital):企業が投下資本(株主資本+負債)を使ってどれだけの利益を生み出したかを示す指標。計算はNOPAT(税引後営業利益)を投下資本で割ることで算出され、ROICが高いほど、企業が効率的に資本を運用していることを示す。

ジョエル・グリーンブラット氏の資本利益率(ROC: Return on Capital):株主資本と長期負債の合計である資本に対して、どれだけの利益(NOPAT)を生み出しているかを示す指標。ROICと同様に、資本の効率的な運用を評価する。

加重平均資本コスト(WACC: Weighted Average Cost of Capital):企業が資金を調達する際に必要となる平均的なコストを示す指標で、株主資本と負債のコストを加重平均して求める。WACCが低いほど、企業の資本コストが低く、投資がより利益を生む可能性が高くなる。

各指標のより詳細な解説は、下記のコラムをご覧ください。

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ブライトスパイア・キャピタル(BRSP)の配当に関して

ブライトスパイア・キャピタル(BRSP)は、最新の四半期では1株当たり配当金(DPS)を0.16ドルと発表し、前四半期までの0.20ドルから減少しました。この削減により、5年間の配当成長率は-13.30%とマイナスとなっていますが、3年間の配当成長率は38.70%と大幅な増加を示しています。将来の予想配当利回りは11.05%で、過去10年間の中央値である11.02%にほぼ一致しています。ただし、配当性向は現在0%となっており、過去の高水準と比べて異例の状態です。

また、同REITの配当支払い頻度は四半期ごとで、最後に確認された2024年12月31日を基準とすると、次回の権利落日(Ex-Dividend Date)は2025年3月31日になると予測されます。この日付は平日かつ四半期スケジュールに基づいて設定されています。

以上より、配当成長率が横ばいであることは、配当収入を重視するインカム投資家にとって慎重な姿勢を促す要因となるでしょう。

予想配当利回り:11.05%

配当性向:0%

配当カバレッジ・レシオ:-1.33倍

過去5年間の配当成長率: -13.30%

EBITDA有利子負債倍率:-40.28倍

DPS(Dividend Per Share):1株当たりの配当金

(出所:筆者作成)

Dividend Yield:予想配当利回り

(出所:筆者作成)

Dividend Payout:配当性向

(出所:筆者作成)


関連用語

1株当たりの配当金:企業が株主に支払う配当金を、発行されている株式の総数で割った値。これにより、株主が保有する1株あたりに受け取ることができる配当金の金額が示される。

配当成長率:企業が過去数年間にどれだけ配当金を増加させたかを示す割合。配当成長率が高いほど、企業が株主に対して利益を還元する意欲が強いことを示す。

予想配当利回り:企業が次年度に支払うと予想される配当金を現在の株価で割った割合。投資家にとって、どれだけのリターンを配当として受け取ることができるかの見込みを示す。

配当性向:企業の純利益に対して、どれだけの割合を配当金として支払っているかを示す指標。計算は、配当金を純利益で割って算出され、配当性向が高すぎると、企業の成長投資に使える資金が減少する可能性がある。

EBITDA有利子負債倍率:EBITDA(税引前利益、利払い、減価償却前の利益)に対する有利子負債の割合を示す。企業の有利子負債が利益によってどれだけカバーできるかを示す指標で、低いほど財務的な健全性が高いとされている。

配当カバレッジ・レシオ:企業の利益が、支払われる配当金をどれだけ上回っているかを示す指標。計算は、利益(通常は純利益かEBITDA)を配当金で割ることで算出され、配当カバレッジ・レシオが高いほど、配当が持続可能であると考えられている。

配当王:50年以上にわたり連続して配当を増やし続けている企業。これに該当する企業は、長期間にわたり安定した利益成長と配当支払いを維持していることを示している。

配当貴族:25年以上連続して配当を増やしている企業。これも安定した配当成長を実現している企業に与えられる称号。

各指標のより詳細な解説は、下記のコラムをご覧ください。

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ブライトスパイア・キャピタル(BRSP)のバリュエーションに関して

ブライトスパイア・キャピタル(BRSPの現在の株価は5.79ドルで、弊社算出の一株当たり本質的価値である3.29ドルよりも著しく高い水準にあり、安全余裕率(マージン)が-75.99%となっていることから、割高である可能性が示唆されています。

一方で、予想PERは7.48倍と過去10年の中央値である44.98倍を大幅に下回り、収益予測に基づくと割安に見える側面もあります。しかし、直近12カ月(TTM)ベースの実績PERはマイナスで、最近の収益性の課題が浮き彫りになっています。

直近12カ月(TTM)ベースの実績PSR(株価売上高倍率)は2.03倍で、過去10年間の中央値の2.90倍と比較して適正範囲内にあり、売上高ベースのバリュエーションが過度に割高ではないことを示しています。一方、直近12カ月(TTM)ベースの実績EV/EBITDA倍率は-47.78倍と非常に低く、過去10年間の中央値の26.36倍と比較して大きな差があり、運営効率の低下や高い負債水準が企業価値に悪影響を与えている可能性が指摘されます。

