08/18/2024

Part 2:AI(人工知能)の進化が社会にもたらす影響とは?インターネットとAIの進化の歴史を比較し、今後のAIの発展の可能性に迫る!

two hands touching each other in front of a blue backgroundダグラス・ オローリンダグラス・ オローリン
  • 本稿では、インターネットとAI(人工知能)の進化の歴史を比較することで、AIの進化が私達の社会にもたらす影響と今後のAIの発展の可能性を詳しく解説していきます。
  • AIの利用方法については、インターネットの初期と同じように、まだ明確な方向性が見えておらず、期待されているほどの成果を感じていない状況です。しかし、将来的には大きな変化が起こると予想されます。
  • 1990年代の「情報スーパーハイウェイ」のように、AIもまだ初期段階にあり、企業はその可能性を模索していますが、具体的な収益が見えるまでには時間がかかるでしょう。
  • 現在、AIは多くの企業にとって重要な投資対象となっていますが、その本当の価値が明確になるのは、まだこれからのことだと考えられます。

※「Part 1:AI(人工知能)がもたらす未来とは?テクノロジー企業のAI投資は失敗?AIの発展によるメリットとデメリットを徹底解説!」の続き

前章では、米国の大手テクノロジー企業を中心とした、AI(人工知能)への投資における投資収益率(ROI)に関して詳しく解説しております。

本稿の内容への理解をより深めるために、是非、インベストリンゴのプラットフォーム上にて、前章も併せてご覧ください。

AI(人工知能)と情報スーパーハイウェイ(初期のインターネット)の進化の歴史を比較

AIについての話を聞くたびに、その決定的な利用方法が何なのか、いまいち掴み切れないと感じることがあります。AIが変革をもたらす技術であることは理解していますし、私も日々のレポートの編集、作成、アイデア出し、そして検索において、より的確な回答を得るために活用しています。しかし、今のところ期待されているほどの力を感じることはなく、これは初期のインターネットに対する感覚に似ています。

1990年代初頭に「情報スーパーハイウェイ」という言葉が登場した時、それが何ともぎこちない表現だったことを思い出すと、少し安心します。インターネットのビジョン自体は簡潔で正確に示されていたものの、1994年のこの論文には決定的なアプリケーションが具体的に記述されていたとは思えません。可能性は無限に広がっており、その多くはまだ考案されていませんが、大まかに見てインターネットの本質は捉えられていました。これは、今のAIに対する私の感覚に似ています。


情報スーパーハイウェイ:高速で大量のデジタル情報を伝送するネットワークのことを指す。特にインターネットを指す言葉として使われ、データ通信のインフラが整備されることで、情報のやり取りが迅速かつ容易になることを表現した比喩的な表現。1990年代に広く使われた用語で、当時のインターネットの普及を象徴する言葉でもある。


(日本語訳)「情報スーパーハイウェイ(Information Superhighway)」という言葉は、将来の通信ネットワークを表現するために、副大統領だったアル・ゴアによって初めて使われました。この言葉は人によって様々な意味で使われていますが、一般的には、画像、テキスト、ビデオを双方向でやり取りできるネットワークを指します。利用できるアプリケーションの数は無限で、まだ考えられていないものも多くありますが、以下のようなものが含まれます。

・エンターテインメントサービス - テレビ、映画、インタラクティブビデオゲーム

・ビデオ電話 - 家庭用から国際ビジネスのビデオ会議まで

・テレワーク - ビデオ電話やリモートコンピューターを使った在宅勤務

・遠隔教育 - スーパーハイウェイを利用したオープン大学

そして、ここで、X@Corrywangが言っていたことを思い出しました。「未来を予測することはそれほど難しくありませんが、今回が他と違うかどうかを見極めるのは難しい」と。

今日では、AIが次の大きなものだというコンセンサスがあるようです。私の好きな(非公開の)Twitter(またはX)のアカウントは、これほど強いコンセンサスを見たことがないかもしれないと繰り返し指摘しています。そして、企業レベルでAIを信じないことは、ほぼ冒涜とされているようです。インターネットは企業内で現場から徐々に導入が進んでいきましたが、CIOの調査によると、今回は経営層からトップダウンで導入が始まっているようです。

