07/27/2024

やや強気
コムキャスト
やや強気
全体として、各バリュエーション指標に基づくと、同社の現在のバリュエーションは、概ね適正価格、或いは、やや割安であるように見えます。
コムキャスト(CMCSA)最新の2024年2Q決算は好調!予想配当利回りは3%以上で今後の株価見通しは良好も割安感あり?

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  • コムキャスト(CMCSA)は、ケーブル通信、メディア、エンターテイメント分野で広範な事業を展開する情報通信サービス企業で、主に高速インターネット、ケーブルテレビ、電話サービスを提供しています。
  • 最新の2024年度第2四半期決算では、EPSが1.21ドルに増加し、売上高も7.573ドルと前四半期を上回る結果を示し、中長期的な成長を続けています。
  • 同社の予想配当利回りは3.26%で、配当性向は29%、過去5年間の配当成長率は8.80%となっており、配当収入重視のインカム投資家にとって魅力的な投資先であるように見えます。

コムキャスト(CMCSA)の概要

レーティング:やや強気

バリュエーション:割安

リスクレベル:中程度

セクター:情報通信サービス

現在の株価: 38ドル

時価総額:1,480億7,000万ドル

弊社算出の一株当たり本質的価値:44.91ドル

安全マージン:14.86%

過去5年間の配当成長率:8.80%

次回配当落ち日:2024年10月2日

次回配当支払い日:2024年10月23日

予想配当利回り:3.26%

過去5年間の売上高成長率:7.00%

過去10年間の売上高成長率:9.30%

コムキャスト(CMCSA:予想配当利回り3.26%・配当性向29%)は、情報通信サービス分野で幅広い事業を展開するグローバル企業です。同社は主にケーブル通信、メディア、エンターテイメントの分野で活動しており、ユニークな特徴を持つビジネスモデルが強みです。ケーブル通信部門では、高速インターネット、ケーブルテレビ、電話サービスを提供し、米国内での市場シェアを拡大しています。また、ビジネス向けのソリューションも強化しており、企業向けの通信インフラ構築や管理サービスにも注力しています。

メディア・エンターテイメント部門では、NBCユニバーサル(NBCUniversal)を傘下に持ち、テレビネットワーク、映画制作、テーマパークなど多岐にわたるエンターテイメントコンテンツを提供しています。特に、ストリーミングサービス「Peacock」の展開により、デジタルメディア市場での競争力を高めています。このように、多様な事業ポートフォリオと革新的なサービス提供により、安定した収益基盤を築いています。

また、コムキャストは、最新技術の導入と顧客体験の向上に注力し、AIやIoTを活用した次世代のサービス提供を推進しています。これにより、持続可能な成長と競争優位性の強化を図っています。

最近の買収に関しても、コムキャストは積極的な戦略を展開しています。特に注目すべきは、2024年に行われた「Xumo」の買収です。Xumoは、広告サポート型のストリーミングサービスを提供しており、この買収によりコムキャストはデジタルコンテンツと広告ビジネスの強化を図っています。

また、強力なキャッシュフローを持ち、年間のフリーキャッシュフローは約120億ドルに達しています。これにより、安定した配当と株主還元が可能となっています。そのため、投資家にとって、コムキャストは安定した配当と長期的な成長可能性を持つ魅力的な投資先と言えるでしょう。

そして、同社は2024年7月23日に2024年度第2四半期決算を発表しています。


コムキャスト(CMCSA)の最新の2024年度第2四半期決算に関して

コムキャスト(CMCSA、2024年6月30日に終了した最新の2024年度第2四半期決算において、非経常損益項目を除くベースでのEPS(EPS without NRI)は1.21ドル(前四半期:1.04ドル)、希薄化後のEPSは1ドル(前四半期:0.97ドル)、また、1株当たり売上高も7.573ドル(前四半期:7.53ドル)といずれも前四半期比で上昇しました。

一方で、長期的なパフォーマンスを見ると、下記のチャートからも分かる通り、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率(CAGR)は7.80%で、過去10年間の年平均成長率は9.40%となっており、中長期的な観点からも継続して成長を実現しています。

さらに、同業界は今後10年間、安定的に成長すると予測されていることからも、同社の今後の継続的な成長と業績には明るい見通しがあるように思えます。

※チャート上の値は年間ベースであり、非経常損益項目を除くベースでのEPS(EPS without NRI)の直近4四半期の合計値


コムキャスト(CMCSA)の財務パフォーマンスに関して

コムキャスト(CMCSA)の財務パフォーマンスを、総資産利益率(ROA)、自己資本利益率(ROE)、投下資本利益率(ROIC)、ジョエル・グリーンブラット氏の資本利益率(ROC)、加重平均資本コスト(WACC)の観点から分析していきます。

まず、同社は過去5年間、一貫した業績を示しており、ROICの中央値は5.92%でWACCの5.85%を上回り、継続して経済的な価値を生み出していることを示しています。

さらに、ROEも好調で、過去5年間の中央値は15.19%と、ROAの過去5年間の中央値である5.07%を上回り、同社の効率的な資本配分を示しています。

また、ジョエル・グリーンブラット氏のROCの過去5年間の中央値は42.66%で、同社が投下資本に対して大きなリターンを生み出していることを示唆しています。

長期トレンドを見ると、同社のROEは過去10年間で6.07%から37.10%の範囲にあり、収益性にばらつきがあることを示している一方で、WACCは5.81%から8.63%の間で変動しており、10年間の中央値は6.85%となっています。

加えて、ROICも同様のばらつきを示しており、過去10年間では4.84%から15.43%、中央値は6.68%となっています。

長期的には収益性と資本コストに若干のばらつきがあるものの、全体的には、一貫した経済的な価値創造と効率的な資本配分により、コムキャストの業績は概して好調であるように見えます。


