強気センチネルワン【サイバーセキュリティ】センチネルワン(S)株価の今後の見通しは良好?最新の2025年度第3四半期決算分析を通じて将来性に迫る!
マイケル・ウィギンズ・ デ・オリベイラ- 本稿では、注目の米国サイバーセキュリティ銘柄であるセンチネルワン(S)の12月4日に発表された最新の2025年度第3四半期(暦年:2024年第3四半期)決算分析を通じて、同社の目標株価、並びに、今後の株価見通しと将来性を詳しく解説していきます。
- 同社の業績報告は期待外れでしたが、今回の決算を踏まえても、2025年夏までの目標株価である1株40ドルという水準は維持しております。
- 同社のAIを活用したサイバーセキュリティプラットフォームは企業での採用が進み、年間経常収益(ARR)は前年比29%増加しており、さらに、2025年度の収益成長予測も32%に引き上げられました。
- 収益成長率が低調で、フリーキャッシュフローのマージンがマイナスである点は課題ですが、11億ドルの現金残高が収益性の向上と年度末までのプラスマージン達成を後押ししています。
- 投資は未来のストーリーを見越すことが大切であると考えており、来夏には同社が収益性のある成長株として市場から評価され、1株40ドルに到達する可能性がると考えています。
センチネルワン(S)の最新の2025年第3四半期決算発表に関して
センチネルワン(S)は2024年12月4日に、最新の2025年第3四半期(暦年:2024年第3四半期)決算を発表していますが、業績は厳しい内容でした。
この1年間、同社をポートフォリオに組み入れ、強気で見ていた自分の判断は間違いだったと認めざるを得ません。
「レーティング一覧」のページでもご覧いただける通り、私は同社を2023年12月6日に23ドルでポートフォリオに追加しており、現在の株価は25ドル前後となっています。
実際には、クラウドストライク(CRWD)を選ぶべきだったと思います。
しかし、過去を悔やんでも仕方ありません。
今回の業績報告を冷静に分析し、数多くの課題があることは理解しています。
では、次に何をすべきか。
それが今、最も重要なことです。
私は引き続き、2025年夏までの同社の目標株価として「1株40ドル」という水準を維持しています。
現時点では状況が厳しく見えますが、30日後には、今日の株価が「お買い得だった」と思える日が来ると見ています。
そして、このような状況を何度も経験してきました。
今回ばかりは直感ではなく、私は自分の経験を信じています。
目標株価:2025年夏までに1株40ドル
なお、今回の報告は2025年度第3四半期(会計年度)のものであり、カレンダー年とは異なる点にご注意ください。
では、今回の決算も踏まえ、同社の詳細な分析を解説していきます。
センチネルワン(S)の重要な背景
感情的になると、人は冷静さを失いがちです。
退屈したり、苛立ったり、怒ったりする中で、目の前の状況だけに囚われ、企業の本質や将来性を見失うことがあります。
私はどの企業にも偏った執着心はありません。
常に客観的であろうとしています。
しかし、今回のように企業の実力を正当に評価していない業績報告を見ると、それに基づく表面的な分析が表面的な結論を招くのも理解できます。
今日、センチネルワン(S)の株価が急落し、大幅な売り浴びせが起きることは避けられないでしょう。
多くのストップロスが発動し、あなたのポジションもその対象になっているかもしれません。
それでも、私は目の前の株価下落だけを見ているわけではありません。
私が注目しているのは、2025年夏までに1株40ドルに到達する可能性です。
その道筋が見えるか?
