07/07/2024

やや強気
ギガクラウド・テクノロジー
やや強気
同社の予想EBITDAの7倍というバリュエーションは、同社の無借金経営と、時価総額の15%を現金で保有する強固な財務体質を考慮すれば割安であるように見える。
ギガクラウド・テクノロジー(GCT)目標株価は60ドル!強力な財務体質と成長性が魅力の無借金企業の将来性に迫る!

orange and black cargo containersマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ
  • 本稿では、注目の中国グロース企業であるギガクラウド・テクノロジー(GCT)の財務パフォーマンス、及び、強み(競争優位性)分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
  • ギガクラウド・テクノロジーは無借金経営で時価総額の15%を現金で保有している一方で、急成長を続けていることからも更なる上昇の可能性があると見ています。
  • 足元のインサイダーによる同社株式の売却が株価の重荷になっているが、事業のファンダメンタルズと成長見通しが引き続き堅調であるため、大きな懸念材料ではないと考えています。
  • 予想EBITDAの7倍という足元のバリュエーションは割安であるように見え、EBITDAが2024年には55%の成長、2025年に20%も成長する可能性があることを踏まえ、2025年夏までの同社株式の目標株価を60ドルとしています。

ギガクラウド・テクノロジー(GCT)に関して

ギガクラウド・テクノロジーGCT)は無借金経営のビジネスである。

さらに、その時価総額の15%は現金で構成されていると推定している。

加えて、このビジネスは急速に成長している。

確かに、2024年後半に比較対象がより厳しくなると、2025年にどれほどの成長を遂げることが出来るかという問題が残っている。

また、最近の株価の動向に影響を与えている大規模なインサイダー(内部関係者)による同社株式の売却について、それが左程重要ではない理由を解説していきたい。

最終的に、私は同社が予想EBITDAの7倍の価格に長く留まることはないと見ており、2025年夏までの目標株価を60ドルとしている。

ギガクラウド・テクノロジー(GCT)に関する主要な考察

株価は上下するものであり、まっすぐに動くことは稀である。

時には、株価が非常に長く停滞することがあり、また、株価が上昇し始めたかと思えば、再び後退することもある。

もしビジネスモデルが未熟な銘柄、あるいは小型株であれば、株価は驚くほど変動しやすいということを覚悟すべきである。

そして、ほとんどの場合、小型株は中期保有(つまり12から18ヶ月)で最大のリターンをもたらすことを思い出していただきたいが、買ってから最終的に売却するまでの道のりは非常に辛いものである。

しかし、投資家はアクションを求めている。

市場の投資家は株を買い、その鋭いタイミングで自分のエゴを満たすことを愛している。

しかし、その株が息をつくために勢いを失うと、当然のことながら、投資家は幻滅する。

そして、彼らはその株式を売却し、その時流行っているものに移る。

そのため、大多数の個人投資家は年間平均で約3%のリターンしか得られていないという声も聞こえている。

結果、素晴らしい年があったかと思えば、それに伴う過信と過剰取引の年が続くということも頻繁に耳にする。

これらの状況に対抗するため、私は時間に任せることを重要視している。

なぜなら、私の見解では、多くの場合、人々の情熱が冷めた時に株式が上昇することが多いからである。

たとえ今日、ギガクラウド・テクノロジーGCT)の株価が30ドルで停滞しているように見えても、そう長くはこの価格に留まらないと見ており、その理由を説明していきたい。

なぜギガクラウド・テクノロジー(GCT)なのか?

ギガクラウド・テクノロジーGCT)は、大型でかさばる製品を扱う企業向けに設計されたオンラインマーケットプレイスを運営している。

一般的なEコマースプラットフォームとは異なり、同社は企業が製品を見つけ、支払いを処理し、物流を管理するための幅広いサービスを提供している。

これにより、企業がグローバル規模で製品を購入し販売することが容易になり、取引全体のプロセスが効率化されている。

最近、同社は前年と比較して売上高をほぼ倍増させる強力な成長を示し、サービスを改善するための戦略的買収を行った。

彼らは、売り手が製品の視認性と競争力を向上させるための新しい「ブランディング・アズ・ア・サービス(Branding-as-a-Service)」プログラムを導入した。

