強気セントラス・エナジー【アメリカの次世代原発関連銘柄】セントラス・エナジー(LEU)とは?最新の決算分析を通じて同社の将来性に迫る!
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- 本稿では、注目のアメリカの次世代原発関連銘柄である「セントラス・エナジー(LEU)とは?」という疑問に答えるべく、同社の詳細と2025年2月6日発表の最新の2024年度第4四半期決算分析を通じて、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
- 同社は、先進的な原子炉に不可欠な高濃縮低濃縮ウラン(HALEU)を供給する米国唯一の企業であるという独自の立ち位置から、私が注目するエネルギー銘柄です。
- 同社は、時価総額を上回る20億ドルの受注残を抱えており、すでにキャッシュフローがプラスとなっていることから、今後の成長に期待しています。
- また、連邦政府からの資金提供やオクロ(OKLO)のような大手電力企業との提携が、同社の事業展開を後押ししており、クリーンで安定したエネルギー需要の高まりに伴い、その成長が加速すると見込んでいます。
- 一方で、ロシア産ウランへの依存や原子力業界の賛否を巡る議論といったリスクも存在しますが、同社の企業価値と成長の可能性を考慮すると、魅力的な投資先であると考えています。
セントラス・エナジー(LEU)は長期保有銘柄
セントラス・エナジー(LEU)は、当面、私がどんな価格でも売らないと決めている3銘柄のうちの1つです。
もう1つの銘柄はウラニウム・エナジー(UEC)であり、データセンターが膨大な量の安価な「常時稼働」電力を必要とするという見方に基づいています。そして3つ目の銘柄は、収益がまだないバッテリーメーカーのエノビックス(ENVX)です。私はエネルギー効率の観点から、その創業者に賭けています。
これら3銘柄については、四半期決算の結果がどうであれ気にしません。2025年はこれらの銘柄に対して柔軟な姿勢をとるつもりです。
ただし、2026年には改めて投資戦略を見直す予定です。しかし、2025年に関しては、これらのハイリスク・ハイリターンの投資先にそれぞれ5%ずつ資金を割り当て、3銘柄を均等に保有することで非常に良好なパフォーマンスを期待しています。
セントラス・エナジー(LEU)の最新の2024年度第4四半期決算発表に関して
セントラス・エナジー(LEU)は2月6日に最新の2024年度第4四半期決算を発表していますが、決して話題性のある銘柄とは言えません。それは理解しています。
さらに、私が同社をポートフォリオに組み入れた直後に株価が急騰したため、多くの投資家がFOMO(機会損失への恐れ)に駆られて、私が最初にポートフォリオに組み入れた価格ではなく、100ドル近辺で購入してしまっているかもしれません。
※私のポートフォリオの詳細に関しましては、「レーティング一覧」をご覧ください。
その後、株価は一時65ドル近くまで下落していることからも、多くの投資家がストップロスに引っかかるという状況になっている可能性もあります。以下のチャートは、ここ数ヶ月の市場の動きを示しています。
(出所:YCharts / Seeking Alpha)
それでも私は同社に対して非常に強気な姿勢を維持しています。特に、AIデータセンターなどのクリーンで安定したエネルギーの需要が高まる中で、同社は今後24ヶ月間で大きく成長する可能性を秘めていると見ています。
セントラス・エナジー(LEU)とは? なぜこの企業に期待しているのか?
