12/14/2024

パット・ゲルシンガー元インテルCEOがX上でインテルの10万人の従業員を支えるため祈りと断食を呼びかけるもその真相とは?

Intel computer processor in selective color photographyウィリアム・ キーティングウィリアム・ キーティング
  • 本稿では、元インテルCEOであるパット・ゲルシンガー氏が、自身のXアカウント上でインテルの10万人の従業員を支えるため祈りと断食を呼びかけている点に関して詳しく解説していきます。
  • 「24時間の祈りと断食」を呼びかけたが、この提案には賛否が分かれており、匿名の大手企業関係者から懸念の声も上がっています。 
  • ゲルシンガー氏の呼びかけは、彼の過去のインテル再建への努力を象徴するものであり、祈りと断食という前例のない手段がどのような効果をもたらすのか、成功の可能性には依然として疑問が残ります。 
  • この計画には詳細が欠けており、具体的なルールや方法が明示されていないため、従業員や外部からの意見が分かれている中、今後の展開や追加情報に注目が集まっています。

インテル(INTC)の元CEOであるパット・ゲルシンガー氏が祈りと断食を呼びかけ

驚いたことに、インテル(INTC)の元CEOであるパット・ゲルシンガー氏が、X(旧Twitter)を通じてインテルの10万人の従業員を支えるため、「この困難な時期を乗り越える手助けとして、24時間の祈りと断食に参加しよう」と呼びかけました。

(出所:パット・ゲルシンガー氏のXアカウント

また、Xではプロセス性能を評価する正しい方法について意見を発信するなど、引き続き精力的に活動しています。

(出所:パット・ゲルシンガー氏のXアカウント

さらに、インテルの取締役会に新しく加わった2人のメンバーを歓迎する投稿も行っていました。

(出所:パット・ゲルシンガー氏のXアカウント

予想通り、ゲルシンガー氏の「祈りと断食」の呼びかけには賛否が分かれました。

匿名を希望した大手製薬会社の関係者は、この呼びかけに不快感を示し、「もし皆が24時間断食を始めたら、GLP-1関連製品の売上に影響が出るかもしれない」と懸念を表明しています。

さらに、インテルの主要な競合である大手グローバルファウンドリーの1社も、理由は明らかですが匿名を条件に、次のようなコメントを寄せました。

(原文)For heaven’s sake Pat, we thought we had won the foundry battle with you retiring from Intel, but this is a low blow from the sidelines. I mean, how are we supposed to compete with your “praying and fasting” gambit? That came out of nowhere and we are flabbergasted by the audacity of this move of yours.

(日本語訳)頼むから勘弁してくれよ、パット。あなたがインテルを退任したことで、ファウンドリー競争には勝ったと思っていたのに、こんな形で横から一撃を食らわせるなんて。それにしても「祈りと断食」で挑んでくるなんて予想外すぎる。この大胆な行動には本当に驚かされるし、正直言って呆れるよ。

確かに大胆な一手です。

インテルのCEO時代、ゲルシンガー氏は会社を立て直すためにありとあらゆる手段を試みました。

必要のないファブを建設するために莫大な資金を投じ、また必要のない15,000人もの人材を採用した挙句、全員を再び解雇する羽目になるなど、考えうる限りの手を尽くしました。

そして、最後に残されたのがこの方法というわけです。

前例のない試みでもあります。

私たちの知る限り、かつてのテクノロジー巨人の復活を目指して、このような手段が取られた例はありません。

成功の可能性は低いようにも見えますが、果たしてこれが本当に効果を発揮するのでしょうか?

詳しく掘り下げてみましょう。

まず初めに、ゲルシンガー氏の提案にはまだいくつか重要な点が欠けていることを指摘しなければなりません。

例えば、彼が最近解雇した15,000人の元インテル従業員が、この計画に含まれていない理由が不明です。

もしかすると、計画を急いで発表するあまり、単純に彼らの存在を忘れてしまったのかもしれません。

この点については、後ほど直接確認を取るつもりです。

また、「祈りと断食」を具体的に何時から始めればいいのかも、まだ明らかにされていません。

個人的な感覚では、全員が同じ時間に始めた方が最大の効果が得られる気がします。

しかし、「ローリング方式」―例えばアメリカの午前7時にスタートし、その後各タイムゾーンがそれぞれの午前7時に加わる形―も同様に効果的かもしれません。

さらに、「実施ルール」についても疑問が残ります。

例えば、開始直前に盛大に食事をしても問題ないのか、それともそれでは目的に反してしまうのか?

集中して祈るために仕事を休むべきなのか?

インテルの従業員自身も参加して自分たちのために祈るべきなのか?

