03/13/2024

やや強気
シンシナティ・ファイナンシャル
やや強気
シンシナティ・ファイナンシャル(CINF)は現在、弊社算出の一株当たり本質的価値である131.66ドルを下回る118.34ドルで取引されている。
シンシナティ・ファイナンシャル / CINF / 予想配当利回り2.7% / 中立 / 配当王:23年4Q決算と今後の株価見通し

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  • シンシナティ・ファイナンシャル(CINF:予想配当利回り2.75%)は米国の損害保険会社であり、同社は2024年2月6日に23年度第4四半期決算を発表している。 
  • また、同社は過去62年間連続して増配を実施しており、米国株配当王の一角を担っている。

シンシナティ・ファイナンシャル(CINF)の概要

セクター:保険

現在の価格:118ドル

時価総額:185.4億ドル

弊社算出の一株当たり本質的価値:131.66ドル

安全マージン:10.12%

過去5年間の配当成長率:7.10%

直近配当落ち日:2024年3月18日

直近配当支払い日:2024年4月15日

予想配当利回り:2.75%

過去5年間の売上高成長率:9.20%

過去10年間の売上高成長率:8.00%

シンシナティ・ファイナンシャル(CINF)は米国の損害保険会社で、保険料収入によって収益をあげている。

厳選された独立系保険代理店グループが、地域内で同社の事業保険、住宅保険、自動車保険を含む保険商品を積極的に販売している。

同社は主に下記のセグメントにおいて事業を展開している。

・コマーシャルライン保険

・パーソナルライン保険

・エクセス&サープラスライン保険

・生命保険

・投資関連

そして、売上高の大半はコマーシャルライン保険経由のものであり、次いでパーソナルライン保険経由となっている。

シンシナティ・ファイナンシャル(CINF)の収益と成長に関して

シンシナティ・ファイナンシャル(CINF)の前四半期決算は好調で、EPSは2.28で前四半期比で上昇する着地となっており、希薄化後のEPSも前四半期の-0.63から7.5と大幅に改善している。

さらに、一株当たり売上高も伸びを示し、前四半期は21.267に達した。

加えて、長期的なパフォーマンスを見ると、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率(CAGR)は8.924%で、着実な成長を見せていることが分かる。

また、今後10年間の業界の成長予測は良好で、同社に事業拡大の機会を提供することが期待できる。

そして、同社の過去の財務レバレッジの程度を見てみると、安定した財務体質を示しており、成長と投資の余地があると言える。

以上より、シンシナティ・ファイナンシャルは、一貫した収益改善と業界の前向きな見通しにより、将来の機会を活用し、さらなる成長を推進する上で好位置にあると見ている。

シンシナティ・ファイナンシャル(CINF)の配当に関して

シンシナティ・ファイナンシャル(CINF)は、過去数年間一貫した配当成長を示しており、過去5年間の配当成長率は7.10%、過去3年間の配当成長率は7.70%である。

同社のEBITDA純有利子負債倍率は0.36で、配当支払いを支える強固な財務体質を保持していることを示している。

また、予想配当利回りは2.75%で、投資家への適切なリターンを反映している。

直近の四半期では、1株当たり配当金(DPS)は0.81ドルで、安定した配当支払いの傾向が続いていると言える。

さらに同社は、過去62年間にわたる一貫した増配の歴史からも明らかなように、定期的な配当金の支払いの歴史を誇っており、米国株配当王の一角を担っている

加えて、同社の配当実績を同セクターと比較すると、同社の配当成長率は競争力があり、予想配当利回りは業界標準と一致している。

信頼性の高い配当収入源を求める投資家は、シンシナティ・ファイナンシャルが同社のセクターにおける堅実な配当成長株であることに気づくだろう。

予想配当利回り:2.75%

配当性向:47%

配当カバレッジ・レシオ:3.89

過去5年間の配当成長率:7.10%

EBITDA純有利子負債倍率:0.36

シンシナティ・ファイナンシャル(CINF)のバリュエーションに関して

シンシナティ・ファイナンシャル(CINF)は現在、弊社算出の一株当たり本質的価値である131.66ドルを下回る118.34ドルで取引されている。

また、実績PERは10.14、株価売上高倍率は1.87、EV/EBITDA倍率は7.51となっている。

そして、これらの指標は、売上高とEBITDA倍率に基づくと、同社の株価が過小評価されている可能性を示唆している。

加えて、5年平均、10年平均と比較すると、同社の現在のバリュエーションは過去の水準を下回っており、魅力的に見える。

さらに、業界平均と比較すると、同社の株価売上高倍率とEV/EBITDA倍率は良好で、潜在的なバリュー投資の機会を示しているように見える。

全体として、シンシナティ・ファイナンシャルの現在のバリュエーションは、株価倍率と過去の比較に基づくと、潜在的に上昇する可能性を秘めていることを示唆していると言える。

シンシナティ・ファイナンシャル(CINF)のリスクとリターンに関して

シンシナティ・ファイナンシャル(CINFのリスク評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたい。

まずマイナス面では、総資産成長率が売上高成長率を上回っていることは、効率性の低下を示唆している。

また、同社の株価は1年前の高値水準に近く、割高感を示唆している可能性がある。

さらに、ROIC(投下資本利益率)とWACC(加重平均資本コスト)の比較では潜在的な資本効率の低さも示唆している。

一方でプラス面では、ピオトロスキーFスコアは8となっており、同社の健全な財務状況を示し、ベニッシュMスコアの-2.25は、同社が不正に利益操作を行っている可能性が低いことを示唆している。

また、PBRは3年ぶりの低水準に位置し、予想PERも1年ぶりの低水準に近いことから、潜在的なバリュー機会を示している。

全体として、投資家は同社の資産効率の悪化と、株価水準に基づく潜在的な割高感に注意する必要がある。

しかし、高いFスコアとMスコアは安心感を与え、低いPBRとPERはバリュー投資の機会を提供している可能性もある。

そのため、投資家は、シンシナティ・ファイナンシャルへの投資判断の前に、これらの要因を注意深く考慮する必要がある。

シンシナティ・ファイナンシャル(CINF)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して

シンシナティ・ファイナンシャル(CINF)は過去12ヵ月間、インサイダーによる同社株式の買い付けは4件、売却は1件のみが確認されている。

ただし、インサイダーによる同社株式の保有比率はわずかに5.94%である点にはご留意いただきたい。

一方、機関投資家の保有比率は93.81%と著しく高く、機関投資家からの強い関心と支持を示している。

この高い機関投資家保有比率は、プロの投資家が同社の長期的な見通しに価値を見出していることを示唆している可能性がある。

全体として、シンシナティ・ファイナンシャルのインサイダー取引分析と保有動向は、インサイダーと機関投資家双方のポジティブなセンチメントを示し、これは同社株式にとって強気指標となり得る。

シンシナティ・ファイナンシャル(CINF)の流動性に関して

シンシナティ・ファイナンシャル(CINF)の過去2ヶ月間の1日平均出来高は800,185株と比較的多く、直近営業日の一日当たり出来高も804,808株と堅調で、同社株式の流動性を裏付けてる。

また、同社株式のダークプール指数(DPI)は52.62%で、取引活動の大部分 が公開取引所ではなくダークプールで行われていることを示唆 している。

※ダーク・プール指数は、ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。

この高水準のDPIは、同社株式の価格発見への透明性と市場全体の効率性に影響を与える可能性がある。

全体として、高い取引量とDPIの組み合わせは、シンシナティ・ファイナンシャルが活発に取引され流動性があることを示しており、取引をする際に流動性を求める投資家にとって潜在的に魅力的な銘柄であることを示している。