12/02/2024

【高配当】エンタープライズ・プロダクツ・パートナーズ(EPD)予想配当利回り6.10%と配当金0.525ドルが魅力的!

metal pipe between trees at daytimeイアニス・ ゾルンパノスイアニス・ ゾルンパノス
  • 本稿では、注目の配当銘柄であるエンタープライズ・プロダクツ・パートナーズ(EPD・予想配当利回り6.10%・配当性向77%・1株当たり配当金0.525ドル)の2024年10月29日に発表された最新の2024年第3四半期決算と配当推移を詳細に分析していきます。 
  • そして、それらの分析を通じて、同社の今後の株価見通しと将来性を詳細に解説していきます。
  • 同社は、天然ガスや原油の輸送・貯蔵を手掛ける大手エネルギー企業で、安定した配当支払いと6.10%の高配当利回りが魅力の配当株です。 
  • 2024年第3四半期決算ではEPSが前年同期比で増加し、売上高も順調に成長している一方、粗利益率の低下が課題となっています。 
  • 配当成長率や財務健全性の高さが評価される一方、株価の割高感とマージン圧迫への対応が投資家の注目点となっています。

エンタープライズ・プロダクツ・パートナーズ(EPD)の概要


バリュエーション:やや割高

リスクレベル:中リスク


セクター:石油・ガス

現在の株価:34ドル

時価総額:746.3億ドル

弊社算出の一株当たり本質的価値:30.08ドル

安全余裕率(マージン):-14.45%

過去5年間の配当成長率:2.70%

前回配当落ち日:2024年10月31日

前回配当支払い日:2024年11月14日

予想配当利回り:6.10%

過去5年間の売上高成長率:11.00%

過去10年間の売上高成長率:0.70%


関連用語

安全マージン(Margin of Safety):株式の本質的価値(本来の価値)とその市場価格との間にある差のこと。投資家はこの差を利用して、予想が外れた場合や市場の変動によるリスクを軽減するための「安全な余裕(マージン)」を確保する。例えば、本質的価値が100円の株が市場で80円で取引されている場合、その20円の差が安全マージンとなる。この差が大きいほど、投資のリスクが低くなるとされている。

売上高成長率:企業の売上高が前年と比べてどれだけ増加したかを示す割合で、企業の成長スピードや市場での競争力を評価するための指標。一般的にプラス成長が望ましく、高いほど企業の成長力が強いと言える。


足元の株価推移

(出所:筆者作成)

エンタープライズ・プロダクツ・パートナーズ(EPD・予想配当利回り6.10%・配当性向77%・1株当たり配当金0.525ドル)は、米国テキサス州ヒューストンに本社を置く、エネルギーセクターの大手ミッドストリーム企業です。

同社は、天然ガス、天然ガス液(NGL)、原油、精製製品、石油化学製品の輸送、処理、貯蔵、販売を手掛け、米国本土48州の主要産油地域をカバーする広範なパイプラインネットワークを持っています。

特にNGL市場において圧倒的な存在感を持ち、炭化水素バリューチェーン全体にわたるサービスを提供できる数少ない企業の一つとして評価されています。

また、同社は安定した配当支払いで知られており、現在の予想配当利回りは6.10%と、セクター内でも競争力のある水準です。

最近の配当金は1株あたり0.525ドルで、過去数年間にわたって着実に増加しています。

配当性向は77.0%と高めですが、収益の一定割合を留保することで配当の安定性を維持しています。

また、四半期ごとの配当スケジュールにより、次回の配当落ち日は2025年1月30日と予想されています。

以上より、同社は、エネルギーインフラにおける豊富な経験と広範なネットワークを活かし、安定した配当と長期的な成長の可能性を提供する配当株として特にインカム投資家に注目されています。

そして、同社は20241029日に2024年第3四半期決算を発表しており、下記では同社の最新の決算と財務パフォーマンス、並びに配当推移を詳しく分析していきます。

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エンタープライズ・プロダクツ・パートナーズ(EPD)の最新の2024年度第3四半期決算発表に関して

エンタープライズ・プロダクツ・パートナーズ(EPD20241029日に発表された、最新の2024年度第3四半期決算発表では、非経常損益項目を除くベースでのEPSは0.65ドルを記録し、前四半期の0.64ドルからわずかに増加し、前年同期の0.60ドルからも明らかに改善しています。

