中立RPMインターナショナルRPMインターナショナル / RPM / 予想配当利回り1.7% / 配当王 / 中立:24年3Q決算と今後の株価見通し
イアニス・ ゾルンパノス- RPMインターナショナルは(RPM:予想配当利回り1.7%)、様々な塗料、コーティング剤、接着剤を製造・販売しており、売上高の大半は北米からもたらされている。
- 同社は2024年4月4日に24年度第3四半期決算を発表している。
- また、同社は過去50年間連続して増配を実施しており、米国株配当王の一角を担っている。
RPMインターナショナル(RPM)の概要
セクター:化学
現在の株価:107ドル
時価総額:138.9億ドル
弊社算出の一株当たり本質的価値:99.65ドル
安全マージン:-8.26%
過去5年間の配当成長率:5.40%
次回の配当落ち日:2024年4月18日
次回の配当支払い日:2024年4月30日
予想配当利回り:1.74%
過去5年間の売上高成長率:7.90%
過去10年間の売上高成長率:5.80%
RPMインターナショナル(RPM)は、様々な塗料、コーティング剤、接着剤を製造・販売している。
同社は製品の種類により4つのセグメントに分類されている。
建設製品グループは、塗料、屋根材、断熱材、その他の製品を世界中の流通業者、請負業者、最終消費者に販売している。
パフォーマンス・コーティング・グループは、床材や腐食防止などの建築・工業用途に使用される塗料を製造している。
コンシューマー・グループは、金物店や手芸店を通じて、塗料、仕上げ剤、同様の製品を個人消費者に販売している。
特殊製品グループは、他グループのニッチ用途から船舶用仕上げ剤、食用着色料に至るまで様々な製品を販売している。
そして、収益の大半は北米からもたらされている。
同社は2024年4月4日に24年度第3四半期決算を発表している。
また、同社は過去50年間連続して増配を実施しており、米国株配当王の一角を担っている。
RPMインターナショナル(RPM)の収益と成長に関して
24年度第3四半期、RPMインターナショナル(RPM)の非経常損益項目を除くベースでのEPSは0.433ドルで、前四半期の1.22ドルから減少し、一株当たり売上高も前四半期に比べ減少している。
しかし、長期的なパフォーマンスを見ると、同社株の非経常損益項目を除くベースでのEPSの過去5年間の年平均成長率(CAGR)は11.60%で、過去10年間の年平均成長率は11.00%となっており、一貫した成長を示している。
加えて、堅調と予測される今後10年間の同社業界の成長予測を考慮すると、同社はこの成長を活用できる可能性がある。
さらに、歴史的に、同社は適度な財務レバレッジを維持してきたため、さらなる拡大と成長の余地があると言える。
このことは、RPMインターナショナルが業界の成長予測に沿って成長し、長期的に上昇軌道を継続する能力を有していることを示唆している。
RPMインターナショナル(RPM)の配当に関して
RPMインターナショナル(RPM)の過去5年間の配当成長率は5.40%で、過去3年間の配当成長率は5.10%となっており、一貫した配当の成長トレンドを示している。
また、同社のEBITDA純有利子負債倍率は2.36倍で、配当を維持できる健全な財務状況を示している。
加えて、同社の予想配当利回りは1.74%で、同セクターの中では競争力があると言える。
直近の1株当たり配当金(DPS)は0.46ドルで、2024年4月30日に支払われている。
同社は定期的な配当支払いスケジュールを維持しており、長年にわたって一貫した配当を行っている。
実際に、同社は過去50年間連続して増配を実施しており、米国株配当王の一角を担っている。
配当収入を求める投資家は、安定した配当成長の歴史と妥当な水準の予想配当利回りにより、RPMインターナショナルに魅力を感じるかもしれない。
同社の配当実績を同業他社と比較すると、同社は定期的な配当を通じて株主に報いてきた堅実な実績を示している。
予想配当利回り:1.74%
配当性向:39%
配当カバレッジ・レシオ:2.47
過去5年間の配当成長率:5.40%
EBITDA純有利子負債倍率:2.36
RPMインターナショナル(RPM)のバリュエーションに関して
