01/09/2025

2025年度の米国株式市場における注目銘柄5選!

A 3D image of a number of blocks with fireworks in the backgroundジェームズ・ フォードジェームズ・ フォード
  • 本稿では、2025年度の米国株式市場において、私が注目する5つの銘柄に関して詳しく解説していきます。
  • ヌー・ホールディングス(NU)やウーバー・テクノロジーズ(UBER)、セントラス・エナジー(LEU)等、各企業の成長戦略や市場動向を深掘りし、今後の投資チャンスを探ります。
  • 特に、ヌー・ホールディングスは新興市場の金融業界に革命を起こし、ブラジルに続きメキシコやコロンビアでも拡大中で、圧倒的な成長力と収益性で注目を集めています。
  • また、米国マクロ経済&テクノロジー銘柄に関するレポートを「毎月約10件、年間で約100件」程度執筆しており、私のプロフィール上にてフォローをしていただくと、最新のレポートがリリースされる度にリアルタイムでメール経由でお知らせを受け取ることができます。

※「米国株ポートフォリオの最新動向と2024年に最も大きなリターンを上げた銘柄を徹底解説!」の続き

前章では、2024年の振り返りとして、私の運用する米国株ポートフォリオである「EOWポートフォリオ」、「YOLOポートフォリオ」、「スイングポートフォリオ」の最新動向を紹介し、それぞれのパフォーマンスや特徴的な銘柄に関して詳しく解説しております。

本稿の内容への理解をより深めるために、是非、インベストリンゴのプラットフォーム上にて、前章も併せてご覧ください。

2025年度の米国株式市場における注目銘柄

本稿では、現在。私が注目している米国上場の5銘柄をご紹介します。一部はすでにポートフォリオに組み入れていますが、いくつかは今のところ様子を見ながら注視している段階です。

いずれにせよ、これらは2025年における私の最重要投資候補です。

1. ヌー・ホールディングス(NU)

ヌー・ホールディングス(NU)は「EOW(エンド・オブ・ザ・ワールド)ポートフォリオ」に長く組み入れている銘柄です。

組み入れの際には、下記の詳細な分析レポートを執筆しております。

実際、運用開始以来、ポートフォリオ内で最も優れたパフォーマンスを誇る銘柄です。しかし、最近になっていくつかの逆風に直面しています。

ヌー・ホールディングス(NU)が売られた理由とは?

ヌー・ホールディングス(NU)は基本的に銀行であり、その主な事業は融資です。同社はリスク調整後のリターンを重視し、あえてリスクの高いローンを引き受けることで高い収益を目指しています。この戦略はこれまで成功しており、リスク調整後の指標は着実に改善してきました。

しかし、不良債権(NPL)比率が現在7.2%に達したことで、一部のアナリストが警戒感を抱いています。

しかし、同行はリスクを抑えるための強固な体制を整えています。貸倒引当金は慎重に設定されており、流動性も強く、40億ドルの余剰資本を保有しています。さらに、貸出金対預金比率は健全な40%に維持されています。

また、経営陣は融資戦略を細かく監視し、安定性を確保するために適切な調整を行っています。これらの取り組みから、同行がクレジット・ポートフォリオを効果的に管理していることが分かり、現在の懸念は実態よりも認識の問題であるように思われます。

さらに、ブラジルのマクロ経済環境は悪化しており、ここ数カ月でブラジルレアルは米ドルに対して10%下落しています。また、財政政策や利上げ観測が、ブラジル経済に対する投資家の信頼を一層低下させています。

こうした外部要因は同行の企業価値に影響を与えているものの、同社の業績や成長軌道には実質的な影響を与えていない状況です。

ブラジルは新興市場であるため、マクロ経済や為替リスクを伴うことは避けられません。しかし、その一方で、従来の銀行が十分にサービスを提供できていない地域で金融サービスを革新する同行のような企業にとっては、他に類を見ない成長機会を提供しているのも事実です。

それでも私がヌー・ホールディングス(NU)を選ぶ理由

最近の売り圧力がある中でも、ヌー・ホールディングス(NU)は依然として魅力的な長期投資先だと考えています。同社は、新興市場で地元のニーズに合わせた先進的な金融サービスを提供することで、銀行業界に変革をもたらしています。以下が、私が同行が将来的に大きな価値を提供すると考える理由です:

