中立ドミノ・ピザドミノ・ピザ(DPZ)今後の株価見通しとは?予想配当利回りは1.1%!注目の配当株の最新の決算分析を通じて将来性に迫る!
イアニス・ ゾルンパノス- 本稿では、注目の配当銘柄であるドミノ・ピザ(DPZ・予想配当利回り1.16%・配当性向34%・1株当たり配当金1.51ドル)の2024年4月29日に発表された最新の2024年度第1四半期決算と配当推移を詳細に分析していきます。
- そして、それらの分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳細に解説していきます。
- ドミノ・ピザは世界90以上の市場に約20,600店舗を展開しており、ピザ市場での最大のプレーヤーとして成長を続けています。
- 同社は過去5年間で年平均10.80%のEPS成長率を維持し、強固な財務基盤と高い配当成長率(17.70%)で株主価値の提供に注力しています。
- 現在の株価は割高感があるものの、流動性が高く、機関投資家の高い関心を集めており、今後も市場での存在感を強める可能性があるでしょう。
ドミノ・ピザ(DPZ)の概要
セクター:レストラン
現在価格:517ドル
時価総額:180.4億ドル
弊社算出の一株当たり本質的価値:419.61ドル
安全マージン:-23.25%
過去5年間の配当成長率:17.70%
次回配当落ち日:2024年6月14日
次回配当支払い日:2024年6月28日
予想配当利回り:1.16%
過去5年間の売上高成長率:10.80%
過去10年間の売上高成長率:16.90%
ドミノ・ピザ(DPZ)は、2023年末時点で90以上の海外市場に約20,600店舗を展開するレストラン運営・フランチャイズ企業である。
同社は、直営店でのピザ、手羽先、サラダ、サンドイッチ、デザートの販売、フランチャイズ運営店舗からのロイヤリティとマーケティング収入、国内25カ所(およびカナダ5カ所)の生地製造およびサプライチェーン施設のネットワークを通じて収益を上げている。
また、2023年のシステム売上高はおよそ183億ドルで、同社はピザハット、リトル・シーザーズ、パパ・ジョンズを抑え、世界のピザ市場で最大のプレーヤーとなっている。
そして、同社は2024年4月29日に2024年第1四半期決算を発表している。
ドミノ・ピザ(DPZ)の収益と成長に関して
2024年第1四半期、ドミノ・ピザ(DPZ)の非経常損益項目を除くベースでのEPSは3.58ドルで、前四半期の4.47ドルから減少しており、1株当たり売上高も前四半期に比べ減少している。
しかし、前年同期と比較すると、非経常損益項目を除くベースでのEPSは成長を示している。
加えて、長期的なパフォーマンスを見ると、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率(CAGR)は10.80%で、過去10年間の年平均成長率は21.40%となっており、持続的な成長を実現していると言える。
一方で、今後10年間の同社業界の成長予測はプラスであることからも、同社の今後の成長見通しにプラスに働く可能性がある。
また、歴史的に、同社はある程度の財務レバレッジを維持し、それが持続的な成長を支えてきたと言える。
以上より、高い成長実績と明るい業界見通しを持つドミノ・ピザは、今後も市場での存在感を高め、株主に価値を提供し続ける可能性を秘めていると見ている。
ドミノ・ピザ(DPZ)の配当に関して
ドミノ・ピザ(DPZ)は過去数年間、強い配当成長の軌道を示してきた。
実際に、過去5年間の配当成長率は17.70%で、過去3年間の配当成長率は15.80%となっており、この一貫した成長は、増配を継続することで株主に報いるという同社のコミットメントを反映している。
また、直近の四半期では、同社は1.51ドルの1株当たり配当金(DPS)を発表し、投資家への安定した配当を維持している。
そして、予想配当利回り%は1.16%となっており、配当収入を求めている投資家にとって、適切なリターンを示している。
加えて、同社の配当実績を同社セクターと比較すると、同社の配当成長率は多くの同業他社を凌駕しており、その強固な財務基盤と株主価値へのコミットメントが示されている。
さらに、EBITDA純有利子負債倍率は5.50倍であり、同社が配当支払いを維持し、将来の成長イニシアチブを支える能力をさらに示している。
以上より、ドミノ・ピザの一貫した配当成長と堅実な財務基盤は、配当収入志向の投資家にとって魅力的に見えるだろう。
予想配当利回り:1.16%
配当性向:34%
配当カバレッジ・レシオ:2.98
過去5年間の配当成長率:17.70%
EBITDA純有利子負債倍率:5.5倍
ドミノ・ピザ(DPZ)のバリュエーションに関して
ドミノ・ピザ(DPZ)現在の株価である517ドルは、弊社算出の一株当たり本質的価値である419.61ドルを上回っており、割高の可能性を示している。
