強気セントラス・エナジーすべて表示セントラス・エナジー(LEU)の将来性とは?注目の原子力関連企業の最新の決算分析を通じて今後の株価見通しに迫る!
マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ- 本稿では、米国の注目の原子力関連グロース企業であるセントラス・エナジー(LEU)の2024年10月28日に発表された最新の2024年第3四半期決算の分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
- セントラス・エナジーは、米国の数少ないHALEU(高純度低濃縮ウラン)生産企業として、国防や先進的な原子炉向けに濃縮ウランを供給する大きな競争優位を持っています。
- 足元では株価の上昇が続いているものの、バックログの0.4倍未満というバリュエーションは魅力的で、今後の成長可能性が高いことを示しています。
- 国内ウラン資源へのシフトやクリーンエネルギー需要の増加を背景に、同社は長期的な投資対象として魅力的な存在です。
セントラス・エナジー(LEU)の最新の2024年第3四半期決算発表に関して
セントラス・エナジー(LEU)は、米国政府に対して国防のための低濃縮ウランを供給できる数少ない企業です。
また、すでに複数の小型モジュール炉(SMR)企業と提携しており、米国内で濃縮ウランの供給を担う中心的な存在となりつつあります。
もちろん、許可が下りれば同業他社が参入する可能性もありますが、現状ではセントラス・エナジーには圧倒的な競争優位性があります。
同社は、10月28日に2024年第3四半期決算を発表していますが、なぜ決算発表後に株価がほとんど動かなかったのでしょうか?
理由は2つあります。
まず、今回の決算には新たな材料がなかったこと。
次に、同社の株価は前回の決算発表からすでに100%以上上昇しており、投資家の期待も高まっていたためです。
そのため、新たな資金を引き込む決定的な材料には至らなかったと考えています。
一方で、結果として、多くの投資家がこのタイミングを利益確定の機会と捉えるかもしれません。
それでも私は、この分野での同社の競争優位性を踏まえ、2024年中には同社の株式をポートフォリオから除外するつもりはありません。
なぜセントラス・エナジー(LEU)なのか?
セントラス・エナジー(LEU)は、米国技術を使って高純度低濃縮ウラン(HALEU)を生産できる数少ない米国企業として特別なポジションを確立しています。
この特殊なウランは、既存の原子炉だけでなく次世代の高度な原子炉にも不可欠です。
同社は、オクロ(OKLO)やテラパワーにHALEUを供給する予定であり、さらに2027年・2028年に稼働する他のSMR企業も、米国内の濃縮ウラン供給に依存せざるを得なくなるでしょう。
最近の地政学的変化やロシア産ウラン依存からの脱却を目指す動きにより、同社の国内生産ウランに対する需要は急増しています。
そして、多くの米国企業にとって、他に選択肢がない状況が生まれつつあります。
さらに、韓国水力原子力公社(KHNP)との契約により、今後10年間で18億ドルの売上契約が成立しており、セントラスの信頼性がさらに強固なものとなりました。
韓国企業が地理的リスクを超えて米国から濃縮ウランを調達することは、このビジネス機会の大きさを物語っています。
さらに、米国政府が国内ウラン生産強化のために34億ドル以上の支援を計画している中で、セントラス・エナジーは数少ない米国資本のHALEU供給企業としてこの市場での圧倒的な成長を目指せる状況にあります。
2035年までに市場規模が100億ドルに達する見込みの中で、同社はその多くを手にする可能性が高いと見ています。
同社はウランの調達、濃縮、原子炉用燃料棒への加工を担い、AIデータセンターに欠かせない安定した電力供給を支える役割を果たしています。
安定したクリーンエネルギーの需要が高まるなか、セントラス・エナジーは信頼性のある原子力エネルギーを通じてAIインフラの拡大を支える重要な役割を担うと見ています。
セントラス・エナジー(LEU)の売上高:売上高成長率は不安定
セントラス・エナジーの売上高成長率(%)
(出所:筆者作成)
セントラス・エナジー(LEU)の売上高成長率についてですが、下記の文章は前回の同社に関するレポートからの抜粋となります。
同社のレポート全文に関心のある方は、インベストリンゴのプラットフォーム上より、下記のレポートをご覧いただければと思います。
セントラス・エナジー(LEU:強気)の今後の株価見通し:目標株価は100ドル!注目の米国原子力関連銘柄の将来性に迫る!
