04/26/2024

インテル(INTC:Intel)注目の半導体銘柄の今後の見通しとは?最新の2024年1Q決算分析を通じて将来性に迫る!

Intel computer processor in selective color photographyウィリアム・ キーティングウィリアム・ キーティング
  • 本稿では、インテル(INTC)の4月25日に発表された最新の2024年第1四半期決算分析を通じて、注目の米国半導体銘柄の今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
  • 同社は2025年まで競争力を欠く生産戦略を抱えており、ほとんどの投資家はこの状況を理解して既に株を売却していると考えられています。
  • 子会社であるモービルアイとアルテラは業績が低迷しており、特に供給制約や在庫消化が原因で収益が大きく減少しています。
  • 財務的に厳しい状況が続き、AIブームの恩恵を享受できないと見込まれており、株価は今後52週安値を試す可能性があると予想されています。

※「インテル(INTC:Intel)業績不振の理由とは?最新の2024年第1四半期決算分析を通じて将来性に迫る!」の続き

インテル(INTC)のプロダクト

はっきりさせておきたいのは、インテル(INTC)の幹部は現在、5N4Y戦略の最初のノードは経済的に競争力がなく、この状況は2025年まで続くだろうと語っているということである。

このことは私にとって驚きではなく、以前にも議論した。

私は、これは投資家にとって本当に重要なポイントだと思うが、現時点では、ほとんどの投資家はすでにこのメッセージを理解し、自分の株を売却するという方法で意思表示をしているように見える。

最後に、アルテラとモービルアイ(MBLY)について見てみよう。

後者は2022年後半にスピンアウトし、有望なスタートを切っている(詳細はこちら)。

原文:Mobileye was publicly traded before Intel bought the Israeli company in 2017 for $15.3 billion. At its IPO price of $21, Mobileye was valued at just $17 billion, resulting in minimal gains for Intel thus far. The stock, trading under the ticker MBLY, rose to $27.85 on Wednesday.

日本語訳:イスラエルの会社であるモービルアイは、2017年にインテルが153億ドルで買収をする前には上場していました。IPO価格の21ドルでは、モービルアイの評価額は170億ドルに過ぎず、その結果、インテルはこれまで最小限の利益しか得られていませんでした。MBLYというティッカーで取引されているこの株は、水曜日に27.85ドルまで上昇しました。

モービルアイの株価は47ドルをピークに、現在は30ドル前後で取引されており、IPO価格よりまだ十分に高い水準にある。

いずれにせよ、モービルアイの四半期業績は最悪であった。

原文:Mobileye revenue of $239 million and an operating loss of $68 million were both down meaningfully year over year due to a well-publicized drawdown of EyeQ customer inventory.

日本語訳:モービルアイの売上高は2億3900万ドル、営業損失は6800万ドルで、EyeQの顧客在庫の取り崩しにより前年同期比で共に大幅に減少しました。

2024年通期についても、モービルアイにとって特に良い状況とは言えない。

モービルアイは、インテルの決算発表に先立ち、決算説明会で改めてガイダンスを発表した。

モービルアイにとって悪い状況なら、アルテラにとってはさらに悪い状況である。

原文:Altera revenue was $342 million, down significantly year over year, with results impacted by the industry wide inventory digestion following supply constraints in 2022 and '23. Altera's $39 million operating loss is a result of lower revenue and spending associated with standing up Altera as a stand-alone company.

日本語訳:アルテラの売上高は3億4,200万ドルで、前年同期比で大幅に減少し、2022年と23年の供給制約に伴う業界全体の在庫消化が業績に影響しました。アルテラの3,900万ドルの営業損失は、売上高の減少とアルテラを独立企業として立ち上げることに伴う支出の結果です。

アルテラの通期予想は得られなかったが、下記の情報は得ることが出来ている。

原文:We continue to expect Altera to exit 2024 at a $2 billion revenue run rate as inventory positions normalize.

