トランプ関税下で注目の銘柄3選:ビットコイン・メルカドリブレ・TSMC

- 本稿では、トランプ関税により金融市場が混乱する今、私が注目する3つの銘柄を詳しく解説していきます。
- 先週の米国市場は大きく売られましたが、ビットコインはその中で価格を維持し、通貨ヘッジとしての有効性を示しました。
- メルカドリブレは関税の影響を受けにくい地域密着型のビジネスモデルを持ち、割安な水準で取引されているように見えます。
- TSMCはAI時代の中核企業であり、米国への巨額投資によって地政学リスクへの対応も進めており、現在の株価は魅力的であると考えています。
はじめに
先週の米国株式市場での売りは、まさに容赦のないものでした。
投資家たちは、トランプ氏による関税、報復関税の可能性、さらには今年中に景気後退が起きる可能性の高まりまでも織り込み始めています。
とはいえ、今日は関税を前にして私が注目している3つの資産(ビットコインと2つの株式)に焦点を当てていきます。
ビットコインはすでにその強さを証明しており、市場が崩れる中でも価格を維持しています。
これから紹介する他の2つの株式は、売り圧力を避けることはできませんでしたが、事業の性質や地理的な要因から関税リスクの影響を比較的受けにくく、むしろ一部においては恩恵を受ける可能性すらあると考えています。
ちなみに、トランプ政権発足以降も実際に良好なパフォーマンスを見せている銘柄については、数日前に取り上げたばかりです(年初来で7%上昇、配当利回りも7%)。詳細は下記のレポートをご覧ください。
本稿で学べること:
✅ ビットコインが先週売られなかった理由
✅ 今後数週間のビットコインに対する見通し
✅ 米国への依存度が低い海外株
✅ 米国内に投資する成長セクターのマーケットリーダー
それでは、早速見ていきましょう!
ビットコイン(BTCUSD)
先週の相場急落の中でも、ビットコイン(BTCUSD)は価格を堅調に維持していましたが、ついにサポートラインを下抜けました。
(出所:TrendSpider)
50週移動平均線(EMA)を割り込んだことは懸念材料と言えますが、現時点ではフィボナッチ50%戻しの水準である66,000ドルがサポートとして機能すると見込んでいます。
いずれにしても、先週の動きは、ビットコインがナスダックと連動しない「通貨ヘッジ」として機能し得ることを示す証明となりました。
ビットコインは非中央集権的な構造を持ち、政府の統制を受けないことから、従来型のヘッジ手段に代わる魅力的な選択肢となっています。さらに、世界中どこでもアクセス可能で持ち運びやすいため、通貨が不安定な地域や資本規制の厳しい国において、その魅力は一層高まっているように見えます。
メルカドリブレ(MELI)
(出所:TrendSpider)
メルカドリブレ(MELI)のビジネスモデルは、中南米における国内向けのeコマースとフィンテックに特化しているため、関税の影響を受けにくい構造となっています。
国境を越える貿易に依存している企業とは異なり、MELIは地域ごとにローカライズされたマーケットプレイス(例:MercadoLibre.com)や決済システム(Mercado Pago)を運営しており、輸入関税の影響を最小限に抑えています。
同社の収益源は、取引手数料、広告、融資などであり、物理的な商品が国境を越えることによる収益ではないため、貿易政策の変化に対する脆弱性が低いのが特徴です。
さらに、ドル安が進行する局面では同社は相対的に恩恵を受ける可能性もあると見ています。
(出所:Alphaspread)
現在、同社の株価は過去と比較して割安な水準にあり、PEGレシオは1未満、将来予想ベースでも1.46となっています。
(出所:Seeking Alpha)
そして最後に
本日マーケットが開くタイミングで、私の運用するポートフォリオの1つである「EODポートフォリオ」に新たに加えることを検討している銘柄をご紹介します。
この銘柄は、業界内でリーダー的な存在です。
その業界は高い成長が見込まれる分野に属しています。
さらに、米国内で戦略的な資産構築を進めています。
個人的な見解ではありますが、2025年における注目の銘柄です。
TSMC(TSM)
(出所:TrendSpider)
投資家たちがエヌビディア(NVDA)、メタ・プラットフォームズ(META)、アマゾン(AMZN)といったAI銘柄を追いかける一方で、AI革命の真の中核を担っているのは、世界最先端の半導体メーカーであるTSMC(TSM)です。
エヌビディアのBlackwellからアップル(AAPL)のカスタムシリコンに至るまで、最先端のAIチップの90%以上がTSMCの工場で製造されています。TSMCは単にAIブームを支えているだけではなく、それ自体がAIブームの方向性を形づくっているのです。
インテル(INTC)が遅れを取り、サムスン電子(005930.KS)が大規模生産に苦戦する中で、TSMCの存在は代替不可能であるように見えます。3ナノメートルプロセスをはじめとする先端技術におけるTSMCの革新があるからこそ、AIはスケーラブルで効率的、そして現実的な存在となっています。
TSMCがなければ、AIのスーパーサイクルは実現しません。ただハードウェアを待つだけのアイデアに過ぎないのです。
(出所:Chartr)
貿易摩擦の激化を受け、また関税の影響を緩和する戦略的な取り組みとして、TSMCは米国への1,000億ドル規模の巨額投資を表明しました。
この投資には、アリゾナ州に新たに5つの半導体製造工場を建設する計画が含まれており、TSMCの製造拠点を多様化させ、台湾の拠点への依存度を低減することを目的としています。
米国内に生産施設を設けることで、TSMCは輸入半導体に対する関税を回避するとともに、米国が推進する国内半導体製造の強化策とも足並みを揃える狙いです。
(出所:Seeking Alpha)
TSMCの株価は本日、130ドル付近まで下落する可能性がありますが、それにより同社のバリュエーションは非常に魅力的な水準になります。PEGは0.5、株価キャッシュフロー倍率は13、PERはおよそ20と、割安感が際立っています。
世界やAI関連で何が起ころうとも、半導体は日々ますます必要とされているのが現実です。
そのため、本日、一部ポジションを追加することにしており、120ドル付近の200週移動平均線に近づく場面があれば、さらに買い増しを検討するつもりです。
最後に
市場は混乱していますが、このパニックこそがチャンスを生み出す可能性もあると見ています。先週、ビットコインは株式市場と連動せずに価格を維持し、その強さを証明しました。メルカドリブレは中南米における関税の影響を受けにくい成長ストーリーを持ち、現在は割安で取引されているように見えます。そしてTSMCはどうでしょうか?
TSMCはAI時代を支える中核的存在であり、その重要性は疑う余地がないと考えています。しかも、現在は割安な水準で取引されているように見えます。さらに、米国への1,000億ドル規模の投資により、地政学的リスクに対するヘッジも進めています。世間ではリスクばかりが報じられていますが、これら3つの銘柄は、リターンの大きな可能性を秘めていると考えています。
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