しかし、実績PBR(株価純資産倍率)は0.69倍と過去10年間の中央値の0.73倍をやや下回り、簿価ベースでは割安である可能性が示されています。また、実績ベースの株価フリーキャッシュフロー倍率(P/FCF)は6.45倍で、過去10年間の中央値である8.17倍を下回り、キャッシュフロー生成能力に基づくと魅力的なバリュエーションと言えます。

また、市場のアナリストの目標株価の平均値は7.38ドルと、現在の株価をやや上回っており、慎重ながらも楽観的な見方を反映しています。しかし、目標株価が近月では徐々に下落傾向にあることから、自信の低下も伺えます。一部のバリュエーション指標は割安性を示唆していますが、マイナスのEV/EBITDA倍率や内在価値の分析は大きなリスクを浮き彫りにしているようにも見えます。投資家は、これらの要素を慎重に検討し、潜在的なボラティリティや事業上の課題を考慮した上で投資判断を行うべきでしょう。

(出所:筆者作成)


上記グラフにおける関連用語

Price:現在の株価

Yiazou Value:弊社算出の一株当たり本質的価値

DCF (FCF Based):フリーキャッシュフローに基づくDCF法を用いて算出した理論株価

DCF (Earnings Based):収益に基づくDCF法を用いて算出した理論株価

Median P/S:株価売上高倍率の中央値ベースの理論株価

Perter Lynch:ピーター・リンチ氏のバリュエーション計算方法に基づく理論株価

赤線:上記の各バリュエーション手法により算出された理論株価の平均値


関連用語

実績PER(Price Earnings Ratio):過去1年間の実績ベースの1株当たり利益(EPS)に対する現在の株価の倍率。企業が過去にどれだけの利益を上げたかに基づいて、株価が割安か割高かを評価する指標。

予想PER(Forward PER):予想される1株当たり利益(来年度のEPS予想)に対する現在の株価の倍率。将来の利益見込みに基づいて、株価が割安か割高かを評価する指標。

PEGレシオ(Price/Earnings to Growth Ratio):PERを企業の利益成長率で割った指標。成長率を考慮した株価の割安・割高を判断するために使われ、一般的に1以下が割安とされる。

株価売上高倍率(Price to Sales Ratio, PSR):企業の売上高に対する現在の株価の倍率。売上高に対して株価がどれだけの価値を持つかを示す指標で、低いほど割安とされる。

株価フリー・キャッシュフロー倍率(Price to Free Cash Flow Ratio, P/FCF):企業がフリー・キャッシュフロー(営業キャッシュフローから資本的支出を差し引いた金額)に対する現在の株価の倍率。企業のキャッシュフロー創出能力に対して株価が割安か割高かを判断する。

EV/EBITDA倍率(Enterprise Value to EBITDA Ratio):企業価値(EV:株式時価総額+負債−現金)をEBITDA(税引前利益、利払い、減価償却前の利益)で割った指標。企業全体の価値に対する収益力を評価するために用いられる。

PBR(Price to Book Ratio, 株価純資産倍率):企業の純資産(簿価)に対する現在の株価の倍率。株主資本に対して株価がどれだけの価値を持つかを示し、1倍以下だと市場での評価が純資産を下回っているとされる。

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ブライトスパイア・キャピタル(BRSP)のリスクとリターンに関して

ブライトスパイア・キャピタル(BRSPのリスク・リターン評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたいと思います。

まず、同REITは、投資を検討する際に注意すべき複数の財務リスクを抱えています。ピオトロスキーのFスコアが3と低水準であり、効率的に利益を生み出す能力が弱いことを示唆しています。また、過去5年間で1株当たり売上高が一貫して減少していることは、収益基盤を維持・拡大する上での長期的な課題を示しており、将来の収益性や投資リターンに影響を及ぼす可能性があります。

一方、ベニッシュのMスコアが-2.84であることは、同社が利益操作を行っている可能性が低いことを示しており、財務報告の信頼性において一定の安心感を与えています。しかし、この点は、他の指標が示す重大なリスクを相殺するには不十分であるように見えます。

潜在的な投資家は、これらのリスクを慎重に検討し、自身の投資戦略やリスク許容度を踏まえた上で判断を下す必要があるでしょう。


関連用語

財務レバレッジ:企業が負債をどれだけ活用して資産を増やしているかを示す指標。高い財務レバレッジはリスクを伴うが、うまく活用すればリターンが増加する可能性もある。 目安は業界によって異なるが、一般的には2~3倍が理想とされ、高すぎると財務リスクが高まるとされている。

アルトマンのZスコア:企業の財務健全性を評価するための指標で、特に倒産リスクを予測するのに用いられる。複数の財務指標を組み合わせて計算され、Zスコアが低いほど倒産リスクが高いとされる。目安としては、3.0以上は安全、1.8未満は倒産リスクが高いとされている。

