08/31/2024

中立
エヌビディア
中立
成長鈍化とインサイダーや投資ファンドによるエヌビディア株式の売却は懸念材料です。
エヌビディア(NVDA)の株主が売却を進める一方、エヌビディアの株価は5年後も10年後も堅調か?今後の株価見通しに迫る!

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  • 本稿では、2024年8月28日に発表された、エヌビディア(NVDA:Nvidia)の最新の2025年第2四半期決算分析を通じて、同社の今後の株価見通しと将来性に関する詳細な分析を解説していきます。
  • エヌビディアの最新決算は、売上高と利益が市場予想を上回る好調な業績を発表したものの、今後の見通しに対する失望から株価が時間外では約6%下落しました。
  • データセンター部門は前年比で155%の成長を記録し、エヌビディア全体の成功に重要な役割を果たしていますが、成長鈍化の兆しが見られます。
  • エヌビディアの成長がピークに達した可能性があり、さらに、CEOや著名な投資家といった主要株主による利益確定売りが株価に悪影響を与える懸念があります。

サマリー

エヌビディア(NVDA:Nvidia)は水曜日に決算を発表し、株価は約6%下落しました。成長の鈍化や今後の見通しに対して、投資家は失望したようです。

しかし、これにはさらに深刻な問題が隠れているのでしょうか?エヌビディアの成長はすでにピークに達してしまったのでしょうか?

AI関連の話題では、スーパー・マイクロ・コンピューターSMCI)がショートレポート(空売りレポート)の標的にされ、さらに10-K報告書の提出遅れを発表したことで、株価が25%急落しました。

また、先週パウエル議長がジャクソンホールで講演し、事実上、市場に「ゴーサイン」を出しました。9月の会合では、数年ぶりの利下げが行われる見込みです。

では、これが投資家にとって実際にどう影響するのでしょうか?

最後に、マクロトレードの状況を簡単に振り返ります。現在の株式市場の反発は、次の上昇局面に向けて新たにロングポジションを取る好機なのではないかと見ています。

本稿で学べる内容

・エヌビディア(NVDA)の株価がさらに下落する可能性の理由

・スーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)が詐欺の疑いをかけられた背景とその影響

・今後6か月間のFRBの動向予測

・最新データがマクロ経済見通しに与える影響

・雇用状況が思ったより良い理由

・今後の利下げ局面での最適なポジショニング方法


関連用語

ショートレポート(空売りレポート):特定の企業の株価が下落する可能性があると主張するレポートのこと。このレポートを発表することで、空売り(株価が下落すると利益を得る投資手法)を促し、株価の下落を狙う。通常、財務不正や業績悪化などのリスクが指摘される。

10-K報告書:アメリカの上場企業が年に一度、証券取引委員会(SEC)に提出する詳細な財務報告書で、企業の業績や財務状況、リスク要因などを含む。


エヌビディア(NVDA:Nvidia)の最新の2025年度第2四半期決算発表に関して

エヌビディア(NVDA:Nvidia)は、2024年8月28日に最新の2025年度第2四半期決算を発表し、売上高と利益の両方で予想を上回りました。

しかし、市場の投資家には満足してもらえず、ガイダンスや利益率の縮小が失望を招いたようです。

エヌビディアの前年比での驚異的な売上成長は、主にデータセンター部門(下記グラフ:Data Center)によるもので、このセグメントは前年同期比で155%もの増加を記録しました。この成長率は、エヌビディア全体の売上増加率122%を大きく上回り、データセンター部門が同社の成功においていかに重要な役割を果たしたかを示しています。

(出所:2025年度第2四半期決算資料)

エヌビディアの他のセグメントでもわずかな成長が見られましたが、やはり注目すべきはデータセンター部門です。

また、利益率の縮小も若干見られました。

(出所:2025年度第2四半期決算資料)

