やや強気ノバルティスノバルティス / NVS / 予想配当利回り3.5%:利回りと自社株買いが魅力的な高配当株の最新の株価分析と今後の見通し
タリク・ デニソン- ノバルティス(NVS:予想配当利回り3.5%)の株価は10年来のレンジを脱したが、スイス・フランベースで測定すると2015年の高値からまだ10%低いというのが現状である。
- また、同社の収益は10年前の最高値に達しておらず、将来の成長には疑問が残る。
- 一方で、ノバルティスは魅力的な配当利回りと自社株買いを提供しており、さらに、同社の総株主利回りは15年ぶりの高水準に近づいている。
おそらく、足元、ノバルティス(NVS)がCNBCのレーダーに映った理由の一つは、10年間のレンジをようやく抜け出したからであると見ている。
しかし、これもドル建てで見た場合であり、スイスフラン建てで見た場合には、2015年の高値からまだ10%も低い水準にある。
(出典:Yahoo Finance)
特定の製品やソリューションと実質的に同義語だと私が考える企業名はたくさんある。
例えば、アップルとiPhone、ノボ・ノルディスクと糖尿病、グーグルと広告などが挙げられる。
そして同社の場合、私はノバルティスと言えば、いつも癌を思い浮かべる。
このテーマからすれば、過去10年間で世界的に癌が増加し、癌治療に費やす資金が増えれば、同社の収益も増えるはずだと思うだろう。
だからこそ私は、同社の収益が10年前の最高値を下回っている理由について長い間頭を悩ませてきた。
そして、昨年、私は同社を永久に保有するに値する優良株ではなく、より短いタームでの取引対象として見るようにしたのである。
実際に、現時点での大きな疑問は、同社の収益がこの10年で最高値を更新し続ける傾向にあるのか、それとも年間600億ドルの収益水準が「抵抗」レベルとして機能するのか、ということである。
(出典:YCharts)
同社がどの程度売上を利益につなげているかという点では、製薬会社の利益率は数年単位で見る必要があることは理解している。
そして、ここで私が懸念しているのは、過去20年間のマージンが長期的に減少傾向にあることである。
つまり、最近の同社の株主資本利益率の上昇は、資産回転率とレバレッジ比率の上昇によるものであり、現段階では必ずしも悪いことではない。
しかし、これは同社が成長企業ではなく成熟企業であることを意味することになる。
とはいえ、同社の株価がドル建てベースで史上最高値を更新してもなお、同社が公正に評価されていると確信させる指標があるとすれば、それは利回り指標であろう。
実際に、同社の魅力的な3.5%の配当利回りは、スイスフラン・ベースでさえも配当金を増加させてきたという実績を考えると印象的であることに加え、同車の自社株買い利回りと総株主利回りは15年来の高水準に近いという点は魅力的に映る。