03/12/2024

【投資コラム】人気の米国株エネルギーセクター関連銘柄一覧と投資を検討する際に考慮すべきポイントを徹底解説!

solar panels on green fieldインベストリンゴ編集部  インベストリンゴ編集部
  • 本コラムでは米国株エネルギーセクターにおける再生可能エネルギー、化石燃料、原子力エネルギー分野の現状と将来展望を解説しています。 
  • 米国株エネルギーセクターへの投資のメリットとして、高い配当利回り、エネルギー需要の増加、技術革新による成長機会を取り上げています。 
  • 一方で、投資リスクとして原油価格の変動性、政治的・地政学的リスク、環境規制の変更、技術の進化を指摘し、適切なリスク管理の重要性を説明しています。

はじめに

本稿では、人気の米国株エネルギーセクター関連銘柄を7社、並びに、米国株エネルギーセクター関連銘柄への投資を検討する際に考慮すべきポイントを、4つの章に分けて詳しく解説しております。

※下記グラフの「ティッカー / 銘柄コード」をクリックしていただくと、弊社の各銘柄に関する最新のレポートをご覧いただけます。

人気の米国株エネルギーセクター関連銘柄7社

日本語名英語名ティッカー / 銘柄コード
エクソンモービルExxon MobilXOM
シェブロンChevronCVX
ウィリアムズ・カンパニーズWilliams CompaniesWMB
ナショナル・フューエル・ガスNational Fuel GasNFG
ネクステラ・エナジーNextEra EnergyNEE
シュルンベルジェSchlumbergerSLB
オクシデンタル・ペトロリアムOccidental PetroleumOXY

第1章: 米国エネルギーセクターの現状と展望

米国のエネルギーセクターは、世界経済における重要な位置を占めており、投資家にとっては常に注目の的です。このセクターは主に再生可能エネルギー、化石燃料、原子力エネルギーの三つの主要な分野に分けられます。それぞれの分野が現在どのような状況にあり、将来どのような展望があるのかを詳しく見ていきましょう。

まず、再生可能エネルギーについてです。再生可能エネルギーの普及は、環境保護や気候変動対策の観点から世界的に注目されています。米国では、太陽光発電や風力発電の導入が加速しており、2020年には再生可能エネルギーが全エネルギー消費の約11%を占めました。特に太陽光発電は、2021年には前年比で23%増加し、その成長速度は非常に速いことが特徴です。これらのデータは、米国における再生可能エネルギーへの移行が進んでいることを示しています。

次に、化石燃料に関してです。化石燃料は依然として米国のエネルギーセクターにおいて大きな割合を占めています。特に天然ガスと石油は、エネルギー消費の大部分を占めており、これらの資源に対する需要は引き続き高い水準を維持しています。しかし、気候変動対策の一環として、化石燃料の使用を減らす方向に政策が進んでいるため、長期的な視点では減少傾向にあると予想されます。

最後に、原子力エネルギーについて見ていきます。原子力はクリーンエネルギーとしての潜在力を持ちつつも、安全性や廃棄物処理といった課題も抱えています。米国では、原子力エネルギーが全エネルギー消費の約20%を占めており、安定したエネルギー供給源としての役割を果たしています。今後も、これらの課題に対する技術的な進歩や政策の支援が、原子力エネルギーの将来を左右することになるでしょう。

米国のエネルギーセクターは、これら三つの分野の動向によって大きく影響を受けます。投資家は、各分野の現状と将来の展望を理解し、適切な投資戦略を立てることが重要です。特に再生可能エネルギーへのシフトは、セクター全体の長期的なトレンドとして注目に値します。これらの動向を踏まえ、投資家は持続可能な成長が期待される分野に注目し、戦略的な投資判断を下すことが求められています。

第2章: エネルギーセクターへの投資メリット

エネルギーセクターへの投資は、多くの投資家にとって魅力的な選択肢となっています。このセクターは、経済の根幹をなす重要な部分であり、独特の投資機会とメリットを提供します。この章では、エネルギーセクターへの投資がなぜ魅力的であるのか、その理由と具体的なメリットについて詳細に解説します。

1. 高い配当利回り

エネルギーセクターの企業は、一般に高い配当利回りを提供することで知られています。これは、多くのエネルギー企業が安定したキャッシュフローを生成し、その一部を投資家に配当として還元しているためです。特に、エネルギーセクターの中でも大手の企業は、定期的かつ予測可能な配当を提供することが多く、インカム投資家にとって魅力的な選択肢となっています。