企業が次世代技術を捉えようとしている一方で、それをうまく言葉にできていないように感じます。これは、今日「インターネット」と呼ばれる広義の言葉ではなく、「情報スーパーハイウェイ」という表現にこだわったかつてのCEOたちを思い出させます。今、AIに対して使われている表現は、当時「情報スーパーハイウェイ」が用いられていた状況と似ていて、あまり的確とは言えません。1983年にはすでに光ファイバーケーブル敷設の記事が書かれていましたが、この用語は最終的に「インターネット」という言葉に変わりました。 

しかし、当時の書籍を読むと、情報スーパーハイウェイは多くの場合、当時のプラットフォームであったテレビチャンネルの増加というビジョンを基にしており、テレビを通じて購入や操作、インターネットの利用を行うという形で描かれていました。

今では私たちはその結果を生きているので、当時の予想とは異なる展開になったことを知っています。そして、時にはそれが今日のAIを追求しようとする私たちの姿勢にも似ていると感じます。ここでは、インターネットとAIを比較しますが、実際には最終的なAIの利用方法は私たちの予想とは少し異なることでしょう。インターネットとAIを比較することは、テレビとインターネットを比較するようなもので、最終的に実現する結果は私たちが考えていたものとは大きく異なる可能性があります。これは、テレビを通じた情報スーパーハイウェイが実現しなかったことと同様です。

 インターネットの進化の過程に関心のある方は、私の以前のレポートをご覧ください。

そして、インターネットは、下記のグラフの三つのネットワーク世界の中で唯一の勝者となり、最も新しいものが前のバージョンを凌駕していきます。

※三つのネットワーク世界とは、Television World(テレビの世界)、Telephony World(電話の世界)、Datacom World(データ通信の世界)を指します。

(出典:Information Superhighway Dream

誰が「勝者」になるのかはわかりませんが、情報スーパーハイウェイのように、私たちはAIの可能性を見いだしてはいますが、実際の投資収益率(ROI)が得られるまでには、まだ道のりが長いでしょう。

さて、話を今日に戻しましょう。最近の国勢調査局によるAI調査では、現在AIを利用している人が約4%であるという私の予測がほぼ的中しました。まだまだ初期段階であり、AIは多くの場合、問題解決の手段のように感じられます。私たちはようやくその使い方を理解し始めたところです。

インターネット普及率

そして正直なところ、1990年代のインターネットについても同じことが言えるでしょう。当時、オンラインで注文することはできましたが、1994年のPizzaNetのように、地元のピザ店に電話する方がはるかに早かったのです。しかし、最終的にはインターネットが普及し、現在ではドミノ・ピザの小売売上高の85%以上がデジタルチャネルを通じて生み出されています。それには20年の時間が必要でした。

AIも同じ段階にあると思います。非常に初期段階であり、正確な影響を知る者はいませんが、その影響が大きいことは直感的に感じられます。そして、大手企業がこの機会を逃したくないという意識は非常に明らかです。彼らは損失を最小限に抑えるために、確実に過剰な投資をすることになるでしょう。したがって、今はAIが価値を持つと信じられている時代ですが、その価値が実際に目に見える形で現れるのは、まだこれから先だと感じます。

「今、どこにいるのか」という議論の他に、最近では、AIに対する重要な反論や批評が現れ始めているのを感じます。そして、過去を振り返って見ても、大きな変化が起こる際には、懐疑論なしに起こることはありません。

次章では、「AI投資への批判と、テクノロジーに逆行するリスク」と「AI競争における今後の注目企業」に関して詳細に解説していきます。

※続きは「Part 3:AIバブルはいつまで続く?終焉は?注目のユニコーンCoreWeaveのIPO(新規上場)が市場の株価に与える影響に迫る!」をご覧ください。

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