強気パウエル・インダストリーズパウエル・インダストリーズ(POWL)2024年3Q決算は前年比50%成長で株価急騰!来年末までに240ドルも視野に?

- パウエル・インダストリーズ(POWL)は、2024年7月30日に発表された最新の2024年度第3四半期決算において、市場の期待を上回る業績を報告し、顕著な成長の可能性を示しました。
- プレマーケットから株価が25%上昇していますが、同社は2025年までに1株あたり240ドルに達する可能性もあると見ており、最大で、予想フリー・キャッシュフローの18倍のバリュエーションで評価される可能性もあるのではないかと考えています。
- 堅調な売上高成長と安定したバックログ、そして割安に放置されている現状を考慮すると、同社の現在のバリュエーションは魅力的に映ります。
サマリー
読者の皆様からよく聞かれる質問の1つに、「新しい銘柄の選定はいつになるのか」というものがあります。そして、これまで何度もお伝えしてきたように、私はパランティア(PLTR)が30ドルに達するか、オースター(OUST)が17ドルに達するのを待ちたいと思っているのですが、最近の市場は低迷しており、これらのビジネスはまだ私が設定した目標株価には達していません。
また、何度もお伝えしてきたように、ポートフォリオにはテック市場の暴落に対するヘッジとしていくつかのポジションを持っていました。それはセレスティカ(CLS:現在はポートフォリオから除外済み)、ペイパル(PLTR)、そしてマッチ・グループ(MTCH)です。
これらの3社は、市場が不安定になった場合のヘッジ、つまりプロテクションとして保有していたもので、私に柔軟性と機動力を与えるものでした。そして実際、その通りになりました。
そのため、今回の最新の決算を受けて、マッチ・グループをポートフォリオから除外し、パウエル・インダストリーズを新たにポートフォリオに組み入れることにしました。
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パウエル・インダストリーズ(POWL)に関して
パウエル・インダストリーズ(POWL)は2024年7月30日に、最新の2024年度第3四半期決算を発表しており、非常に素晴らしい結果を報告し、実際、その結果は私の予測を大きく上回りました。
そのため、プレマーケットで既に株価が25%上昇し、翌日の株価は37%上昇という結果となりましたが、私は、2025年末までに同社の株価が1株あたり240ドルに達する可能性もあると見ています。
現在の株価は、予想フリー・キャッシュフローの約13倍で評価されており、個人的には、最大、18倍で評価される可能性もあると見ています。
また、私のインフレクション投資戦略に基づき、全ての見積もりは基本的に保守的にしています。
※インフレクション投資戦略:市場や特定の企業が重要な転換点(インフレクションポイント)に差し掛かる時期を見極めて投資する戦略。インフレクションポイントとは、企業の成長軌道や市場のトレンドが大きく変わる瞬間を指し、これを捉えることで大きな利益を狙うこと。
パウエル・インダストリーズ(POWL)の当面の見通し
パウエル・インダストリーズ(POWL)は、電気自動化および制御に特化しており、石油化学、石油・ガス、公益事業などの様々なセクター向けに電力を管理する特別な部屋(電力管理や制御を行うための制御室や配電室等)の設計と構築に注力しています。
これらの制御室は、大規模なプロジェクトをサポートするために高い効率性と統合性を持つように設計されています。同社の専門分野は、カスタム設計の注文製品ソリューションの提供にあり、小規模から中規模のプロジェクトに対応することが成長と成功の鍵となっています。
最新の2024年度第3四半期決算では、同社は堅調な業績を示し、複雑な注文製電気ソリューションの統合業者としての強い市場地位を反映し、売上高は前年比で50%増加しました。
この素晴らしい成長は、主要セクター全体での大幅な増加によってもたらされました。石油・ガスセクターは前年比で56%増加し、石油化学セクターは158%の急上昇、電力公益事業セクターは前年比で30%増加しました。
さらに、商業およびその他の産業セクターも前年比で18%の増加となっています。
同社の成功は、四半期中に3億5600万ドルの新規注文を受注したことによってさらに強調されています。この新規注文には、電力公益事業および石油化学セクターからの重要な貢献が含まれています。また、前年の大型LNGプロジェクトの受注により新規注文は前年同期比で減少しましたが、2024年6月30日時点でバックログは13億ドルで安定していました。
