やや強気イテリスイテリス / ITI / 強気:最新の2024年1Q決算・強み(競争優位性)分析と今後の株価見通し・将来性(Iteris)
ドノヴァン・ ジョーンズ- イテリス(ITI)は、インテリジェント・モビリティ・システムを米国内外の輸送関連バイヤーに販売するテクノロジー企業である。
- 同社は2023年8月8日に2024年第1四半期決算を発表しており、収益、売上総利益率、収益性が成長する一方で、株価は割安に見える。
- 世界のスマート・トランスポーテーション市場は規模が大きく、今後数年間は目覚ましい成長が見込まれている。
- それらを踏まえ、私の同社株式に対する見通しは「強気」である。
イテリス(ITI)について
イテリス(ITI)は、インテリジェント・トランスポーテーション・モビリティ・システムに関連するソフトウェアと製品を、米国および海外の輸送関連システム・バイヤーに提供している。
イテリスは優れた成長を遂げ、収益性を高めており、株価は妥当な評価を得ている。
同社の売上総利益率の改善、継続的な力強い成長率、割安なバリュエーションを考慮し、私のイテリスに対する見通しは「強気」である。
イテリス(ITI)の概要と市場
イテリスは、スマートモビリティ・インフラ管理およびスマートセーフティ・ソリューションを提供している。 同社の製品とサービスには、道路センサー、交通管理ソフトウェア、アナリティクスが含まれる。
最高経営責任者はジョー・ベルジェラ氏。ベルジェラ氏は以前、iTradeNetworkの社長、CCH Wolters KluwerのEVP兼税務ソリューション担当のゼネラルマネージャーを務めていた。
イテリスは直接販売、マーケティングキャンペーン、展示会、顧客紹介を通じて新規顧客を獲得している。
Precedence Research社のレポートによると、世界のスマート・トランスポーテーションの市場規模は、2022年に1098億米ドルと評価され、2023年から2030年にかけて年平均成長率(CAGR)13.3%で成長し、2030年には3810億米ドルに達すると予想されて いる。
イテリスは、スマート・トランスポーテーション・インフラ管理分野でINRIX、NoTraffic、Transcore、Siemens、Cisco、IBM、Huaweiといった企業との競争に直面している。
イテリス(ITI)の最近の財務動向
四半期別総売上高(Total Revenue)は再び大幅な成長を始め、四半期別営業利益(Operating Income)は直近四半期でプラスに転じた。
四半期別売上総利益率(Gross Profit Margin)は最近の四半期で上昇、四半期別総売上高に占める販売費および一般管理費の割合(Selling. G&A % Of Revenue)は最近の傾向では低下している。
希薄化後の1株当たり利益は、最近の四半期で顕著な改善を続けており、現在はプラス圏にある。
(上記グラフのデータはすべてGAAPベース)
一方で、イテリスの株価は過去12ヶ月で41.75%上昇した。
貸借対照表では、同社は2,000万ドルの現預金と無借金で四半期を終えた。12ヵ月間のフリー・キャッシュ・フローは590万ドルで、この間の資本支出は50万ドルであった。同社は過去4四半期に260万ドルの株式報酬を支払った。
イテリス(ITI)のバリュエーションおよびその他の指標
以下は、同社に関連する時価総額と評価額の表である:
バリュエーション指標 | 値 |
企業価値 / 売上高 | 1.0 |
企業価値 / EBITDA | - |
株価 / 売上高 | 1.0 |
売上成長率 | 24.6% |
純利益率 | -4.7% |
EBITDAマージン | -2.3% |
時価総額 | $173,960,000 |
企業価値 | $163,340,000 |
営業キャッシュフロー | $6,550,000 |
一株当たり利益(完全希薄化後) | -$0.18 |
一株当たりフリーキャッシュフロー | $0.10 |
成長、利益、フリー・キャッシュ・フローに余裕のある前提を用いたDCF法(ディスカウント・キャッシュフロー法)に基づくと、同社の株価は、現在の4.02ドルに対し約9.09ドルとなり、現在過小評価されている可能性があることが分かる。
イテリス(ITI)のセンチメント分析
下図は、経営陣による直近のアナリストとの決算電話会議におけるキーワードの頻度を示している。
アナリストは経営陣に対し、自社株買いプログラムの現状と社内の労働力拡大努力について質問した。
経営陣によると、サプライチェーン上の課題から現金を節約するため、2022年7月1日以降、自社株買いプログラムでは株式の購入は行っていないという。
同社は、コンサルティング・チームの労働生産能力が7%増加した一方で、大学内での採用活動の拡大により、次の四半期にはさらなる改善が見込まれるとしている。
イテリス(ITI)に関するコメント
前回の決算説明会では、旺盛な需要と一部遅れていたプロジェクトの完了により、売上高は前年同期比29%増の4,350万ドルとなり、過去最高を記録した。
売上総利益率は、サプライチェーンのコスト圧力が緩和したことにより、前年同期比840ベーシス・ポイント(8.4%)改善し、38.4%となった。
調整後EBITDAは、増収と利益率の拡大により前年同期比610万ドル増の370万ドルとなり、会社としての最高記録となった。
現金総額は、前年同期比520万ドル増の2,000万ドルとなった。
第1四半期の純受注高は、前年同期比25%増の5,310万ドルとなり、過去最高を記録した。四半期末の受注残高は1億2,380万ドルで、14%増加した。
経営陣は、以前発表した2024年度通期の売上高ガイダンス1億6,800万~1億7,500万ドル(中間値ベースで10%の既存事業成長率)を維持した。また調整後EBITDA利益率ガイダンスも7%~9%を維持した。
経営陣は、2027年度までに、売上高2億4,500万~2億6,500万ドル(年平均成長率14%)、調整後EBITDAマージン17~19%を含む「ビジョン2027」の目標を再度発表した。
同社の財務状況は、潤沢な現金、無借金に加え、プラスのフリー・キャッシュ・フローを踏まえると、許容範囲内であると言える。
株価の上昇要因となる可能性があるポイントとしては、都市が交通の効率化を図り、インフラをアップグレードしようとしていることから、このセクターが引き続き成長することである。
また、IIJA(インフラ投資・雇用促進法)が公共インフラ工事への資金供給を始めており、同社のビジネスチャンスを後押しする可能性もある。
イテリスの売上総利益率の改善、力強い成長率の継続、割安なバリュエーションを考慮し、私の同社に対する見通しは「強気」である。
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