圧倒的な成長と収益性

ヌー・ホールディングスは2024年に驚異的な成長を遂げました。直近の四半期では売上高が30億ドルに迫り、営業利益は前年同期比で75%増加しました。粗利益率は46%、営業利益率は25%と堅調で、1株当たり利益(EPS)は前年同期比で81%増となりました。このような優れた業績は、同行が収益性を維持しながら効率的に事業規模を拡大できる能力を示しています。

さらに、同行は顧客基盤を着実に拡大しており、現在ではブラジルの人口の56%が同社のサービスを利用しています。プロダクトの利用率も急速に伸びており、新しい顧客層は従来の顧客層よりも早いペースでサービスを利用し、高い収益を生み出しています。これらの動きは、同行の成長モデルが持続可能であることを示しています。

地理的成長の拡大

ブラジルがヌー・ホールディングスの主要市場であることに変わりはありませんが、同社はメキシコとコロンビアでの事業を急速に拡大しています。これらの地域はまだ開発の初期段階にあり、ブラジル並みの市場浸透率や製品の成熟度に達するまでには大きな成長余地があります。

メキシコやコロンビアのいずれかが今後2年以内に収益化を達成する可能性が高く、これによって同行の収益源がさらに多様化し、地理的リスクが軽減されるでしょう。

長期的な変革の可能性

ヌー・ホールディングスへの投資は、数十年前の米国の銀行に投資することに似ています。同社は、新興市場における伝統的な銀行業を変革するという、一世代に一度のチャンスを活かしています。短期的にはマクロ経済の逆風があるものの、長期的な成長の可能性はそれを大きく上回ります。

革新的なアプローチと強力な財務基盤を持つ同行は、まだ市場浸透が十分でない魅力的で収益性の高い市場でリーダーの地位を築く態勢を整えています。

ヌー・ホールディングス(NU)のテクニカル分析

ヌー・ホールディングスの株価推移

(出所:TrendSpider

チャートの視点から見ると、ヌー・ホールディングス(NU)は9月に15ドルを超えた際、初期の上昇波動を完了した可能性があります。

最近の売り圧力が和らぎ、現在は魅力的な価格帯に近づいています。もし私がまだポジションを持っていないのであれば、ここでの購入は十分検討に値するでしょう。

しかし、価格がさらに下落し、8ドル付近のサポートを試す可能性もあります。この水準はフィボナッチ61.8%リトレースメントが位置するポイントであり、過去に取引量が集中したエリアでもあります。

もしこの価格帯で購入できるのであれば、まさに絶好のチャンスとなるでしょう。

2. ウーバー・テクノロジーズ(UBER)

ウーバー・テクノロジーズ(UBER)は、大型テックセクターの中でも注目すべき銘柄の一つであると考えています。

ウーバー・テクノロジーズの株価推移

(出所:TrendSpider

最近、テスラ(TSLA)のCybercab生産計画やグーグル(GOOG)のWaymoがマイアミへ進出する動きにより、自動運転に関する議論が再び注目されています。この影響で、ウーバー・テクノロジーズのビジネスモデルに対する懸念が広がり、株価は30日間で15%下落しました。

しかし、こうした懸念は過大評価されている可能性があります。これは、過去にメタ・プラットフォームMETA)やグーグルが不透明な状況で市場から過剰な反応を受けたケースと似ていると言えるでしょう。

ウーバー・テクノロジーズは、増収、堅実なキャッシュフロー、柔軟なビジネスモデルという強固な基盤を持っています。同社は、ネットワーク効果、膨大な都市モビリティデータベース、顧客ロイヤリティプログラム、さらに配送や貨物事業への多角化による強みを活かしています。

また、Waymoのような自動運転車プロバイダーとの戦略的パートナーシップによって、さらなる適応力を発揮しています。

株価はフィボナッチの50%や61%リトレースメント水準に向かう可能性もありますが、50ドル付近は非常に良い買い時と考えられます。すでに株価はかなり反転しており、底値に達した可能性もあります。

3. マイクロストラテジー(MSTR)

マイクロストラテジーの株価推移

(出所:TrendSpider

とてもシンプルな話です。私はビットコイン(BTCUSD)がまだピークに達していないと考えており、マイクロストラテジーMSTR)も同様だと思っています。ここ数週間、ビットコインは安定している一方で、マイクロストラテジーの株価はかなり下落しました。そのため、これを機にポジションを増やすのは良いタイミングだと考えます。

