強気ペイパルペイパル(PYPL)株価下落理由とは?最新の2024年第3四半期決算分析を通じて今後の株価見通しに迫る!
マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ- 本稿では、注目の米国フィンテック銘柄であるペイパル(PYPL)の2024年10月29日に発表された最新の2024年第3四半期決算の分析を通じて、同社の株価下落理由と目標株価、並びに、今後の株価見通しを詳しく解説していきます。
- 最新の決算は期待外れとなり、株価は7%下落しましたが、それでも私は2025年夏までに同社株価が100ドルに達すると見ています。
- 同社への投資のポイントは、同社の「安定性」と「予測可能性」にあります。投資家は年間約5%の安定した成長を見込める成熟したビジネスに価値を感じていると見ています。
- 第4四半期の慎重な見通しにもかかわらず、予想EPSの17倍というバリュエーションや2025年のEPSが5ドルに達する可能性からも、依然として魅力的な投資先だと考えています。
- 以上より、安定した業績、慎重なコスト管理、戦略的な資本配分を評価する投資家から支持され、同社は短期的な株価上昇が期待できる状況にあると見ています。
ペイパル(PYPL)の最新の2024年第3四半期決算に関して
ペイパル(PYPL)は10月29日に2024年第3四半期決算を発表していますが、特に目立つようなポジティブな内容はなく、決算前に株価が急上昇していたため、期待を裏切られた投資家が利益確定に動きました。
現在、株価は7%下落し、ちょうど30日前の水準まで戻っています。
それでも、私は同社が2025年夏までに1株100ドルに到達する可能性があると見ています。
私の見解はシンプルです。
同社が安定した決済プラットフォームとしての評価を確立すれば、投資家はNon-GAAPベースのEPSに対して20倍のバリュエーションを受け入れると考えています。
この見解の要は「安定性」と「予測可能性」です。
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ペイパル(PYPL)を取り巻く背景
私が最初にペイパル(PYPL)をポートフォリオに組み入れたのは、2023年11月3日、ちょうど1年前のことです。
私が同社の組み入れを決定した理由の詳細に関心のある方は、是非、インベストリンゴのプラットフォーム上で下記のレポートをご覧いただければと思います。
ペイパル(PYPL)の将来性とは?最新の決算とバリュエーションを踏まえてポートフォリオへの組み入れを決定!
(出所:YCharts / Seeking Alpha)
ご存じのように、私はストップロスを使いません。
ストップロスを設定していた場合、株価が15%以上下落するたびに自動で損切りされていたでしょう。
そうした下落は過去1年で何度も起きており、そのたびにベストな投資タイミングを逃していたかもしれません。
私のポートフォリオは多様な銘柄で構成されています。センチネルワン(S)、サムサラ(IOT)といった、成長スピードの速い企業も含まれています。
これらの企業は収益目標に到達することが投資の前提ですが、金利変動に非常に敏感で、金利見通しが変わると株価の変動も大きくなります。
一方で、ウラニウム・エナジー(UEC)、エノビックス(ENVX)、ドキシミティ(DOCS)、そしてペイパルのように、それぞれの企業が異なる成長要因を持つ銘柄もあります。
たとえば、ウラニウム・エナジーはカーボンフリーエネルギーの需要拡大が電気自動車やデータセンター向けのエネルギーとして期待されており、エノビックスは2025年後半に予定されているバッテリーの商業化が収益増を見込める要因です。
つまり、ここで私が強調したい点は分散投資が非常に大切だということです。
私のポートフォリオのリターンが安定しているのも、分散を徹底しているからです。
そのため、改めて、皆さんにも分散投資をおすすめします。
AI関連株に投資したい場合は、それも一つの選択ですが、ポートフォリオ全体の5%以上をこの人気セクターに集中させないようにしましょう。
ご自身が築いた資産がどれだけの努力で得られたものかを考え、慎重かつ分散を意識した投資を心がけることが大切です。
では、これまでお伝えしてきた同社への見通しや私のポートフォリオでの位置づけを踏まえ、なぜ私が2025年夏までに同社の株価が100ドルに達する可能性があると考えているのか、改めて解説していきます。
ペイパル(PYPL)の短期的な展望
では、ペイパル(PYPL)への投資を考える上での私が注目するポイントをお伝えします。
それは安定したビジネスへの投資です。
(出所:ペイパルの2024年第3四半期決算資料)
上記の通り、月間アクティブアカウント数は前年比2%増にとどまり、目立った成長とは言えません。
しかし、これこそがこの投資のポイントです。
同社は成熟した安定ビジネスであり、長期的に続いていく見通しです。
かつては「過剰な期待と実績のギャップ」が批判されましたが、それも今や市場に十分織り込まれていると見ています。
現在の投資判断で重要なのは、これからの成長が見込めるかどうかという点です。
この背景を踏まえ、同社のファンダメンタルズ指標について見ていきましょう。
ペイパル(PYPL)の売上高:売上高成長率は年平均約5%に安定化へ
ペイパルの売上高成長率(%)
(出所:筆者作成)
ペイパル(PYPL)の2024年第4四半期の売上成長率は控えめで、前年比4%の増加見込みです。
高成長とは言えませんが、来年からは前年同期比の基準が低くなるため、同社は中位の一桁成長を達成しやすくなると予想されます。
そして、市場が同社に求めるのは「安定」です。
基本的に投資家は投資先企業のネガティブなサプライズがないことを望む一方で、時にはポジティブなサプライズも期待しているというのが本音です。
これが今の同社の現状であり、足元の魅力的なバリュエーションも踏まえると、同社には非常に良い環境が整っているように見えます。
ペイパル(PYPL)のバリュエーション:予想EPSの17倍
ペイパル(PYPL)への投資のポイントをまとめると次の通りです。
・ビジネスにはある程度の成長の勢いがある。
・新しい経営陣がコスト管理を徹底し、ROIの高いプロジェクトに集中投資する一方で、再編が必要な事業は整理することが出来る
・2025年にはNon-GAAPベースのEPSが5ドルに達する可能性がある。
・また、長期投資としての40億ドル超を除いても、約30億ドルの純現金を保有している。
以上より、投資の成功には、シンプルなストーリーが重要であり、市場は分かり易い話を好む傾向にあります。
ペイパル(PYPL)への結論
ペイパル(PYPL)の来期である2024年第4四半期の控えめな見通し(ガイダンス)にもかかわらず、2025年夏までの同社の目標株価を1株100ドルとしており、この水準に到達する可能性は十分にあると考えています。
繰り返しとなりますが、同社の魅力は、そのシンプルさと安定性にあります。
同社は成熟した安定したビジネスを運営しており、年平均5%の成長率が見込まれます。
投資家はこうした予測可能性を評価しており、来年以降、成長率が達成しやすくなる点もプラス材料です。
予想EPSの17倍というバリュエーションや2025年に予測される5ドルのEPS、そして経営陣の戦略的なコスト管理により、同社は安定したリターンが期待できる投資先として注目されるでしょう。
同社の一貫性と長期的な成長可能性は、今後さらに評価され、短期的にも魅力的な投資対象になると見ています。
さらに、その他のペイパル(PYPL)に関するレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、ペイパルのページにアクセスしていただければと思います。
アナリスト紹介:マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ
📍テクノロジー&エネルギー担当
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