03/22/2024

やや強気
アルファベット クラスC
やや強気
今回の下落は、押し目買いの好機だと考えており、また、市場はこのAIに関する全体像を正しく評価していないと感じています。
アルファベット・グーグル / GOOGL / 強気:ビル・アックマンのインタビューと今後の株価見通し(Alphabet)

a google sign in front of some bushes and treesジェームズ・ フォードジェームズ・ フォード
  • 著名投資家のビル・アックマンは、最近のAI関連市場の過剰反応にもかかわらず、その財務力と市場におけるポジションから、アルファベット(GOOG / GOOGL)の買いを推奨している。
  • 最近のアルファベットへの売り圧力はメディアの論争に関連したものだが、過去の利益回復局面と同様にチャンスと見ている。
  • 私は同社の価値とAIの見通しについて楽観的であり、業界の不確実性にもかかわらず、その魅力的なバリュエーションと今後の可能性に注目している。

アルファベット(GOOG / GOOGL)への投資テーマ

ビル・アックマンは最近のインタビューで、アルファベット(GOOG/GOOGL)が彼の最大保有銘柄の一つである理由を詳しく説明した。

足元、市場は再び、AIの脅威を織り込んでいるが、実際はチャンスである。

そして、Gemini(ジェミニ)の「スキャンダル」は、同社を割安で買う絶好の機会を与えてくれている。

同社は依然として、最も広いモート(競争優位性)、最高のバランスシート、成長の見通しを持つハイテク企業の一つである。

それにもかかわらず、同業他社より割安で取引されているのである。

私は、足元の反落を受けて、同社への見通しを更に強めている。

アルファベット(GOOG / GOOGL)はなぜ売られたのか?

アルファベット(GOOG/GOOGL)に関する前回の記事で、私は同社をペイパル(PYPL)と比較した。

どちらも素晴らしい資質を持っているが、どちらも競合他社ほど高いバリュエーションは付与されていない。

しかし、この2社には大きな違いがある。

ビル・アックマンと同じように、これは私のポートフォリオの中で大規模(私の場合は最大)で確信度の高いポジションである。

多くのAI銘柄が過去12ヶ月で大暴騰したのに対し、同社は過去6ヶ月で4%の上昇と非常に緩やかである。

そして、実際、株価は1月末の直近ピークからわずか1週間で15%以上も下落した。

そして、それはナスダックが最高値を更新していた時期にである。

アルファベット(GOOG / GOOGL)には一体何が起こったのか?

Geminiが最近、一連の報道で「ウォークすぎている」と指摘され、メディアの監視下に置かれたことが、この売りの主な原因だろう。

これには、第2次世界大戦時のドイツ兵の例として黒人男性とアジア人女性を描いたり、創業者の一人を黒人にしたりといった「不作法」が含まれていた。

同社はこのアウトプットが「的外れ」であることを認め、Geminiを一時停止にした。

そのため、投資家は退席することにより反対の意思表示を投じ、結果、アルファベット株は売られることとなった。

明らかに、アルファベット(GOOG/GOOGL)はAI競争に負けているのである。

アルファベット(GOOG / GOOGL)を含め歴史は繰り返す

面白いことに、このようなシナリオと値動きは1年以上前にもあった。

2023年2月8日、アルファベット(GOOG/GOOGL)は社内イベントでBardを発表した。

残念なことに、LLM(大規模言語モデル)は宇宙に関する質問に答える際にミスを犯してしまった。

このニュースが直ちに広まり、同社の株価は1日で9%も下落した。

そして、その翌週、同社株は18%以上も下落したのである。

その翌年、株価は1年間で60%以上上昇したが、再度、Gemini (別名Bard 2.0)が歴史的な数字を誤って伝えたため、15%下落することとなった。

しかし、Bard関連ニュースの下落で買った人は、現在60%上昇していることになる。

そして、私は今回の売り越しも同じように魅力的な機会だと見ている。

アルファベット(GOOG / GOOGL)に関してビル・アックマンは正しい

有名なファンドマネージャー、ビル・アックマンは最近、レックス・フリードマンのポッドキャストでインタビューを受けた。

彼はかなりの時間をグーグルとAIについて話していた。

Pershing Square Capital Managementの保有状況

(出典:Dataroma)

アルファベット(GOOG/GOOGL)は、ビル・アックマンのファンドであるPershing Square Capital Managementの第5位のポジションであり、ポートフォリオの12%以上を占めている。

ビル・アックマンはアルファベットに強い信念を持っており、実際、最初のBard関連の売りがいかに素晴らしい買いのチャンスであったかを語っている。

その時点では、同社は利益に対して15倍程度で取引されており、彼が言うように「アルファベットの事業の質を考えると、低いバリュエーションである」。

インタビューの中で彼は、業界関係者に話を聞いた結果、AI競争においてグーグルはマイクロソフト(MSFT)に勝っているとは言わないまでも並んでおり、投資家は警戒と遅れを混同していると結論づけたという。