2. 経済の復興とエネルギー需要の増加

経済が回復し拡大するにつれて、エネルギー需要も増加します。特に、新興国の経済成長はエネルギー消費の増加を牽引しており、これはエネルギーセクターへの投資にとって肯定的な要素です。歴史的に見ても、エネルギー需要は長期的に増加傾向にあり、これがエネルギーセクターへの投資の基本的なメリットの一つとなっています。

3. 技術革新による成長機会

エネルギーセクターは、再生可能エネルギーやクリーンテクノロジーといった分野での技術革新が進んでいます。これらの新技術は、伝統的なエネルギーソースに代わる持続可能な解決策を提供し、セクター全体の成長機会を拡大しています。投資家は、これらの技術革新を通じて新たな成長企業やセクターの変革者に早期に投資することで、大きなリターンを得る可能性があります。

4. 景気敏感株としての性質とヘッジとしての機能

エネルギーセクターは、経済サイクルに敏感なシクリカルな性質を持っています。これは、経済が拡大する際にはエネルギー需要が増加し、セクター全体が恩恵を受けることを意味します。また、インフレの期間中や経済不安定時には、エネルギー資源は価値保存の手段として機能することがあり、ポートフォリオのヘッジとしての役割を果たすこともあります。

5. 政府の政策と規制の影響

エネルギーセクターは、政府の政策や規制の影響を強く受けるセクターです。環境保護や気候変動に関する政策は、特に再生可能エネルギー関連の企業にとって大きな影響を与える可能性があります。このような政策変化はリスクであると同時に、政策によって支援される新しいエネルギー技術への投資機会を生み出すこともあります。

エネルギーセクターへの投資は、これらのメリットを理解し、セクターの特性と経済環境、技術的進歩、政策の動向を総合的に考慮することが重要です。投資家は、これらの要素を踏まえた上で、自身の投資戦略と目標に合致したエネルギー関連の資産を選択することが求められます。これにより、エネルギーセクターの投資から得られる潜在的なリターンを最大化し、同時にリスクを適切に管理することが可能になります。

第3章: 人気の米国株エネルギーセクター関連銘柄一覧

エネルギーセクターは多様な企業で構成されており、投資家にとって魅力的な選択肢を数多く提供しています。この章では、現在投資家から特に注目されている、エネルギーセクター関連の米国株10社をピックアップし、それぞれの事業内容、市場でのポジション、投資の魅力について掘り下げて解説します。

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エクソンモービル / Exxon Mobil (XOM)

エクソンモービルは、世界最大級の公開石油ガス会社であり、強固な財務基盤と広範な事業ポートフォリオを持っています。持続可能な配当支払いと、新たなエネルギー源への投資が、この企業の長期的な魅力を高めています。

シェブロン / Chevron (CVX)

シェブロンは、グローバルに事業を展開する大手石油会社で、エクソンモービルと並ぶ業界のリーダーです。再生可能エネルギーへの取り組みと効率的なオペレーションが、将来の成長への期待を高めています。

ウィリアムズ・カンパニーズ / Williams Companies (WMB)

ウィリアムズ・カンパニーズは、天然ガスのインフラに特化した企業で、安定した収益基盤を持っています。天然ガスへの依存増加に伴い、同社の事業も成長が見込まれます。

ナショナル・フューエル・ガス / National Fuel Gas (NFG)

ナショナル・フューエル・ガスは、天然ガスの探査、生産、輸送、配布を行う多角的エネルギー企業です。同社は特にアパラチア地域での強固なポジションを持ち、天然ガスと石油の生産に加え、総合的なパイプラインとストレージのインフラを運営しています。安定したキャッシュフローと効率的な運営モデルが、投資家にとって魅力的なポイントとなっています。

ネクステラ・エナジー / NextEra Energy (NEE)

ネクステラ・エナジーは、再生可能エネルギーに焦点を当てた大手電力会社で、特に風力および太陽光発電での強みがあります。持続可能なエネルギーソリューションへの需要の高まりが、同社の長期的な成長を支えています。

シュルンベルジェ / Schlumberger (SLB)

シュルンベルジェは、石油サービス業界のリーダーで、掘削から生産までの幅広いサービスを提供しています。技術革新と効率化への取り組みが、業界内での競争力を高めています。

オクシデンタル・ペトロリアム / Occidental Petroleum (OXY)

