01/13/2025

【2025年1月】スイング・ポートフォリオ・アップデート:金利上昇により米国株は下落基調も今後の注目の戦略とは?

a close up of a clock with different colored numbersジェームズ・ フォードジェームズ・ フォード
  • 本稿では、私の運用するポートフォリオの1つである「スイングポートフォリオ」の2025年1月時点のアップデート、並びに、金利上昇により米国株が下落する中で今後の注目の戦略に関して詳しく解説していきます。
  • 米国株式市場は雇用統計の好調な結果や金利上昇の影響を受けて下落基調にあり、S&P 500やビットコインなど主要指標のサポート・レジスタンスレベルが注目されています。
  • 「スイングポートフォリオ」は市場調整局面でも一定のリターンを維持しつつ、新規ポジションとしてSMCI、ENPH、MSTRなどを追加購入した一方で、さらなる買い増しに備えて現金を確保している。
  • ゴールドや原油などのコモディティ市場では、上昇への準備が進む一方で、短期的なリスクと買い場が議論されている。

はじめに

株式市場は依然として下落基調が続いており、強い経済指標と金利上昇が影響を与えています。

私の運用するポートフォリオの1つである「スイングポートフォリオ」は今月下落していますが、高値圏で一部現金化しました。この調整局面で2件の買い注文が約定し、新たなポジションを開始する予定です。

本稿で得られる内容:

・先週米国株が下落している理由

・S&P 500、ビットコインの主要なレジスタンスとサポートレベル

・金と原油の見通し

・スイングポートフォリオの状況更新: この銘柄でビットコイン(BTCUSD)への投資を倍増

米国株が下落している理由

先週は全体として厳しい1週間となりました。これには、予想を上回る雇用統計の結果が影響しており、失業率は4%に低下しました。

米労働統計局が金曜日に発表したデータによると、12月の非農業部門雇用者数は+25.6万人と大幅に増加しました。この伸びは、医療、政府、社会福祉分野の雇用増加が牽引しており、コンセンサス予想の+15.7万人を大きく上回りました。一方、11月の数値は当初の+22.7万人から+21.2万人に下方修正されています。

それでは、主要な株価指数やコモディティの見通しを確認していきましょう。

S&P 500指数(SPX)

(出所:TrendSpider

SPXは現在、ABCまたはABCDパターンを形成している段階です。50日移動平均線(EMA)を下回り、200日移動平均線(EMA)まで下落する可能性があります。

それでも、この調整は買いの好機となる可能性がありそうです。今後数ヶ月で次のフィボナッチレベルに到達することを引き続き目指しています。

ビットコイン(BTCUSD

(出所:TrendSpider

ビットコイン(BTCUSD)は堅調に推移しており、非常に整ったチャート構造を保っています。現在、第4波がターゲットエリアに近づいており、21.4%のリトレースメントレベルをわずかに下回ったところで推移しています。このままいけば85,000ドルまでの上昇が見込まれますが、それ以下に下落する可能性は低いと考えています。

78,000ドルを下回るような動きが見られた場合のみ、警戒感が高まるでしょう。

ドル指数(DXY)

(出所:TradingView

ドルの猛威は続いていますが、そろそろ終わりが近いのでしょうか?現在、DXYが111付近の重要なレジスタンスエリアに接近しています。このエリアには最後のフィボナッチリトレースメントレベルとトレンドラインのレジスタンスが控えています。

さらに、RSI(相対力指数)は買われすぎの水準にあり、高値を更新するのに苦戦している状況です。また、MACD(移動平均収束拡散法)は弱気転換の兆候を見せ始めています。

この動きが、今後1~2ヶ月の間に米国株式市場に一時的な安堵をもたらす可能性があると考えています。

ラッセル2000指数(IWM

(出所:TrendSpider

ラッセル2000指数(IWM)は再び買いの好機と言えるかもしれません。200日移動平均線(EMA)のすぐ上に位置し、第5波の上昇が始まる可能性を秘めています。MACDが強気転換し、RSIにもまだ十分な上昇余地があるように見えます。

iシェアーズ MSCIエマージング・マーケッツ ETFEEM

(出所:TrendSpider

新興市場は厳しい状況にあり、サポートを割り込んで現在は39ドル付近まで下落する可能性があります。このチャートは不確実性が高いものの、現在の中国に対する市場心理を考えると、底値が近いのではないかと感じています。

