強気ヒムズ・ハーズ・ヘルスヒムズ・アンド・ハーズ・ヘルス(HIMS)今後の株価見通し:目標株価は30ドル!最新の決算分析を通じて将来性に迫る!
マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ- 本稿では、注目の米国テレヘルス企業であるヒムズ・アンド・ハーズ・ヘルス(HIMS)の2024年11月4日に発表された最新の2024年第3四半期決算の分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
- 同社はGLP-1薬の供給不足に対し、個別調合によるパーソナライズドな対応に注力することで、供給不足が解消しても競争力を維持できると見ています。
- 加入者数は、カスタマイズされたソリューションへの需要によって安定的に増加しており、一部の解約があっても成長を続けています。
- 2025年には年平均成長率35%を見込んでおり、フリーキャッシュフローは2億5,000万ドルに達すると予測されています。
- 無借金のバランスシートと豊富な現金を踏まえると、足元の予想フリーキャッシュフローの20倍というバリュエーションは魅力的に見えます。
ヒムズ・アンド・ハーズ・ヘルス(HIMS)の最新の2024年第3四半期決算発表に関して
ヒムズ・アンド・ハーズ・ヘルス(HIMS)は11月4日に2024年第3四半期決算を発表しており、非常に好調な四半期業績を報告しました。
要因は様々ありますが、特に注目すべきポイントを取り上げます。
同社は、GLP-1薬の供給不足問題を、規制の例外を利用した個別調合により巧みに回避しています。
この戦略によって、副作用が出やすい患者に合わせたカスタマイズの選択肢を提供できるため、将来的に供給不足が解消しても、同社は引き続き有利な立場に立つことが期待されます。
市場の投資家がこの情報を消化するには少し時間がかかるかもしれませんが、いずれ予想フリーキャッシュフローの20倍に相当するバリュエーションに魅力を感じることになると考えています。
そのため、私は2025年夏までの同社の目標株価として、1株あたり30ドルを設定しています。
では、その理由に関して詳細に解説していきます。
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ヒムズ・アンド・ハーズ・ヘルス(HIMS)の持続的な競争優位性
「インフレクション投資家」である大きな利点は、成長過程の初期段階で企業に投資できることです。
「インフレクション投資家」とは、企業の成長が加速する「インフレクションポイント(転換点)」に注目して投資する投資家のことを指します。
インフレクションポイントとは、企業の成長が大きく変化するタイミング、たとえば新しい製品の導入、市場シェアの急拡大、業界での大きなシフトなどが起こり、企業の成長や利益が飛躍的に伸びる可能性が見込まれる瞬間です。
このタイプの投資家は、まだ成長段階にある企業に対し、今後の成長が大きく加速する見込みがあると判断して早期に投資を行います。
成長初期段階でのリスクはあるものの、インフレクションポイントを捉えた投資が成功すれば、大きなリターンが得られる可能性があります。
そのため、インフレクション投資家は事業や市場の動向、成長の兆しとなる要素を鋭く見極める必要があります。
しかし、全ての答えを知っている必要はなく、翌年の成果をある程度見通すことが出来れば十分であるとも考えています。
株価が上昇するにつれて、新しい投資家はより高いプレミアムを支払うことになりますが、その分、より明確な情報が求められます。
しかし、初期段階で参入すれば、情報が不完全でも低いバリュエーション(安い株価)で購入することができ、適正な価格で売却することで健全なリターンを得ることが出来ます。
このような背景を踏まえ、ヒムズ・アンド・ハーズ・ヘルス(HIMS)がGLP-1薬の供給不足が解消された際にどのような戦略を取るのかを深掘りしていきます。
この点については多くの市場のアナリストから質問が寄せられましたが、同社の経営陣は、GLP-1市場での競争優位性を維持するための戦略が整っていると述べています。
同社は、標準投与量で副作用が発生する患者に応じた個別の調整や投薬スケジュールに多額の投資を行っています。
CEOのアンドリュー・デューダム氏は、「患者は個別対応を求めて当社に来ている…それが私たちの顧客層です(Patients are coming to us for personalization…that’s the type of person that comes to us.)」と述べ、調合の例外措置を活用し、副作用を緩和するための個別の投与量や組み合わせ療法を提供しています。
また、最近のMedisource(503B調合薬局)の買収は、GLP-1の製造拡大に向けた同社のスケーラビリティ強化への取り組みを裏付けています。
これらの取り組みにより、同社は個別対応の選択肢をさらに増やしていく計画です。