アックマンは、グーグルはその規模からして、Open AIのような新興企業よりも規制当局の監視下に置かれていると指摘する。

そして、このことは、グーグルが遅れているかのように錯覚させるかもしれない。

しかし、実際にはそうではないのである。

グーグルは、検索と一連の製品における優位性のおかげで、利用可能な最大のデータセットを持っている。

さらに、AIの重要な部分であるクラウドでも圧倒的な力を持っている。

アップル(AAPL)を除けば、1,100億ドル以上のキャッシュを持つハイテクセクターで最も懐の深い企業であり、人材を見つけるのにそれほど苦労するとは思えない。

そのため、私は長期的にはグーグルがこのレースで勝つと見ている。

この変化の激しいテック主導の世界では、グーグルは実は最も広いモート(競争優位性)を持っているのである。

インタビューの中で、私が最も気に入ったのは彼の次の言葉である。

「あるビジネスが動詞になる時(あるビジネスの名前が動詞として使用されるようになる時)、それは通常、そのビジネスを取り巻く競争優位性についてかなり良い兆候である。」

(出典:ビル・アックマンのレックス・フリードマンとのインタビュー時のコメントより)

よく知られた事実だが、見事に言い当てているように感じる。

また、もうひとつ、私がとても気に入った彼の言葉は下記である。

「AIは究極のディスラプト(破壊)可能な資産である。」

(出典:ビル・アックマンのレックス・フリードマンとのインタビュー時のコメントより)

投資家は、特定の企業に過度の信頼を置かない方がいいと思う。

私たちはAIに何ができるかをほとんど理解できていない。

その様な状況下で、AI市場の将来を正確に予測できるわけがない。

一方で、不確実な世界において、グーグルは最高の価格で最も確実なものを提供しているのである。

アルファベット(GOOG / GOOGL)のバリュエーション

今回の売り越しで、アルファベット(GOOG/GOOGL)は新たに「Mag 5(マグ5)」と呼ばれるようになった企業の中で、再び最も割安な企業となった。

直近過去12カ月間の実績ベースのPERに基づくとアルファベットは圧倒的に割安であり、予想PERに基づいてもやはり最も割安である。

一方で、PEGレシオでは、メタ(META)やエヌビディア(NVDA)が若干安いのが現状である。

しかし、これは将来予想に基づいていることを念頭に置く必要がある。

もちろん、エヌビディアは収益がほぼ倍増すると予想されている。

また、メタも効率性に優れた1年であった。

そして、アルファベットとほぼ同じPEGレシオの水準で取引されている。

しかし、アルファベットにとって最も直接的な競争相手であると言えるマイクロソフトは、ほぼ2倍の水準のPEGで取引されている。

私はこの差に違和感を感じる。

そして最後に、アルファベットはキャッシュフローのキングであり続け、キャッシュフローの17倍以下の水準で取引されている。

以上を踏まえると、私はアルファベットが長期的に買うべき最高の銘柄だと見ている。

しかし、ビル・アックマンが間違っているとしたらどうだろうか?

その際には、おそらく、アルファベットは今の株価の出遅れを取り戻すことはできないだろう。

ただし、ファンダメンタルズの観点からは、上述の理由から、アルファベットはまだ有利な立場にあると言える。

私たちが説明できない唯一の変数は、いつものように人間に関するものである。

アルファベットが既に成功しすぎており、幸福に浸っているという議論は間違いなくある。

これは、前回の記事で同社をペイパルと比較した際に述べた点である。

つまり、経営陣はこれから試されるのである。

そして、この点に関しては、サンダー・ピチャイCEOと彼のチームがどれだけハングリーであるかを見なければならないだろう。

ただし、彼らはまだ本当の意味で試されていない。

とはいえ、ピチャイはアルファベット社内で製品のイノベーションにかなり強い実績を持っている。

「ピチャイは2004年にグーグルに入社し、Google ChromeやChromeOSを含むグーグルのクライアントソフトウェア製品群の製品管理とイノベーションの取り組みを主導し、Google Driveの大部分を担当した。その後、GmailやGoogle Mapsなど他のアプリケーションの開発を監督した。」

(出典:ウィキペディア)

しかし、問題は、グーグル/アルファベットのビリオネアCEOは今も十分にハングリーなのかという点である。

アルファベット(GOOG / GOOGL)に対する結論

アルファベット(GOOG/GOOGL)は依然として私のポートフォリオ内で最大のポジションである。

足元の株価下落は、同社株を買う新たなチャンスであったと考えている。

そして、さらに市場はAIというものを正しく評価していないと個人的には感じている。

しかし、それはなぜだろうか?

AIは非常に新しく革命的なもので、私たちはほとんど理解できていないのである。

しかし、AIとそのAIを取り巻く市場に関する私の限られた知識では、アルファベットが狙い目だと見ている。