JPモルガン / JPM / 予想配当利回り2.4%:連続して増配するも足元の高いバリュエーションと低い利回りが懸念材料の注目の高配当銘柄の最新の株価分析と今後の見通し(JP Morgan)
タリク・ デニソン- 2008年から2009年にかけて、JPモルガン・チェースがベアー・スターンズを買収して以来、私は同行の株主である。
- 徐々に同行の株式を売却してきたが、今年中に残りのポジションを全て売却することを検討している。
- 私はJPモルガン・チェースを最も経営状態の良い銀行のひとつとして見ているが、足元の高いバリュエーションと低い利回りを懸念している。
2008年から2009年にかけて、JPモルガン・チェース(JPM)が私が以前勤めていたベアー・スターンズを買収して以来、私は長い間、同行の「偶然の」株主となっている。
それ以来、 昨年までは、同行株が私にとって最大の株式ポジションであった。
毎年何株か売却し、寄付してきた結果、私のJPモルガンのポジションは現在、純資産の3%未満にまで減少してきている。
私がこれほど長い間、元雇用者の株を持ち続けていることがいかに例外的であるかを記しておく。
以前勤めていたコメルツ銀行(CRZBY)とソシエテ・ジェネラル(SCGLY)の株式については、退職後できるだけ早く全株を売却し、CIBC(CM)については退職後数年で売却している。
これは主に、退職時に、これら4行の相対的な質を私が認識したことによるものである。
1. 欧州の銀行は、フランクフルトとパリからグローバル・リスク・ブックを比較的無知に監督し、米ドルやその他の非ユーロ市場で競争力のない資金調達を行い、どの市場でも明確な高マージンの「優位性」が見いだせず、経営はかなりお粗末に思えた。
2. CIBCは、他のカナダの銀行と同様、比較的利幅が大きくリスクの低い市場で、比較的「快適 / 楽」で孤立した立場にある。同社株式を売却した主な理由は、単純にトロント・ドミニオン・バンク(TD)の方が良い銀行だと感じたからである。
3. それとは対照的に、JPモルガンは、私がこれまで働いたことのある金融機関の中でも、最も経営がうまくいっている金融機関のひとつに思えた。多くの銀行では、スタートレーダーやセールスマンが一人抜けると、その部署は機能不全に陥ってしまうが、JPモルガンの組織は、スターが一人抜けても銀行が機能し続けるようにうまく設計されているように思えた。
また、JPモルガンは2011年に四半期当たり0.05ドルだった配当を0.25ドルに戻して以来、堅実な配当成長を続けている。
では、当然の疑問としては、なぜ今売却する必要があるのかということである。
まず前提として、私は、少なくとも、どの保有銘柄に対しても、私が目標とするポートフォリオ内での比率として2%までポジションを下げたいというのが本音である。
そして、同行の株式は、現在高いバリュエーション(=低い利回り)を示している。
2.4%の配当利回りは、今後の成長が期待できるテクノロジー株(例えば マイクロソフトや エヌビディア )にとっては素晴らしいものだろう。
しかし、世界で2番目に割高な市場である米国市場(インドが最も割高)にある世界最大の銀行にとっては割高だと私は考える。
JPモルガンが割高であることの主な反論は、同行が先進国で最も収益性の高い銀行の一つでもあり、過去数年の多くで総資産利益率(ROA)が1%を大きく上回っていることである。
この指標に照らし合わせると、私のお気に入りの2行である、トロント・ドミニオン・バンクとDBSよりもかなり質の高い銀行であることが分かる。
しかしもちろん、それには代償が伴うことを忘れてはならない。
私は最近、DBSのポジションを増やしている。
そして特に、DBSの利回りが6%を超え、同様に強力な配当成長の見込みがある限りは、私はJPモルガン株の売却から得た資金の一部を使って、DBSのポジションを増やしていくかもしれない。
残る問題は、JPモルガン株を自身のポートフォリオ内で2%の比率まで下げたら、今年中に全て売るのをやめるべきか、それともゼロまで継続して売却を進めていくべきかということである。