もし参加するのであれば、仕事を休まずにオフィスで祈りながら、例の「5N4Y計画」を進めるのが良いのではないでしょうか。

もう一つ明確にしてほしいのは、計画の「24時間」という期間についてです。

24時間ぶっ続けで起きていなければならないのでしょうか?

正直、24時間寝ていない状態の私には近づかない方がいいと思います。

それに、その後は確実に仕事を休む必要があるので、実質的には48時間に影響が出ることになります。

さらに重要な点として、具体的にどの神に祈るべきなのかという問題があります。

選択肢はたくさんありますが、断食を重視する神もいればそうでない神もいます。

全員で一つの神に祈るよう統一すれば、ある程度効果が高まるように思います。

というのも、みんながそれぞれ別々の神に祈ると、目指している成果が分散してしまう可能性があるからです。

しかし、一方で全員が同じ神を選ぶよう求めるのは、人事部にとって悪夢のような状況を引き起こすかもしれません。

とはいえ、この計画は発表されたばかりですので、こうした細かな点については今後詰められていくことでしょう。

引き続きゲルシンガー氏のXの投稿を注目していきましょう。

ゲルシンガー氏の行動はインテル(INTC)に果たして効果はあるのか?

これが現在直面している重要な問いです。

XeroxやKodakに、これまでに似たような試みをしたことがあるかどうか問い合わせてみましたが、まだ返答はありません。

おそらく、そんなアイデアを思いついたことすらなかったのでしょう。

一方で、IBMからは小さな反応があり、こちらのリンクを送ってきました

(日本語訳)RapidusとIBMが2nm世代半導体向けチップレットパッケージング技術で協力を拡大

(日本語訳)両社が進めている2nmノード技術の共同開発を基盤に、さらに協力関係を強化することで合意しました。

(出所:IBMのHP

これは、おそらく、「一体どうやったら日本と組んで2nmプロセスの半導体を開発するなんて話になるんだ?こんな分野では、もう終わった存在だと思われてるはずなのに。」という内容に関する、IBMなりの遠回しなメッセージなのでしょう…。

IBMがゲルシンガー氏の提案のようなことを実際に試みた可能性は十分にあると思います。

ただし、知的財産の保護やその類の理由で、その情報を厳重に秘匿しているのかもしれません。

そして、私の年老いた母についてです。

母は非常に信仰心が強く、祈ることが大好きです。

そこで、ゲルシンガー氏の計画について話をして、彼女の意見を聞いてみました。

すると、彼女はこう言ったのです:

(原文)Praying is really good for practical, daily stuff. For example, if I lose something, I pray to Saint Anthony and I’ll have it found within the hour. If it’s good weather you want for a wedding the next day, the Child of Prague is definitely the way to go. If I’m praying for a hopeless cause, I usually try Jude. The bottom line is that its horses for courses.

(日本語訳)祈りは日常の実用的なことに本当に役立つわよ。例えば、何かを失くした時には聖アンソニーに祈れば、1時間以内に見つかることが多いの。それから、翌日結婚式で晴れてほしい時にはプラハの幼子に頼むといいわ。どうしようもない願い事をしたい時には、たいてい聖ジュードにお願いしてる。要するに、その状況に合った聖人を選ぶのがポイントなのよ。

それは確かに的確なアドバイスであり、インテルとその従業員の状況を考えると、聖ジュードに祈るのが適切かもしれませんね。

インテル(INTC)に対する結論

もしかすると、ゲルシンガー氏は感謝祭の際にこの戦略をインテル(INTC)の取締役会に提案したものの却下され、その結果解雇されたのではないでしょうか?

それでも彼は独自にこの計画を進めているのかもしれません。

そして、重要な日付を覚えておきましょう:木曜日です。

ゲルシンガー氏のXでさらなる詳細情報が発表されるのを注視してください。

ただし、即座に結果が出るとは期待しない方がいいでしょう。

例えば、金曜日に株価が急騰するわけではなく、週末を経て影響が現れることを考えると、翌週の月曜日あたりがより現実的なタイミングかもしれません。

さて、インテルがどうなるか見守りましょう…。

その他のインテル(INTC)に関するレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、インテルのページにアクセスしていただければと思います

また、直近、ゲルシンガー氏の退任に伴い、下記の分析レポートも執筆しておりますので、インテルへの理解を一層深めるために、インベストリンゴのプラットフォーム上より併せてご覧いただければと思います。

加えて、インベストリンゴのアナリストであるダグラス・ オローリン氏も、Part 1からPart 5までの5部作の下記の長編レポートにおいて、ゲルシンガー氏のCEO退任の影響とインテルの今後の見通しに関する詳細な分析を解説しております。

そこで、こちらもレポートも併せてご覧いただければと思います。

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