コムキャスト(CMCSA)の配当に関して

コムキャスト(CMCSA)は、過去数年間一貫した配当成長を示しており、過去5年間の配当成長率は8.80%で、過去3年間の配当成長率は8.00%となっています。

また、同社の予想配当利回りは3.26%と比較的高水準となっている一方で、配当性向は29.0%と比較的低い水準となっていることからも、将来的な配当増加の可能性を残していることを示しているように見えます

さらに、同セクターと比較すると、同社の予想配当利回りは過去10年間比較的安定しており、下記のチャートからも分かる通り、最高値は3.62%、最低値は1.36%となっており、現在の予想配当利回りである3.26%はこの範囲内にあります。

加えて、EBITDA純有利子負債倍率は2.58倍で、基準値である2倍をわずかに上回っていることからも、財務リスクは中程度であるように見えます。

※2倍を下回る比率は一般的に低リスクとみなされるが、2倍~4倍は中程度とみなされる。

全体として、コムキャストの配当成長率と配当性向は良好であり、EBITDA純有利子負債倍は中程度の財務リスクを示唆しています。

予想配当利回り:3.26%

配当性向:29%

配当カバレッジ・レシオ:3.13

5年間の配当成長率:8.80%

EBITDA純有利子負債倍率:2.58倍

※DPS(Dividend Per Share):1株当たりの配当金

Dividend Yield:予想配当利回り

※Dividend Payout:配当性向


コムキャスト(CMCSA)のバリュエーションに関して

コムキャスト(CMCSA)の現在の株価は38.235ドルは、弊社算出の一株当たり本質的価値である44.91ドルを下回っていることからも割安に見えます。

また、実績PERは10.17倍で、株価売上高倍率は1.28倍となっていることからも、過去の利益と売上高を基準とした場合、同社の株価が妥当なバリュエーションで取引されていることを示しています。

加えて、予想PERは9.03倍で実績PERより低く、市場のアナリストが同社の収益が将来的にさらに成長すると予想していることを示していると言えます。

さらに、EV/EBITDA倍率は6.3倍となっており、EBITDAに基づいた場合、同社が過小評価されている可能性を示唆しています。

一方で、PEGレシオは2.23倍となっており、成長見通しに比べて株価が割高である可能性を示している。

株価フリー・キャッシュフロー倍率は13.33倍で業界平均を上回っていることからも、投資家が同社のフリー・キャッシュフローに対してプレミアムを払っていることが分かります。

以上より、コムキャストのバリュエーション指標はまちまちで、割安感を示す指標もあれば、過去の平均や同業他社と比較して適正なバリュエーションを示す指標もあるといった内容となっています。

しかし、全体として、各バリュエーション指標に基づくと、同社の現在のバリュエーションは、概ね適正価格、或いは、やや割安であるように見えます。


コムキャスト(CMCSA)のリスクとリターンに関して

コムキャスト(CMCSAのリスク・リターン評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたいと思います

まず第一に、ピオトロスキーのFスコアは7となっており、同社が非常に健全な財務状況を保持していることを示唆しています。

さらに、ベニッシュのMスコアは-2.7となっており、同社が利益操作を行っている可能性が低いことを示しています。

加えて、PBRは1.78倍となっており、1年前の低水準に近く、実績PERは10.17倍と過去5年来の低水準に近い水準となっています。

そして、1株当たり売上高に反映されているように、同社は予測可能な売上高成長を示しているように見えます。

また、株価売上高倍率は1.28倍となっており、1年ぶりの低水準に近く、同社の魅力的なバリュエーションをさらに裏付けています。

最後に、予想配当利回りは1年ぶりの高水準に近く、配当収入重視のインカム投資家にとって配当を通じて魅力的なリターンを提供していると言えます。

全体として、各指標はコムキャストが比較的安定しており、且つ、割安な投資機会を提供していることを示しているように見えます。


コムキャスト(CMCSA)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して

過去12ヶ月、コムキャスト(CMCSA)のインサイダーによる同社株式の買い付けは確認されていないが、2件のインサイダーによる同社株式の売却が確認されています。

ただし、インサイダーによる同社株式の保有比率はわずか0.35%である点にはご留意ください。

一方、機関投資家の同社株式の保有比率は61.36%と高く、機関投資家の強い関心を示していると言えます。

以上より、トレンド分析によると、一部のインサイダーが同社株式を売却している一方で、機関投資家は同社株式に大して大きなポジションを持っていることからも、両社の間で同社の将来性に対する見方の違いが反映されている可能性があると言えます。

そのため、投資家がコムキャストへの投資判断を下す際には、こうした保有動向を考慮することが不可欠でしょう。


コムキャスト(CMCSA)の流動性に関して

コムキャスト(CMCSA)の流動性は高く、直近営業日の一日の出来高は4,869,504株で、過去2ヶ月間の1日平均出来高は20,499,547株となっており、同社株式に対する一貫した取引があることを示唆しています。

また、同社株式のダークプール指数(DPI)は31.77%となっており、取引活動の一定の部分がダークプールで行われていることを示しています。

※ダーク・プール指数は、ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。

この高水準のDPIは、同社株式の価格発見への透明性と市場全体の効率性に影響を与える可能性があります。

そして、この水準は、機関投資家がこの銘柄を積極的に取引していることを示唆している可能性があります。

また、ダーク・プールにおける流動性は同社株価の安定に寄与し、株価のボラティリティを低下させるとも言えます。

全体として、コムキャストの流動性と取引活動は堅調だが、投資家はダークプールが株価の取引ダイナミクスに与える影響に注意する必要があるでしょう。

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