CFOのイェミ・オクペ氏によると、現在、100万人以上の加入者(Subscriber)が同社のカスタマイズサービスを利用しています。
GLP-1薬が広く供給されるようになれば、同社はこのニーズに応えるためのサービスをさらに充実させる意向です。
では、ここで、株価の成長要因の一つである「加入者の需要」に話を戻します。
(出所:ヒムズ・アンド・ハーズ・ヘルスの2024年第3四半期決算資料)
同社の持続的な競争優位性は、この図表にも示されています。
もちろん、加入者の一部が数週間や数か月で解約することは承知していますが、それでも現在、加入者数は増加を続けており、解約率の管理に努めながらも勢いは衰えていません。
このような背景を踏まえ、次に同社の基本的な財務状況について考察していきましょう。
ヒムズ・アンド・ハーズ・ヘルス(HIMS)の売上高:2025年の売上高成長率は年平均35%へ
ヒムズ・アンド・ハーズ・ヘルス(HIMS)の売上高成長率(%)
(出所:筆者作成)
以前の分析でも触れましたが、現時点ではヒムズ・アンド・ハーズ・ヘルス(HIMS)の2024年の業績はあまり注目されていません。
投資家にとって関心事は、同社が2025年も成長を維持できるかどうかです。
私はこの成長が続くと考えており、その理由は2つあります。
まず、同社の加入者は以前よりも定着率が高く、安定した顧客基盤を築いていることです。
また、GLP-1薬が供給不足リストから外れ、一般化したとしても、引き続き価値があると考えています。
このような背景を踏まえ、同社のバリュエーションについて考えてみましょう。
ヒムズ・アンド・ハーズ・ヘルス(HIMS)のバリュエーション:予想フリーキャッシュフローの20倍
成長初期にある企業に投資する「インフレクション投資家」として、企業のバランスシートが資産となるかどうかを見極める必要があります。
そして、ヒムズ・アンド・ハーズ・ヘルス(HIMS)のバランスシートを見てみると、負債がなく、約2億5000万ドルの現金があり、時価総額の約5%に相当します。
これは私の強気な見方を支える要素です。
2024年の最初の9ヶ月間で、同社の調整後EBITDAは1億2200万ドルに達し、フリーキャッシュフローは1億3900万ドルに上りました。
同社はサブスクリプション収益を得ながら運転資本もプラスに保ち、EBITDAを上回るフリーキャッシュフローの成長が可能です。
また、同社は2024年のEBITDAを約1億8000万ドルと見込んでおり、ほぼ同等のフリーキャッシュフローが期待できます。
2024年の見通し
(出所:ヒムズ・アンド・ハーズ・ヘルスの2024年第3四半期決算資料)
さらに、2025年には前年比35%の成長を見込んでいます。
この見積もりは同社の収益が同じく35%増加するという予測に基づいていますが、事業の拡大に伴い、フリーキャッシュフローの成長が売上高を上回ることが期待されています。
とはいえ、安全マージンを確保するため、2025年のフリーキャッシュフローは2億5000万ドルに達すると見積もっています。
結果、これは現在の株価が将来の予想キャッシュフローの20倍であることを示しており、非常に割安であるように見えます。
ヒムズ・アンド・ハーズ・ヘルス(HIMS)への投資リスク
ヒムズ・アンド・ハーズ・ヘルス(HIMS)へのリスクは明確で、2025年の成長率が予測通り35%に届かないことです。
同社は成長率に応じた評価がされていますが、もし成長が15%程度にとどまれば、この見方を見直さざるを得ません。
また、急速な成長には将来の事業への投資が必要で、そのためNon-GAAPベースの粗利益率が圧迫される可能性があります。
利益構造
(出所:ヒムズ・アンド・ハーズ・ヘルスの2024年第3四半期決算資料)
理想的には粗利益率が70%台後半で安定することが望まれますが、もし粗利益率がさらに圧縮されると、投資家が支払う倍率にも影響が出て、2025年のフリーキャッシュフロー目標である2億5000万ドルに届かないかもしれません。
ヒムズ・アンド・ハーズ・ヘルス(HIMS)に対する結論
ヒムズ・アンド・ハーズ・ヘルス(HIMS)の将来の予想フリーキャッシュフローの20倍というバリュエーションは、無借金のバランスシートと十分な現金を考慮すると、魅力的であると考えています。
同社は個別調合に注力し、GLP-1市場での競争力を維持しており、供給不足が解消しても優位を保つ戦略を持っています。
加入者の需要が増加し、2025年にフリーキャッシュフローが35%成長する見込みがある中、同社の基盤は非常に堅固です。
これらを踏まえ、2025年夏までに同社の株価が1株あたり30ドルに到達する可能性が高いと見ています。
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アナリスト紹介:マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ
📍テクノロジー&エネルギー担当
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