セントラス・エナジー(LEU)は、米国政府に対して国家安全保障のための低濃縮ウラン(LEU)を供給できる唯一の企業です。さらに、ウォール街でも注目されているオクロ(OKLO:アメリカの次世代原子力企業)との提携を通じて、先進的な原子炉向けの特殊燃料である高濃縮低濃縮ウラン(HALEU)を提供する重要なプレイヤーとなっています。
地政学的リスクやロシア産ウランからの脱却が進む中で、同社は米国内で濃縮ウランを供給できる唯一の選択肢となりつつあります。特に、2028年までに稼働予定の小型モジュール炉(SMR)は、同社の高濃縮低濃縮ウランを使用せざるを得ない状況になる可能性が高いです。その理由としては、他に選択肢がないことが挙げられます。
さらに、米国政府が3.4億ドルの国内ウラン生産支援予算を割り当てており、同社はその一部を獲得する可能性があると見ています。市場予測によれば、2035年までに高濃縮低濃縮ウランの市場規模は100億ドルに達すると見込まれており、同社はその市場で大きなシェアを獲得できる立場にあると見ています。
高濃縮低濃縮ウランはオクロのような小型モジュール炉(SMR)にとって革新的な燃料であり、従来の燃料よりも高い効率性と長い燃料サイクルを実現するため、原子炉の実用性とスケーラビリティを大幅に向上させます。
また、AIやデータセンターの電力需要が急増する中で、安定した無排出電力の確保がますます重要になっています。高濃縮低濃縮ウランを燃料とするSMRは、AIインフラに必要な安定した24時間稼働の電力を供給できるだけでなく、従来のエネルギー源と比較して環境負荷が低いという強みがあります。
セントラス・エナジー(LEU)の売上高:成長率は順調に推移
セントラス・エナジーの売上高成長率(%)
(出所:筆者作成)
セントラス・エナジー(LEU)は、売上成長の具体的なガイダンスを出していません。ただ、2024年第4四半期に前年比46%の増収を記録したにもかかわらず、同社の受注残は依然として20億ドル規模に達しています。
これは、リスクとリターンの観点から非常に魅力的な状況です。そして、同社は米国政府やオクロのような電力大手と強い関係を築いており、今後も安定した受注が期待できると考えています。
さらに、まだ成長の初期段階であり、2025年の数四半期で受注残がさらに拡大する可能性があります。
現在のバリュエーションを考慮すると、この投資は極めて合理的だと考えています。
セントラス・エナジー(LEU)のバリュエーション:受注残の時価総額比が1倍以下
セントラス・エナジー(LEU)は約1億5000万ドルの純資産を保有しています。時価総額との比較では、企業価値の約10%が現金で構成されており、これは財務の安全性を高める要素となります。
さらに、同社は成長段階に入る前の段階ですでにフリーキャッシュフローがプラスとなっており、企業の安全性は非常に高いです。
特に注目すべきは、核エネルギー市場の本格的な成長が始まるまであと2年あるにもかかわらず、すでに同社の受注残が20億ドルに達していることです。これは同社の時価総額を上回っており、市場がこの企業を過小評価している可能性が高いと考えています。
今後、SMR向けの濃縮ウラン需要がさらに増加すれば、同社株式は今後2年間で倍増してもおかしくないのではないかと見ています。
セントラス・エナジー(LEU)を取り巻くリスク要因
セントラス・エナジー(LEU)は、ロシア産低濃縮ウランに依存しているという大きなリスクを抱えています。
米国政府は2025年までロシア産ウランの輸入を一時的に認めていますが、2026年以降の輸入継続が認められるかは不透明です。
さらに、ロシア政府は輸出ライセンスの取得を義務付けており、その許可が適時に取得できる保証はありません。この規制が強化されると、同社の事業運営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
また、原子力エネルギー自体が賛否両論のある発電方法です。現在、天然ガスの価格が低迷しているため、原子力への移行が進まない可能性も考えられます。
セントラス・エナジー(LEU)に対する結論
以上より、セントラス・エナジー(LEU)は、大きな成長の可能性を秘めた銘柄であると考えています。
高濃縮低濃縮ウランの供給技術を持つ唯一の米国企業として、オクロのような先進原子炉向け燃料の提供において独占的な立場にあります。特に、AIとデータセンターの電力需要が急増する中、クリーンで安定した電力供給の必要性が高まっています。
同社の受注残はすでに20億ドルに達しており、時価総額を超える規模です。さらに、成長が本格化する前からキャッシュフローがプラスとなっており、財務的な安全性も高いです。
今後2年間で株価が倍増する可能性は十分にあり、現在の株価は非常に割安に感じられることから、私は同社株式を長期目線で保有する予定です。
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パランティア・テクノロジーズ
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アナリスト紹介:マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ
📍テクノロジー&エネルギー担当
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