06/21/2024

中立
ダラー・ゼネラル
中立
同社は株価売上高倍率とEV/EBITDA倍率の観点から特に割安に見え、小売業界でバリュー投資の候補を探し求める投資家にとっては魅力的に映るかもしれない。
ダラー・ゼネラル(DG)予想配当利回り1.86%:最新の2024年1Q決算速報・財務&強み分析と今後の株価見通し・将来性

red and white sale LED signイアニス・ ゾルンパノスイアニス・ ゾルンパノス
  • ダラー・ゼネラル(DG:予想配当利回り1.86% / 配当性向34%)は、アメリカの小規模コミュニティをターゲットとする小売チェーンで、主に低価格の消耗品を販売しており、2024年第1四半期の決算では、EPSは1.65ドル、1株当たりの売上高は45.053ドルとなっている。
  • 同社の過去5年間の年平均成長率は7.60%、過去5年間の配当成長率は16.50%となっており、さらに、ROICは6.86%でWACCの4.66%を上回っており、経済的価値を創出してきたことが示されている。
  • 現在の株価は126ドルで、弊社の算出した本質的価値である257.78ドルを大きく下回っていることからも割安に見える。

ダラー・ゼネラル(DG)の概要

セクター:小売

現在の株価:126ドル

時価総額:278.4億ドル

弊社算出の一株当たり本質的価値:257.78ドル

安全マージン:50.89%

過去5年間の配当成長率:16.50%

次回配当落ち日:2024年7月9日

次回配当支払い日:2024年7月23日

予想配当利回り:1.86%

過去5年間の売上高成長率:13.40%

過去10年間の売上高成長率:13.00%

20,000以上の店舗を展開するダラー・ゼネラル(DG:予想配当利回り1.86% / 配当性向34%)の旗印は、米国の片田舎にほぼいたるところにあり、買い物の選択肢が乏しい小規模コミュニティの消費者をターゲットとしている。

約7,500平方フィートのシンプルな店舗を運営し、主に、紙製品やクリーニング製品、包装食品や生鮮食品、タバコ、健康・美容用品などのブランド品やプライベート・ブランドの消耗品(売上高の80%)を低価格で提供している。

同社はまた、季節商品、家庭用品、衣料品などの限られた品揃えも提供しており、ほとんどの商品を10ドル以下の価格帯で販売している。

そして、同社は2024年5月30日に2024年度第1四半期決算を発表している。

ダラー・ゼネラル(DG)の収益と成長に関して

ダラー・ゼネラル(DGの2024年度第1四半期決算において、非経常損益項目を除くベースでのEPS(EPS without NRI)は1.65ドルとなっており、前四半期の1.83ドルと比較して減少しているが、1株当たり売上高は45.053ドルと、前四半期の44.83ドルと比較してわずかに増加している。

一方で、長期的なパフォーマンスを見ると、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率(CAGR)は7.60%で、過去10年間の年平均成長率は13.10%となっており、足元、成長のペースがやや減速しているようにも見えるが、引き続き成長軌道は維持していると言える。

また、長期的にプラスの成長軌道を描いている同社は、今後10年間の予測される同社小売業界の成長を活用するのに適したポジションに位置していると見ている。

ダラー・ゼネラル(DG)の財務パフォーマンスに関して

ダラー・ゼネラル(DG)は過去5年間一貫した財務パフォーマンスを示しており、過去5年間のROIC(投下資本利益率)の中央値は11.83%で、過去5年間のWACC(加重平均資本コスト)の中央値の4.05%を上回っており、同社が株主のために経済的価値を創出してきたことを示している。

また、ROE(自己資本利益率)も好調で、過去5年間の中央値は37.13%であり、効率的な資本配分と株主への高いリターンを示していると言える。

現在の数値を見ると、ROICは6.86%で、WACCの4.66%を上回っており、5年間の中央値から見えるトレンドと同様に、経済価値の創出を継続していることが分かる。

さらに、同社のROEは23.28%と依然として堅調で、高い収益性と資本の効率的活用を反映していると言える。

以上より、上述の通り、ROICとWACCの間に一貫して正のスプレッ ドがあることからも明らかなように、ダラー・ゼネラルは歴史的に事業と資本配分の決定を通じてプラスの経済価値を生み出してきたことが分かる。

ダラー・ゼネラル(DG)の配当に関して

ダラー・ゼネラル(DG)の過去5年間の配当成長率は16.50%で、過去3年間の配当成長率は17.90%と継続してプラスの成長を示している。

一方で、同社のEBITDA純有利子負債倍率は5.79倍で、理想的な基準値である2倍を大幅に上回っており、利益に対する負債による負担が大きいことを示している。

ただし、予想配当利回りは1.86%で、配当性向は34%であることからも、同社が利益に対する配当の支払いを効果的に管理していることを示唆している。

さらに、同社は過去10年間、最低で14%、最高で34%と比較的低水準ならがも一貫した配当性向を維持しており、配当政策の安定性を示していると言える。

しかし、同社の純負債水準は比較的高く、負債と収益の慎重な管理が必要であることを示している。

まとめると、ダラー・ゼネラルは力強い配当成長を示しているが、投資家は将来にわたって持続可能な配当支払いを確保するため、EBITDA純有利子負債倍率に反映される同社の負債水準を注視すべきであろう。

