強気ファイバー・インターナショナル【テクノロジー】ファイバー・インターナショナル(FVRR:目標株価60ドル)とは?今後の株価見通しと将来性に迫る!
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- 本稿では、注目の米国テクノロジー関連銘柄であるファイバー・インターナショナル(FVRR)の2025年2月19日に発表された最新の2024年第4四半期決算分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
- 同社は、見過ごされがちなファンダメンタルズと、より高いフリーキャッシュフローを生み出す可能性を踏まえ、さらなる上昇余地があると見ており、2026年夏までの目標株価として60ドルを設定しています。
- アクティブバイヤー数が10%減少しているものの、同社のバリュエーションは将来の予想フリーキャッシュフローの13倍と魅力的であり、この減少はすでに織り込まれていると考えています。
- 同社は前年比14%の成長率と低い投資家の期待値を兼ね備えており、私のポートフォリオにおけるリスクヘッジとしても安全性の高い選択肢となります。
- また、同社の独自のユーザーインターフェースや、広告・サブスクリプション事業への拡大は、その価値をさらに高め、アップワーク(UPWK)のような競合他社との差別化要因となっています。
ファイバー・インターナショナル(FVRR)の最新の2024年度第4四半期決算発表を受け、ポートフォリオへの組み入れを決定!
ファイバー・インターナショナル(FVRR)は、一見、特に目を引く銘柄ではありません。その点は承知しています。しかし、この「退屈な銘柄」であることにとらわれず、本質を見る必要があると考えています。そして、本稿ではその理由を詳しく解説していきます。
2025年に市場を上回るパフォーマンスを目指すには、ポートフォリオには急成長する「魅力的な」銘柄と、成長期待が低く投資家の関心も薄い銘柄の両方が必要だと考えています。
私の考えとしては、やや成長スピードが緩やかで、金利の影響を受けにくいビジネスを好みます。
昨日、テラドック・ヘルス(TDOC)を売却(下記レポートの詳細に関しては、インベストリンゴのプラットフォーム上にてご覧ください)しましたが、ファイバー・インターナショナルについても同じ考え方です。
ポートフォリオには、動きの遅い銘柄をいくつか組み込んでおき、ポートフォリオ全体の「ヘッジ」として活用したいと考えています。言い換えれば、安全策を取るということです。
ファイバー・インターナショナルの事業は前年比約14%で成長しており、この点を評価しています。ただし、懸念点としては、同社のアクティブバイヤー数が減少を続けていることで、2024年第4四半期は前年比で10%減少しています。しかし、この要素はすでに株価に織り込まれていると考えています。そして、現在の同社のバリュエーションは、将来の予想フリーキャッシュフローの約13倍と評価されており、総合的に見て、同社は良い投資先になると考えています。
2026年夏までの目標株価:1株60ドル
ファイバー・インターナショナル(FVRR)への投資における重要な前提
ポートフォリオに新たに銘柄を追加する際には、常に不確実性を考慮する必要があると考えています。そして、私が新たに追加する銘柄がすべて成功するわけではありません。市場では、予測できないような些細な要因で物事が思い通りに進まないことが頻繁にあります。どの銘柄がうまくいき、どの銘柄がうまくいかないかを事前に完全に把握することはできません。
ただし、私には確立した投資プロセスがあり、それに従っています。
1️⃣ 本日、市場が開いたタイミングでポートフォリオの2.5%相当を投資
2️⃣ 4~6週間以内に、さらに2.5%相当を追加投資。ただし、平均取得単価を上げることはしない。株価が下がるタイミングは、10回中9回は訪れると考えている。
3️⃣ ポートフォリオ内の如何なる銘柄にも、全体の5%以上の資金を投入しない。
このプロセスを守ることで、リスクを適切に管理しながら投資を進めることができると考えています。
ファイバー・インターナショナル(FVRR)とは?
ファイバー・インターナショナル(FVRR)は、グラフィックデザインやマーケティング、コーディングなど、幅広いサービスのフリーランサーを雇うことができるオンラインマーケットプレイスです。
他のフリーランスサイトと比較して同社がやや独自性を持っている点は、優れたユーザーインターフェースにあります。明確な料金設定と多様なスキルを持つプロフェッショナルを揃えた、シンプルで使いやすいプラットフォームを提供することで、雇用プロセスをスムーズにしています。
そして、同社の価値は、その利便性と手頃な価格にあります。買い手とフリーランサーをグローバルに結びつける二者間マーケットプレイスとして機能し、個人だけでなく企業にとっても、迅速にギグワークを依頼できる主要なプラットフォームとなっています。
現在、同社は単なるギグ取引の枠を超えたサービス拡充に注力しています。2024年第4四半期には、広告やサブスクリプションサービスを導入し、買い手と売り手の双方にさらなる価値を提供する方針を発表しました。
とはいえ、投資家が気にする懸念点として、2024年第4四半期のバイヤー数が前年比で10%減少した点が挙げられます。しかし、これはすでに株価に織り込まれていることを強調しておきたいと思います。
ファイバー・インターナショナル(FVRR)の売上高:2025年度の売上高成長率は14%へ向かう可能性
ファイバー・インターナショナルの売上高成長率(%)
(出所:筆者作成)
ファイバー・インターナショナル(FVRR)の2024年の年間の売上高成長率は8.3%で終了しました。一方で、2025年のガイダンスとして12%の成長を見込んでいることを考えると、2025年が終わる前には、投資家も「14%の売上成長は現実的だ」と捉えるようになると考えています。
特に、2025年第1四半期には、前年比16%の売上成長を達成する可能性があると見ています。これは、成長率が加速しているように見えるため、投資家にとって非常に魅力的な展開となると考えています。
