02/07/2025

強気
リクイディティ・サービシズ
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特にリテール・サプライチェーン・グループの売上成長が顕著で、2025年度も引き続き成長が見込まれています。
【テクノロジー】リクイディティ・サービシズ(LQDT)とは?注目の米国テクノロジー銘柄の最新の決算分析を通じて今後の見通しに迫る!

a small toy store with a green backgroundマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ
  • 本稿では、注目の米国テクノロジー銘柄であるリクイディティ・サービシズ(LQDT)の2月6日に発表された最新の2025年度第1四半期(暦年:2024年度第4四半期)決算分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
  • 最新の決算における好調な業績を踏まえ、2026年初頭までに1株あたり55ドルという目標株価を改めて再確認しました。
  • 同社は創業者が経営を主導し、無借金であり、時価総額の14%に相当する現金を保有しています。さらに、3年以内にEBITDA 1億ドル達成を目指しています。
  • 特にリテール・サプライチェーン・グループの売上成長が顕著で、2025年度も引き続き成長が見込まれています。
  • 第1四半期のフリーキャッシュフローは低調だったものの、2025年度通期では9,000万ドルのフリーキャッシュフローを達成する可能性があると考えています。

リクイディティ・サービシズ(LQDT)の最新の2025年度第1四半期決算発表に関して

リクイディティ・サービシズ(LQDT)は、2025年2月6日に最新の2025年度第1四半期(暦年:2024年度第4四半期)決算を発表しており、堅調な業績を発表しました。同社は非常に速いペースで成長を続けており、多くの投資家にとって馴染みが薄いかもしれませんが、それを理由に敬遠する必要はありません。

この企業は創業者が経営をリードし、経営陣自身も多くの株式を保有しています。また、3年以内にEBITDA 1億ドルを達成するという高い目標に向けて前進し続けています。

今回の四半期決算でフリーキャッシュフローがプラスでなかったとしても、最近の売上成長の勢いを考慮すれば、投資家はあまり気にする必要はないでしょう。

まず、第1四半期は通常フリーキャッシュフローが減少する傾向にあり、年度後半に向けてフリーキャッシュフローが増加する傾向があります。加えて、同社は時価総額の約14%に相当する現金を保有し、負債は一切ありません。

こうした要素を踏まえ、私は引き続き2026年初頭までの目標株価として、1株あたり55ドルに到達する可能性が高いと考えています。

リクイディティ・サービシズ(LQDT)とは?

リクイディティ・サービシズ(LQDT)はオンラインマーケットプレイスを運営しており、企業や組織が余剰品や返品品、中古品を販売できるプラットフォームを提供しています。これにより、買い手はこれらの商品を割安な価格で購入できます。同社は小売業、政府機関、産業セクターなど幅広い分野と取引しています。

このプラットフォームを活用することで、売り手は過剰在庫から価値を回収でき、より持続可能な循環型経済の実現に貢献しています。

同社は2025年度のスタートを好調に切っており、過去最高の販売量を記録し、すべての事業部門で大幅な売上成長を遂げました。

特にリテール・サプライチェーン・グループの販売量は前年比65%増加しており、小売クライアントとの提携強化がこの成長を後押ししました。

また、GovDealsCapital Asset Groupといった他の部門も2桁成長を達成しました。さらに、最近買収したAuction Softwareは、同社のサービス強化と市場拡大に貢献すると期待されています。

今後については、特にリテール・サプライチェーン・グループが第2四半期でも引き続き成長を牽引すると見込まれています。GovDealsMachinioといった部門でも安定した成長が予想されますが、同社は引き続き高水準の委託販売を維持することに注力する方針です。なお、前四半期の売上の80%が委託販売によるものでした。

こうした背景を踏まえ、次に同社のファンダメンタルズについて詳しく見ていきます。

リクイディティ・サービシズ(LQDT)の売上高:2025年度は前年比+30%の成長見込み

リクイディティ・サービシズの売上高成長率(%)

(出所:筆者作成)

以前のリクイディティ・サービシズ(LQDT)に関する下記の分析レポートにおいて、私は以下のように述べました。

「仮にGMVの30.2%が売上として計上されるとすると、売上は約1億2200万ドルに達する可能性があります。これは前年比71.1%の増加に相当し、驚異的な数字と言えるでしょう。」

「とはいえ、私は「ヒーロー投資家」になるよりも、大きな安全マージンを持って行動する方が良いと考えています。覚えておいてください。「ヒーロー投資家」とは、ゼロになる一歩手前の状態です。」

