強気ネビウス・グループエヌビディア(NVDA)の株価急落理由とは?DeepSeek(ディープシーク)がAIと半導体市場に与える影響に迫る!
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- 本稿では、「エヌビディア(NVDA)の株価急落理由とは?」という疑問に答えるべく、中国初のAIプラットフォームであるDeepSeek(ディープシーク)がAI市場と半導体業界に与える影響、並びに、足元の状況下で私が新たに注目する米国上場AI銘柄を詳しく解説していきます。
- DeepSeekの新型AI「DeepSeek R1」は、高性能かつ低コストで市場を揺るがし、エヌビディアの時価総額を大幅に減少させました。これにより、AI業界の競争環境が大きく変化しています。
- DeepSeekの成功は、AI開発におけるコスト効率を革新し、エヌビディアのチップ依存を見直す契機となりました。これにより、AIハードウェア市場の競争が激化し、地政学的な緊張も高まる可能性があります。
- エヌビディアは短期的に打撃を受けましたが、革新技術を持ち長期的には回復の可能性があります。一方で、DeepSeekの影響を受ける企業や業界が明確になり、新たな投資機会が生まれています。
はじめに
DeepSeekのニュースは月曜日に市場を揺るがしましたが、多くのハイテク株はすでに回復しているようです。
DeepSeekの低価格な「ChatGPTキラー」が最初に発表されて以来、多くの新しい情報が明らかになり、専門家たちがこの動きがAI業界にとって何を意味するのかについて意見を述べています。
AIバブルは崩壊したのか?
本稿ではその疑問に答えるとともに、私が考える足元の市場の動向を活用して利益を得るためのチャンスについても解説していきます。
本稿で学べること
✅ DeepSeekがAIをどのように革新したのか
✅ DeepSeekがエヌビディアに与える影響
✅ エヌビディアは押し目買いの好機なのか?
✅ DeepSeekの勝者と敗者は?
✅ DeepSeekの恩恵を受ける1銘柄
本稿では、実践的な投資アイデアを紹介しており、水曜日に取り上げた、AI分野で非常に大きな成長の可能性を持つ銘柄も含まれています。最後まで読んで、その銘柄が何なのかを再度確認してください。また、本稿が役に立ったと思ったら、ぜひ「いいね」「シェア」「プロフェッショナルプランの購読」もお忘れなく!
DeepSeekか、それともDeepFakeか?
中国のAIスタートアップであるDeepSeekは、2025年1月20日にDeepSeek R1を発表しました。このAIアシスタントは、高性能かつコストパフォーマンスの高さで注目を集めており、OpenAIなどの最先端モデルと比較されています。しかし、開発費はわずか558万ドルと、大手企業が通常かけるコストのごく一部に過ぎません。
この効率性が市場に大きな影響を与え、エヌビディア(NVDA)の時価総額は1日で6000億ドル減少するなどの劇的な変化を引き起こしました。また、トランプ政権は、DeepSeekがシンガポール経由でエヌビディアの先端チップを入手し、米国の輸出規制を回避した可能性について調査を進めています。これにより、同社のAIモデルの正当性に対する疑問がさらに深まっています。
さらに、イーロン・マスク氏をはじめとする著名人も疑念を表明しており、シンガポールがエヌビディアの売上に大きく貢献していることを指摘しつつ、「DeepSeekがエヌビディアの最先端チップなしでどのようにAIを構築したのか?」という疑問を投げかけています。
(出所:Quartr)
DeepSeekはAI業界をどう変えるのか?
