中立

エヌビディア

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売上高の伸びは鈍化し、売上総利益率は低下傾向にある中で、バリュエーションは割高に見える。

エヌビディア / NVDA / NVIDIA：最新の2025年第1四半期決算速報・業績&競争優位性分析と今後の株価予想・将来性（前編）

エヌビディア（NVDA）への投資に関して

エヌビディア（NVDA）は2024年5月22日に、2025年度第1四半期決算を発表し、同社の株価は9％以上上昇、遂に1株当たり1,000ドルの大台を越えることとなった。

同社の業績、並びに、株価の動向からも、AI・半導体関連銘柄への市場の熱狂は続いていると言える。

また、物事の大枠を見てみると、米国株式市場は大幅な調整よりも、目先は、一旦はメルトアップ（株価の上昇）の方向に進んでいるように見える。

ただし、市場を見渡してみると、エヌビディア以外にも魅力的な銘柄はたくさんあるというのが現状である。

本稿では、エヌビディアの決算と見通しに関して深堀りをすると同時に、他のAI銘柄に関するトレード・アイデアについても述べていきたい。

エヌビディア（NVDA）の2025年度第1四半期決算に関して

エヌビディア（NVDA）は、2025年度第1四半期決算（下記グラフ：FQ1 '25）においても再び予想を上回る着地となったが、これは大方市場の予想通りであったと見ている。

さらに、力強いなガイダンスと、6月10日に予定されている10対1の株式分割の発表により、決算後、同社の株価は9%以上上昇している。

では、同社の決算の数字を簡単に見てみたい。

まず、データセンター関連事業（Data Center）の売上高は前年同期比（Y/Y Change）426％増で、前四半期比（Q/Q Change）では22.6％増となっている。

一方、ゲーム関連事業（Gaming）の売上高は前年同期比（Y/Y Change）18.2％増である一方で、前四半期比では7.6％減少している点は興味深い。

さらに上記2つの事業をサブセグメントに分解してみると、データセンター事業の中のネットワーキング部門（Networking）は前四半期比で5％減少している一方で、コンピュート部門（Compute）は前四半期比で29％上昇しており、成長を牽引していることがわかる。

一方、自動車関連事業（Automotive）の売上は当四半期のもうひとつの明るい話題であり、前四半期比で17%増となったが、同事業の規模間（3.29億ドル）を踏まえると、総売上高（225.63億ドル）に対するインパクトという観点ではまだまだ影響は限定的と言える。

また、売上総利益率（Gross margin）は78.4%までに拡大し、希薄化後EPS（Diluted earnings per share）は前四半期比21%増の5.98ドルとなっている。

エヌビディア（NVDA）の2025年度第2四半期ガイダンスに関して

売上高

予想売上高：280億ドル、±2%の変動

売上総利益率

GAAPベース：74.8%を予想、±50ベーシス・ポイント（0.5%）の変動

Non-GAAPベース：75.5％の予想、±50ベーシス・ポイント（0.5%）の変動

通期：70％台半ばを見込む

営業費用

GAAPベース：約40億ドル

Non-GAAPベース：約28億ドル

通期：40%台前半の伸びを見込む

その他の収入と支出

GAAPベースとNon-GAAPベース：非関連投資の損益を除き、いずれも約3億ドルの利益を見込む

税率

GAAPベースとNon-GAAPベース：いずれも17%前後となる見込みだが、個別項目を除くと±1%の変動を見込む

エヌビディア（NVDA）の決算説明会からの洞察

決算説明会では、エヌビディア（NVDA）のジェンスン・フアンCEOはAIを産業革命に例えている。

（原文）The next industrial revolution has begun — companies and countries are partnering with NVIDIA to shift the trillion-dollar traditional data centers to accelerated computing and build a new type of data center — AI factories — to produce a new commodity: artificial intelligence. AI will bring significant productivity gains to nearly every industry and help companies be more cost- and energy-efficient, while expanding revenue opportunities.