「また、以前から私のレポートを定期的にご覧いただき、私の投資スタイルをご存知の方なら理解いただけると思いますが、私は常に慎重な姿勢を優先しています。安く買う「愚かさ」を選び、賢く見えても高値で買うことは避けます。早い段階で投資する際には多少のミスが許されますが、遅れて投資する場合には完璧な答えが必要です。」

「そのため、私は前年比60%の成長を基準に考えていますが、不確実性を排除するつもりはありません。」

レポートの詳細に関心がございましたら、本稿と併せて、インベストリンゴのプラットフォーム上よりご覧いただければと思います。

私は安全余裕(マージン・オブ・セーフティ)を持って投資することは非常に重要だと考えています。

以前も述べたように、安く買えば多少の失敗があっても問題になりません。しかし、高く買う場合は、それ相応の“付加価値”が必要になります。

2025年度第2四半期の売上成長率は、前年比約40%と大幅な伸びが予想されています。ただ、このビジネスは景気循環の影響を大きく受けるため、過度な楽観は避けたいと思っています。

とはいえ、現時点でのバリュエーションは依然として合理的で、魅力的な要素が多いのも事実です。

リクイディティ・サービシズ(LQDT)のバリュエーション:予想フリーキャッシュフローの11倍

私の投資スタイルでは、通常、純現金比率が約5%の企業を好んで投資対象とします。しかし、リクイディティ・サービシズ(LQDT)の場合、市場前取引(プレマーケット)での株価上昇を含めると、時価総額の約14%が現金で構成されています。さらに、同社は無借金経営を行っており、これは非常に魅力的なポイントです。

ただし、今回の決算で気になった点を挙げると、EBITDAとフリーキャッシュフローの変換率が低調だったことです。今四半期では1,400万ドルのフリーキャッシュフローが流出しました。

この点は、私が最も重視している課題の一つです。以前の分析では、2025年度には9,000万ドルのフリーキャッシュフローを達成できると考えていました。

しかし、第1四半期のフリーキャッシュフローがマイナス1,400万ドルだったため、残りの2025年度でキャッシュフローを大幅に増加させる必要があります。

一方で、過去の傾向を見ると、毎年の第1四半期はフリーキャッシュフローが最も弱い四半期となる傾向があります。

そのため、現時点では2025年度のフリーキャッシュフローを引き続き9,000万ドルと見積もっています。これは2024年度比で約50%の増加に相当します。そして、同社の営業レバレッジが現在約50%の前年比成長を示していることを考えると、この目標は十分に達成可能だと考えています。

総合的に判断すると、今年のフリーキャッシュフローの約11倍で同社の株を購入できるのは、非常に割安であると言えます。なぜなら、同社の事業は明らかに前年比30%以上の成長を遂げているからです。

リクイディティ・サービシズ(LQDT)を取り巻く投資リスク

ここでの最大の懸念は、リクイディティ・サービシズ(LQDT)が現在の力強い売上成長を維持できるかどうかです。現時点では非常に好調な数字を示していますが、景気循環の影響が出始めたときにどうなるでしょうか。成長が不安定な企業に対して、投資家が今後のフリーキャッシュフローの15倍以上の評価を支払うことをためらう可能性があります。

また、同社のテイクレート(取引手数料率)が経営陣の目標である30%台前半を維持できるかどうかも重要です。もし2024年度のように27%程度まで低下すれば、投資家の期待は大きくしぼんでしまうでしょう。

さらに、競争も課題の一つです。イーベイEBAY)をはじめとする余剰資産マーケットプレイスの競合企業が存在します。加えて、経営陣はEBITDA 1億ドル達成までに2~4年かかる可能性があると示唆しています。しかし、すでに前年度に約5,000万ドルを達成し、年平均成長率(CAGR)が50%であることを考えると、なぜそれほど時間がかかるのかと疑問を持つ投資家もいるかもしれません。

リクイディティ・サービシズ(LQDT)に対する結論

リクイディティ・サービシズ(LQDT)は、力強い売上成長、無借金のバランスシート、時価総額の約14%に相当する現金を保有しており、2026年初頭までに1株あたり55ドルに到達すると引き続き考えています。同社は創業者が経営をリードし、収益性の拡大に明確に注力しているほか、戦略的な買収によって市場機会を捉え、成長の勢いを維持できる体制を整えています。

この環境に加え、EBITDA 1億ドルという野心的な目標を掲げていることから、同社は非常に魅力的な投資機会を提供していると考えています。

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アナリスト紹介:マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ

📍テクノロジー&エネルギー担当

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