オクシデンタル・ペトロリアムは、石油・天然ガスの探査および生産に注力している企業です。炭素回収技術への投資は、環境問題への対応とともに新たな成長機会を提供しています。

これらの企業は、それぞれがエネルギーセクター内で独自の強みを持ち、投資家に様々な魅力を提供しています。投資を検討する際には、各社の事業内容、市場でのポジション、財務健全性、将来の成長潜在性を総合的に評価し、自身の投資戦略に合った銘柄選択が重要です。

第4章: エネルギーセクター投資のリスクと対策

エネルギーセクターへの投資は大きなリターンの可能性を秘めていますが、同時に特有のリスクも存在します。投資家はこれらのリスクを理解し、適切な対策を講じることで、資産を守りつつ成長機会を追求できます。以下では、エネルギーセクター投資における主要なリスクとその対策方法について解説します。

1. 原油価格の変動性 / セクター内のポジショニングと業績

エネルギーセクター内での企業のポジショニングは、その業績に大きな影響を及ぼします。上流(探査・生産)、中流(輸送・精製)、下流(販売・マーケティング)というセクター内の異なる業務範囲は、市場環境の変化に対する企業の脆弱性を左右します。例えば、2020年のパンデミック期間中には、原油価格の急落が見られ、多くの上流企業が直面した利益の減少とは対照的に、中流および下流の企業は比較的安定した業績を維持しました。この事例は、セクター内での業務範囲によって企業が直面するリスクが異なることを示しています。

対策: 投資家は、エネルギーセクター内の各セグメントの業績とその変動要因を理解し、セグメント間での適切な分散投資を行うことが重要です。また、市場シェア、成長戦略、およびセクター内での企業のポジショニングを分析することで、よりリスクを抑えた投資判断を行うことができます。上流セグメントに投資する場合は原油価格の変動リスクに留意し、中下流セグメントでは安定した収益モデルや市場の需要動向を評価することが推奨されます。また、ポートフォリオ内でのエネルギー関連銘柄の割合を適切に管理し、セクター外の資産との分散を図ることも重要です。

2. 政治的・地政学的リスク

エネルギー資源は特定の地域に集中しており、その地域の政治的安定性がリスク要因となり得ます。国際的な緊張関係や地域紛争は、エネルギー供給の途絶や価格急騰を引き起こす可能性があります。

対策: 地理的に多様なポートフォリオを構築することで、特定地域のリスクを軽減できます。また、政治的リスクが低い国や地域に事業を展開する企業を選定することも有効です。

3. 環境規制と政策の変更

気候変動への対策として、多くの国で環境規制が強化されています。これにより、特に化石燃料を主力とする企業は、追加的なコスト負担や事業モデルの転換を迫られる可能性があります。

対策: ESG(環境、社会、ガバナンス)基準に基づいた投資を行うことで、規制強化の影響を受けにくい企業を選択できます。再生可能エネルギーやクリーンテクノロジーへの投資も、長期的な視点で有益な戦略となり得ます。

4. 技術の進化

エネルギーセクターは技術進化の速度が速く、新しい技術が既存のビジネスモデルを脅かすことがあります。特に再生可能エネルギー分野では、技術的ブレークスルーが業界の勢力図を変える可能性があります。

対策: 投資先の企業が技術革新に積極的に取り組んでいるか、研究開発に十分な投資を行っているかを評価します。また、技術進化の恩恵を受ける可能性のある企業に分散投資することも有効な戦略です。

これらのリスクと対策を理解し、適切にポートフォリオを管理することで、エネルギーセクターへの投資は有益な成果をもたらす可能性があります。そのため、投資家は常に最新の市場情報や業界動向に注意を払い、柔軟に戦略を調整する必要があります。

まとめ

本コラムでは、米国エネルギーセクターの概要から投資のメリット、人気銘柄、選択基準、リスク管理までを包括的に解説しました。エネルギーセクターは多様で変動が大きいため、投資家はセクターの現状理解と将来展望、リスク対策を意識することが必要です。技術革新や政策変化への適応、適切なリスク管理が、エネルギーセクター投資の成功への鍵となります。

最後に

インベストリンゴでは、弊社のアナリストが、エネルギーセクター関連銘柄を含め、米国株個別企業に関する動向を日々アップデートしております。米国株式市場に関心のある方は、是非、弊社プラットフォームより、関連のレポートをご覧いただければと思います。