一方で、長期的なパフォーマンスを見ると、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率(CAGR)は6.00%、過去10年間の年平均成長率は7.30%となっており、中長期的にも一定の成長を実現していることが分かります。

また、今四半期の1株あたり売上高(Revenue per Share)は6.284ドルと、前四半期の6.145ドルから増加し、前年同期の5.469ドルを大きく上回りました。

粗利益率(Gross Margin)は今四半期には12.56%となり、過去5年間の中央値である14.04%、および、過去10年間の中央値である13.76%を下回りました。

このことは、コストの上昇や価格調整などによるマージン圧迫がある可能性を示唆しています。

さらに、自社株買い比率(発行済株式の買い戻し率)は過去1年、および、過去3年間で0.20%と控えめながらも安定しており、この戦略により発行株式数を減らし、EPSの向上を通じて株主への還元を強化しています。

将来を見据えると、業界全体の成長見通しは引き続き明るいとされています。

市場のアナリスト予測では、同社の売上高は2026年までに699億3404万ドルに達し、2025年と2026年のEPSの予想はそれぞれ2.682ドルおよび2.871ドルとされています。

こうした成長見通し、現状の業績指標、そして戦略的な自社株買いを考慮すると、同社は今後の成長に向けて良好な基盤を築いているように見えますが、マージン圧迫への対応が引き続き課題となります。

次の決算発表は2025年1月31日に予定されており、同社の成長や財務状況に関するさらなる情報が明らかとなるでしょう。

非経常損益項目を除くベースでのEPS

(年間ベース:直近4四半期の合計値

(出所:筆者作成)


関連用語

EPS(Earnings Per Share、1株当たり利益):企業が一定期間内に得た純利益を、その期間中に発行されている株式の総数で割った値のこと。EPSは、株主が1株あたりどれだけの利益を得たかを示す指標であり、企業の収益力を評価する際によく用いられ、EPSが高いほど、一般的にはその企業が効率的に利益を上げていると判断される。

非経常損益項目を除くベースでのEPS(EPS without NRI):非経常的な収益や費用(例: 一時的な訴訟費用や災害損失)を除いた後の1株当たりの利益(EPS)。これにより、通常の業績をより正確に反映することが可能。

希薄化後EPS:既存株主にとって、潜在的に新しい株式が発行された場合(例: ストックオプションや転換社債の行使)に、1株あたりの利益(EPS)がどの程度薄まるかを考慮したもの。

1株当たり売上高:企業の総売上高を発行済株式数で割った値で、1株あたりが生み出す売上を示しており、企業の売上規模と株式の価値を評価するのに役立つ。

粗利益率:売上高に対する粗利益の割合を示す指標。企業が商品やサービスを販売した際に、売上から直接かかったコスト(売上原価)を差し引いて得られる利益の割合を計算する。粗利益率が高いほど、企業が商品やサービスから得られる利益が大きいことを意味する。

自社株買い比率:企業が自社の発行済み株式を買い戻した割合を示す指標。この比率は、過去の一定期間において企業がどれだけ自社株を買い戻したかを示しており、通常は1年間の比率として表される。具体的には、買い戻された株式数をその期間の発行済株式総数で割ることで計算される。高い比率は、企業が積極的に自社株を買い戻し、EPS(1株当たり利益)を押し上げる可能性があることを示唆している。

各指標のより詳細な解説は、下記のコラムをご覧ください。

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エンタープライズ・プロダクツ・パートナーズ(EPD)の財務パフォーマンスに関して

エンタープライズ・プロダクツ・パートナーズ(EPDの財務パフォーマンスを、投下資本利益率(ROIC)と加重平均資本コスト(WACC)の観点から分析していきます。

同社は、効率的な資本配分を通じて経済的価値を創出する優れた実績を示しています。

同社の過去5年間のROICの中央値は9.98%で、同期間のWACCの中央値である7.53%を大きく上回っています。

これは、同社が投資した資本に対して、資本コストを上回る収益を安定的に生み出していることを意味します。

また、直近の数値では、現在のROICは10.98%であり、現在のWACCの6.52%をさらに大きく上回っています。

これにより、同社が引き続き資金調達コストを上回るリターンを生み出すプロジェクトに投資し、株主価値を高めていることが確認できます。

また、同社の自己資本利益率(ROE)は21.06%に達しており、過去10年間のWACCの中央値を大幅に上回っています。

これにより、同社が株主資本を非常に効率的に活用していることが示されています。

全体として、エンタープライズ・プロダクツ・パートナーズの財務指標は、資本コストを上回るリターンを安定的に生み出し続けることで、株主の利益を増大させる確かな能力を持つことを示しています。