「ご覧のとおり、セントラス・エナジー(LEU)の売上高は非常に不安定です。最初は、この点に私も不安を感じました。周期的な業界に投資するリスクをよく理解しているため、このような不安定な状況には慎重にならざるを得ませんでした。」
「しかし、少し深掘りしてみると、なぜ成長率がこのように変動しているのかがわかりました。売上は、顧客がウランの注文を受け取った時点で計上されるからです(10-Kの105ページ参照)。」
以上からも分かる通り、売上高の推移よりも同社の需要を示す「バックログ(受注残高)」がより重要な指標だと考えています。
たとえば、2024年第2四半期時点で同社のバックログは27億ドルあり、契約は2040年まで続くものでした。
今期では、このバックログが38億ドルに増加し、2040年までの契約が含まれています。
この約11億ドルの増加は、セントラスの低濃縮ウラン(LEU)への需要がいかに高まっているかを明確に示していると考えています。
このように、同社の将来性は引き続き堅調で、むしろその勢いは加速しているように見え、非常に魅力的に映ります。
セントラス・エナジー(LEU)のバリュエーション:バックログの0.5倍未満
インフレクション投資家(企業や市場の成長が転換点にあると考えるタイミングで投資を行う投資家)として、企業のバランスシートの確認は欠かせません。
この点でセントラス・エナジー(LEU)は約1億ドルの純現金を保有しており、これは時価総額の7%に相当します。
強固とまでは言えませんが、許容範囲と言えるでしょう。
また、バランスシートには他にもいくつか気になる点はありますが、時には妥協も必要でしょう。
さらに、株価が上昇しているにもかかわらず、現在の時価総額は14億ドル程度にとどまっています。
確かに、ここ数カ月で株価は大きく上がりましたが、投資で重要なのは過去の株価ではなく、今後の見通しです。
では、今後も株価が急上昇するか?
そういうわけではありません。
株価は上がる時はゆっくりで、下がるときは急激です。
しかし、現時点では投資家はまだ同社のバックログの0.4倍以下のバリュエーションしか付与していません。
この点からも、私はセントラス・エナジーやウラニウム・エナジー(UEC)を当面はポートフォリオから除外するつもりはありません。
繰り返しとなりますが、その理由としては、この分野に対して私は強気に見ているためです。
セントラス・エナジー(LEU)への結論
セントラス・エナジー(LEU)は、米国内で数少ないHALEU(高純度低濃縮ウラン)を生産できる企業であり、現在の原子炉および次世代原子炉の技術において重要な役割を担っています。
国防や成長する小型モジュール炉(SMR)業界向けにLEUを供給できる独自の能力に加え、堅実なバックログと戦略的パートナーシップによって、米国ウラン市場での競争優位性が際立っています。
足元の株価の上昇にもかかわらず、バリュエーションはバックログの0.4倍以下にとどまっており、特にバックログの増加と市場の拡大を考えると、依然として非常に魅力的な投資対象であるように見えます。
以上より、国内のウラン需要の増加、安定したクリーンエネルギーの必要性、そしてAI関連の電力需要の拡大を背景に、同社は長期的に有望な投資先であると見ています。
さらに、その他のセントラス・エナジー(LEU)に関するレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、セントラス・エナジーのページにアクセスしていただければと思います。
また、私のプロフィール上にて、私をフォローしていただければ、最新のレポートがリリースされる度にリアルタイムでメール経由でお知らせを受け取ることが出来ます。
もし、私のテクノロジー関連銘柄に関するレポートに関心がございましたら、是非、フォローしていただければと思います。
アナリスト紹介:マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ
📍テクノロジー&エネルギー担当
オリベイラ氏のその他のテクノロジー関連銘柄のレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、オリベイラ氏のプロフィールページにアクセスしていただければと思います。
インベストリンゴでは、弊社のアナリストが、高配当関連銘柄からAIや半導体関連のテクノロジー銘柄まで、米国株個別企業に関する動向を日々日本語でアップデートしております。そして、インベストリンゴのレポート上でカバーされている米国、及び、外国企業数は250銘柄以上となっております。米国株式市場に関心のある方は、是非、弊社プラットフォームよりレポートをご覧いただければと思います。