やや強気アルファベット クラスCグーグル・アルファベット / GOOG・GOOGL / 強気:2023年2Q決算・強み分析と今後の株価予想(Alphabet)
マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ- アルファベット(GOOG / GOOGL)は2023年7月25日に2023年第2四半期決算を発表している。
- 投資家は表面上のストーリーや誇大広告にとらわれるのではなく、同社のファンダメンタルズとバリュエーションに注目すべきである。
- 先進AI技術によるディスラプションの可能性から同社の見通しは悪いが、現在のPER21倍というバリュエーションには説得力がある。
- 収益成長率の再加速とアルファベットのイノベーションの実績は、同社のポジティブな軌道を示唆していると考える。
アルファベットへの投資テーマ
アルファベット(GOOG/ GOOGL)は、投資家がChatGPT-4の影響を広めようとしているため、売り圧力を受けている。
私は、このアプローチは、アルファベットへの投資について考える上で、正しい方法ではないと主張し続けている。8月1日にアルファベットを最初に推奨した時にもそう主張し、今も尚、そのように主張し続けている。
そのようなストーリーは投資家の注意をそらす近道だからである。投資で成功する為には、下記の2つを守る必要があると考える。誇大広告に踊らされないこと、そして忍耐強くあることである。しかし、私達は人間である以上、これらの現状を避けることは難しい。
アルファベットに来年のEPSの約21倍を支払うことが、非常に理にかなっていると私が考える理由はここにある。
AIのアルファベットへの影響
投資は科学であると同時に芸術でもある。意思決定を伴うが、それは、しばしば認知バイアスに依存し、非合理的な判断につながることがある。
その中で、感情や認知バイアスに左右されがちなストーリーは、魅力的なリターンを得るという本来の重要な目標から、投資家の注意をそらす可能性がある。
ファンダメンタルズ分析や長期的な成長見通しに注目する代わりに、投資家は説得力のあるストーリーや市場動向に過度に影響され、健全な投資とはかけ離れた感情主導の投資判断に陥ってしまう。
私は、ファンダメンタルズを重視し、バリュエーションについて考え、時間をかけて投資を複利運用することにより、根本的なビジネスについて考えることを提唱している。
ご存知のように、アルファベットは最悪のAIストーリーを持っている。結局のところ、ChatGPTとジェネレーティブAIは、その機能が進化し続けるにつれて、グーグルの検索優位性を大きく崩す可能性を秘めている。
洗練された自然言語処理、機械学習、ディープラーニング・アルゴリズムの台頭により、AIを搭載した検索エンジンは徐々に地歩を固め、よりパーソナライズされた、そして、文脈を認識した、直感的な検索体験をユーザーに提供できるようになってきている。
AIがユーザーの意図、文脈、嗜好を理解することに熟達するにつれ、より的を絞った正確な結果を提供する代替検索メカニズムの開発につながるだろう。これをファインダビリティと呼ぶ。
さらに、様々な分野でのAIの統合が進むことで、特定の業界に特化したAIを活用した検索エンジンの出現が促進される可能性がある。そして、それらの特化型AI検索エンジンは、グーグルの汎用型検索エンジンの優位性を脅かし、アルファベットのディスカバビリティを破壊する可能性がある。
以上より、アルファベットの見通しは最悪であり、その為、アルファベットの株は安く取引されているのである。
アルファベットの売上高成長率は再加速へ
以上、アルファベットの見通しが悪いことを述べてきた。トップライン成長率が一桁台の大型メガ・キャップに、なぜ誰も手を出したがらないのだろうか?
なぜなら、2023年の残りの期間は、アルファベットの収益成長率が前年と比較しやすくなるためだ。
つまり、アルファベットは、2023年において最も困難な四半期業績を既に達成しているのである。2023年の残りから2024年初頭にかけて、アルファベットは10%近いCAGRを達成するはずだ。そうであれば、来年のEPSの約21倍を支払うことは非常に公正な倍率である。
私は、全体的な投資マインドを大まかに測るために、PERを見るのが好きだ。確かに、アルファベットの倍率は1月の非常に低い時期から拡大している。実際には、アルファベットの株価は、過去2年間、来期売上高の6倍の平均レンジ内を推移している。
さらに、アルファベットは、マイクロソフト(MSFT)がAI業界でこれほど大きな足場を築くことを可能にしたことで、自らのバリュエーションを台無しにしたことを明確に認識している。
一方で、アルファベットは、検索エンジン以上の存在であることにも留意してほしい。事実として、アルファベットのグーグル・クラウドは、AWS(AMZN)やAzureから市場シェアを奪う四半期を報告をすることになるだろう。その上、アルファベットには、YouTubeや他のセグメントもあることを忘れてはならない。
アルファベットが躍起になっていた時、結果的に、自分たちにとって大きな事業セグメントをもたらす結果となったことがあったことを思い出してほしい。私が真っ先に思いつくのは、グーグル・クラウド・プラットフォームだ。
- アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)とマイクロソフトのAzureの後に、アルファベットが投入したグーグル・クラウド・プラットフォーム
- インターネット・エクスプローラーを駆逐したグーグル・クロム
- マップクエスト(MapQuest)を駆逐したグーグル・マップ
結論
ChatGPT-4の影響をめぐる憶測が飛び交う中、アルファベットの現状を評価する中で、私はアルファベットに対する強気のスタンスを維持する。
市場では、様々な憶測や高度なAI技術がもたらすディスラプションの可能性に注目が集まっているが、私は同社の基本的な強みとバリュエーションを考慮することの重要性を強調したい。
AIの発展がグーグルの検索優位に挑戦する可能性があるのは事実だが、PER21倍という現在のバリュエーションは説得力がある。
私は、感情的なシナリオを避け、同社の基本的なビジネス、多様な収益源、そして最も重要な継続的成長の可能性に注目することが重要だと主張したい。
企業の将来性は、四半期決算に合わせて90日ごとに終わるわけではない。
さらに、CAGR10%近くに達すると予想される収益成長率の再加速は、アルファベットのポジティブな軌道を示しており、現在の評価が合理的に見える。
加えて、アルファベットの過去の他の新規事業での実績を考慮すると、イノベーションへの積極的なアプローチを最もよく表しており、新たな課題を克服し、市場での優位性を維持し続ける可能性を示唆していると考える。
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