05/23/2024

やや強気
ヒムズ・ハーズ・ヘルス
やや強気
来年は年平均成長率30%の成長が見込まれ、来年のEBITDAの13倍という魅力的なバリュエーションであることから、同社は急成長する遠隔医療市場へのエクスポージャーを求める投資家にとって魅力的な投資対象であるように見える。
ヒムズ&ハーズ・ヘルス(HIMS)株価の今後の見通し:最新の2024年第1四半期決算分析を通じて将来性に迫る!

gray HTC Android smartphoneマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ
  • 本稿では、注目の米国テレヘルス企業であるヒムズ・アンド・ハーズ・ヘルス(HIMS)の5月6日に発表された最新の2024年第1四半期決算の分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
  • 同社は、性の健康やメンタルヘルスなどの分野でパーソナライズされたケアを提供し、継続的な成長と加入者数の増加を実現している企業です。
  • 同社は2024年第1四半期に好調な業績を示し、年平均成長率約30%が見込まれる一方で、競争の激化や規制問題といった短期的な課題にも直面しています。
  • 現在のバリュエーションは来年の予想EBITDAの13倍と割安で、同社の成長ポテンシャルを踏まえると魅力的に見えます。

ヒムズ&ハーズ・ヘルス(HIMS)への投資に関して

ヒムズ&ハーズ・ヘルスHIMS)は2024年5月6日に2024年度第1四半期決算を発表しており、素晴らしい業績を上げ続けていることが確認されている。

そして、引き続き、私の同社株式に対する目標株価は2025年夏までに1株当たり20ドルとしている。

なぜヒムズ&ハーズ・ヘルス(HIMS)なのか?なぜ今なのか?

ヒムズ&ハーズ・ヘルス(HIMS)は、性の健康、男性の髪、そして最近では女性の皮膚科、メンタルヘルス、減量関連等の中核となる専門分野を中心とした消費者直販に焦点を当てており、十分なサービスを受けることが出来ていない顧客層に利便性を提供しようとしている。

そして、同社が販売しているのは、単なる処方箋なしの薬ではない。

実際、同社が販売する薬よりも安い値段で購入可能な代替の非処方薬はネット上にいくらでも存在している。

そのため、同社が販売しているものは、「顧客が購入する錠剤が評判の良いソースから販売されているもの」だという信頼であると言える。

しばしば、市場の投資家は、同社サービスにおける解約率が非常に高いという話をよくしたがるように見え、確かにそのようなトレンドは存在するかもしれない。

しかし、上の図をご覧いただければご理解いただける通り、同社プラットフォームへの加入者数(Subscribers)は伸び続けている。

そして、単に伸びているだけではなく、有料会員数は前年同期比41%も成長しているのである。

実際に、解約を含めてさえもこのレベルの有料会員数の伸びを実現出来るという事実を踏まえると、私はこの数字に非常に満足していると言わざるを得ない。

上記のトレンドからも、短期的には、同社は継続的な成長と成功の準備が整っているように見える。

また、同社の最近の2024年度第1四半期決算は、非常に印象的な業績を示している(ファンダメンタルズについては後ほど説明する)。

皮膚科、メンタルヘルス、セクシャルヘルスなど、複数の専門分野にわたってパーソナライズされたケアを提供するという同社の戦略は、利用者の共感を呼び、強いリテンションにつながっているように見える。

加えて、同社は消費者のヘルスジャーニー(健康に関する取り組み)の初期段階からアプローチし、ターゲットを絞ったマーケティング活動を通じてブランド認知度を高めることに注力しており、新規ユーザーの獲得と顧客基盤の拡大において良い兆しを示しているように見える。

しかし、その有望な見通しとは裏腹に、同社は短期的な課題にも直面している。

テレヘルス(遠隔医療)とパーソナライズド・ヘルス市場は、懐の深い数多くの新規プレーヤーを引き付け続けているため、競争環境は厳しいというのが現状である。

このような混雑した空間で競争力を維持するには、継続的な差別化が必要となる。

さらに、特に同社が個別化されたサービスを拡大するにつれて、規制上の問題が課題となる可能性がある。

そのため、成長を継続させながら、医療規制やデータプライバシー法の遵守を確保することは極めて重要な課題である。

加えて、同社は成長のテコとしてマーケティングに依存しているため、マーケティング費用の変動がユーザー獲得の見込みに影響を与えるという不確実性もある。

このような背景を踏まえ、次に同社の財務について説明しよう。

ヒムズ&ハーズ・ヘルス(HIMS)の2024年の売上高成長率:+48%の年平均成長率

繰り返しとなるが、ヒムズ&ハーズ・ヘルス(HIMS)は素晴らしい成長を続けている。

当初、この会社が10億ドルの売上を達成したら、凄いことだと思ったのを今でも覚えている。

実際、本日このことを認めるのは恥ずかしい程だが、私は3年近くもの間、同社株式に注目してきた過去がある。

正直なところ、最初に注目して以来、私の同社からのリターンはそれほど大きくはないというのが事実であり、この3年間で40%ほどしか上昇していない。

しかし、なぜ私がこのような話をするかというと、読者の皆様に考えていただきたいからである。

この会社はまだ若く、結果として、その見通しにはまだ多くの疑問が残っているのも事実である。

ただし、インフレクション(変節)投資家としては、対象の株式に不確実性がある時に注目すし、不確実性が少し減る局面でポジションをクローズすることが重用であると見ている。

