12/10/2024

強気
サムサラ
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同社の企業価値は売上高の20倍以上と高く感じられるかもしれませんが、年間10億ドルの収益を達成し、年平均成長率(CAGR)30%で成長を続けている点は際立っています。
【テクノロジー】サムサラ(IOT)目標株価は60ドル!最新の2025年度第3四半期決算分析を通じて今後の株価見通しに迫る!

A couple of lights that are on a wallマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ
  • 本稿では、注目の米国IOT銘柄であるサムサラ(IOT)の12月5日に発表された最新の2025年度第3四半期(暦年:2024年第3四半期)決算分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
  • サムサラの長期的な可能性を強く信じており、2025年夏までの目標株価として60ドルを設定しています。 
  • 同社の企業価値は売上高の20倍以上と高く感じられるかもしれませんが、年間10億ドルの収益を達成し、年平均成長率(CAGR)30%で成長を続けている点は際立っています。 
  • 同社は、強固な財務基盤や高いインサイダー保有率に加え、新たな「Samsara Intelligence」スイートなどを背景に、優れた成長ポテンシャルを備えています。 
  • 短期的な課題や競争の激化はあるものの、収益性の向上や高品質なビジネスモデルを考えると、目標株価60ドルに到達する可能性を見据えて保有する価値があると考えています。

サムサラ(IOT)に対する見解

私はサムサラ(IOT)は2024年12月5日に、2025年度第3四半期(暦年:2024年第3四半期)決算を発表しています。

同社はお気に入りの銘柄の1つですが、現時点の株価には魅力を感じている訳ではありません。

一方で、同社の株価があまりにも安くなることも望んでいません。

2025年夏までの目標株価として1株60ドルを設定していることから、現在の価格では追加で購入することも売却することも考えていません。

多くの人が、足元の売上高の20倍以上というバリュエーションを見てサムサラは割高だと思いがちですが、それは単純すぎる見方だと思います。

私の知る限り、クラウドストライク(CRWD)やヒムズ・アンド・ハーズ・ヘルス(HIMS)を除いて、30%の年平均成長率(CAGR)を維持しつつ10億ドル以上の収益を達成できる企業はほとんどありません。

パランティア・テクノロジーズ(PLTR)もそのレベルに近いですが、サムサラはその中でも際立っています。

このような素晴らしい企業を、誇りを持って保有し続けたいと思っています。

サムサラ(IOT)を取り巻く重要な背景

私は常に慎重な姿勢で企業の価値を評価しています。

事業が私の期待通りに成果を上げ続ける限り、目標株価に達するまで保有するつもりです。

前回の決算発表の直後に執筆時した、サムサラ(IOT)に関する分析レポートでは、下記のように述べました:

「現時点では、サムサラはあまり知られていない企業ですが、来年には多くの投資家に認知され、その時には、2025年夏までには、同社の目標株価として1株60ドルに達する可能性があると見ています。

上記レポートの詳細に関心がございましたら、インベストリンゴのプラットフォーム上より、併せてご覧いただければと思います。

決算発表直前には株価が60ドルに非常に近づいており、数週間以内にその水準に達すると信じていました。

しかし実際にはそうならず、株価は時間外取引で約15%下落しました。

それでも私は焦っていません。

適切な企業に投資し、自分の分析が確かなものであれば、最終的に目標株価に達することができると信じています。

もちろん、私にもミスはあります。

しかし、市場の雑音に耳を傾けたり、市場の動向に振り回されていては優れた成果を上げることはできません。

市場に従う者は、結局のところ市場に負けてしまうのです。

私は自分の洞察を信じます。

そして、高品質な企業であると確信できる場合には、特にその企業を支援したいと思います。

特に、バリュエーション水準が納得できる範囲である場合はなおさらです。

今回、サムサラを支持する上で私に大きな安心感を与えているのは、インサイダー保有率の高さです。

以下をご覧ください:

