やや強気ブルー・アウル・キャピタル・コーポレーション【高配当】ブルー・アウル・キャピタル(OBDC)今後の株価見通しは良好!予想配当利回り9.7%の米国高配当BDCの将来性に迫る!
ヴェンカット・ ラガーヴァン- 本稿では、注目の米国高配当BDCであるブルー・アウル・キャピタル・コーポレーション(OBDC:予想配当利回り9.7%・配当金0.37ドル)の11月6日発表の最新の2024年第3四半期決算分析を通じて、同社の今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
- 私はクリスマスツリーの下で丁寧にラッピングされたプレゼントを見るのが好きですが、自分の証券口座に配当収入が降ってくるのを見るのも大好きです。
- ブルー・アウル・キャピタル・コーポレーションは、予想配当利回り9.7%を誇る大規模なBDC(事業開発会社)であり、ポートフォリオ拡大や合併により第2位の規模を目指しています。
- 同社は第一担保付きローンを重視したリスク軽減型のポートフォリオを持ち、PIK収益を戦略的に活用することで収益性と安定性を両立しています。
はじめに
新しい家を購入するとき、とくに住宅ローン会社や金融機関など他人のお金を使う場合、土地の測量を依頼されることがよくあります。測量士が派遣されて、購入予定の物件の長さ、幅、奥行きを測定し、その土地の境界を示す地図を作成します。この測量は、自分が購入しようとしている土地が正確にどこまでなのか、そしてそれが自治体の公的記録と一致しているかを確認するために行われます。
また、別の目的で測量が必要になることもあります。たとえば、自宅を増築したり、敷地内に新しい建物を建てたいと考えた場合、測量を行うことで、どこに建築が可能でどこが不可なのかを知ることができます。また、土地に設定された地役権の範囲や、敷地内の土壌の種類を確認する助けにもなります。
一方で、BDC(事業開発会社:ビジネス・ディベロップメント・カンパニー)セクターには多くの魅力的な企業や投資機会が存在します。因みに、米国におけるBDCとは、主に中小企業や新興企業に対する資金提供を目的とした投資会社の一種であり、通常、BDCは未上場企業や成長段階にある企業に対して資金を提供し、その企業の成長を支援します。また、BDCは高い配当利回りを提供することが多いため、配当収入を重視するインカム投資家に人気があります。
しかしながら、BDCは全体的にネガティブなイメージを持たれることが多いのが現状であり、その主な理由は、金利の低下にあります。
消費者にとって金利が下がることは、特にクレジットカードなどの借入コストが軽減されるため、歓迎すべきことかもしれません。しかし、金利の低下は経済が弱まっていることを示しており、政府が連邦準備制度理事会(FRB)を通じて景気を刺激しようとしている兆候でもあります。そのため、「金利が下がるのは良いこと」と感じる一方で、経済的には「悪い兆し」と見なされることがあるのです。
BDCセクターは経済全体の動向と強く関連しており、金利が下がると収益の減少や債務不履行(デフォルト)の増加、さらに管理手数料収入の減少といった課題に直面するため、ネガティブな見方が強まります。これにより、セクター全体の収入が減少し、投資家への配当や分配金も減少する傾向があります。
私たちは現在、このようなネガティブな環境下でも、依然として購入や保有に値するBDCをいくつか分析しており、本稿ではその中でも特に注目すべきBDCをご紹介していきます。それでは早速見ていきましょう!
