中立コカ・コーラコカ・コーラ / KO / 予想配当利回り3% / 配当性向67% / 中立:2024年1Q決算速報・業績分析と今後の株価予想・将来性
イアニス・ ゾルンパノス- アトランタに本社を置くコカ・コーラ(KO:予想配当利回り3.07% / 配当性向67%)は、1886年に設立された世界最大のノンアルコール飲料会社である。
- 同社は2024年4月30日に2024年第1四半期決算を発表している。
- また、同社は過去61年間連続して増配を実施しており、米国株配当王の一角を担っている。
コカ・コーラ(KO)の概要
セクター:飲料(ノンアルコール)
現在の株価:63ドル
時価総額:2715.3億ドル
弊社算出の一株当たり本質的価値:67.17ドル
安全マージン:6.16%
過去5年間の配当成長率:3.30%
次回配当落ち日:2024年6月14日
次回配当支払い日:2024年7月1日
予想配当利回り:3.07%
過去5年間の売上高成長率:5.70%
過去10年間の売上高成長率:-0.80%
1886年創業のアトランタに本社を置くコカ・コーラ(KO)は、世界最大のノンアルコール飲料会社である。
同社は、炭酸飲料、水、スポーツ、エネルギー、ジュース、コーヒーなど主要カテゴリーをカバーする200以上のブランドから成る強力なポートフォリオを有する。
また、ボトラーや流通パートナーとともに世界200以上の国や地域において、コカ・コーラやライセンスブランドの飲料完成品を小売店やフード・サービスを通じて販売している。
同社は総売上高の約3分の2を海外で稼ぎ出しており、その大部分は中南米とアジア太平洋の新興経済圏から得ている。
同社は2024年4月30日に2024年第1四半期決算を発表している。
そして、同社は過去61年間連続して増配を実施しており、米国株配当王の一角を担っている。
コカ・コーラ(KO)の収益と成長に関して
コカ・コーラ(KO)の2024年第1四半期の非経常損益項目を除くベースでのEPSは、2023年第4四半期の0.49ドルに対し、0.72ドルと大幅な増益を報告している。
また、1株当たり売上高も前四半期の2.506ドルから2.615ドルに増加している。
加えて、長期的なパフォーマンスを見ると、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率(CAGR)は7.10%で、過去10年間の年平均成長率は3.90%となっていることからも、同社は長年にわたり安定した成長軌道を維持しており、且つ、足元、成長のペースが加速しているように見える。
さらに、同社業界の成長予測は、今後10年間はポジティブなトレンドを示唆していることからも、同社はこの業界の成長ポテンシャルを活用するのに有利な立場にあると言える。
そして、同社の過去の財務レバレッジの程度は管理可能な水準にあることからも、債務管理に対する同社の慎重なアプローチを示している。
全体として、前四半期のコカ・コーラの業績は印象的で、一貫した利益成長を実現する能力を示していると言える。
そのため、同社は、業界内において高い実績と成長見通しを有しており、今後も成長軌道を継続する可能性を秘めていると見ている。
コカ・コーラ(KO)の配当に関して
コカ・コーラ(KO)は過去数年間、一貫した配当成長を示しており、過去5年間の配当成長率は3.30%で、過去3年間の配当成長率は3.90%と過去5年間対比でやや高い水準となっている。
また、同社は過去61年間連続して増配を実施しており、米国株配当王の一角を担っている。
さらに、同社の予想配当利回りは現在3.07%で、投資家にとって配当を通じて安定したリターンを提供していると言える。
直近の四半期では、同社は1株当たり0.485ドルの配当金を支払っており、これは前回の支払いと同じであることからも、株主に対して配当を通じて報いるという同社のコミットメントを示していることが分かる。
加えて、同社のEBITDA純有利子負債倍率は2.76倍となっており、財務面において若干のリスクが意識されるも、基本的には継続的な配当の支払いを支える健全なバランスシートを有していることを示していると言える。
そして、同社の配当実績をセクターと比較すると、同社の一貫した配当成長と魅力的な予想配当利回りは、配当収入を求める投資家にとって同社を魅力的な選択肢としているように見える。
以上より、コカ・コーラの増配実績は、堅実な財務状況と相まって、消費財セクターにおける信頼できる配当成長株として位置づけられている。
予想配当利回り:3.07%
配当性向:67%
配当カバレッジ:1.34
過去5年間の配当成長率:3.30%
EBITDA純有利子負債倍率:2.76倍