RPMインターナショナル(RPM)の現在の株価は107ドルと、価格は弊社算出の一株当たり本質的価値である99.65ドルより高く取引されており、潜在的な割高感を示している。
また、実績PERは24.86となっており、株価が過去の平均と比べて相対的に割高であることを示唆している。
加えて、PEGレシオは2.17となっており、成長見通しに比べて株価が割高である可能性を示している。
一方で、株価売上高倍率は1.86で、業界平均を下回っており、売上高に対して同社の株価が過小評価されている可能性を示している。
さらに、EV/EBITDA倍率は15.47となっており、こちらも業界平均を下回っており、利益と負債水準から株価が割安である可能性を示唆している。
5年平均や10年平均と比較すると、同社は現在、特に株価売上高倍率とEV/EBITDA倍率の点で高いバリュエーションで取引されている。
以上より、投資家はRPMインターナショナルへの投資判断を下す前に、これらの指標と同社の成長見通しを考慮すべきである。
RPMインターナショナル(RPM)のリスクとリターンに関して
RPMインターナショナル(RPM)のリスク評価分析では、投資家が投資決定を下す前に考慮すべきいくつかのポイントを取り上げたい。
まずマイナス面では、インサイダーによる同社株式の買い付けは確認されていない一方で、インサイダーによる売却は確認されており、合計7,835株が売却され、同社インサイダーの同社業績に対する自信のなさを示唆している可能性がある。
さらに、売上高の成長の鈍化、10年来のピークに近い高い株価水準、高い株価売上高倍率、低い予想配当利回りは、投資家にとって赤信号かもしれない。
一方でプラス面では、BeneishのMスコアが-3.08であることから、同社が利益操作をしている可能性は低いことがわかる。
加えて、営業利益率の拡大と4.55という高いアルトマンZスコアも、同社の財務の健全性に関して安心感を与える。
全体として、ポジティブな指標はいくつかあるが、株価水準の高さ、予想配当利回りの低さ、インサイダーによる同社株式の売却取引の活発さは、現時点でのRPMインターナショナル株式への投資に伴うリスクの高さを示唆している可能性がある。
以上より、投資家は、投資判断を下す前に、これらの要因を慎重に検討すべきである。
RPMインターナショナル(RPM)のインサイダー(内部関係者)による売買に関して
RPMインターナショナル(RPM)のインサイダー取引分析では、過去12ヶ月でインサイダーによる同社株式の買い付けが0件であった一方で、売却が10件となっており、潜在的に、同社の取締役および経営陣の同社の今後の株価見通しに対する信頼性の欠如を示している可能性がある。
ただし、インサイダーによる同社株式の保有比率はわずかに2.37%である点にはご留意いただきたい。
これに対し、機関投資家の同社株式の保有比率は56.36%と著しく高く、機関投資家の関心が高いことを示している。
機関投資家の保有比率が高いことは、インサイダー買いが少ないにもかかわらず、外部投資家が同社に可能性を見出していることを示唆しているのかもしれない。
しかし、一貫したインサイダー売りは赤信号であり、同社の財務の健全性と将来性についてさらなる調査が必要かもしれない。
RPMインターナショナル(RPM)の流動性に関して
RPMインターナショナル(RPM)の直近営業日の一日の出来高は424,576株で、過去2ヶ月間の1日平均出来高は569,760となっており、同社株の取引量が比較的活発であることを示しており、流動性にはプラスの兆候であると言える。
また、同社株式のダークプール指数(DPI)は76.63%で、同社株式の取引活動の大部分 が公開取引所ではなくダークプールで行われていることを示唆し ている。
※ダーク・プール指数は、ダーク・プール(私設取引所)内において、同社株式がどの程度取引されているかを示すものであり、注目すべき指標の1つである。
この高水準のDPIは、同社株式の価格発見への透明性と市場全体の効率性に影響を与える可能性がある。
全体として、RPMインターナショナルは取引量の指標に基づくと、まずまずの流動性を持っているように見えるが、DPIが著しく高いため、価格発見における透明性を求めるトレーダーにとっては考慮すべき点かもしれない。