08/19/2024

【米国株見通し】23日のFRBパウエル議長によるジャクソンホールでの発言に関する市場の予想と株価への影響は?

a person holding up a black book with the word buy written on itローレンス・ フラーローレンス・ フラー
  • 7月の雇用統計がもたらした懸念に反して、経済の良いニュースが市場にプラスの影響を与え、S&P 500指数は今年最も好調な週を迎えました。
  • インフレが鈍化し、経済成長が安定していることから、FRBが9月に利下げを行う可能性が高まり、景気がソフトランディングする可能性が示唆されています。
  • また、今週は、8月23日にFRBパウエル議長がジャクソンホールで公演を行う予定であり、「市場の予想に対して、パウエル議長がどのような発言をするのか」、そして、「パウエル議長の発言が与える株価への影響」に注目が集まっています。
  • 投資戦略として、過去の市場調整の局面では継続して押し目買い目線で見てきましたが、景気拡大が続く限りこのトレンドは続くと見ています。

8月23日(金)のFRBのパウエル議長のジャクソンホールでの発言に注目!

2週間前の7月の雇用統計が引き起こした「成長への懸念」の後、経済面での良いニュースが再び市場にとってプラスのニュースとして受け取られるようになったのは喜ばしいことです。

先週はそのような好材料が多く見られました。

生産者物価指数(PPI)と消費者物価指数(CPI)の両方が予想を上回り、今後発表される7月のコア個人消費支出(PCE)価格指数も、新たな低水準である2.5%にまで低下する見込みです。

このことにより、9月のFRB会合での25ベーシスポイントの初回利下げの可能性が一層上昇することになるでしょう。

また、FRBのパウエル議長は、今週金曜日(2024年8月23日)にジャクソンホールで演説を行う予定ですが、演説中で、この点に関して控えめに言及する可能性があると予想されています。

また、政府が計算する住宅費用は遅れを伴うため、現在の価格に追いつくに連れて、インフレ指標が今年末までにFRBの目標である2%に達すると私は引き続き考えています。

新規失業保険申請件数は2週連続で減少し、7月の雇用市場の軟調な数字が景気後退の兆しではなく、天候の影響が大きかったことを示しています。

また、7月の小売売上高も前月比で予想を上回る1%の増加を記録し、景気後退の懸念を否定する結果となりました。

自動車販売が主導する形で、全14部門のうち11部門で売上が増加し、広範にわたる強さが見られました。

このようなインフレの鈍化と経済の堅調さが相まって、S&P 500指数は今年最も好調な週となりました。

さらに、ミシガン大学の消費者信頼感指数も5カ月ぶりに上昇しました。

また、第2四半期の決算シーズンが終わりに近づく中、S&P 500企業の利益は、四半期末の予想であった8.9%増を上回り、10.9%増加する見通しです。

これにより、1株あたり60.26ドルという新たな四半期記録が達成されることになります。

さらに、今四半期にネガティブなガイダンスを発表している企業の割合は55%で、これは過去5年平均の59%や過去10年平均の63%を下回っています。

企業の経営者たちは経済の最前線に立っているため、活動が危険なほど減速し始めた時期を、他の多くの人々よりも早く察知することができます。

そして、過去1カ月間の決算発表会議で「リセッション(景気後退)」という言葉がどれだけ使われたかを基に判断すると、現時点ではそれほど心配する必要はないと思います。

ただし、現在のビジネスサイクルの終焉を予測することが、投資家としての私の最も重要な関心事であり、それに応じて投資戦略をよりディフェンシブ(防御的なもの)にする必要があると考えています。

しかしながら、全体として、足元の経済データでポジティブな変化率がネガティブなものを上回り続けています。

そのため、この状況が変わるまでは、景気拡大は続くと見ています

このため、過去2年間、株式市場が下落するたびに、私は自身のレポートにおいて「押し目買いのチャンスと見ている」とお伝えしてきました。

2022年10月に強気相場が始まってから、S&P 500では5回の調整があり、そのうち1回は10%の下落がありました。

そして、そのたびに押し目を買うことで大きな利益を得ることができました。

これまでにS&P 500は57%上昇しており、これは平均的な強気相場の中では控えめな上昇です。

下落するたびに、弱気になる理由はいくらでもありました。

それでも、状況はインフレの鈍化と、緩やかでも安定した経済成長を示しており、これは経済がソフトランディング(軟着陸)する典型的なパターンを示しています。

この結論に、多くの投資家や市場の専門家が不満を抱くのは理解できます。

特に、この景気拡大と強気相場を支えてきた財政・金融刺激策や、それに伴う膨らむ赤字や債務に対して批判的な人々にとってはなおさらでしょう。

その懸念には共感しますが、それが経済成長や市場のリターンを否定するものではありません。

確かに、それらが持続可能かどうかには影響するかもしれませんが、現時点ではまだ大きな問題にはなっていません。

その懸念は私の頭の片隅にもありますが、投資の観点からは、市場がどうあるべきかという自分の考えや意見が、経済や市場の基本的な分析に影響を与えないようにしたいと思っています。

そのため、私が注目しているのは、「ビジネスサイクルが進行する中で、経済と市場がどのように動く可能性が高いか」というポイントです。

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