ベネッシュのMスコア:企業が財務報告において不正行為や収益の過大計上を行っている可能性を評価する指標。スコアが高いと、財務操作のリスクが高いとされ、-2.22以下で不正の可能性が低いとされている。

ピオトロスキーのFスコア:企業の財務健全性や成長性を評価するための指標で、9つの財務指標に基づいてスコアが付けられる。スコアが高いほど、財務状況が健全であると評価される。目安としては、7〜9は財務状況が非常に健全、4〜6は平均的、0〜3は財務上の懸念がある可能性が高いとされている。

インタレスト・カバレッジ・レシオ(利息カバレッジ比率):企業が稼いだ利益(通常は営業利益)が、支払わなければならない利息に対してどれだけ余裕があるかを示す指標。計算式は、営業利益 ÷ 利息費用。目安としては、2倍以上が望ましいとされ、これは企業が利息の2倍以上の利益を稼いでいることを意味し、財務的な余裕があると評価される。逆に、1倍以下だと、利息の支払いが困難になる可能性があり、財務リスクが高まる。

ベンジャミン・グレアム:現代のバリュー投資の父と呼ばれる著名な投資家であり、経済学者。「証券分析」や「賢明なる投資家」などの著書を通じて、企業の本質的価値に基づいて株を割安に買うというバリュー投資の概念を広めた人物。彼の投資哲学は、リスクを抑えつつ堅実なリターンを得ることを目指し、多くの投資家に影響を与えている。

各指標のより詳細な解説は、下記のコラムをご覧ください。

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ブライトスパイア・キャピタル(BRSP)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して

ブライトスパイア・キャピタル(BRSP)の過去1年間のインサイダー取引の活動を分析すると、取引はほとんど行われておらず、この12カ月間でインサイダーによる同社株式の購入はなく、売却が1件記録されただけでした。過去6カ月間および3カ月間においてもインサイダー取引が見られないことは、経営陣や取締役が現在の企業評価や将来のパフォーマンスに対して安定的な見通しを持っている可能性を示唆しています。

一方で、インサイダーによる同社株式の保有比率は2.47%と控えめであり、経営陣や取締役会メンバーが企業に対して大きな持分を有していないことを示しています。このことは、インサイダーと株主の利益が必ずしも強く一致していない可能性を示唆しています。しかし、プロの機関投資家の保有比率は72.10%と非常に高く、プロの機関投資家が同社に対して強い関心と信頼を持っていることを示しています。機関投資家は通常、投資前に徹底的な調査を行うため、この高い所有率は同社の安定性を支持していると考えられます。

総じて、インサイダー取引がほとんど行われていない状況と高い機関投資家所有率は、市場が同社を安定的に評価している可能性を示唆しています。また、企業統治や戦略の方向性に関しては、インサイダーよりも機関投資家がより積極的な影響力を持っている可能性が考えられます。

インサイダー(内部関係者)による売買

(出所:筆者作成)


関連用語

インサイダーによる自社株式の保有比率:企業の経営陣や役員、主要株主(一般的に10%以上の株式を保有する人)が、その企業の株式をどれだけ保有しているかを示す割合。インサイダーが多くの株式を保有している場合、彼らが企業の将来に自信を持っていると見なされることが多い。

機関投資家による株式の保有比率:投資ファンドや保険会社、年金基金などのプロの機関投資家が、その企業の株式をどれだけ保有しているかを示す割合。機関投資家の保有比率が高いと、その企業が市場で信頼されていると判断されることがある。


ブライトスパイア・キャピタル(BRSP)の流動性に関して

ブライトスパイア・キャピタル(BRSP)は、直近営業日の1日の出来高が543,458株と堅調な流動性を示しており、過去2カ月間の平均出来高である514,949株をやや上回っています。この安定した取引活動は、投資家の関心が高く、取引の実行が容易であることを示しています。市場での出来高が多いことから、同REITは大口取引にも大きな価格変動を伴わずに対応できるため、流動性を重視する機関投資家や個人投資家にとって魅力的であるように見えます。

総じて、ブライトスパイア・キャピタルの流動性は安定しており、取引量の安定性がビッド・アスクスプレッドを狭く保ち、取引コストを削減する上で重要な役割を果たしています。この高い流動性は、投資家がポジションを取る際や解消する際にスリッページを最小限に抑える点で有利です。しかし、取引パターンやDPIの変化は流動性や取引戦略に影響を与える可能性があるため、投資家はこれらの指標の変動を注視する必要があるでしょう。


関連用語

ダーク・プール(私設取引所):株式などの金融商品が公開市場(例えば証券取引所)ではなく、非公開の場で取引されるプラットフォームのこと。ダーク・プールでは取引の内容(注文の価格や数量)が一般に公開されないため、大量の株式を売買する際に市場に与える影響を最小限に抑えることができる。主に機関投資家が利用し、取引の透明性が低い点が特徴。

ダーク・プール指数(DPI):ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。


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アナリスト紹介:イアニス・ゾルンパノス氏

📍バリュー&インカム・テクノロジー担当

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