しかし、投資家が最も失望したのは、エヌビディアの今後の見通しだったかもしれません。

総売上高は325億ドル(±2%)を見込んでおり、2025年第3四半期の売上見通しには、Hopperアーキテクチャの成長継続とBlackwell製品のサンプリングが含まれています。Blackwell製品の量産は第4四半期に始まる予定です。GAAPとNon-GAAPの粗利益率は、それぞれ74.4%と75%(±50ベーシスポイント)と予測されています。

(出所:エヌビディアの2025年度第2四半期決算説明会)


関連用語

Hopperアーキテクチャ:エヌビディアが開発した最新のGPU(グラフィックプロセッシングユニット)アーキテクチャ。主にデータセンターやAI関連の高度な計算処理に特化して設計されており、高性能かつ効率的な計算を可能にする技術。

Blackwell:エヌビディアが開発中の次世代GPUのコードネーム。Hopperアーキテクチャの後継となる製品であり、さらなる性能向上を目指して設計されている。このGPUもデータセンターやAI、科学技術計算などの分野での利用が期待されている。


私がエヌビディア(NVDA:Nvidia)に対して弱気な2つの理由

エヌビディア(NVDA:Nvidia)が厳しい状況に直面する可能性がある2つの理由を簡単にご紹介します。

エヌビディア(NVDA:Nvidia)成長の鈍化

成長が鈍化し始めているのは明らかで、四半期ごとの数字を見ればその傾向がわかります。

(出所:Seeking Alpha

現在の予測によれば、エヌビディアは次の四半期で約8%の成長が見込まれています。

エヌビディアの現在の株価バリュエーションは、AIの成長が、今後の5年後も、10年後も続くという期待に基づいていますが、もしその成長が止まるようなことがあれば、ドットコムバブル時のシスコ・システムズ(CSCO)のような状況に陥る可能性があります。

(出所:The Financial Times

インサイダー(内部関係者)や投資ファンドによるエヌビディア(NVDA:Nvidia)株式の売却

最後に、CEOのジェンセン・フアン氏がエヌビディアの株式を売却していることや、ソロス氏やゲイツ氏のような著名な投資家が利益を確定していることがわかっています。そして、これは、エヌビディアの株価にとってあまり良い兆候とは言えません。

スーパー・マイクロ・コンピューターSMCI)に対するショートレポートに関して

しかし、ニュースになっているのはエヌビディア(NVDA:Nvidia)だけではありません。非常に興味深い展開として、スーパー・マイクロ・コンピューターSMCI)は10-K報告書の提出を遅らせると発表した後、株価が25%急落しました。これは、Hindenburgによるショートレポートが公開されたことが引き金となっています。

次章では、スーパー・マイクロ・コンピューターの今後の株価見通しとHindenburgのショートレポートの過去実績を詳しく解説していきます。

※続きは「スーパー・マイクロ(SMCI)の将来性とは?ヒンデンブルグ社の空売りレポートと年次報告書遅延で時間外から株価急落!」をご覧ください。


関連用語

Hindenburg(ヒンデンブルグ):アメリカの投資リサーチ会社で、主に企業の不正行為や財務の不透明性を暴くショートレポートを発表することで知られています。このレポートによって、対象企業の株価が急落することが多いため、投資家や市場に大きな影響を与えることがあります。


その他のテクノロジー銘柄関連レポート

1. エヌビディア / NVDA / NVIDIA:最新の2025年第1四半期決算速報・業績&競争優位性分析と今後の株価予想・将来性(前編)

2. サウンドハウンドAI / SOUN:2024年1Q決算速報・財務&テクニカル&競争優位性分析と今後の株価見通し・将来性

3. クラウドストライク(CRWD):2025年1Q決算速報・財務&強み分析と今後の株価予想・将来性(CrowdStrike)

また、私のその他のテクノロジー関連銘柄のレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、私のプロフィールページにアクセスしていただければと思います。

さらに、その他のエヌビディア(NVDA)に関するレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、エヌビディアのページにアクセスしていただければと思います。

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