【Part 6:テクノロジー】マンデードットコム(MNDY)のmonday AIとは?
コンヴェクィティ- 本編は、注目の米国テクノロジー企業であるマンデードットコム(MNDY)の将来性を詳細に分析した長編レポートとなり、10の章で構成されています。
- 具体的には、マンデードットコムの最新の決算分析、競争優位性、4つの主要製品カテゴリーの進展、AI開発、そして最後にバリュエーション分析について詳しく解説していきます。
- そして、本稿【Part 6】では、同社の注目の製品の1つであるmonday AIに関して詳しく解説していきます。
- マンデードットコムの「monday AI」は、大規模言語モデル(LLM)を活用してタスク管理やCRM、サービス業務の効率化を実現し、セキュリティを重視しながら柔軟性のあるデータ管理を可能にしています。
- monday AIは収益化よりも普及を優先し、エンタープライズ向けナレッジベースの構築や競合との差別化を目指しており、将来的なワークマネジメント分野でのリーダーシップを視野に入れています。
※「【Part 5:テクノロジー】マンデードットコム(MNDY)のmonday Serviceとは?」の続き
前章ではマンデードットコム(MNDY)の注目の製品の1つであるmonday Serviceに関して詳しく解説しております。
本稿の内容への理解をより深めるために、是非、インベストリンゴのプラットフォーム上にて、前章も併せてご覧ください。
マンデードットコム(MNDY)のmonday AIとは?
プラットフォーム全体でAIを活用する3つの方法
monday AIは、Azure OpenAIを活用しながら、マンデードットコム(MNDY)の主要なAWSインフラを組み合わせることで、同社がLLM(大規模言語モデル)を製品全体に統合していく先進的な姿勢を示しています。
OpenAIモデルへのアクセス時には、データをAWSからAzureへ送信する際にデータマスキングを使用してセキュリティを確保しています。
この仕組みにより、データの安全性を守るだけでなく、将来的に他のLLMプロバイダーへ切り替える柔軟性も備えています。
monday AIは、独立したSKU(製品番号)ではなく「コパイロット」として設計されており、マンデードットコムのプラットフォームに自然に統合されています。
その他の操作ボタンと並んで目立たず配置されることで、ユーザーが日常的に利用しやすい環境を作り出し、直接的な収益化を図る前に広く普及させることを目指しています。
monday AIの機能と現在の活用事例
現在、monday AIはマンデードットコム(MNDY)の製品群全体で効率化を促進し、業務フローをスムーズにするさまざまな機能を提供しています。
主な活用事例は以下の通りです:
・AIによるタスク割り当て支援:専門性や作業量に基づいて、タスクに最適なチームメンバーを提案。
・感情分析と分類:受信したメールやチケットの緊急度や感情を分析し、優先順位付けを迅速化。
・文書の要約:長文の文書から主要なトピックを抽出し、要点を簡潔にまとめることで、手作業の負担を軽減。
・メール管理:問い合わせに対する自動返信を生成し、ユーザーが送信前に内容を確認・編集可能。
・チケット管理の自動化(monday Service):受信チケットを自動的に分類し、初期対応文を作成、さらに解決の優先順位を設定。
・CRMの強化:Zoom通話の書き起こしを要約し、営業プロセスで次に取るべきアクションを提案。見込み客からの問い合わせには、文脈に応じた回答を自動生成。
これらの例から、monday AIがすでにワークマネジメント、CRM、サービス業務のワークフローに深く統合され、ユーザーや管理者に大きな価値を提供していることがわかります。
マンデードットコム(MNDY)のワークマネジメントにおけるLLMの強み
マンデードットコム(MNDY)のようなワークマネジメントプラットフォームは、LLM(大規模言語モデル)の活用において非常に有利なポジションにあります。
これらのプラットフォームは、コミュニケーション、タスクの説明、プロジェクトの進捗状況、ドキュメントなど、テキストを中心とした環境を基盤としており、ユーザーのワークフローを支えています。
このテキストベースのエコシステムは、LLMが以下のような能力を発揮するための理想的な環境を提供します。
・データの分析と分類
・要約や推奨、さらにはワークフロー全体の生成
・使用パターンを繰り返し学習し、継続的に改善
たとえば、monday Serviceでは、AIがサポートチケットを自動で分類し、レビュー用の返信案を作成することができます。
また、monday CRMでは、AIが受信した問い合わせを文脈に基づいて分析し、フォローアップのドラフトを作成するほか、通話内容を要約して具体的な次のアクションを提案することも可能です。
monday AIの戦略的展望:まずは利用の定着、収益化はその後に
monday AIの利用は急速に拡大しており、2024年第3四半期にはAIブロックの使用量が前四半期比で150%増加したと報告されています。
しかし、収益化についてはあえて具体的な計画を明示しておらず、経営陣は2025年度中の直接的な収益貢献を見込んでいないとしています。
その代わりに、ユーザー基盤全体での活用を促進し、ツールの価値を最大化することに注力しているようです。
monday AIをワークフローに深く組み込むことで、このツールを不可欠な存在とし、単独の有料機能として提供するのではなく、将来的な価格改定を見据えた基盤を構築する戦略が伺えます。
monday AIの将来の可能性:ナレッジベース構築とその先へ
マンデードットコム(MNDY)がmonday AIを活用してエンタープライズ向けのナレッジベースを構築することは、非常に大きな可能性を秘めています。
このナレッジベースは以下のような用途で活用できます:
・プロジェクトのリスクを評価する
・過去の問題を基にセルフサービス型のチケットガイドを作成する
・組織内の知識を一元化し、簡単にアクセス可能な形で要約する
こうした統合が実現すれば、マンデードットコムはAIを活用したワークマネジメントの分野でリーダー的存在となり、セールスフォース(CRM)のEinsteinやサービスナウ(NOW)のAI機能といった競合との差別化を図ることができます。
さらに、プラットフォーム内での検索機能を開発したり、関連ソフトウェアを買収することで、GleanやMoveworksのように、ユーザーが質問や組織の情報を簡単に検索し、回答を得られる機能を提供することも可能になります。
(出所:マンデードットコムのHP)
(出所:マンデードットコムのHP)
次章では、同社のアプリ・マーケットプレイスとパートナーエコシステムについて詳しく解説していきます。
※続きは「【Part 7:テクノロジー】マンデードットコム(MNDY)のアプリ・マーケットプレイスとパートナーエコシステムとは?」をご覧ください。
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