02/22/2025

強気
ネビウス・グループ
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AIインフラ分野での急成長には大規模な設備投資が必要ですが、これはスケール拡大の一環であり、AIクラウドコンピューティング市場を支配することを目指しています。
【AI】ネビウス・グループ(NBIS:目標株価60ドル)とは?今後の株価見通しは魅力的?最新の決算分析を通じて将来性に迫る!

white robot near brown wallマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ
  • 本稿では、注目の米国AI関連銘柄である「ネビウス・グループ(NBIS)とは?」という基礎的な内容から、2025年2月20日に発表された最新の2024年第4四半期決算分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
  • 同社は個人投資家中心の保有状況故の株価変動の激しさや潜在的な希薄化のリスクがあるものの、AI需要の継続的な拡大により、2026年夏までに株価が60ドルに到達する可能性があると考えています。
  • 現在、同社の株価は今年の予想売上高の11倍で取引されており、時価総額の25%が現金という強固な財務基盤を示しています。
  • AIインフラ分野での急成長には大規模な設備投資が必要ですが、これはスケール拡大の一環であり、AIクラウドコンピューティング市場を支配することを目指しています。
  • また、同社は四半期の業績が振るわなかったものの、2025年12月までに年間経常収益を7億5000万ドルに到達させることを目標としています。

ネビウス・グループ(NBIS)の最新の2024年度第4四半期決算発表に関して

ネビウス・グループ(NBIS)は、2025年2月20日発表の最新の2024年度第4四半期決算説明会において、今四半期の進捗について言及しました。顧客のアップロードに想定以上の時間がかかり、オンボーディングや概念実証のプロセスで問題が発生し、四半期中に思うような成果が得られなかったとのことです。しかし、同社のメッセージは非常に明確です。

同社は、2025年12月までに年間経常収益(ARR)を少なくとも7億5000万ドルに到達させると主張しており、すでに締結済みの2025年3月の契約だけでも年間経常収益は2億2000万ドルに達すると述べています。

この事業は非常に急成長していますが、機関投資家の基盤は弱く、現在の投資家のほとんどが個人投資家であり、資金の流動性が不安定な状態です。これは、かつてのロビンフッド(HOOD)やパランティア・テクノロジーズ(PLTR)にも見られた状況と似ています。

この事業が本格的に成長するには、もう少し時間が必要です。そのため、私はこの企業に一定の時間を与えることとしています。

現在のバリュエーションは今年の予想売上高の約11倍であり、時価総額の25%以上が現金で構成されています。

そして、私は2025年に向けて同社に強気の姿勢をとっています。しかし、投資の根拠にはいくつかの課題があることも率直に認識しており、現状を正しく把握するために、こうした問題点についても、本稿ではオープンに議論したいと考えています。

ネビウス・グループ(NBIS)を取り巻く重要な背景

市場の変化はどれほど速いのでしょうか?

たとえば、1月27日にネビウス・グループ(NBIS)が急落し、1日で30%以上も下落したことを覚えていますか?

……覚えていませんよね?私もです(※上記のレポートに関心がございましたら、インベストリンゴのプラットフォーム上よりご覧ください。)

私が言いたいのは、市場の恐怖に反応しすぎてはいけないということです。この点については、何度でも繰り返し伝えます。私の投資戦略は驚くほどシンプルで、ある意味ではバカバカしいほどかもしれません。

 ストップロス(損切り)は一切使わない

 目標株価に達するか、期限が来るまで一切売買しない

 1つの銘柄に投資する割合は最大でもポートフォリオの5%までに抑える

 市場が恐怖に陥った際に買い増しを検討する(ただし、すでに5%のポジションを持っている場合は、ただ静観)

上記の戦略からも分かるように、私は基本的に「何もしない」時間が長く、日々の売買よりも、各保有銘柄の分析に日々時間を費やしています。しかし、それでも2025年には市場を上回るリターンを得られると考えています。

そして、もし私は自身のロジックが間違えていると判断した際には、レポートにおいて正直にお伝えしています。実際に、同社は確かに今四半期の業績が良くありませんでした。しかし、私としては、わずか90日間の不調は、それほど大きな問題ではありません。

では、早速、同社の詳細に入っていきましょう。

ネビウス・グループ(NBIS)とは?

ネビウス・グループ(NBIS)はもともとロシア系企業のYandexの一部でしたが、制裁の影響で分社化され、現在は創業者のもとで独立して運営されています。

同社は、AIクラウドインフラの一環として、GPUやその他の高性能コンピューティングリソースをデータセンターで提供し、企業が自社で高価なハードウェアを購入・維持することなく、AIモデルの学習や運用を行えるようにしています。

この分野は急成長しており、もしAIが今後も社会に定着し、その需要が急速に拡大し続けると考えるならば、同社は投資対象として極めて重要な企業と言えるでしょう。

同社に関しては、ポートフォリオ組み入れ時に下記の詳細な分析レポートを執筆しておりますので、同社への理解を一層深めるために、インベストリンゴのプラットフォーム上よりこちらも併せてご覧ください。

ネビウス・グループ(NBIS)の売上高:売上成長率の解釈が重要

ネビウス・グループの売上高成長(%)

(出所:筆者作成)

皆さんがどのくらいの期間、私のレポートを見てくださっているか分かりませんが、私から言えることは一つです。私は決してごまかしませんし、時には失礼な言い方をすることもあるかもしれません。