投下資本利益率(ROIC)加重平均資本コスト(WACC)の比較

(出所:筆者作成)


関連用語

総資産利益率(ROA: Return on Assets):企業が保有する全ての資産を使ってどれだけの利益を生み出したかを示す指標。計算は純利益を総資産で割ることで算出され、ROAが高いほど、企業が資産を効率的に運用していることを示す。

自己資本利益率(ROE: Return on Equity):企業が株主の出資(自己資本)を使ってどれだけの利益を生み出したかを示す指標。計算は純利益を自己資本で割ることで算出され、ROEが高いほど、株主にとって効率的な運用が行われていることを示す。

投下資本利益率(ROIC: Return on Invested Capital):企業が投下資本(株主資本+負債)を使ってどれだけの利益を生み出したかを示す指標。計算はNOPAT(税引後営業利益)を投下資本で割ることで算出され、ROICが高いほど、企業が効率的に資本を運用していることを示す。

ジョエル・グリーンブラット氏の資本利益率(ROC: Return on Capital):株主資本と長期負債の合計である資本に対して、どれだけの利益(NOPAT)を生み出しているかを示す指標。ROICと同様に、資本の効率的な運用を評価する。

加重平均資本コスト(WACC: Weighted Average Cost of Capital):企業が資金を調達する際に必要となる平均的なコストを示す指標で、株主資本と負債のコストを加重平均して求める。WACCが低いほど、企業の資本コストが低く、投資がより利益を生む可能性が高くなる。

各指標のより詳細な解説は、下記のコラムをご覧ください。

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エンタープライズ・プロダクツ・パートナーズ(EPD)の配当に関して

エンタープライズ・プロダクツ・パートナーズ(EPD)は、配当を安定して増加させており、過去3年間の配当成長率は3.60%、過去5年間では2.70%となっています。

さらに、この安定した成長に加え、セクター内で競争力のある6.10%の予想配当利回りは際立っています。

最近の1株あたり配当金は0.525ドルで、2024年初めの0.515ドルから増加しており、引き続き上昇傾向を示しています。

同社のEBITDA有利子負債倍率は3.36倍で、中程度の範囲内にあります。

これは、財務リスクが管理可能な水準であることを示していますが、この比率は中程度の上限に近い値であるため、市場環境によっては注意が必要と言えるでしょう。

基本的には、EBITDA有利子負債倍率は2倍以下であれば財務リスクが低く、4倍以上であれば財務リスクが高いことを示すとされています。

さらに、配当性向は過去10年間で大きな変動がありましたが、現在の77.0%という水準は過去の最高値を大幅に下回っており、収益をより多く留保していることが伺えます。

これにより、将来的な配当の安定性が期待されます。

また、同社の配当は四半期ごとに支払われ、2024年10月31日以降の次回配当落ち日は2025年1月30日と見込まれています。

加えて、今後3~5年の配当成長率は5.23%と予想されており、配当の継続的な増加が期待されます。

予想配当利回り:6.10%

配当性向:77%

配当カバレッジ・レシオ:1.3倍

過去5年間の配当成長率: 2.70%

EBITDA有利子負債倍率:3.36倍

DPS(Dividend Per Share):1株当たりの配当金

(出所:筆者作成)

Dividend Yield:予想配当利回り

(出所:筆者作成)

Dividend Payout:配当性向

(出所:筆者作成)


関連用語

1株当たりの配当金:企業が株主に支払う配当金を、発行されている株式の総数で割った値。これにより、株主が保有する1株あたりに受け取ることができる配当金の金額が示される。

配当成長率:企業が過去数年間にどれだけ配当金を増加させたかを示す割合。配当成長率が高いほど、企業が株主に対して利益を還元する意欲が強いことを示す。

予想配当利回り:企業が次年度に支払うと予想される配当金を現在の株価で割った割合。投資家にとって、どれだけのリターンを配当として受け取ることができるかの見込みを示す。

配当性向:企業の純利益に対して、どれだけの割合を配当金として支払っているかを示す指標。計算は、配当金を純利益で割って算出され、配当性向が高すぎると、企業の成長投資に使える資金が減少する可能性がある。

EBITDA有利子負債倍率:EBITDA(税引前利益、利払い、減価償却前の利益)に対する有利子負債の割合を示す。企業の有利子負債が利益によってどれだけカバーできるかを示す指標で、低いほど財務的な健全性が高いとされている。

