【投資コラム】2024年度の米国株式市場の休場日一覧と休場日前に用いられるヘッジ取引とは

- 米国株式市場の休場日とは、NASDAQとNYSEで年に数回設定される取引停止日であり、主にアメリカにおける祝日や記念日に基づいている。
- 2024年のNASDAQとNYSEの休場日は10日間であり、本稿では当一覧を共有している。
- 米国株式市場の休場日には、取引停止や注文処理の遅延などの影響があり、投資家はヘッジ戦略を活用してリスクを最小限に抑える必要がある。
第一章:米国株市場の休場日とは何か?
米国株市場は、NASDAQ(ナスダック)とNYSE(ニューヨーク証券取引所)を中心に展開されています。
これらの取引所では、年に数回の休場日が設定されており、一般的には主要な国民的祝日や特定の記念日に準拠しています。
そして、これらの休場日には取引が停止されることとなります。2024年の米国株市場の休場日の一覧に関しましては、次の章で詳しく説明します。
第二章:2024年のNASDAQとNYSEの休場日一覧
2024年のNASDAQとNYSEの休場日は以下の通りです。
基本的には、休場日は年間で10日であり、半日取引は3日となっております。
これは、アメリカの祝日が年間で10日間であるためです。
一方で、日本の年間祝日数は16日となっており、余談ではありますが、世界で一番祝日の多い国は、35日のネパールのようです。
- 1月1日 (月曜日):New Year's Day
- 1月15日 (月曜日):Martin Luther King Jr. Day
- 2月19日 (月曜日):Washington's Birthday
- 3月29日 (金曜日):Good Friday
- 5月27日 (月曜日):Memorial Day
- 6月19日 (水曜日):Juneteenth National Independence Day
- 7月4日 (木曜日):Independence Day
- 9月2日 (月曜日):Labor Day
- 11月28日(木曜日):Thanksgiving Day
- 12月25日(水曜日):Christmas
また、2024年のNASDAQとNYSEの半日取引(Partial Holidays)の日は以下の通りです。
- 7月3日 (水曜日):Independence Dayの前日
- 11月29日(金曜日):Thanksgiving Dayの翌日
- 12月24日(火曜日):Christmas Eve
これらの日付は、米国株式市場における取引の休止日、或いは、半日取引の日であり、投資家や取引業者にとって重要な情報となります。
第三章:米国株式市場の休場日に注意すべきポイント7選
下記では、米国株式市場の休場日に、市場の投資家が注意すべきポイントを7つ紹介しております。
- 取引停止による影響:米国株市場の休場日には、取引が停止されることから、株価の変動は一時的に停止することになります。これは、株式やその他の金融商品の売買が行われないことを意味します。
- 注文の処理遅延:休場日中に注文を行った場合、それが実行されるのは翌営業日になります。
- 企業の重大な発表による影響:休場日には、企業が重大な発表を行うことがあります。これは、株価に影響を与える可能性があるため、投資家はこれらの発表に敏感である必要があります。
- 世界の他の市場との連動:米国株市場の休場日は、他の国の市場とは異なる場合があります。したがって、世界の他の市場が活発である場合で、米国市場が休場の場合、その影響を考慮する必要があります。
- 経済指標による影響:休場日には、重要な経済指標が発表されることがあります。これらの情報は市場に影響を与える可能性があるため、投資家はこれらを把握しておく必要があります。
- 外国為替市場による影響:米国株市場が休場の場合でも、外国為替市場は通常通りに動いている可能性があります。これは、外国企業や投資家にとって重要な要素であり、市場動向に影響を与える可能性があります。
- 地政学リスクによる影響:現在の地政学的状況は、米国株式市場に与える影響を考える上で重要な要素です。特にウクライナや中東情勢の更なる悪化は、その影響が米国株式市場に対して無視出来ないものとなり得ます。
以上より、週末にポジションを持つ投資家は、損失を最小限にするためには、週末前のリスク評価、リスク管理戦略の構築、ヘッジ取引の検討など、様々な対応策が必要です。しかし、最後に述べている地政学リスクは予測困難な要素も含んでいることから、常に市場の動向を注意深くモニタリングすることが不可欠です。
第四章: 米国株式市場休場に伴う市場の流動性低下に対するヘッジ取引5選
以下では、米国株式投資家が休場日前に採用できる5つのヘッジ戦略を紹介しております。
各戦略には、過去の事例を踏まえた具体的なアクションも含まれています。
- 株価指数先物:株価指数先物を利用して、株式市場リスクをヘッジする。例えば、S&P 500先物をショート(売り)する等。
- 個別株・インデックスオプション:米国株式の個別株、或いは、インデックスオプションを使用して、リスクをヘッジする。例えば、S&P 500や、自身の保有する銘柄のプット・オプションを購入する等。
- ボラティリティ:VIX先物などのボラティリティ指数商品を使用して、市場のボラティリティリスクをヘッジする。例えば、VIX先物関連商品のロング(買い)・ポジションを作る等。
- 逆相関資産:株式市場とは逆相関の資産(例:ゴールド、米国債等)に一部の資金を配分することで、ポートフォリオをヘッジする。
- キャッシュ(現金)ポジション:事前に株式ポジションを減らし、キャッシュポジションを増やすことで、市場の下落から保護する戦略。
この他にも、機関投資家の間では、異なるセクターや銘柄に対して、同時にロングポジションとショートポジションを取得するマーケット・ニュートラル戦略や、ポートフォリオの特定のファクター・リスクをヘッジする戦略等も利用されています。
まとめ
米国株式市場の休場日は、投資家にとって市場の流動性が低下する機会ですが、適切なヘッジ戦略を採用することでリスクを最小限に抑えることが可能です。
株価指数先物やオプション、逆相関資産、そしてキャッシュポジションの増加など、さまざまなヘッジ戦略が存在します。
しかし、地政学リスクのような予測困難な要素には常に警戒が必要です。
そのため、市場の動向を注意深くモニタリングし、適切なリスク管理策を講じることで、安定したポートフォリオを維持することが可能となります。
最後に
インベストリンゴでは、弊社のアナリストが、AIや半導体関連のテクノロジー銘柄から高配当関連銘柄まで、米国株個別企業に関する動向を日々日本語でアップデートしております。米国株式市場に関心のある方は、是非、弊社プラットフォームよりレポートをご覧いただければと思います。
※2024年6月20日時点で、インベストリンゴ上にてリリースされているレポートの件数は合計で約600件、レポート上でカバーされている米国、及び、外国企業数は200銘柄以上となっております。
※本稿は、投資や税務、法律のアドバイスを提供するものではなく、情報提供を目的としています。本資料の内容について、当社は一切の責任を負いませんので、あらかじめご了承ください。具体的な投資や税務、法律に関するご相談は、専門のアドバイザーにお問い合わせください。
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