しかし、私は自身の経験を信じており、それに基づくことで市場を上回るパフォーマンスを出せると考えています。私の戦略は、「今」ではなく、その先を見据えることです。

確かに、今四半期の売上は大きく市場予想を下回りました。そのため、投資家は短期的にネビウス・グループ(NBIS)を売り込むでしょう。

しかし、30日が経ち、夏のシーズンに入れば、投資家は2025年第4四半期の業績を織り込み始めます。市場がいつ先の業績を織り込み始めるか正確には分かりませんが、一般的に6カ月先を見据えるのが適切な目安であると考えています。

また、今四半期の売上予測を達成できなかったことに加え、年間経常収益(ARR)を少なくとも7億5000万ドルにするという通年のガイダンスを引き上げなかったことも、投資家には不安材料となります。特に、市場が神経質になっている今のタイミングでは、こうした要素がネガティブに働きやすいです。

しかし、このような投資家の不安心理は一時的なものであり、時間が経てば収束すると見ています。そして、投資家が再び将来の成長を意識し始めれば、この銘柄は目標株価である60ドルで売却することが可能であると考えています。

では、次にネビウス・グループのバリュエーションについて詳しく見ていきます。

ネビウス・グループ(NBIS)のバリュエーション:予想売上高の11倍

ネビウス・グループ(NBIS)の財務状況は非常に健全です。同社はほぼ無借金で、約25億ドルの現金を保有しています。これは時価総額の約25%に相当し、非常にポジティブな要素であり、私が強気の投資判断をする上での大きな支えとなっています。

一方で、弱気な見方をされる要因の一つとして、同社が2024年末時点で売上高1億2000万ドル未満であったことが挙げられます。これを同社が掲げる年間経常収益(ARR)7億5000万ドルに引き上げるには、今後12カ月で売上を10倍に増やす必要があります。この成長を市場が簡単に信じるとは考えにくいのも理解できます。

しかし、2024年末から2025年3月までのわずか90日間で、同社の売上はすでに約100%増加すると見込まれています。これは驚異的な成長であり、同社の事業のスケーラビリティの高さを物語っています。

とはいえ、もう一つの弱気要因として、同社は今年、約10億ドルの設備投資が必要であると説明しています。

投資家の視点からすれば、「1ドルの売上を増やすために、1ドルの設備投資を消費している」というのは直感的に理解しづらい状況です。

私の見解としては、現在の大規模な投資は、あくまでインフラの拡張フェーズにあるためです。このレベルの支出が毎年続くわけではなく、事業拡大の初期段階に伴うものにすぎません。

とはいえ、これだけでは悪いニュースが足りないと思う方もいるかもしれません。私は、同社が2025年にさらなる資金調達を行う可能性が高いと考えています。現在の私の予想では、来年の株式希薄化率は約5%と見ていますが、これは当時の同社の評価額によって変動する可能性があります。ただし、約5億ドルの新規資本があれば、同社は2026年までの成長を支える十分な投資ができると考えています。

ネビウス・グループ(NBIS)を取り巻くリスク要因

最大のリスクは何か?それは、ネビウス・グループ(NBIS)の株式が主に個人投資家によって保有されていることです。そのため、株価の変動が大きく、急激に上昇・下落する可能性があります。このような不確実性が気になる方は、この銘柄への投資を避けたほうがよいかもしれません。私のポートフォリオには、セズル(SEZL)やリクイディティ・サービシズLQDT)、アサナ(ASAN)のように、より安定した成長を続け、ボラティリティの低い銘柄もあります。

もう一つの重要なリスクは、新たなAI技術の進展、特にDeepSeekのような技術が、高額なAIインフラの需要にどのような影響を与えるかという点です。決算説明会では、業界全体でAIの導入が進むことで成長が加速すると経営陣は力強く主張しました。しかし、実際のところ、DeepSeekや今後登場するAI技術が市場をどう変化させるのかは誰にも分かりません。この不確実性は、今後も投資家にとって懸念材料となるでしょう。

また、DeepSeekに関しては、インベストリンゴのテクノロジーセクター担当のコンベクイティ社が下記の非常に詳細な分析レポートを執筆しておりますので、こちらも本稿と併せてご覧ください。

ネビウス・グループ(NBIS)に対する結論

ネビウス・グループ(NBIS)が今四半期に苦戦し、投資家が動揺していることは理解できます。しかし、一歩引いて冷静に見てみましょう。この企業は依然として超成長フェーズにあり、AIクラウドコンピューティング市場を支配するためのインフラを急ピッチで整備しています。確かに、現在はキャッシュを大量に消費していますが、それは将来の大きな成長に向けた投資です。

さらに、時価総額の25%が現金で構成され、ほぼ無借金という強固な財務基盤を持っています。

市場は現在懐疑的な姿勢をとっていますが、私は2026年夏までに同社がその実力を証明すると考えています。そして、市場が落ち着き、将来の成長を織り込み始めれば、私の目標株価である60ドルに到達する可能性は十分にあると見ています。

AI需要は減速しておらず、同社はその成長の波の中心にいます。あとは、忍耐強く企業の成長を見守るだけであると考えています。


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加えて、今回の決算では、新たにユニティ・ソフトウェア(U)、トースト(TOST、アップラビン(APP)、パランティア・テクノロジーズ(PLTR)、ファイバー・インターナショナル(FVRR)、アップスタート・ホールディングス(UPST)、アトラシアン(TEAM)をポートフォリオに追加しており、下記の詳細な分析レポートも執筆しておりますので、インベストリンゴのプラットフォーム上より併せてご覧いただければと思います。

2025年2月中旬:米国株ポートフォリオ・アップデート

パランティア・テクノロジーズ(PLTR)


アナリスト紹介:マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ

📍テクノロジー&エネルギー担当

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