（日本語訳）次の産業革命が始まっている。企業や国はエヌビディアと提携し、1兆ドル規模の従来のデータセンターをアクセラレーテッド・コンピューティングに移行させ、新しいタイプのデータセンター（AI工場）を建設し、新しい商品である人工知能を生産している。AIは、ほぼすべての産業に大幅な生産性向上をもたらし、企業が収益機会を拡大すると同時に、コスト効率とエネルギー効率を高めるのに役立ちます。

また、下記の通り、決算説明会を通じて、同社の新製品についても、いくつかの知見を得ることができた。

（原文）With ongoing software optimizations, we continue to improve the performance of NVIDIA AI infrastructure for serving AI models. While supply for H100 prove, we are still constrained on H200. At the same time, Blackwell is in full production. We are working to bring up our system and cloud partners for global availability later this year. Demand for H200 and Blackwell is well ahead of supply and we expect demand may exceed supply well into next year.

（日本語訳）継続的なソフトウェアの最適化により、我々はAIモデルをサポートするためのNVIDIA AIインフラの性能向上を続けています。H100の供給は証明されていますが、H200についてはまだ制約があります。同時に、Blackwellはフル稼働しています。我々は、今年後半にグローバルに利用できるよう、システムとクラウドパートナーの立ち上げに取り組んでいます。H200とBlackwellの需要は供給を大きく上回っており、来年にかけて需要が供給を上回る可能性があると予想しています。

また、同社が他と違うのは何かという質問に対して、ジェンスン・フアンCEOは次のように答えている。

（原文）So one, you could use NVIDIA for everything, from computer vision to image processing, the computer graphics to all modalities of computing. And as the world is now suffering from computing cost and computing energy inflation because general-purpose computing has run its course, accelerated computing is really the sustainable way of going forward.

（日本語訳）ひとつは、コンピュータ・ビジョンから画像処理、コンピュータ・グラフィックス、コンピューティングのあらゆるモダリティに至るまで、エヌビディアをあらゆることに利用できることです。そして、汎用コンピューティングが一巡し、世界がコンピューティング・コストとコンピューティング・エネルギー・インフレに苦しんでいる今、アクセラレーション・コンピューティングは、本当に持続可能な将来の道であると見ています。

（原文）So accelerated computing is how you're going to save money in computing, is how you're going to save energy in computing. And so the versatility of our platform results in the lowest TCO for their data center. Second, we're in every cloud. And so for developers that are looking for a platform to develop on, starting with NVIDIA is always a great choice. And we're on-prem, we're in the cloud. We're in computers of any size and shape. We're practically everywhere. And so that's the second reason.

（日本語訳）つまり、アクセラレーテッド・コンピューティングは、コンピューティングにおけるコスト削減、エネルギー削減の方法なのです。私たちのプラットフォームは汎用性が高いため、データセンターのTCO（総保有コスト）を最も低く抑えることができるのです。第二に、私たちはあらゆるクラウドに対応しています。そのため、開発用のプラットフォームを探している開発者にとって、エヌビディアから始めることは常に素晴らしい選択です。また、オンプレミスにもクラウドにも対応しています。どのようなサイズや形状のコンピュータにも対応しています。事実上、私たちはあらゆるものに対応できます。これが2つ目の理由です。

（原文）The third reason has to do with the fact that we build AI factories. And this is becoming more an apparent to people that AI is not a chip problem only. It starts, of course, with very good chips and we build a whole bunch of chips for our AI factories, but it's a systems problem. In fact, even AI is now a systems problem. It's not just one large language model. It's a complex system of a whole bunch of large language models that are working together. And so the fact that NVIDIA builds this system causes us to optimize all of our chips to work together as a system, to be able to have software that operates as a system, and to be able to optimize across the system.

（日本語訳）3つ目の理由は、私たちがAI工場を建設しているという事実に関係しています。AIはチップだけの問題ではないということが、より明らかになりつつあります。もちろん、非常に優れたチップから始まり、私たちはAI工場のために大量のチップを製造しますが、それはシステムの問題なのです。実際、AIでさえシステムの問題なのです。ひとつの大きな言語モデルだけではない。大規模な言語モデル全体が連携する複雑なシステムなのです。ですから、エヌビディアがこのシステムを構築しているという事実によって、私たちはすべてのチップをシステムとして連動するように最適化し、システムとして動作するソフトウェアを持つことができ、システム全体で最適化することができるのです。

※続きは「エヌビディア / NVDA / NVIDIA：最新の2025年1Q決算速報・業績&競争優位性分析と今後の株価予想・将来性（後編）」をご覧ください。

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