配当カバレッジ・レシオ:企業の利益が、支払われる配当金をどれだけ上回っているかを示す指標。計算は、利益(通常は純利益かEBITDA)を配当金で割ることで算出され、配当カバレッジ・レシオが高いほど、配当が持続可能であると考えられている。

配当王:50年以上にわたり連続して配当を増やし続けている企業。これに該当する企業は、長期間にわたり安定した利益成長と配当支払いを維持していることを示している。

配当貴族:25年以上連続して配当を増やしている企業。これも安定した配当成長を実現している企業に与えられる称号。

各指標のより詳細な解説は、下記のコラムをご覧ください。

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エンタープライズ・プロダクツ・パートナーズ(EPD)のバリュエーションに関して

エンタープライズ・プロダクツ・パートナーズ(EPDの現在の株価は34.43ドルで、弊社算出の一株当たり本質的価値である30.08ドルよりもわずかに高い水準にあり、安全余裕率(マージン)が-14.46%となっていることから、わずかに割高である可能性が示唆されています。

一方で、直近過去12カ月(TTM)ベースの実績PERは12.9倍で、過去10年の中央値である13.46倍を下回りますが、過去10年の最低値である6.71倍よりは高く、歴史的な範囲内で適切なバリュエーションといえます。

また、予想PERは12.03倍で、将来の成長期待がやや減少しているものの、過去のデータと比較すると妥当な範囲に収まっています。

さらに、直近過去12カ月ベースのEV/EBITDA倍率は11.06倍で、過去10年間の中央値である11.43倍をわずかに下回っており、企業価値が利益に対して比較的適正に評価されていることを示しています。

加えて、直近過去12カ月ベースの株価フリーキャッシュフロー倍率は20.82倍と10年間の中央値である23.23倍を下回り、キャッシュフローの観点では割安感があるといえます。

しかし、直近過去12カ月ベースのPBRは2.63倍で、過去10年間の中央値である2.33倍を上回り、純資産に対してやや割高感がある可能性を示唆しています。

市場のアナリストの同社に対する評価では、最近の数カ月で目標株価が徐々に引き上げられ、現在の目標株価の平均値は34.83ドルとなっています。

この安定した目標株価の上昇と多くのアナリストの評価は、同社の将来性に対する前向きな見通しを示しています。

しかしながら、現時点のバリュエーション指標を踏まえると、投資家は安全余裕率の不足、アナリストの好意的な見解、そして歴史的なバリュエーション指標を慎重に考慮し、投資判断を行う必要があるでしょう。

(出所:筆者作成)


上記グラフにおける関連用語

Price:現在の株価

Yiazou Value:弊社算出の一株当たり本質的価値

DCF (FCF Based):フリーキャッシュフローに基づくDCF法を用いて算出した理論株価

DCF (Earnings Based):収益に基づくDCF法を用いて算出した理論株価

Median P/S:株価売上高倍率の中央値ベースの理論株価

Perter Lynch:ピーター・リンチ氏のバリュエーション計算方法に基づく理論株価

赤線:上記の各バリュエーション手法により算出された理論株価の平均値


関連用語

実績PER(Price Earnings Ratio):過去1年間の実績ベースの1株当たり利益(EPS)に対する現在の株価の倍率。企業が過去にどれだけの利益を上げたかに基づいて、株価が割安か割高かを評価する指標。

予想PER(Forward PER):予想される1株当たり利益(来年度のEPS予想)に対する現在の株価の倍率。将来の利益見込みに基づいて、株価が割安か割高かを評価する指標。

PEGレシオ(Price/Earnings to Growth Ratio):PERを企業の利益成長率で割った指標。成長率を考慮した株価の割安・割高を判断するために使われ、一般的に1以下が割安とされる。

株価売上高倍率(Price to Sales Ratio, PSR):企業の売上高に対する現在の株価の倍率。売上高に対して株価がどれだけの価値を持つかを示す指標で、低いほど割安とされる。

株価フリー・キャッシュフロー倍率(Price to Free Cash Flow Ratio, P/FCF):企業がフリー・キャッシュフロー(営業キャッシュフローから資本的支出を差し引いた金額)に対する現在の株価の倍率。企業のキャッシュフロー創出能力に対して株価が割安か割高かを判断する。

