02/11/2025

【世界半導体売上高推移】2024年は過去最高の6276億ドルを達成!そして、2025年の成長率は15%以上に?

a computer processor with an apple logo on itウィリアム・ キーティングウィリアム・ キーティング
  • 本稿では、米国半導体工業会(SIA)により公表されたデータに基づき、2024年度の世界の半導体売上高推移、並びに、2025年度の見通しに関して詳しく解説していきます。
  • 2024年の世界半導体売上高は過去最高の6276億ドルに達し、前年比19.1%増加。特にロジック製品とメモリ製品が大きく成長し、DRAMは82.6%増と最も高い成長率を記録しました。
  • 2025年の半導体売上は前年比11.2%増加すると予測され、特にアメリカ市場とロジック製品の成長が期待され、AI分野への大規模な設備投資が成長をさらに押し上げる可能性があります。

2024年度の世界半導体売上高推移に関して

米国半導体工業会(SIA)によると、2024年の世界半導体売上高は過去最高の6276億ドルに達し、前年比で19.1%増加しました。詳細はこちらです

1987年~2034年の世界半導体売上高(単位:10億ドル)

(出所:筆者作成)

売上を製品カテゴリ別に見ると、ロジック製品の売上は2024年に2126億ドルとなり、前年比19%増加し、最大の製品カテゴリとなりました。次に大きなカテゴリはメモリ製品で、前年比78.9%増の1651億ドルに達しました。

メモリ製品の内訳では、DRAMの売上が950億ドル(当社計算)となり、前年比82.6%増と、2024年に最も成長率の高い製品カテゴリとなりました。これはHBM(高帯域幅メモリ)への旺盛な需要が主な要因です。NANDの売上は655億ドル(当社計算)で、前年比71.7%増となりました。

四半期ベースでは、2024年第4四半期の半導体売上高は1709億ドルと再び過去最高を更新し、前年比17.1%増、前期比3.0%増となりました。

四半期別世界半導体売上高(単位:10億ドル)

(出所:筆者作成)

2024年第1四半期の通常の季節要因による減少を除けば、半導体売上は2023年第1四半期以降、四半期ごとに増加を続けています。

2024年12月の半導体売上高は570億ドルで、前月比1.2%減少しましたが、前年比では依然として17%増加しました。

世界月次半導体売上高(単位:10億ドル)

(出所:筆者作成)

なお、私が昨年9月に半導体売上について取り上げた際、2024年12月の減速を予想していました。

「2024年末以降については、12月の半導体売上は前月比で横ばいになり、2025年第1四半期は月ごとに減少すると予測されますが、その後は今年と同様の成長パターンに戻ると期待されます。では、今後の動向を注視していきましょう。」

そして、本稿では、さらに先を見据えて、2025年の半導体売上がどのように推移するのかについて考察します。それでは詳しく見ていきましょう!


まず、2024年12月に発表された世界半導体市場統計(WSTS)の2025年最新予測を確認します。詳細はこちらです

(出所:WSTS)

この予測によると、2025年の半導体売上は前年比11.2%の成長が見込まれており、地域別ではアメリカ市場が最も高い成長率となる15%増加すると予想されています。製品カテゴリ別では、ロジックが最も高い16.8%の成長を見せ、メモリがそれに続く13.4%増と予測されています。

この11.2%の成長予測は妥当な出発点だと考えます。2017年に21.6%の成長を記録した後の2018年と同程度の成長率であり、整合性が取れています。

しかし、現在の決算シーズンで「マグニフィセント7(Mag 7)」が発表した異例の設備投資(CapEx)計画を考慮する必要があります。詳細はこちらです

AI競争が激化する中、テクノロジー大手は2025年に総額3000億ドル超の投資を計画

メタ・プラットフォームズ(META)、アマゾン(AMZN)、アルファベット(GOOG)、マイクロソフト(MSFT)は、2025年にAI技術やデータセンター構築に向けて合計3200億ドルもの投資を計画しています。これは今年の初めや直近2週間の決算発表で各CEOが示唆した内容に基づくものです。

この投資額は、2024年の設備投資総額である2300億ドルから大幅に増加しており、前年比40%の増加に相当します。もちろん、このすべてが半導体売上に直結するわけではありませんが、ネットワーク機器、GPU、カスタムASIC、CPUなどの形で大きく寄与すると考えられます。

これらの設備投資計画が予定通り進めば、半導体売上は11.2%を上回る成長を遂げる可能性が高いでしょう。そして、WSTSが数カ月後に春の最新予測を発表する際には、この成長率が上方修正されると考えています。個人的には、2025年の成長率は15%以上になると見ています。では、どうなるか、一緒に注目していきましょう!


また、私は半導体&テクノロジー銘柄に関するレポートを毎週複数執筆しており、私のプロフィール上にてフォローをしていただくと、最新のレポートがリリースされる度にリアルタイムでメール経由でお知らせを受け取ることができます。

さらに、その他のアナリストも詳細な分析レポートを日々執筆しており、インベストリンゴのプラットフォーム上では「毎月約100件、年間で1000件以上」のレポートを提供しております。

そのため、私の半導体&テクノロジー銘柄に関する最新レポートを見逃さないために、是非、フォローしていただければと思います!

加えて、直近ではクアルコム(QCOM)、AMD(AMD)、インテル(INTC)といった半導体銘柄の最新の決算分析に関しても下記の詳細な分析レポートを執筆しておりますので、半導体株投資家の方は是非併せてご覧ください。

クアルコム

AMD

インテル


アナリスト紹介:ウィリアム・キーティング

📍半導体&テクノロジー担当

キーティング氏のその他の半導体&テクノロジー銘柄のレポートに関心がございましたら、こちらのリンクよりキーティング氏のプロフィールページにてご覧いただければと思います。


インベストリンゴでは、弊社のアナリストが「高配当銘柄」から「AIや半導体関連のテクノロジー銘柄」まで、米国株個別企業に関する分析を日々日本語でアップデートしております。さらに、インベストリンゴのレポート上でカバーされている米国、及び、外国企業数は「250銘柄以上」(対象銘柄リストはこちら)となっております。米国株式市場に関心のある方は、是非、弊社プラットフォームより詳細な分析レポートをご覧いただければと思います。