(出所:サムサラのSECへの提出資料)

上記の図からも分かる通り、経営陣が多くの株式を保有しているだけでなく、シリコンバレーのベテランであるマーク・アンドリーセン氏もこの企業に投資している点も非常に心強い要素です。

このことが私の投資判断にさらなる自身を与えています。

サムサラ(IOT)の将来性

サムサラ(IOT)は、資産を多く抱える業種や労働集約型の業務を行う組織向けに、デジタル変革を支援するAI搭載プラットフォームを提供しています。

このプラットフォームは、年間10兆件以上の膨大なデータを活用し、ビデオを活用した安全管理やテレマティクスによるインサイトなどのツールを提供します。

これらのツールは、顧客が効率を向上させ、コストを削減するのに役立ち、多くの場合、数カ月で投資を回収できる成果をもたらしています。

例えば、サムサラのソリューションを導入した企業では、車両事故や業務の非効率性を大幅に削減することができ、1社あたり年間平均200万ドルのコスト削減を達成できており、ROI(投資収益率)は8倍以上にも上ります。

短期的にも成長は順調で、特に新たな「Samsara Intelligence」スイートを通じたAI機能の採用が拡大しています。

このスイートは現在ベータ版として提供されており、顧客の安全性向上や意思決定の支援を目的としています。

さらに、Comfort Systemsや世界的な水衛生プロバイダーなどの企業を含む顧客基盤が拡大しており、既存顧客からの収益成長も引き続き力強いものとなっています。

こうした状況を踏まえ、次にサムサラの財務パフォーマンスについて詳しく見ていきましょう。

サムサラ(IOT)の売上高:来年は年平均成長率(CAGR)約28%で成長する可能性

サムサラ(IOT)の売上高成長率(%)

(出所:筆者作成)

昨年度の2024年会計年度(暦年:2023年)の第4四半期には1週間多い期間が含まれていました。

この影響を調整すると、2025年度第4四半期のガイダンスは前年比で約32%の成長を見込んでおり、これは非常に高い目標です。

サムサラ(IOT)はすでに収益が10億ドルを超えており、この成長ペースを考えると、比較的達成しやすい前年同期比を背景に、来年は年平均成長率(CAGR)で20%台後半、場合によっては28%に達する可能性があります。

このことから、サムサラが非常に質の高い企業であることがうかがえます。

さらに具体的に言えば、市場のアナリストたちは2026年度第1四半期の収益予測を今後数カ月以内、あるいはそれより早いタイミングで引き上げる可能性が高いと考えています。

下記の図は、市場のアナリストによる同社の収益成長率の予想となります。

(出所:Seeking Alpha)

このような状況を踏まえ、次にサムサラのバリュエーションについて詳しく見ていきましょう。

サムサラ(IOT)のバリュエーション:予想フリー・キャッシュフローの167倍

私は、非常に強固な財務基盤を持つ企業を投資対象として重視しています。

その財務基盤が自分の強気の投資判断を裏付ける要素であることが大切です。

この点で、サムサラ(IOT)は無借金経営であるうえ、キャッシュを6億7,000万ドル以上保有しており、すでに高い収益性を実現していることから、非常に有利な立場にあります。

そして、ここで重要なのは、来年どれだけの収益性を達成するかということです。

まず、前回のレポートにおいて私が述べた内容を思い出してください:

「2025年度の半分が過ぎた時点で、同社はすでにNon-GAAPベースの営業利益率が5%に達するというガイダンスを示しています。これは、年度末を迎え2026年度が始まる(2025年2月)頃には、市場が同社の6%のNon-GAAPベースの営業利益率を完全に織り込み、投資家が2026年度に向けて8%のNon-GAAPベースの営業利益率を意識し始めることを意味します。私は、同社が来年、前年比で約27%の成長を遂げると予測しています。この前提と2026年度に向けた8%のNon-GAAPベースの営業利益率を考慮すると、同社はNon-GAAPベースで1億3,000万ドルの営業利益を達成できる見込みです。」