また、実績PERは33.78倍で、5年平均、10年平均を上回っており、過去のバリュエーションと比較しても割高である可能性を示唆している。
加えて、株価売上高倍率は4.04で、業界平均を上回っており、投資家が同社の売上高1ドルに対して割高なプレミアムを支払っていることを示している。
さらに、EV/EBITDA倍率は24.52と業界平均より高く、割高感をさらに裏付けている。
そして、PEGレシオは2.66となっており、成長見通しに比べて同社の株価が割高であることを示唆している。
全体として、ドミノ・ピザは過去の平均や同業他社と比べて割高で取引されているようであり、現在の価格水準では投資家の上値余地が限られている可能性がある。
ドミノ・ピザ(DPZ)のリスクとリターンに関して
ドミノ・ピザ(DPZ)のリスク評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたい。
まずマイナス面では、1株当たり売上高の伸びは過去12ヵ月で鈍化している。
また、株価は10年来の高値水準に近く、株価売上高倍率も2年来の高水準に近い。
加えて、予想配当利回りは2年ぶりの低水準に近く、配当を通じた投資家のリターンが低いことを示している。
一方でプラス面では、ピオトロスキーFスコアが9で、非常に健全な財務状況を示している。
また、ベニッシュMスコアは-2.52で、同社が利益操作を行っている可能性が低いことを示唆している。
さらに、営業利益率は拡大していることはポジティブな兆候である。
全体として、売上高の成長率の鈍化等の赤信号はあるものの、ドミノ・ピザの堅調な財務健全性は投資家に安心感を与えていると言える。
ドミノ・ピザ(DPZ)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して
ドミノ・ピザ(DPZ)のインサイダー取引分析によると、過去12ヶ月にインサイダーによる同社株式の買い付けはなかった一方で、同期間に15件のインサイダーによる同社株式の売却が確認されている。
これは、同社のインサイダーが、同社の将来の業績に対する自信のなさを示している可能性がある。
ただし、インサイダーによる同社株式の保有比率はわずかに1.66%である点にはご留意いただきたい。
一方、機関投資家による同社株式の保有比率は71.81%と著しく高く、機関投資家が同社に大きな関心を寄せていることを示唆している。
全体として、インサイダー取引と保有比率のトレンド分析から、ドミノ・ピザのインサイダーは同社株式を売却する一方で、機関投資家は継続して同社株式に関心を示していることが分かる。
ドミノ・ピザ(DPZ)の流動性に関して
ドミノ・ピザ(DPZ)の過去2ヵ月間の1日平均出来高は628,622株で、直近営業日の1日の出来高は467,962株となっており、同銘柄の流動性が安定していることを示唆している。
また、同社株式のダークプール指数(DPI)は43.57%で、取引活動のかなりの部分がダークプールで行われていることを示している。
※ダーク・プール指数は、ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。
この高水準のDPIは、同社株式の価格発見への透明性と市場全体の効率性に影響を与える可能性がある。
そして、この水準は、機関投資家がこの銘柄を積極的に取引していることを示唆している可能性がある。
また、ダーク・プールにおける流動性は同社株価の安定に寄与し、株価のボラティリティを低下させるとも言える。
全体として、ドミノ・ピザの流動性と取引活動は活発で、ダークプールでの取引においても同社の存在感が際立っているように見える。
さらに、その他のドミノ・ピザ(DPZ)に関するレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、ドミノ・ピザのページにアクセスしていただければと思います。
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関連用語
※ダーク・プール(私設取引所):株式などの金融商品が公開市場(例えば証券取引所)ではなく、非公開の場で取引されるプラットフォームのこと。ダーク・プールでは取引の内容(注文の価格や数量)が一般に公開されないため、大量の株式を売買する際に市場に与える影響を最小限に抑えることができる。主に機関投資家が利用し、取引の透明性が低い点が特徴。
※ダーク・プール指数(DPI):ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。
アナリスト紹介:イアニス・ゾルンパノス氏
📍バリュー・インカム担当
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