EV/EBITDA倍率(Enterprise Value to EBITDA Ratio):企業価値(EV:株式時価総額+負債−現金)をEBITDA(税引前利益、利払い、減価償却前の利益)で割った指標。企業全体の価値に対する収益力を評価するために用いられる。

PBR(Price to Book Ratio, 株価純資産倍率):企業の純資産(簿価)に対する現在の株価の倍率。株主資本に対して株価がどれだけの価値を持つかを示し、1倍以下だと市場での評価が純資産を下回っているとされる。

各指標のより詳細な解説は、下記のコラムをご覧ください。

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エンタープライズ・プロダクツ・パートナーズ(EPD)のリスクとリターンに関して

エンタープライズ・プロダクツ・パートナーズ(EPDのリスク・リターン評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたいと思います。

まず、同社は過去3年間で24億ドルの負債を発行しており、現時点では許容範囲内とされていますが、長期的な財務健全性に対する懸念が生じる可能性があります。

また、粗利益率と営業利益率はそれぞれ年平均で-4.8%と-4.6%低下しており、運営の効率性に課題があることを示しています。

この傾向が続けば、財務状態にさらに悪影響を与える可能性があります。

また、上記のチャートからも分かる通り、配当性向が77%と高水準にあり、予想配当利回りも過去5年間の最低水準に近づいている点には注意が必要でしょう。

さらに、株価は過去10年の高値圏にあり、株価売上高倍率(PSR)は過去3年間のピーク付近に達しています。

これにより、現在のバリュエーションが同社が直面する潜在的な課題を十分に反映していない可能性があります。

しかしながら、ピオトロスキーのFスコアが7であることから財務の健全性が示されており、ベニッシュのMスコアも利益操作の可能性が低いことを示唆しているため、運営の信頼性については一定の安心感があります。

総じて、一部のバリュエーション指標は前向きな評価を示していますが、長期的な財務戦略の持続可能性には疑念が残ります。

そのため、投資家はこれらのリスクを慎重に監視する必要があると言えるでしょう。


関連用語

財務レバレッジ:企業が負債をどれだけ活用して資産を増やしているかを示す指標。高い財務レバレッジはリスクを伴うが、うまく活用すればリターンが増加する可能性もある。 目安は業界によって異なるが、一般的には2~3倍が理想とされ、高すぎると財務リスクが高まるとされている。

アルトマンのZスコア:企業の財務健全性を評価するための指標で、特に倒産リスクを予測するのに用いられる。複数の財務指標を組み合わせて計算され、Zスコアが低いほど倒産リスクが高いとされる。目安としては、3.0以上は安全、1.8未満は倒産リスクが高いとされている。

ベネッシュのMスコア:企業が財務報告において不正行為や収益の過大計上を行っている可能性を評価する指標。スコアが高いと、財務操作のリスクが高いとされ、-2.22以下で不正の可能性が低いとされている。

ピオトロスキーのFスコア:企業の財務健全性や成長性を評価するための指標で、9つの財務指標に基づいてスコアが付けられる。スコアが高いほど、財務状況が健全であると評価される。目安としては、7〜9は財務状況が非常に健全、4〜6は平均的、0〜3は財務上の懸念がある可能性が高いとされている。

インタレスト・カバレッジ・レシオ(利息カバレッジ比率):企業が稼いだ利益(通常は営業利益)が、支払わなければならない利息に対してどれだけ余裕があるかを示す指標。計算式は、営業利益 ÷ 利息費用。目安としては、2倍以上が望ましいとされ、これは企業が利息の2倍以上の利益を稼いでいることを意味し、財務的な余裕があると評価される。逆に、1倍以下だと、利息の支払いが困難になる可能性があり、財務リスクが高まる。

ベンジャミン・グレアム:現代のバリュー投資の父と呼ばれる著名な投資家であり、経済学者。「証券分析」や「賢明なる投資家」などの著書を通じて、企業の本質的価値に基づいて株を割安に買うというバリュー投資の概念を広めた人物。彼の投資哲学は、リスクを抑えつつ堅実なリターンを得ることを目指し、多くの投資家に影響を与えている。

各指標のより詳細な解説は、下記のコラムをご覧ください。

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エンタープライズ・プロダクツ・パートナーズ(EPD)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して

エンタープライズ・プロダクツ・パートナーズ(EPD)の過去1年間のインサイダー取引を分析すると、インサイダーによる同社株式の売買件数は非常に少なく、直近の3カ月、6カ月、12カ月の間に売却は確認されていません。