※バックログ(Backlog):企業が受注したがまだ完了していない仕事やプロジェクト、注文の総量。具体的には、企業が顧客から受けた注文や契約があるが、まだ製品の出荷やサービスの提供が完了していない状態を表す。
この背景を踏まえ、同社の財務状況について詳しく見ていきましょう。
パウエル・インダストリーズ(POWL)の売上高:2025年度の売上高成長率は年平均20%の可能性も
全体的に、市場はパウエル・インダストリーズ(POWL)を軽視していたように見えます。同社は具体的な指針をあまり提供しませんが、「we believe that we are well-positioned to sustain our year-to-date financial performance through the fourth quarter(年初来の業績を第4四半期まで維持する準備が整っていると考えている)」という非常に慎重な表現で述べています。
したがって、2024年度第4四半期の比較対象(2023年度第4四半期の売上高)が容易になったこととこのコメントを組み合わせると、同社が前年比30%以上の売上高成長を達成することを想定することも可能であるように思えます。
そして、2024年度がほぼ終了した今、主に検討すべきは2025年度にどのような売上高成長が見込めるかという点です。
現時点では、約20%の年平均成長率(CAGR)が妥当と考えています。この推定には、今年、2024年度との厳しい比較と、2024年度において同社のバックログが1.3億ドルのまま増加していないことを考慮しています。
一方で、市場のアナリストの同社の成長率等のコンセンサスを見ると、彼らの同社への期待は驚くほど控えめであったことが分かります。
(出典:Seeking Alpha)
そのため、私が2025年度の推定で過度に楽観的であったとしても、市場のアナリストたちはこれらの推定を大幅に引き上げざるを得ないのではないかとも思っています。
この議論を踏まえ、次に同社のバリュエーションについて話していきます。
パウエル・インダストリーズ(POWL)のバリュエーション:来年の予想フリー・キャッシュフローの13倍
以下は私の簡単なパウエル・インダストリーズ(POWL)のバリュエーションに関する計算です。同社の売上高が2024年度第4四半期に30%増加し、おおよそ2億7000万ドルに達すると仮定しました。
次に、2024年度第3四半期に報告された営業利益率20%から、過去9か月の平均16%より若干低い15%に戻ると概算しました。
具体的には、2024年度第4四半期にはパウエル・インダストリーズの営業利益率が15%に緩和すると仮定しました。これにより、2024年度全体で約1億4500万ドルの営業利益が見込まれます。
この金額から約600万ドルを設備投資に充てるとして、2024年度のフリー・キャッシュフローはおよそ1億3900万ドルになると見積もりました。
さらにこの思考を進めて、2025年度のトップラインである売上高成長率より少し低めのフリー・キャッシュフローの増加を仮定しました。2025年度の同社のフリーキャッシュフローが15%増加し、おおよそ1億6000万ドルに達すると見込みます。
これにより、プレマーケットの上昇を含めると、同社の株価は来年度のフリーキャッシュフローの約13倍で評価されていることになります。
さらに、この企業は無借金であり、時価総額の約13%が現金で構成されていることを考慮に入れています。
この成長プロファイルを持つ企業が、来年度の予想フリー・キャッシュフローの18倍未満のバリュエーションで放置されていることは割安に見えます。したがって、同社は過小評価されており、この度、ポートフォリオに組み入れることを検討する価値があると考えました
パウエル・インダストリーズ(POWL)への結論
パウエル・インダストリーズ(POWL)の最近の素晴らしい決算報告と力強いな成長見通しを踏まえると、足元の予想フリー・キャッシュフローの13倍というバリュエーションは割安であるように見えます。
同社は主要なセクター全体で堅調な売上高の増加を示しており、2024年度第3四半期には前年比50%の成長を達成しました。
1.3億ドルの安定したバックログと、2025年度における約20%の年平均成長率(CAGR)が見込まれていることから、同社は今後も成功を続ける良いポジションにあります。
また、無借金であることや多額の現金保有を考慮すると、現在のバリュエーションは同社の潜在能力を大きく過小評価しているように見えます。したがって、市場が同社を予想フリー・キャッシュフローの最大で18倍で再評価し、2025年末までに株価が240ドルに達する可能性もあるのではないかと考えています。
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