私の予想では、2026年度のNon-GAAP営業利益率を8%と見込んでいます。ただし、これを考慮しながら以下をご覧ください:

Non-GAAPベースの営業利益率

(出所:サムサラの2025年第3四半期決算資料

サムサラはすでにNon-GAAPベースの営業利益率で11%を達成できる実績を示しています。

仮に2025年度第4四半期のガイダンスが9%であったとしても、投資家は2026年度には11%のNon-GAAP営業利益率を織り込むようになると私は考えています。

その結果、2026年度には約1億8,000万ドルのフリーキャッシュフローを達成する可能性があると見ています。

この予測を裏付ける根拠として、2024年度第3四半期にサムサラが記録したフリーキャッシュフロー3,100万ドルが挙げられます。

この数字を年換算するだけで、すでに1億3,000万ドルに近い数字になります。

これを踏まえると、2026年度には1億8,000万ドルのフリーキャッシュフローを生み出すことが十分に可能だと考えています。

現在の株価を基に計算すると、サムサラのバリュエーションは将来の予想フリーキャッシュフローの167倍に相当します。

この数字は非常に高く、驚くべきものに見えるかもしれません。

私もその点は理解しています。

しかし、現在10億ドル以上の収益を上げ、約30%の年平均成長率(CAGR)を維持しているこの企業は、近い将来、本格的にフリーキャッシュフローを生み出す段階に到達すると考えています。

サムサラ(IOT)を取り巻くリスク要因

サムサラ(IOT)のバリュエーションが割高であることは理解しています。

しかし、こうした高品質な企業が本当に割安な価格で取引されることは少ないでしょう。

加えて、サムサラは次の四半期で2026年度に向けたガイダンスとして、少なくとも年平均成長率(CAGR)28%を提示する必要があります。

これにより、投資家から「高品質な成長企業」として認識され続け、株価の高い評価を維持することが求められています。

一方で、サムサラには短期的な課題もあります。

特に、競争が激しいIoTや接続型オペレーション分野では、激しい競争環境に直面しています。

さらに、成長を支えるエンタープライズ向けの大型契約は、しばしば販売サイクルが長くなる傾向があり、収益にばらつきを生む可能性があります。

この点については、今後の数四半期にわたり注視していくつもりです。

サムサラ(IOT)に対する結論

私はサムサラ(IOT)の株価が1株60ドルに到達するまで保有し続ける価値があると考えています。

短期的な市場のノイズよりも、同社の長期的な成長可能性への確信が上回るためです。

サムサラは、年間10億ドル以上の収益を達成しながら、約30%の年平均成長率(CAGR)を維持し、さらに収益性を向上させている点で、非常に優れた企業です。

現在の株価が高く感じられるかもしれませんが、私の慎重な評価基準と高品質な投資を重視するスタンスを踏まえれば、2025年夏までに目標の60ドルを達成する可能性が十分にあると確信しています。

その他のサムサラ(IOT)に関するレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、サムサラのページにてご覧いただければと思います。

加えて、今回の2024年第3四半期決算を受けて、新たにアサナ(ASAN)、ルーブリック(RBRK)、クレド・テクノロジー・グループ(CRDO、セレンス(CRNC)、スノーフレーク(SNOW)、ビル・ホールディングス(BILL、イノデータ(INOD)、アステラ・ラブズ(ALAB)、テラドック・ヘルス(TDOC)、レディット(RDDT)をポートフォリオに追加し、各銘柄に関して詳細な分析レポートも執筆しております。

さらに、私のポートフォリオの2025年12月時点での詳細は、下記のレポートにおいてに解説しておりますので、是非、インベストリンゴのプラットフォーム上より、併せてご覧いただければと思います。

スノーフレーク(SNOW

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アナリスト紹介:マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ

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