04/16/2024

中立
デルタ航空
中立
全体として、デルタ航空の現在のバリュエーションは、航空業界の回復を利用しようとする投資家にとって、バリュー投資のチャンスを提供する可能性があることを示唆している。
デルタ航空 / DAL / 予想配当利回り0.87% / 中立:最新の24年第1四半期決算分析と今後の株価見通し・将来性

plane landing near seashore during daytimeイアニス・ ゾルンパノスイアニス・ ゾルンパノス
  • アトランタに本社を置くデルタ航空(DAL:予想配当利回り0.87%)は、50カ国以上、300以上の都市にネットワークを持つ世界最大級の航空会社である。
  • 同社は歴史的に、国際線による売上高と利益の大部分を大西洋上空の旅客便から得ている。
  • また、同社は2024年4月10日に24年度第1四半期決算を発表している。

デルタ航空(DAL)の概要

セクター:運輸

現在の株価: 46ドル

時価総額:300.4億ドル

弊社算出の一株当たり本質的価値:48.2ドル

安全マージン:3.42%

過去5年間の配当成長率:N/A

直近配当落ち日:2024年2月23日

直近配当支払い日:2024年3月18日

予想配当利回り:0.87%

過去5年間の売上高成長率:7.50%

過去10年間の売上高成長率:4.00%

アトランタを拠点とするデルタ航空(DAL)は、50カ国以上、300以上の都市にネットワークを持つ世界最大級の航空会社である。

同社は、アトランタ、ニューヨーク、ソルトレイクシティ、デトロイト、シアトル、ミネアポリス・セントポールにある最大のハブ空港を拠点に、世界中の旅客を集め、各地へ運ぶハブ・アンド・スポーク・ネットワークを運営している。

また、同社は歴史的に、国際線売上高と利益の大部分を大西洋上空の旅客輸送から得ている。

加えて、同社は2024年4月10日に24年度第1四半期決算を発表している。

デルタ航空(DAL)の収益と成長に関して

24年度第1四半期、デルタ航空(DAL)の非経常損益項目を除くベースでのEPSは0.275ドルで、前四半期の1.28ドルから減少している。

また、一株当たり売上高も前四半期に比べ若干の減少を示したが、比較的安定していると言える。

一方で、今後10年間、航空業界は安定した成長が見込まれることからも、同社にとって市場シェア拡大のチャンスとなるだろう。

加えて、同社の過去の財務レバレッジの程度は中程度であり、同社には負債水準を効果的に管理しながら成長を続ける能力があることを示唆している。

全体として、最近の四半期の業績は落ち込んだかもしれないが、デルタ航空の長期的な成長の可能性と業界の見通しは依然としてポジティブであり、同社が将来の機会を活用し、株主価値を高める能力があることを示している。

デルタ航空(DAL)の配当に関して

デルタ航空(DAL)は、パンデミックの影響故に、2020年2月の配当以降、2023年7月まで配当の支払いを停止していた。

そのため、下記のチャートに見られるように、同社の配当水準は著しく下落している。

一方で、同社のEBITDA純有利子負債倍率は3.73で、利益に対する負債の水準が中程度であることを示している。

また、現在の同社の予想配当利回りは0.87%で、直近の1株当たり配当金(DPS)は0.10ドルとなっている。

下記のチャートからも、パンデミック以前は、同社は歴史的に一貫して配当金を支払っており、2020年、2019年の1株当たり配当金は0.403ドルだった。

セクターと比較すると、デルタ航空の配当成長実績は弱く見えるが、これは航空業界がその周期性と不安定な性質で知られ、特にパンデミックが配当支払いに影響を与えたためである。

そのため、配当の成長を求める配当重視の投資家にとっては、他のセクターの方が魅力的かもしれない。

全体として、デルタ航空の足元の配当パフォーマンスは安定しているが、同セクターの同業他社、或いは、他のセクターと比較すると力強い成長には欠けるというのが現状である。

予想配当利回り:0.87%

配当性向:5%

配当カバレッジ・レシオ: 25.93

5年間の配当成長率:N/A

EBITDA純有利子負債倍率:3.73

デルタ航空(DAL)のバリュエーションに関して

デルタ航空(DALの現在の株価は46ドルで、弊社算出の一株当たり本質的価値である48.2ドルをわずかに下回っている。

また、実績PERは5.98と割安で取引されているように見える。

加えて、株価売上高倍率は0.5で、投資家が同社の売上1ドルにつき0.50ドルを支払っていることを示している。

EV/EBITDA倍率は7.37で、同社がEBITDAに基づいて過小評価されていることを示唆している。

さらに、5年平均、10年平均と比較すると、現在の同社の株価水準は、両水準を下回る水準で取引されており、上昇の可能性を示している。

そして、業界平均と比較した場合、同社のバリュエーション指標の倍率は総じて低く、同業他社と比較して割安である可能性を示唆している。

全体として、デルタ航空の現在のバリュエーションは、航空業界の回復を利用しようとする投資家にとって、バリュー投資のチャンスを提供する可能性があることを示唆している。

デルタ航空(DAL)のリスクとリターンに関して

デルタ航空(DALのリスク評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたい

まずマイナス面では、株価は3年ぶりの高値に近く、株価売上高倍率も1年ぶりの高水準に近づいている。

さらに、投下資本利益率(ROIC)は加重平均資本コストを下回ってお り、資本利用の非効率性を示している。

加えて、アルトマンのZスコアは1.22で、今後2年以内に倒産する可能性を示唆している。

一方でプラス面では、ピオトロスキーFスコアの7は非常に健全な財務状況を示し、ベニッシュMスコアの-2.7は、同社が利益操作を行っている可能性が低いことを示唆している。

そして、同社の予想配当利回りは3年ぶりの高水準に近づいている。

全体として、いくつかのポジティブな指標が確認されるも、マイナス面も多く見受けられることからも、デルタ航空への投資を検討する際には、投資家はこれらの要因がさらに悪化しないか注意深く監視すべきである。

デルタ航空(DAL)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して

デルタ航空(DAL)のインサイダー取引分析では、過去12ヶ月間でミックスなトレンドを示している。

具体的には、4件のインサイダーによる同社株式の買い付けと10件の売却が確認されており、買いに比べて売り活動が活発であることを示している。

ただし、インサイダーによる同社株式の保有比率はわずかに0.97%である点にはご留意いただきたい。

一方、機関投資家の同社株式の保有比率は50.68% と比較的高く、機関投資家の同社株への関心を示している。

全体として、インサイダー取引は売りが買いを上回っており、投資家に懸念を抱かせる可能性があるが、機関投資家の保有比率が高いため、株価が安定する可能性があると言える。

投資家は今後のインサイダー取引を注意深く監視し、同社の経営陣や取締役会のセンチメントを測る必要があるだろう。

デルタ航空(DAL)の流動性に関して

デルタ航空(DAL)の流動性は高く、直近営業日の一日の出来高は11,516,595株で、過去2ヶ月間の1日平均出来高は10,197,129株となっており、一貫した取引活性を示している。

このことは、投資家が同社株式の取引に大きな関心を寄せていることを示唆しており、価格の安定と取引の効率的な執行にとってプラスに働く可能性がある。