DeepSeekの登場により、AI業界には以下のような大きな変化がもたらされています。
1. コスト効率の革新
DeepSeekは、わずか600万ドル未満で高性能なAIモデルを訓練し、従来「AI開発には数十億ドルが必要」とされてきた常識に挑戦しています。このコスト効率の高さは、OpenAIやアルファベット(GOOG)など、巨額の資金を投じてAI開発を進めてきた既存企業にとって大きな脅威となる可能性があります。
2. 市場の混乱
DeepSeekの登場により、市場全体で1兆ドル規模の売りが発生し、特にエヌビディアのような企業に大きな影響を与えました。この出来事により、投資家は「エヌビディアのチップは本当にAI開発に不可欠なのか?」という疑問を抱き始めています。
3. 中国のAI独立
DeepSeekは、米国の輸出規制の影響を受けながらも競争力のあるAIモデルを開発することに成功しました。これは、中国が米国の技術に依存せずに強力なAIを生み出せることを示しており、世界のAI開発の勢力図が変わる可能性を示唆しています。
4. 地政学的な緊張の高まり
米国は現在、DeepSeekのサプライチェーンを精査し、AIチップの輸出規制をさらに厳格化する動きを見せています。この規制強化は、中国と西側諸国のAI開発の分断をさらに深めることになり、地政学的な緊張を一層激化させる可能性があります。
DeepSeekの急成長は、AI開発におけるコスト、アクセスのしやすさ、そして地政学的な影響について、業界全体が再考を迫られるきっかけとなっています。
エヌビディア(NVDA)のバブルは崩壊したのか?
(出所:Seeking Alpha)
DeepSeekの台頭によって最も影響を受けた企業はエヌビディア(NVDA)であり、同社の時価総額は大幅に減少しました。
エヌビディア(NVDA)への主な影響
✅ 市場での地位の低下
DeepSeekの成功は、AI開発が必ずしもエヌビディアのチップに依存しない可能性を示しており、これにより同社の価格決定力やテクノロジー企業に対する影響力が弱まる可能性があります。
✅ AI投資の方向性の変化
アルファベット(GOOG)やマイクロソフト(MSFT)などの企業は、AI関連の支出を再評価し、エヌビディアのGPUやデータセンターへの投資を削減する可能性があります。これにより、エヌビディアの長期的な収益に影響を与えるかもしれません。
✅ 競争の激化
DeepSeekの成功は、ブロードコム(AVGO)やHuaweiのような競合企業の台頭を促し、AIハードウェア市場においてエヌビディアの代替技術への移行を加速させる可能性があります。
こうした課題があるものの、DeepSeekの登場により、エヌビディアのこれまでの支配的な立場に疑問が生じており、AIのサプライチェーン全体に長期的な変化が起こる可能性があります。
エヌビディア(NVDA)は押し目買いのチャンスなのか?
DeepSeekによる影響があるとはいえ、エヌビディア(NVDA)の将来については楽観的な見方もあります。
同社は、BlackwellアーキテクチャやProject Digitsなどの革新的な技術を開発しており、進化し続けるAI市場に適応する能力を示しています。市場のアナリストも同社の成長を引き続き強気に評価しており、現在の株価の下落は買いのチャンスとなる可能性があります。特に、116ドル以下のテクニカルサポートレベルでは、長期的な投資戦略を持つ投資家にとって魅力的なエントリーポイントとなるかもしれません。
そのため、エヌビディアは、AI開発における強固な市場ポジションを維持しており、安定した成長が期待できる有望な投資先であると考えられます。
(出所:TrendSpider)
また、エヌビディアに関しては、足元でインベストリンゴの半導体セクター担当のアナリストであるウィリアム・ キーティング氏が、下記の詳細な分析レポートを執筆しておりますので併せてご覧いただければと思います。
AIスーパーコンピューターに関して
量子コンピュータに関して
DeepSeekの勝者と敗者
エヌビディアは短期的には敗者の一社かもしれませんが、適正な価格であれば回復の可能性もあります。一方で、DeepSeekの台頭により、他の企業や業界も勝者と敗者が明確に分かれることになりそうです。
この変化の中で、私はDeepSeekによる株価下落を受けて新たにポートフォリオに追加した銘柄があります。詳しくは引き続き本稿をお読みください!