さらに、同社は増大する需要に対応するためにフルフィルメント・ネットワークを拡大しており、これには一時的に利益率を低下させる大規模な投資が必要である。

一方で、同社に関するフィードバックとして、もし仮に同社が非常に良い会社であるなら、なぜ経営陣が同社株式を売りたがっているのかという疑問がある。

具体的には、足元の最大の売り手はFrank Linとなっている。

彼は2006年の設立以来、同社のディレクターとして勤務しているが、下記のグラフを見ていただくと分かる通り、彼は株式、オプション、賞与、のいずれも報酬として受け取っていない。

また、一方で、彼は株式を売却後も約10%の同社株式を所有している。

これは、Frank Linが60歳に近づく中で、少しばかりの報酬を得たいと考えていることを示しており、左程大きな問題でないと見ている。

私は、過去にこのような状況を何度も見てきているが、企業の本質的価値を判断する上で最も重要視すべき要素は、CEOや役員がどれだけの株式を持っているかではなく、その企業の製品に対する需要の大きさであると考える。

この文脈において、過去12ヶ月間、アクティブバイヤーが増加傾向にある点に注目していただきたい。

2023年第1四半期:13%

2023年第2四半期:7%

2023年第3四半期:10%

2023年第4四半期:21%

2024年第1四半期:29%

特に、2024年5月9日に発表された2024年度第1四半期決算においては、同四半期にバイヤーが急増したことを示しており、同社のサービスへの需要が非常に高いことを示している。

ギガクラウド・テクノロジー(GCT)の売上高:2025年は年平均成長率20%で成長の見込み

昨年第4四半期に、ギガクラウド・テクノロジーGCT)は大規模な買収を行った。

それはNoble Houseの買収である。

この買収により、売上高成長率が急増している。

したがって、現在重要なのは、2024年の結果がどれだけ成長するかではなく、2025年の売上高がどれだけ成長するかであると考える。

現時点では2025年の見通しは難しいが、同社の売上高成長率はこの大規模な買収前の成長ペースに沿って、おおよそ20%と考えている。

この背景を踏まえ、同社のバリュエーションのについて解説していきたい。

ギガクラウド・テクノロジー(GCT)のバリュエーション:予想EBITDAの7倍

繰り返しになるが、ギガクラウド・テクノロジーGCT)は無借金経営のビジネスである。

私の過去のレポートをお読みいただければお分かりのように、私は強力なバランスシートがビジネスに余裕を与え、さらに再投資する柔軟性を提供すると信じている。

同社に関して見てみると、その時価総額の約15%が現金で構成されている。

既に述べたように、同社は2023年第4四半期に倒産した収益性の無かったNoble Houseを買収し、成長率を押し上げている。

この買収には二つの主な効果がある。

それは、2024年第3四半期以降、成長率が鈍化することと、Noble Houseの利益率が期待よりも低いことである。

ギガクラウド・テクノロジーはNoble Houseの収益性向上には少なくとも12ヶ月かかると見込んでいる。

これにより、ギガクラウド・テクノロジーのEBITDAマージンは16%から14%に低下した。

しかし、現在の低いマージンにもかかわらず、ギガクラウド・テクノロジーは2024年に前年比55%の成長を見込んでおり、推定EBITDAは1億5500万ドルとなり得る。

この推定は、第1四半期および第2四半期の売上高のデータにより裏付けられている。

しかし、ギガクラウド・テクノロジーへの予測は季節的要因等により複雑であり、特に家庭用家具販売の増加により第4四半期が強くなる傾向がある。

2025年を見据えると、私は同社のEBITDAは1億7500万ドルに達し、2024年の推定値から20%の年率成長を示すと予測している。

ギガクラウド・テクノロジー(GCT)への結論

結論として、ギガクラウド・テクノロジーGCT)の予想EBITDAの7倍というバリュエーションは、同社の無借金経営と、時価総額の15%を現金で保有する強固な財務体質を考慮すれば割安であるように見える。

そして、同社の戦略的買収と急成長は、若干のマージン圧縮にもかかわらず、大きな上昇の可能性を示していると見ている。

2024年にはEBITDAが55%成長し、2025年にはさらに20%成長する可能性があることから、同社の本質的価値はさらに上昇する可能性がある。

以上より、私は同社の今後の株価見通しに「強気」であり、2025年夏までの目標株価を「60ドル」としている。

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アナリスト紹介:マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ

📍テクノロジー&エネルギー担当

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