強気ドクシミティドキシミティ(DOCS)の将来性とは?最新決算後に30%以上上昇!注目のヘルスケア銘柄の今後の株価見通しに迫る!
マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ- 本稿では、注目の米国ヘルスケア企業であるドキシミティ(DOCS)の2024年8月8日に発表された最新の2025年第1四半期決算の分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
- 今回の決算を受けて、この度、私は同社をポートフォリオに追加することにしました。
- その理由としては、創業者主導の経営、11%の成長率、および、将来の予想フリー・キャッシュフローの25倍というバリュエーションに基づいています。
- 同社は、医療専門家向けのツールやAIソリューションに注力しており、成長の可能性を秘めていますが、収益成長の課題やデジタルヘルス業界における競争の激化にも直面しています。
ドキシミティ(DOCS)に関して
ドキシミティ(DOCS)は、2024年8月8日に最新の2025年度第1四半期決算を発表しています。この決算を受けて、この度、私は同社をモデル・ポートフォリオに追加することにしました。
最新の決算を受けて、株価が著しく上昇している点に関しても勿論理解しております。
私が同社を評価する理由は、創業者が経営する企業であり、経営陣が発行済株式の約半分を所有しているため、経営陣の利益と私たちの利益が一致する点にあります。
さらに、今年同社の売上高は約11%増加すると予測しており、将来のフリー・キャッシュフローに対するバリュエーションは約25倍とされています。
また、同社の時価総額の約12%は現金で構成されています。
これらが、私が同社に注目する理由であり、同社に対する目標株価として、2025年末までに「55ドル」と予想しております。
ドキシミティ(DOCS)に関する重要な背景
私が注目する銘柄には様々な特性があります。センチネルワン(S)やサムサラ(IOT)のように成長が非常に速く、金利変動に敏感な企業もあります。
一方、マッチ・グループ(MTCH)やセレスティカ(CLS)のように成長が穏やかで、低いバリュエーションのためにポートフォリオに追加した企業もあります。これらは金利の引き下げが予想以上に時間がかかることへのヘッジとして追加しました。マッチ・グループは損益分岐点でポートフォリオから除外することにしましたが、セレスティカに関しては、短期間で約40%のリターンを得ることができました。
同様に、ペイパル(PYPL)やパウエル・インダストリーズ(POWL)を現在ポートフォリオに組み入れている理由も、この考えに基づいています。これらはサムサラやセンチネルワンと同じ速度で成長することを目的としているわけではありませんが、その内在的な価値を安定させ、ゆっくりとしたペースで複利を重ねることを目指しています。
私が伝えたいのは、分散投資の重要性です。過去2週間の教訓はその再確認です。ポートフォリオの価値を維持し、投資家の感情の変化に左右されにくいポジションを持つ必要があると考えています。
小型株が大きなパフォーマンスを引き出すことは理解していますが、それはより高い変動性を伴うことも意味します。これがトレードオフです。このトレードオフを理性的な判断と経験をもとに処理することができるのは、経験を通じてのみだと考えています。そして、私は自身のビジョンと経験を活かした戦略により、高いパフォーマンスを実現できると考えています。
※トレードオフ:ある選択をすると他の選択を犠牲にしなければならない状況を指す。つまり、何かを得るためには何かを諦める必要があるという考え方。
なぜドキシミティ(DOCS)なのか?なぜ今なのか?