DeepSeekの敗者
✅ AIの独占を前提にしていた企業
OpenAIやGoogle(GOOG)のようなクローズドソースの企業は、低コストなオープンソースのAIモデルの台頭によって競争環境が大きく変化し、苦戦を強いられる可能性があります。
✅ ホワイトカラーの雇用リスク
DeepSeekのようなAIモデルが反復的な業務を自動化することで、法律、会計、事務などの分野で人間の労働力の需要が減少する可能性があります。
✅ 適応が遅れる企業
AIの導入が遅れる企業は、競争で後れを取るリスクがあります。AIの進化スピードは非常に速く、これを積極的に取り入れる企業が成功し、そうでない企業は淘汰される可能性があります。
DeepSeekの勝者
✅ アップル(AAPL)やハードウェアの革新企業
AIの分散化が進むことで、アップル(AAPL)は大きな恩恵を受ける可能性があります。同社の統合メモリアーキテクチャは、ローカルデバイスでのAI処理をより効率的にするため、Macやチップの売上増加につながるかもしれません。
✅ オープンソースAIと小規模な革新企業
オープンソースAIの普及が進む中、メタ・プラットフォームズ(META)のような企業は、オープンソースモデルの採用が拡大する恩恵を受ける可能性があります。スタートアップや研究者も、OpenAIのようなクローズドシステムに依存せず、強力なAI技術を利用できる環境が整いつつあります。
✅ エネルギー・コンピュートプロバイダー
AIモデルがより複雑化するにつれ、計算能力と電力の需要が増加します。半導体製造、GPU、クラウドコンピューティングに関わる企業に加え、太陽光や原子力などの再生可能エネルギー関連企業も、この需要の高まりによって利益を得る可能性があります。
DeepSeekの登場はAI業界全体を大きく変革しており、さまざまな業界で新たなチャンスとリスクが生まれています。
ネビウス・グループ(NBIS):隠れたAIの原石
ネビウス・グループ(NBIS)は、フルスタックのクラウドAIプロバイダーであり、特に株価が40%下落した後の今、魅力的な投資機会を提供しているように見えます。直近の株価変動にもかかわらず、DeepSeekのような技術がAIの普及を加速させる中で、同社はAI革命の恩恵を大きく受ける可能性があると考えています。
同社はデータセンター、カスタムハードウェア、ソフトウェアソリューションを提供するだけでなく、AvrideやClickHouseなどのAI関連企業にも出資しており、その価値をさらに高めています。
グローバルなAIビジネスを展開し、成功に不可欠なインフラ、データ、専門知識を統合
(出所:ネビウス・グループの2024年10月投資家向けプレゼンテーション資料)
さらに、2030年には2600億ドル規模に達するとされるAI市場の中で、同社のAI収益成長は大きな可能性を秘めています。同社は同業他社と比べて依然として割安であり、50%の株価上昇の余地があると考えています。
もちろん、規制リスクや設備投資負担といったリスクはありますが、強固な財務基盤と成長見通しを踏まえると、非常に魅力的な投資対象です。現在の30ドルの株価は、2025年までに2倍に上昇する可能性もあると見ています。
ネビウス・グループに関しては、足元でインベストリンゴのテクノロジー担当のアナリストであるマイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ氏が、下記の詳細な分析レポートを執筆しておりますので併せてご覧いただければと思います。
そして、この銘柄は、昨年76%のリターンを記録した、私の運用するポートフォリオの1つである「YOLOポートフォリオ」への最新の追加銘柄です。
(出所:Snowball Analytics)
最後に
技術的にも市場環境的にも、新しい時代に突入しています。2024年のような全面的な株価上昇は、2025年には繰り返されないかもしれません。
それでも、テクノロジー株にはまだ大きなリターンの可能性が残されていると考えています。しかし、今後はより慎重な銘柄選びが必要になるでしょう。
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アナリスト紹介:ジェームズ・ フォード
📍米国マクロ経済&テクノロジー担当
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