特に、妥当なバリュエーションでスタートした場合には、上述ような市場の認識の変化が株価の再評価を促す傾向にある。

ヒムズ&ハーズ・ヘルス(HIMS)のバリュエーション:来年度EBITDAの13倍

数週間前、私はヒムズ&ハーズ・ヘルス(HIMS)に関して下記の様に述べている。

「ヒムズ&ハーズ・ヘルスは割高な銘柄ではない。こう言うと思われるかもしれないが、この事業は収益性を最大化するために運営されているわけではないことを理解することがとても重要である。これは年平均成長率40%で成長している若いビジネスである。収益性を重視して運営されているわけではない。余剰資金を収益拡大のために投資する機会が、最適な投資収益率を下回るようになれば、収益性の最大化を優先する時が来るだろう。しかし、ヒムズ&ハーズ・ヘルスは今この時点からはほど遠い。」

そして、同社は最終利益のガイダンスを1億3,500万ドルに上方修正している。

これにより、同社は今年EBITDA10%への道を歩むことになる。

これは私の前回予想を上回るだけでなく、2025年の収益性予想が保守的すぎた可能性を疑問視するものでもある。

しかし、2024年末に近づくまでは、まだ色々なことが起こりうるので、今の2025年予想はこのままにしておきたい。

ここで、足元、私が言ったことを思い出していただきたい。

「HIMSが今年の年平均成長率40%から来年は年平均成長率28%に減速し、一方でEBITDAマージンが約12%になるよう基礎的収益性を高める努力をすると仮定すると、HIMSは2025年に約1億9,000万ドルを達成することになる。」

一方で、同社は今年、年平均成長率44%近い成長が見込まれることから、来年は年平均成長率30%で成長する可能性があると私は考えている。

そうなると、同社のEBITDAは、以前私が見積もった1億9,000万ドルから2億ドルに増加する可能性があることになる。

全体として、同社の株価は来年のEBITDAの13倍のままでああり、年平均成長率30%以上で成長している事業であることを踏まえると、現在の同社の株価は割安に見える。

ヒムズ&ハーズ・ヘルス(HIMS)への結論

結論として、ヒムズ&ハーズ・ヘルス(HIMS)は、その力強い成長軌道と、パーソナライズされた医療サービスの拡大という同社の戦略を考慮すると、注目すべき銘柄であると見ている。

来年は年平均成長率30%の成長が見込まれ、さらに、足元では来年のEBITDAの13倍という魅力的なバリュエーションにより、同社は急成長する遠隔医療市場へのエクスポージャーを求める投資家にとって魅力的なバリュエーションを提示しているようにも見える。

規制の複雑さ、マーケティングへの依存度の高さ、競争の激化といった短期的な課題にもかかわらず、同社の継続的な加入者数の増加とブランド認知度の拡大は、持続的な企業価値の上昇の可能性を示唆している。

そして、ヒムズ&ハーズ・ヘルスの見通しを取り巻く不確実性が徐々に解消されるにつれ、投資家は現在のバリュエーションが同社の将来の収益ポテンシャルを大幅に過小評価していることに気づくだろう。

その他のヒムズ&ハーズ・ヘルス(HIMSに関するレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、ヒムズ&ハーズ・ヘルスのページにてご覧いただければと思います。

また、私のプロフィール上にて、私をフォローしていただければ、最新のレポートがリリースされる度に、リアルタイムでメール経由でお知らせを受け取ることが出来ます。

私のテクノロジー関連銘柄やエネルギー関連銘柄に関するレポートに関心がございましたら、是非、フォローしていただければと思います。


アナリスト紹介:マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ

📍テクノロジー&エネルギー担当

オリベイラ氏のその他のテクノロジー関連銘柄のレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、オリベイラ氏のプロフィールページにアクセスしていただければと思います。


インベストリンゴでは、弊社のアナリストが、高配当関連銘柄からAIや半導体関連のテクノロジー銘柄まで、米国株個別企業に関する動向を日々日本語でアップデートしております。そして、インベストリンゴのレポート上でカバーされている米国、及び、外国企業数は250銘柄以上となっております。米国株式市場に関心のある方は、是非、弊社プラットフォームよりレポートをご覧いただければと思います。

弊社がカバーしている企業・銘柄の一覧ページはこちら