ゴールドETF(GLD

(出所:TrendSpider

金価格は20週移動平均線(EMA)の上で調整局面を続けていますが、最終的な上昇局面に入り、1.618のエクステンションを目指す準備が整いつつあるように見えます。ゴールドETF(GLD)は300ドル付近に近づく可能性があると見ています。

原油ETF(USO)

(出所:TrendSpider

原油は現在注目に値する局面にあります。トレンドラインを突破する可能性があり、週足でMACDが強気転換しつつあります。特にインフレの上昇や地政学的リスクへのヘッジとして、今はエクスポージャーを増やす良いタイミングではないかと考えています。

スイングポートフォリオの更新(新規ポジション3つ)

本章では、スイングポートフォリオの最新状況をお伝えします。また、スイングポートフォリオの詳細こちらのリンクよりご覧いただけます。

(出所:Snowball Analytics)

ここ数週間は下落傾向が続いていますが、それでも依然として35%以上のリターンを維持しています。

そして、前回のスイングポートフォリオに関するレポート以降、2つの買い注文が約定しました。

スーパー・マイクロ・コンピューターSMCI

(出所:TrendSpider

スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCIは30ドル付近まで下落し、そのタイミングで株を購入しました。驚くべきことに、市場全体が崩れる中、この銘柄は上昇しています。非常に興味深い動きです。SMCIは短期的な利益やショートスクイーズの可能性があると考えていますが、リスクが高い点には注意が必要です。

加えて、インベストリンゴのテクノロジー・セクター担当のアナリストであるコンヴェクィティ社イアニス・ ゾルンパノス氏が、同社関する下記の詳細なレポートをリリースしておりますので、同社への理解を一層深めるために併せてご覧いただければと思います。

コンヴェクィティ

イアニス・ ゾルンパノス

エンフェーズ・エナジーENPH

(出所:TrendSpider

以前、下記のレポートにおいて、エンフェーズ・エナジーENPH)をトランプ政権下で注目している逆張り銘柄として紹介しましたが、今回、1-2波のセットアップを目指して新たに株を追加しました。

同社に関心がございましたら、インベストリンゴのプラットフォーム上より、下記のレポートも併せてご覧いただければと思います

そして、新たにもう1つポジションを追加します:

マイクロストラテジーMSTR

(出所:TrendSpider

ビットコインが堅調に推移している中、マイクロストラテジー(MSTR)も魅力的なチャートパターンを形成しています。私は、これを第4波(wave iv)の安値と見なし、現在は1-2波の動きを完了したと考えています。このタイミングで1株を追加購入し、もしさらに下落した場合には買い増しを検討します。

その他のポジション

アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD

(出所:TrendSpider

最近AMD(AMD)を追加しましたが、今のところ期待通りの結果にはなっていません。ただし、RSIに強気のダイバージェンスが見られるなど、隠れた強さが確認でき、大きなサポートエリア付近にいることも注目すべきポイントです。

確かにAMDはエヌビディア(NVDA)ほどではありませんが、成長産業で2番手の地位を占めており、テクニカル的にも悪くない状況です。

また、AMDに関しては、足元で下記の詳細な分析レポートを執筆しておりますので、同社への理解を一層深めるために併せてご覧いただければと思います。

ウーバー・テクノロジー(UBER

(出所:TrendSpider

また、ウーバー・テクノロジー(UBER)は自社株買い発表を受けて反発しました。

まとめ

現在、現金としてポートフォリオの15%を保有しているため、さらなる下落があれば平均取得価格を引き下げたり、エクスポージャーを増やす余地があります。

(出所:Snowball Analytics)

まだ初期段階だと思いますが、この水準から反発する可能性はあると考えています。ただし、現在の見通しを踏まえると、慎重に判断する必要があると感じています。

また、私はマクロ経済、並びに、注目のテクノロジー銘柄に関するレポートを毎週複数執筆しており、私のプロフィール上にてフォローしていただければ、最新のレポートがリリースされる度にリアルタイムでメール経由でお知らせを受け取ることが出来ます。

加えて、その他のアナリストも詳細な分析レポートを日々執筆しており、インベストリンゴのプラットフォーム上では「毎月約100件、年間で1000件以上」のレポートを提供しております。

私のテクノロジー関連銘柄やマクロ経済に関する最新レポートを見逃さないために、是非、フォローしていただければと思います!


アナリスト紹介:ジェームズ・ フォード

📍米国マクロ経済&テクノロジー担当

フォード氏のその他のテクノロジー関連銘柄やマクロ経済のレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、フォード氏のプロフィールページにアクセスしていただければと思います。


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