02/06/2024

中立
アルファベット クラスC
中立
全体として、アルファベットは過去の平均と比較して妥当なバリュエーションで取引されているように見えるが、株価売上高倍率に基づくと、同業他社に比べてやや割高であるように見えるというのも現状である。
アルファベット・グーグル / GOOGL / 予想配当利回り0% / 中立:23年4Q決算分析と今後の株価見通し・将来性

a purple chair sitting in front of a buildingイアニス・ ゾルンパノスイアニス・ ゾルンパノス
  • アルファベット(GOOG/GOOGL:予想配当利回り0% / 無配当)は持ち株会社であり、インターネットメディア大手のグーグルはその完全子会社である。
  • グーグルはアルファベットの収益の99%を稼ぎ出しており、そのうち85%以上がオンライン広告によるものである。
  • また、同社は2024年1月30日に23年第4四半期決算を発表している。

アルファベット / グーグル(GOOG/GOOGL)の概要

セクター:インタラクティブ・メディア

現在の株価:144ドル

時価総額:1.79兆ドル

一株当たり本質的価値:146.33 ドル

安全マージン:1%

アルファベット(GOOG/GOOGL:無配当)は持ち株会社であり、インターネットメディア大手のグーグルはその完全子会社である。

グーグルはアルファベットの収益の99%を稼ぎ出しており、そのうち85%以上がオンライン広告によるものである。

グーグルのその他の収入は、グーグルプレイやユーチューブでのアプリやコンテンツの販売、クラウドサービス料やその他のライセンス収入である。

Chromebooks、Pixel スマートフォン、NestやGoogle Homeなどのスマートホーム製品などのハードウェアの販売もその他の収益に貢献している。

また、アルファベットはテクノロジーへの投資も積極的に行っており、例えば、健康増進を図るベリリー(Verily)、高速インターネット接続を提供するグーグルファイバー(Google Fiber)、自動運転車のウェイモ(Waymo)などが挙げられる。

また、同社は2024年1月30日に23年第4四半期決算を発表している。

アルファベット / グーグル(GOOG/GOOGL)の収益と成長に関して

第4四半期のアルファベット(GOOG/ GOOGL)の収益は、前四半期と比較してわずかな増加となり、第3四半期の1.636に対し、1.639のEPSを報告する着地となった。

長期的なパフォーマンスを見ると、同社株の非経常損益項目を除くベースでの過去5年間のEPSの年間平均成長率(CAGR)25.90%で、10年間の年平均成長率は21.80%となっている。

これらを踏まえると、今四半期の成長は、過去の平均と比較して大きくなかったことが分かる。

また、1株当たり売上高では、同社は第4四半期も成長を示し、第3四半期の6.038に対し、6.856となっている。

これは、売上高の創出という観点で、同社の業績が好調であることを示している。

加えて、テクノロジー・セクターは、人工知能、クラウド・コンピューティング、データ分析の進歩に牽引され、急速な拡大を続けると予想されている。

そのため、今後10年間の同社の業界の成長予測は引き続き堅調であるように映り、これは同社の将来の成長見通しにとって良い兆しであると言える。

さらに、過去の財務レバレッジの度合いを考慮すると、同社は比較的低水準の負債を維持しており、柔軟性と安定性を高めている。

これにより、同社は成長機会を活用し、市場シェアを拡大できる可能性があると見ている。

全体として、アルファベットの前四半期の業績は、長期的な過去の年平均成長率ほど強くないものの、着実な成長を示していることが分かる。

そして、業界の成長予測と慎重な財務戦略により、同社は今後も成長軌道を維持する可能性を秘めていると見ている。

アルファベット / グーグル(GOOG/GOOGL)のバリュエーションに関して

アルファベットは現在144.8701ドルで取引されており、弊社算出の一株当たり本質的価値である146.33ドルをわずかに下回っている。

一方で、実績PERは24.99倍となっており、5年平均と10年平均に並んでいる。

さらに、株価売上高倍率は6.06となっており、株価が業界平均より割高で取引されていることを示唆している。

しかし、PEGレシオは1.16となっており、将来の成長見通しに比べて株価がやや割安であることを示している。

また、EV/EBITDAレシオも17.29と業界平均を下回っており、潜在的な収益力を踏まえると同社が割安である可能性を示唆している。

全体として、アルファベットは過去の平均と比較して妥当なバリュエーションで取引されているように見えるが、株価売上高倍率に基づくと、同業他社に比べてやや割高であるように見えるというのも現状である。

ただし、投資家は、PEGレシオとEV/EBITDAレシオで示される株価の成長見通しと将来的な収益の可能性も考慮すべきである。

アルファベット / グーグル(GOOG/GOOGL)のリスクとリターンに関して

同社株のリスク評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたい。

まず、同社の株価は10年来の高値に近く、潜在的な割高感を示している。

同様に、株価売上高倍率は1年ぶりの高水準に近く、株価が売上高に比べて割高である可能性を示唆している。

しかし、それらのリスクを軽減するポジティブな指標もいくつかある。

まず、ピオトロスキーFスコアが8であることは、アルファベットの財務状況が非常に健全であることを示している。

また、インタレスト・カバレッジ・レシオが示すように、同社はすべての負債をカバーするのに十分な現金を持っている。

さらに、ベニッシュMスコアの-2.58は、同社が利益操作している可能性が低いことを示唆している。

加えて、同社の営業利益率は拡大しており、これは一般的にポジティブな兆候と見られている。

最後に、同社は継続して予測可能な収益と利益の伸びを示しており、投資家に安定性を提供している。

全体として、高水準の株価と株価売上高倍率に伴うリスクはあるものの、ポジティブな指標は、アルファベットが安定した財務状態にあり、良好な成長の可能性を秘めていることを示唆している。

アルファベット / グーグル(GOOG/GOOGL)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して

アルファベットは過去12ヶ月間、インサイダーによる同社株式の売却が50件、買い付けがゼロと、インサイダーによる売却の傾向が顕著である。

これは、同社の取締役や経営陣が積極的に株式を売却していることを示している。

ただし、同社のインサイダー保有率は僅かに3.09%で、同社インサイダーの保有比率が比較的低いことにはご留意いただきたい。

一方、同社株式の機関投資家保有比率は18.98%と比較的高く、投資信託、年金基金、ヘッジファンドなどの大口機関投資家が同社にかなりの株式を保有していることを示している。

このことは、これらの機関投資家が同社の将来の業績に対してポジティブな見通しを持っていることを示唆している。

全体として、アルファベット株式におけるインサイダーによる売却の傾向と相対的に低いインサイダー保有比率は、同社の取締役や経営陣への信頼性について若干の懸念を抱かせる。

しかし、機関投資家の保有比率が比較的高いことは、機関投資家のセンチメントが前向きであることを示している。

アルファベット / グーグル(GOOG/GOOGL)の流動性に関して

アルファベットの過去2カ月間の1日平均出来高は22,662,435株であり、これは投資家の関心が高いことを示しており、株価に大きな影響を与えることなく株式の売買が容易となっていることを意味する。