実際、2024年の売上成長率は8.3%だったのに対し、2025年は約13%~14%のトップライン成長が予想されています。
また、投資において短期的に良好な状況を作り出すことは、企業への関心を高めるクッションの役割を果たすことがあります。
この点を踏まえ、次に同社のバリュエーションについて見ていきます。
ファイバー・インターナショナル(FVRR)のバリュエーション:将来の予想フリーキャッシュフローの13倍
私はインフレクション投資家として、常にバランスシートが健全な企業に注目しています。企業の財務の安定性を把握することは、投資判断において極めて重要です。
ファイバー・インターナショナル(FVRR)の純負債は約4,000万ドルです。これは、決して理想的なバランスシートとは言えません。基本的に、私は純キャッシュ比率が約5%の企業を優先して投資対象としています。しかし、時には妥協が必要な場合もあると考えています。
さらに、同社の転換社債は現在、貸借対照表上で短期負債として分類されており、長期負債ではなく今後12ヶ月以内に処理される予定です。
そのため、同社は転換社債の一部を返済し、残りをリファイナンスする計画を持っていると考えています。
個人的な意見としては、2024年に実施した自社株買いではなく、転換社債の返済を優先する方が良かったのではないかと思います。
確かに、2024年の最初の9ヶ月間に実施した自社株買いは、現在の株価と比較して低い水準で行われたため、一見すると成功したように見えます。しかし、バランスシートの改善に資金を充てた方が、同社にとって長期的に良い結果をもたらしたのではないかと考えます。
この資本配分の判断は、必ずしも最適とは言えないでしょう。
次に、同社は今後2年間でフリーキャッシュフローを前年比14%成長させる計画を立てています。これは、2024年のフリーキャッシュフローが一時的なエスクロー支払い(1,220万ドル)を除外すると14%成長したことを踏まえたものです。
この成長を前提とすると、2025年のフリーキャッシュフローは約1億1,000万ドルに達する可能性があります。これにより、現在の株価は将来の予想フリーキャッシュフローの13倍という水準になります。
このバリュエーションは、非常に魅力的だと考えています。
ファイバー・インターナショナル(FVRR)を取り巻くリスク要因
シンプルに言えば、現在のファイバー・インターナショナル(FVRR)は「結果を見せる必要がある」銘柄です。投資家は同社の将来性に確信を持っていないため、しばらくの間は株価が緩やかに推移する可能性が高いです。特に、同社のアクティブバイヤー数がこれ以上減少しないという確信が得られるまでは、大きな動きは期待しにくいでしょう。
(出所:ファイバー・インターナショナルの2024年度第4四半期決算資料)
私のレポートを長い間フォローしていただいている読者の方々は、ペイパル(PYPL)やペロトン・インタラクティブ(PTON)のケースを思い出すかもしれません(それらのレポートの詳細に関しては、インベストリンゴのプラットフォーム上にてご覧ください)。
これらの銘柄も当初はあまり注目されず、大きな盛り上がりを見せることはありませんでした。しかし、時間をかけて徐々に勢いを増し、最終的には私のポートフォリオで50%以上のリターンをもたらしました。
私は、同社も同様の道をたどる可能性があると考えています。そのため、単に「退屈な銘柄だから」といって、目標株価に到達せず、期待する上昇が得られないと決めつけるのは避けるべきではないと考えています。そして、その際には、投資プロセスをしっかりと守ることが重要です。
もう一つの重要なポイントは、競争が非常に激しいことです。アップワーク(UPWK)やFreelancer.comのような競合プラットフォームは数多く存在し、同社が本当に十分な差別化を図れるのかが問われます。
確かに、同社は「Fiverr Pro」を導入し、プレミアムなフリーランサー向けの市場へシフトしようとしています。しかし、同社とアップワークが結局のところ価格競争に陥ってしまう可能性もあります。特に、大型案件や高単価の仕事ではこの傾向が強まる可能性があり、今後の動向を注視する必要があります。
ファイバー・インターナショナル(FVRR)に対する結論
ファイバー・インターナショナル(FVRR)は現在あまり注目を集めていませんが、それこそが投資機会となる要因であると考えています。
アクティブバイヤー数の10%減少はすでに株価に織り込まれており、現在の株価は将来の予想フリーキャッシュフローの13倍という低いバリュエーション水準にあります。
それにもかかわらず、同社は2025年に12%~14%の売上成長を見込んでおり、もし勢いがつけばさらに高い成長も期待できます。
繰り返しとなりますが、同社は派手な銘柄ではありません。しかし、それこそがポイントです。見過ごされがちですが、堅実なファンダメンタルズを持ち、フリーキャッシュフローのさらなる成長が期待できる企業です。今後のサプライズ上昇の可能性も考慮して、2026年夏までの目標株価は60ドルと見ています。
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加えて、今回の決算では、新たにアップラビン(APP)、パランティア・テクノロジーズ(PLTR)、アップスタート・ホールディングス(UPST)、アトラシアン(TEAM)をポートフォリオに追加しており、下記の詳細な分析レポートも執筆しておりますので、インベストリンゴのプラットフォーム上より併せてご覧いただければと思います。
2025年2月中旬:米国株ポートフォリオ・アップデート
アップラビン(APP)
アナリスト紹介:マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ
📍テクノロジー&エネルギー担当
オリベイラ氏のその他のテクノロジー&エネルギー銘柄のレポートに関心がございましたら、こちらのリンクより、オリベイラ氏のプロフィールページにてご覧いただければと思います。
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