ドキシミティ(DOCS)は、注目の米国のヘルスケア関連銘柄であり、医療専門家が協力し合い、最新の医療ニュースにアクセスし、遠隔医療やメッセージング、スケジューリングのツールを利用できるデジタルプラットフォームを提供しています。同社は医師同士を近づけるという役割からその名がつけられました。
また、管理業務を効率化するためのAIソリューションを提供しており、保険会社へのアピールレター作成を支援するライティングアシスタントや、200万人以上のメンバーに向けたパーソナライズされたニュースフィードを備えています。
短期的には、リアルタイムのインサイトと推奨事項を提供する新しいクライアントポータルが好評で、さらなるクライアントの増加やアップセルの機会が期待されます。同社が医療専門家に貴重なツールを提供することに焦点を当てているため、持続的な成長が見込まれます。
しかし、同社は幾つかの課題にも直面しています。クライアントのアップセルや製品ローンチのタイミングによる売上高成長の変動が、財務パフォーマンスに影響を与える可能性があります。
また、クライアントポータルの採用が良好であることは将来の成功に重要ですが、デジタルヘルスの競争環境も激化しており、同社は自社の提供内容を差別化する必要があります。例えば、LinkedIn Healthcareはドキシミティと同様に医療コミュニティを対象にネットワーキングやプロフェッショナルディベロップメントの機会を提供しています。
その上で、この見解の2つの側面を明確にしたいと思います。経営陣が何を言おうと、売上高が10万ドル以上の顧客数は停滞しており、おそらく減少し始めていると考えられます。
(出典:10-K SEC)
これらの数値は90日前の前四半期のものです。しかし、同社が10万ドル以上の顧客数の報告を停止したことから、トップ・オブ・ファネルにおける顧客の採用曲線が横ばいになっていると考えています。
※トップ・オブ・ファネル(Top of the Funnel、略してTOFU):マーケティングや営業のプロセスにおいて、潜在的な顧客が最初に製品やサービスに接触する段階を指す。この段階では、見込み客がブランドや製品について初めて知ることが多く、興味を持ってもらうための情報提供や認知度向上が主な目的となる。
この状況は、以前Sezzle(SEZL)で経験したものと似ています。Sezzleでは、経営陣が経済的価値の低い顧客を解約させるため、アクティブな顧客数が横ばいになっていました。
同様に、ドキシミティの今後の成長は、顧客数の増加ではなく、既存の顧客に対してより多くの製品をアップセルすることから来ると考えています。
私の投資の仮説が成功するためには、ドキシミティの顧客維持率(リテンションレート)が110%前後、またはそれ以上を維持する必要があります。
(出典:SECファイリング)
このような背景を踏まえ、次に同社の基礎的な財務指標について見ていきましょう。
ドキシミティ(DOCS)の売上高:売上高成長率は改善する見込み
ドキシミティの売上高成長率
(出典:筆者作成)
ご覧の通り、ドキシミティ(DOCS)は急成長しているビジネスではありません。この点は明確です。それでも、このビジネスは長期間にわたって存続し、今年も11%から12%程度の成長を続けるでしょう。
さらに、同社の売上成長率は、最も厳しい比較対象の四半期(2024年度第1四半期の20%)と比べて報告されたばかりであることを念頭に置いてください。
これは、2025会計年度の残りの期間で四半期ごとの比較が容易になることを意味し、同社は10%台半ばの成長率を達成できる見込みです。
そして、これにより、同社は四半期の一部で10%台半ばの成長率を示すことができ、昨年と比較してより容易な比較対象のおかげで、新たなストーリーを描くことができます。それは、「業績回復に成功した」というものです。
これは、この私の仮説の重要な側面です。低い期待と改善された基礎的条件の組み合わせです。次に、ドキシミティのバリュエーションについてお話ししましょう。
ドキシミティ(DOCS)のバリュエーション:予想フリー・キャッシュフローの25倍
以前にも言いましたが、もう一度繰り返したいと思います。変曲点を見極める投資家として、企業のバランスシートを非常に注意深く見守る必要があります。
これについては、ブロードコム(AVGO)でお見せしました。強固なバランスシートを持っていると、ビジネスに柔軟性が生まれます。
現在、ドキシミティ(DOCS)は市場価値の約12%を現金で保持しています。
さらに、私は、今後12か月で同社は約2億7500万ドルのEBITDAを生み出すと見積もっています。EBITDAには設備投資の要件が最小限であるため、このEBITDAの大部分がフリー・キャッシュフローに変換されることになります。
総じて、今後12か月で同社は約2億5000万ドルのフリー・キャッシュフローを生み出す可能性があると考えています。これは、この負債のない企業が、時価総額の10%以上を現金として保有し、将来の予想フリー・キャッシュフローの25倍のバリュエーションで評価されていることを意味します。
ドキシミティ(DOCS)に対する結論
ドキシミティ(DOCS)の、将来の予想フリー・キャッシュフローの25倍という足元のバリュエーションは、その堅実な財務状態と成長の可能性を踏まえると魅力的に見えます。同社の強力なバランスシートは、時価総額の12%が現金であり、負債がないことから、同社に事業運営上の柔軟性を提供しています。
さらに、来年のフリー・キャッシュフローの予測額である2億5000万ドルは、その効率性を強調していると考えます。堅実な11%の成長率と株主の利益と一致した創業者主導の経営を組み合わせることで、同社は有望な未来に向かっていると見ています。
そして、私の同社の株価予想として、2025年末までの目標株価を55ドルとしています。
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