一方で、インサイダーによる同社株式の買い付けはわずかに確認されており、過去6カ月間に1件、過去1年間では合計2件の買い付けが確認されています。

このことは、インサイダーが慎重な姿勢を取っているものの、自社の株式に対する信頼感があるか、または、自社株式を急いで手放す必要がない状況を示唆している可能性があります。

ただし、インサイダーによる保有比率は0.95%と低く、同社の取締役や経営陣の同社株式の保有割合が小さいことを示しています。

一方、機関投資家の所有率は26.71%となっており、プロの機関投資家による一定の関心があることが分かります。

全体的に見ると、インサイダーによる売却が一切ないことと、少数ながらも買い付けがあることから、インサイダーが安定した見通しを持っていることが伺えます。

また、プロの機関投資家の一定の保有比率は、同社の長期的な成長可能性に対する大口投資家の信頼感を示していると考えられます。

インサイダー(内部関係者)による売買

(出所:筆者作成)


関連用語

インサイダーによる自社株式の保有比率:企業の経営陣や役員、主要株主(一般的に10%以上の株式を保有する人)が、その企業の株式をどれだけ保有しているかを示す割合。インサイダーが多くの株式を保有している場合、彼らが企業の将来に自信を持っていると見なされることが多い。

機関投資家による株式の保有比率:投資ファンドや保険会社、年金基金などのプロの機関投資家が、その企業の株式をどれだけ保有しているかを示す割合。機関投資家の保有比率が高いと、その企業が市場で信頼されていると判断されることがある。


エンタープライズ・プロダクツ・パートナーズ(EPD)の流動性に関して

エンタープライズ・プロダクツ・パートナーズ(EPD) は活発な取引状況を示しており、直近取引日の1日あたりの出来高は4,730,213株で、過去2カ月間の平均出来高である3,930,732株を大幅に上回っています。

この出来高の増加は、投資家の関心が高まっていることや、最近のニュース、決算発表、または、市場全体の動きが影響している可能性を示唆しています。

また、同社のダークプール指数(DPI)は53.7%であり、全取引の半数以上が非公開市場で行われていることを意味します。

DPIが50%を超える場合、通常は機関投資家が積極的に取引を行っていることを示唆し、将来の値動きを見越したポジションの構築や既存ポジションのヘッジが行われている可能性があります。

このようなダークプールでの活発な取引は、大規模な市場参加者からの高い関心を示しており、時には大きな価格変動の前触れとなることがあります。

総じて、同社の流動性は非常に高く、十分な取引量があるため、大きな価格変動を伴うことなく効率的な売買が可能です。

しかし、市場の投資家は出来高とDPIを注意深く監視し、さらに、エネルギー・公益セクターに影響を与える経済イベントの際には、株価の変動や投資家の関心動向を把握することが一層重要となるでしょう。

また、インベストリンゴのインカム・高配当株担当アナリストであるヴェンカット・ ラガーヴァン氏が、同社に関する下記のより詳細なレポートを執筆しております。

もし詳細に関心がございましたら、是非、インベストリンゴのプラットフォーム上より、併せてご覧いただければと思います。

その他のエンタープライズ・プロダクツ・パートナーズ(EPDに関するレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、エンタープライズ・プロダクツ・パートナーズのページにてご覧いただければと思います

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関連用語

ダーク・プール(私設取引所):株式などの金融商品が公開市場(例えば証券取引所)ではなく、非公開の場で取引されるプラットフォームのこと。ダーク・プールでは取引の内容(注文の価格や数量)が一般に公開されないため、大量の株式を売買する際に市場に与える影響を最小限に抑えることができる。主に機関投資家が利用し、取引の透明性が低い点が特徴。

ダーク・プール指数(DPI):ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。


アナリスト紹介:イアニス・ゾルンパノス氏

📍バリュー・インカム担当

ゾルンパノス氏のその他の配当関連のレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、ゾルンパノス氏のプロフィールページにアクセスしていただければと思います。


インベストリンゴでは、弊社のアナリストが、高配当関連銘柄からAIや半導体関連のテクノロジー銘柄まで、米国株個別企業に関する動向を日々日本語でアップデートしております。そして、インベストリンゴのレポート上でカバーされている米国、及び、外国企業数は250銘柄以上となっております。米国株式市場に関心のある方は、是非、弊社プラットフォームよりレポートをご覧いただければと思います。

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