コカ・コーラ(KO)のバリュエーションに関して
コカ・コーラ(KO)の現在の株価は、弊社算出の一株当たり本質的価値である67.17ドルをやや下回り63.03ドルとなっていることからも、潜在的な割安感を示している。
一方で、株価売上高倍率は5.94倍となっており、業界平均より高く、売上高に基づいた場合には同社株式が割高に評価されている可能性を示唆している。
また、EV / EBITDA倍率は19.36倍となっており、業界平均よりも高く、市場がEBITDAに基づいた場合には同社株式を割高で評価していることを示している。
さらに、PEGレシオは3.23となっており、、同社の株価が成長見通しに比べて割高である可能性を示唆している。
そして、これらの指標を5年平均、10年平均と比較すると、コカ・コーラは現在割高で取引されているように見える。
以上より、投資家はコカ・コーラへの投資判断を行う際には、上述の高いバリュエーション倍率と同社の潜在的な成長見通しを考慮すべきである。
コカ・コーラ(KO)のリスクとリターンに関して
コカ・コーラ(KO)のリスク評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたい。
まずマイナス面では、過去3ヶ月間に9件のインサイダーによる同社株式の売却が確認されており、合計で561,870株が売却されている一方で、インサイダーによる同社株式の買い付けは確認されていない。
これは、インサイダーが同社株価の将来的なパフォーマンスに自信がないことを示している可能性がある。
さらに、同社の株価は10年来の高水準に近く、割高感があり、今後、調整局面が訪れる可能性も意識される。
一方でプラス面では、ピオトロスキーのFスコアは8となっており、同社の財務状況が非常に健全であることを示している。
また、ベニッシュのMスコアは-2.64となっており、基準値の-1.78を下回っていることからも、同社が利益操作を行っている可能性が低いことを示唆している。
さらに、営業利益率は拡大しており、これは一般的に企業の財務の健全性を示すポジティブな兆候である。
加えて、アルトマンのZスコアは4.3と強力で、同社が良好な財務状態にあることを示唆している。
全体として、インサイダー売りや株価の高騰など、考慮すべき赤信号はあるものの、強力な財務指標は同社株価の安定性に安心感を与える内容であると見ている。
コカ・コーラ(KO)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して
コカ・コーラ(KO)のインサイダー取引分析では、直近のインサイダーによる同社株式の買い付けの動きが乏しいことが明らかとなっており、過去12ヶ月間でインサイダーによる同社株式の買い付けは確認されていない。
対照的に、同期間に19件のインサイダーによる同社株式の売却が確認されており、同社インサイダーによる同社株式の売却が加速していることを示している。
ただし、インサイダーによる同社株式の保有比率はわずか0.76%である点にはご留意いただきたい。
一方、機関投資家による同社株式の保有比率は37.88%と相対的に高く、機関投資家の存在感が大きいことを示している。
以上より、インサイダーによる同社株式の売却が増加し、インサイダーによる同社株式の保有比率が低下している足元のトレンドは、インサイダーの同社株式の将来性に対する自身の欠如を示唆している可能性があり、その他一般の投資家に懸念を抱かせる内容がある。
このデータは、投資家がコカ・コーラへの投資を検討する際には、同社インサイダーによる取引の動きを注意深く監視し、株価のパフォーマンスへの影響を考慮する必要があることを強調している。
コカ・コーラ(KO)の流動性に関して
コカ・コーラ(KO)の流動性分析によると、同社株式の直近営業日の1日の出来高は11,489,618株で、過去2ヶ月間の1日当たり平均出来高は12,824,692株となっていることからも、同社株式の取引量が比較的安定していることを示している。
また、同社株式のダークプール指数(DPI)は31.21%で、取引活動の一定の割合がダークプールで行われていることを示している。
※ダーク・プール指数は、ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。
この高水準のDPIは、同社株式の価格発見への透明性と市場全体の効率性に影響を与える可能性がある。
そして、この水準は、機関投資家がこの銘柄を積極的に取引していることを示唆している可能性がある。
また、ダーク・プールにおける流動性は同社株価の安定に寄与し、株価のボラティリティを低下させるとも言える。