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ブルー・アウル・キャピタル・コーポレーション(OBDC):予想配当利回り9.7%・配当金0.37ドル
ブルー・アウル・キャピタル・コーポレーション(OBDC)は上場市場において比較的新しいBDC(事業開発会社)ですが、134億ドルのポートフォリオを持つ最大級のBDCとしてすぐに存在感を示しました。このポートフォリオは、姉妹ファンドであるブルー・アウル・キャピタルIII(OBDE)との合併が承認されれば、さらに拡大する見込みです。合併が成立すれば、ブルー・アウル・キャピタル・コーポレーションはアレス・キャピタル(ARCC)に次いで第2位の規模を誇るBDCとなります。
OBDCはその大規模な運用力を活かし、上位中堅市場をターゲットにしています。平均的な借り手のEBITDA(税引前利益)は1億9700万ドルと、高い水準に位置しています(詳細はこちら)。
ポートフォリオの概要 - 資産構成
(出所:ブルー・アウル・キャピタル・コーポレーションの11月のプレゼンテーション資料)
私は姉妹ファンドであるブルー・アウル・キャピタルIIIとの合併が承認される可能性が非常に高いと予想しており、合併が実現すればブルー・アウル・キャピタル・コーポレーションのポートフォリオはさらに保守的になるでしょう。ブルー・アウル・キャピタルIIIは第一担保付きローンへの比率が高く、普通株式の割合が低いため、ポートフォリオ全体のリスクが軽減されると考えられます。
合併後のポートフォリオ構成 - OBDCおよびOBDE
(出所:ブルー・アウル・キャピタル・コーポレーションの11月のプレゼンテーション資料)
ブルー・アウル・キャピタル・コーポレーションは、投資収益のかなりの部分をPIK(Payment-In-Kind)の形で受け取っています。PIKとは、元本に加算される利息や株式などの非現金支払いとして受け取る収益のことです。同社の総収入に占めるPIKの割合は11%に達しており、同業他社と比較して高い水準にあります。このPIK比率の高さは、意図的で戦略的なものであり、その多くは最初の投資契約の中で設定されたものです。
同社の社長であるローガン・ニコルソン氏は、最近の決算説明会で次のように説明しました:
「市場で注目されているPIKエクスポージャーについてお話ししたいと思います。以前から申し上げている通り、当社のPIK収益の80%以上は初期のアンダーライティング段階でそのように構造化されており、PIKエクスポージャーの半分以上が第一担保付き投資の形です。また、ポートフォリオ全体でのPIK比率は、前年や前四半期と比べて安定しています。実際、これらのPIK関連投資の中には、当社にとって最も成功した投資案件も含まれています。最近の事例としては、2022年にPIK条件でアンダーライティングされたCitrixへの優先株式投資があります。この案件は当初、PIK利率がSプラス12%で設定されていましたが、最近になり現金支払いへと移行しました。」
このように、同社はPIKを戦略的に利用しながら、ポートフォリオの安定性と収益性を両立させています。
BDC(事業開発会社)を評価する際、一部の投資家は、PIK(Payment-In-Kind)が現金ではないという理由だけでネガティブに捉えることがあります。確かに、早めに現金を手にするのは魅力的ですが、投資が計画通りに進めば、PIKを選択して現金受け取りを後回しにすることで、より高いリターンを得られる場合もあります。
配当再投資(DRIP)を利用する場合を考えてみてください。現金を直接受け取る代わりに、PIKと同じように追加の株式を受け取ることで、資産を増やす仕組みです。優良な配当株でDRIPを活用すれば、成長を複利で加速させ、現金受け取りに切り替えた際には、より多くの収益を得られる可能性があります。
BDCでも同様です。もし投資の質が良ければ、今すぐに受け取る現金よりも、PIKとして蓄積した収益の方が将来的に大きな価値を生む可能性があります。
ブルー・アウル・キャピタル・コーポレーション(OBDC)に対する結論
リタイア後の生活を考える際、収入源を多様化させることは非常に重要で素晴らしい選択です。私は、配当収入を重視する自身のインカム・ポートフォリオにおいて少なくとも42種類の異なる配当銘柄を持つことを意識しています。この「42」という数字は、人によっては大きく感じるかもしれませんが、何百もの企業に投資している方にとっては少ないと感じるかもしれません。
これから配当株投資を検討している場合には、最初の目標として42を設定し、その後さらに増やしていくのが良いでしょう。こうすることで、多くの収入を生み出す「ネットワーク」を築けます。そして、仮にそのネットワークの一部に問題が発生しても、全体が崩れることはありません。収入源が多いほど、リタイア後の生活は安心で快適になります。私はあなたに、可能な限り最高のリタイア生活を送ってほしいと願っています。
これこそが、私の「インカム投資」の魅力であり、配当収入の素晴らしさそのものなのです。
さらに、その他のブルー・アウル・キャピタル・コーポレーション(OBDC)に関するレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、ブルー・アウル・キャピタル・コーポレーションのページにアクセスしていただければと思います。
また、同社の決算直後に下記の詳細な分析レポートを執筆しておりますので、同社への理解を深めるために併せてご覧いただければと思います。
加えて、その他の米国高配当銘柄に関するレポートに関心がございましたら、インベストリンゴのプラットフォーム上より、併せて下記のレポートもご覧いただければと思います。
直近では、予想配当利回り8.6%のアレス・キャピタル(ARCC)、予想配当利回り11%のアポロ・コマーシャル・リアル・エステート・ファイナンス(ARI)、予想配当利回り6.3%のベライゾン(VZ)、予想配当利回り7%のグローバルX MLP ETF(MLPA)、予想配当利回り5%のAT&T(T)や予想配当利回り6.9%の米国高配当MLPであるエンタープライズ・プロダクツ・パートナーズ(EPD)、予想配当利回り7.1%の米国高配当REITであるヘルスケア・リアルティ・トラスト(HR)、予想配当利回り5.6%の米国高配当REITであるリアルティ・インカム(O)に関するレポートを執筆しております。
グローバルX MLP ETF(MLPA)
エンタープライズ・プロダクツ・パートナーズ(EPD)
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アナリスト紹介:ヴェンカット・ ラガーヴァン
📍インカム・高配当担当
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