予想配当利回り:1.86%

配当性向:34%

配当カバレッジ:2.91

過去5年間の配当成長率:16.50%

EBITDA純有利子負債倍率:5.79倍

ダラー・ゼネラル(DG)のバリュエーションに関して

ダラー・ゼネラル(DG)の現在の株価は126ドルとなっており、弊社算出の一株当たり本質的価値である257.78ドルより大幅に低い水準となっており、同社株価が割安であることを示唆している。

また、現在の株価売上高倍率は0.71倍となっており、過去5年間の平均値である0.85倍、過去10年間の平均である0.80倍と比べ、割安の可能性を示唆している。

さらに、EV/EBITDA倍率は14.45倍と業界平均の16.50倍を下回っており、この指標に基づくと同社のバリュエーションがやや割安であることを示している。

加えて、PEGレシオは1.66倍となっており、1倍をわずかに上回っているものの、予想PERは17.57倍と妥当なバリュエーションを示していると言える。

結論として、ダラー・ゼネラルは株価売上高倍率とEV/EBITDA倍率の観点から特に割安に見え、小売業界でバリュー投資の候補を探し求める投資家にとっては魅力的に映るかもしれない。

ダラー・ゼネラル(DG)のリスクとリターンに関して

ダラー・ゼネラル(DGのリスク評価分析では、主に投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたい

まずマイナス面では、同社の長期債務は過去3年間で増加し、29億ドルに達しており、財務の安定性に影響を与える可能性がある。

さらに、足元の同社の株価は、同社が自社株買いによって取得した株式の平均買戻し価格を大幅に下回って取引されている。

また、同社の総資産は売上高を上回るペースで増加しており、資産運用における潜在的な非効率性を示している。

加えて、足元の営業利益率の低下も、同社の業績に赤信号を灯していると言える。

一方でプラス面としては、ベニッシュのMスコアからも、同社が利益操作を行っている可能性が低いことを示唆している一方で、PBRは5年ぶりの低水準に近づいており、割安感を示している。

全体として、投資家はダラー・ゼネラルへの投資を決定する前に、これらのリスク要因を慎重に検討すべきである。

ダラー・ゼネラル(DG)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して

過去12ヶ月間、ダラー・ゼネラル(DG)のインサイダーによる同社株式の取引は比較的バランスが取れており、2件のインサイダーによる同社株式の買い付けと2件の売却が確認されている。

ただし、インサイダーによる同社株式の保有比率は5.20%であり、同社のインサイダーが中程度の同社株式を保有している点にはご留意いただきたい。

また、機関投資家による同社株式の保有比率は76.93%と著しく高く、機関投資家の同社への強い関心を示している。

以上より、トレンド分析によると、過去1年間にインサイダーによる動きは幾つかあったが、インサイダーによるセンチメントの面では明確な方向性を示していない。

さらに、インサイダーによる保有率も比較的低いため、インサイダーによる取引が同社の株価に与える影響は限定的かもしれない。

一方で、機関投資家の保有比率は非常に高く、大口投資家の同社への信認を示しているとも言える。

全体として、インサイダー取引は均衡しているものの、機関投資家の保有比率は依然として高いことからも、これはダラー・ゼネラルの今後の業績にとってプラスに働く可能性があるだろう。

ダラー・ゼネラル(DG)の流動性に関して

ダラー・ゼネラル(DG)の流動性と取引分析は健全な取引量を示しており、過去2ヶ月間の1日平均出来高は2,490,121株で、直近の営業日の一日当たり出来高は2,492,777株と、一貫した取引活動を示している。

また、同社株式のダークプール指数(DPI)は61.58%で、取引活動の大部分がダークプールで行われていることを示している。

※ダーク・プール指数は、ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。

この高水準のDPIは、同社株式の価格発見への透明性と市場全体の効率性に影響を与える可能性がある。

そして、この水準は、機関投資家がこの銘柄を積極的に取引していることを示唆している可能性がある。

また、ダーク・プールにおける流動性は同社株価の安定に寄与し、株価のボラティリティを低下させるとも言える。

全体として、上述の市場での出来高に基づくと、ダラー・ゼネラルは健全な流動性のレベルを保持しているように見えるが、投資家はダークプールにおける同社株式の取引が同社の株価ダイナミクスに与える影響を考慮する必要があるだろう。

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