日本語訳:在庫ポジションが正常化するにつれて、アルテラは2024年に20億ドルの売上高を達成すると引き続き予想しています。

インテル(INTC)の生産能力の制約

このような状況下で、私が決算説明会で最後に聞けると思っていたのは、インテル(INTC)の生産能力の制約に関することであった。

まばたきをすれば聞き逃してしまうような、かなり微妙なものだったが、ゲルシンガーCEOの準備発言には下記の発言があった。

原文:While first-half trends are modestly weaker than we originally anticipated, they are consistent with what others have said and also reflect some of our own near-term supply constraints.

日本語訳:上半期の動向は当初予想していたよりもやや弱いが、他の企業が言っていることと一致しており、また、我々自身の短期的な供給制約の一部を反映しています。

実際、アナリストが質疑応答で下記の件を取り上げるまで、私たちが得た情報は上記の内容だけであった。

原文:My question is on the client side. I think, Pat, you mentioned something about supply constraints impacting your 2Q outlook. If you could provide some color as to what's causing those supply constraints? And when do you expect those to ease as we, I guess, go into the second half?

日本語訳:顧客サイドについての質問です。パッド(ゲルシンガーCEO)、供給制約が第2四半期の見通しに影響を与えるというようなことをおっしゃっていたと思います。何が供給制約を引き起こしているのか、お聞かせください。また、下半期に入ると思いますが、いつごろ緩和されると予想されますか?

そして、ゲルシンガーCEOの回答は以下の通りであった。

原文:We're meeting our customer commitments that we've had, but they've come back and asked for upside on multiple occasions across different markets. And we are racing to catch up to those upside requests, and the constraint has been on the back end. Wafer-level assembly, one of the new capabilities that are part of Meteor Lake and our subsequent client products. So, with that, we're working to catch up and build more wafer-level assembly capacity to meet those.

日本語訳:私たちは顧客との約束は守っていますが、顧客はさまざまな市場において何度も上乗せを要求してきました。私たちはそうした上積みの要求に追いつくために競争しており、制約は後工程にあります。ウェハー・レベル・アセンブリーは、Meteor Lakeとそれに続く顧客製品の一部である新機能のひとつです。そのため、ウェハー・レベル・アセンブリーの生産能力を増強し、これらの要求に応えられるよう取り組んでいます。

供給制約が売上高に与えた影響について定量的な詳細は得られなかったが、そもそも彼が言及するほど重大なものだったに違いない。

また、ゲルシンガーCEOがしばしば繰り返し強調する「実行」については、今回の決算説明会でも改めて強調されている。

原文:We are maniacally focused on executional excellence and fiscal discipline, and we are relentless in our drive to regain process leadership and bring next-generation solutions to solve our customers' hardest problems.

日本語訳:私たちは卓越した実行力と財政規律に狂おしいほど重点を置いており、プロセスにおけるリーダーシップを取り戻し、顧客の最も困難な問題を解決するための次世代ソリューションを提供することに執拗に取り組んでいます。

個人的には、「ウェハーレベルの組立能力を計画した責任者が誰であれ、そのタスクにそれほど集中していたわけではないだろう」とあえて言いたいというのが本音である。

最後に

今回のインテル(INTC)の決算説明会では、供給制約の問題を除けば、サプライズはほとんどなかった。

我々が学んだことの多くは、新しい報告構造を紹介したウェビナーですでに指摘されていた。

そして、投資家全員にとって、3つのことが明らかになった。

1. インテルは今後少なくとも2年間、おそらくそれ以上長い間、財務的に苦戦する。

2. インテルはAIブームから、競合他社が享受するような恩恵を受けることはないだろう。

3. インテルのCEOは18Aに会社を賭けている。

現在合計6つある設計の勝利は、ある種のお墨付きではあるが、その経済性(つまり歩留まり)については、大量生産に踏み切るまで何もわからないだろう。

以上より、現時点でインテルに投資すべき理由を考えるのは本当に難しいというのが本音である。

一方で、投資すべきでない理由を考えるのは簡単であるように思える。

そして、今後数ヶ月の間に、同社の株価は20台半ばの52週安値を再び試すのではないかと見ている。

正直なところ、今はインテルのことは忘れて、2年後にまたチェックするのがベストだと見ている。

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📍半導体&テクノロジー担当

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