最近の安値をストップロスとして設定し、50日指数平滑移動平均線(EMA)付近での購入を検討するのも賢明かもしれません。確かに、200日EMAまで下落する可能性もありますが、それを下回ることは想定外であると考えています。

そして、リスク選好の市場環境が続く限り、同社は保有する価値のある銘柄だと考えています。

4. セントラス・エナジー(LEU)

セントラス・エナジーの株価推移

(出所:TrendSpider

原子力への注目はこれまでにもお話ししてきました。そして、カメコ(CCJ)やロールス・ロイス・ホールディングス(RYCEY)に投資している一方で、セントラス・エナジー(LEU)も非常に魅力的だと思っています。

また、カメコとロールス・ロイス・ホールディングスに関しては、下記の詳細な分析レポートを執筆しておりますので、こちらも併せてご覧いただければと思います。

カメコ(CCJ

ロールス・ロイス・ホールディングス(RYCEY

かつてスリーマイル島やチェルノブイリなどの事故で否定的なイメージを持たれていた原子力発電ですが、現在ではカーボンニュートラルを達成するために不可欠な存在として再評価されています。

セントラス・エナジーは、先進的な原子炉に必要とされる高需要のHALEU燃料を含むウラン濃縮技術において優れた専門性を持ち、これが同社に競争力のある優位性をもたらしています。

米国によるロシア産ウラン輸入の禁止や、国内エネルギー安全保障の強化が、セントラス・エナジーにとってさらなる追い風となっています。財務面での変動があった過去を持つものの、利益率の改善、負債の適切な管理、そして広がる事業機会が、同社を有望な成長株として位置付けています。

原子力エネルギーへの支持が高まる中で、同社の足元の割安な株価は、この再興する業界に投資したい長期投資家にとっては良いエントリーポイントと言えるかもしれません。

また、セントラス・エナジーに関しては、インベストリンゴのテクノロジー&エネルギー銘柄担当のマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ氏も注目しており、直近では下記の詳細な分析レポートを執筆しております。

5. チーフー・テクノロジー(QFIN)

(出所:TrendSpider

チーフー・テクノロジー(QFIN)は、中国の最近の経済刺激策の恩恵を受ける有力な立場にあります。この政策により、同社のクレジットテクノロジーサービスへの需要が増加する可能性があります。同社は「360借条」アプリを通じて、借り手と金融機関をつなぎ、信用評価や資金マッチングといったソリューションを提供しています。

同社はローンの品質を向上させ、資金調達コストを削減し、運営効率を改善しました。その結果、2024年第2四半期の純利益は26%増加しています。

同社の成長戦略、AIの活用、高価値ユーザーへの注力は、持続的な拡大を支える要因となっています。現在の低いPER倍率で取引されている同社は、中国経済に関連するリスクがあるものの、成長余地や株価の上昇余地が大きいように見えます。

ただし、週足でMACDが強気に転じ、RSIがリセットされる過程で、一時的な調整が入る可能性もあります。20日EMA付近が買い注文を入れる良いタイミングになるかもしれれないと見ています。

まとめ

全体的に見て、まだ素晴らしい投資機会はたくさんあります。2025年には、暗号資産や特定のテクノロジー株にとって第1四半期が良いタイミングになるかもしれませんし、中国や新興市場が本格的に反発する可能性もあります。しかし、多くの銘柄のバリュエーションがかなり高いため、リスクも少なくありません。そのため、私は常に警戒し、利益が出たときにはしっかり確保し、常に新たな機会を見つけるように心掛けるべきであると考えています。

また、米国マクロ経済&テクノロジー銘柄に関するレポートを「毎月約10件、年間で約100件程度執筆しており、私のプロフィール上にてフォローをしていただくと、最新のレポートがリリースされる度にリアルタイムでメール経由でお知らせを受け取ることができます。

さらに、その他のアナリストも詳細な分析レポートを日々執筆しており、インベストリンゴのプラットフォーム上では「毎月約100件、年間で1000件以上」のレポートを提供しております。

そこで、私の米国マクロ経済&テクノロジー銘柄に関する最新レポートを見逃さないために、是非、フォローしていただければと思います。


アナリスト紹介:ジェームズ・ フォード

📍米国マクロ経済&テクノロジー担当

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