私には見えています。
「正気の沙汰ではない」と思われるかもしれませんが、私は冷静に考えています。
今後の90日間、つまり3月中旬の業績報告まで待ちたいと思っています。
ここで私が注目しているポイントを詳細に説明します。
この90日間が判断基準となります。
そして、その時点で私が設定している基準に達していなければ、その際には潔く同社をポートフォリオから除外する予定です。
しかし、今このタイミングで同社を見限るべきではないと考えています。
センチネルワン(S)の短期的な見通し
センチネルワン(S)は、進化するサイバー脅威から企業を守るために設計された高度なサイバーセキュリティプラットフォーム「Singularity」を提供しています。
このプラットフォームは、AIを活用した自律型セキュリティを特徴とし、エンドポイントやIDを統合インターフェースで保護します。
特に注目すべきは「Purple AIスイート」です。
この機能により、セキュリティデータを即時に処理・分析し、自動的に脅威に対応できるため、同社はサイバーセキュリティ分野のリーダーとして位置づけられています。
2025年度第3四半期では、年間経常収益(ARR)が前年比29%増加しました。
また、新規ARRは前四半期比で20%以上の増加を記録し、事業の勢いが再び高まっていることを示しています。
さらに、ARRが10万ドルを超える顧客数も過去最高を更新し、企業における導入が拡大しています。
同社は、顧客基盤の拡大、「Purple AI」のような革新的なソリューション、そして戦略的パートナーシップを背景に、2025年度の収益成長見通しを32%に引き上げました。
このような状況を踏まえ、次に同社のファンダメンタルズを詳しく見ていきましょう。
センチネルワン(S)の売上高成長率への失望
11月28日に執筆したセンチネルワン(S)に関するレポートの内容を改めて説明します。
以下はそのレポートの一部のスクリーンショットです。
レポートの詳細に関心がございましたら、インベストリンゴのプラットフォーム上より、下記のレポートをご覧いただければと思います。
私は常に極めて保守的な姿勢で分析を行っています。
なぜなら、企業の業績が私の予測を下回った場合、即座に見切りをつけるからです。
期待に達しない企業を切り捨てることに、何のためらいもありません。
感情に左右されることなく判断します。
その前提のもと、同社の最新ガイダンスを確認してください。
以下がその内容です:
センチネルワンの売上高成長率(%)
(出所:筆者作成)
今四半期の成長率は前年比28%で、私が予想していた29%に届きませんでした。
また、2025年度第4四半期のガイダンスについては28%の成長を期待していましたが、実際には27%にとどまっています。
確かに、この結果は期待外れと言えます。
ですが、これは私の戦略の核心ではありません。
本当に重要なのは次に説明します。
ポイントは、次年度の比較対象(コンパラブル)が大幅に容易になるということです。
この影響により、同社は2025年度の年平均成長率(CAGR)を30%と示し、新しい評価軸のもとで語られる存在になると見ています。
センチネルワン(S)のバリュエーション:予想フリーキャッシュフローの70倍
業績報告直後の混乱の中で、市場の投資家たちはセンチネルワン(S)が11億ドルもの純現金を保有している事実をあまり気にしていないように見えます。
しかし、この現金は強気の見方を支える大きな財務基盤となります。
ただし、現時点で投資家がこの点に注目していないのは理解できます。
同社は成長企業であり、投資家が求めているのは「成長」だからです。
ただし、この現金が今後12カ月間の展開において重要な役割を果たすことは間違いありません。
投資で成功するには、常に将来の投資家がその企業をどのように評価するかを考える必要があります。
他の投資家が「買いたい」と思うタイミングで売却することが肝心です。
次に、下記のトレンドに注目してください:
営業キャッシュフローマージンおよびフリーキャッシュフローマージン(直近過去12カ月間)
売上高に対する割合(%)
私の投資論は一貫しており、来年末までに同社が1億ドルのフリーキャッシュフローを達成するランレート(継続的な収益力)を示すというものです。
これが何を意味するのか、説明します。
2026年度第4四半期(来年12月)には、投資家が同社の持続可能なフリーキャッシュフローマージンが9%に達し、さらにその後の12カ月間で上昇を続けると信じるようになる、というのが私の投資論の核心です。
ただし、今四半期のフリーキャッシュフローマージンはマイナス3%にとどまりました。
これは前年同期のマイナス16%と比較すると改善されていますが、依然として明確にマイナスです。
確かに前年同期比で10ポイント改善しましたが、それでもなお数字はマイナスのままです。
また、前四半期の状況についても確認しておく必要があります。
以下をご覧ください。
前四半期、同社はフリーキャッシュフローマージンでマイナス3%を達成しました。
そのため、今四半期ではフリーキャッシュフローがほぼ損益分岐点に近づくとの期待がありました。
損益分岐点に届かなくても、せいぜいマイナス1%程度にとどまるだろうという見方が一般的でした。
しかし、発表された数値はマイナス6%でした。
前年同期比では大幅に改善しているものの、2025年度第2四半期からは後退してしまいました。
とはいえ、注目すべき点が2つあります。
株主向けレターには次のように記載されています:「2025年度の通期でプラスのフリーキャッシュフローを達成する見込みです」
これは、来年3月の業績報告時に、前年同期比での改善だけでなく、今四半期からのさらなる改善も期待できることを意味します。
その時点での見通しは、現在とは大きく異なるものになるでしょう。
さらに、経営陣が来年度の具体的なガイダンスについて慎重な姿勢を示している一方で、注目すべきポイントがあります。
2025年3月中旬の業績報告時点で、同社の事業はすでに損益分岐点に非常に近い状況になっていると報告される可能性が高いということです。
そのうえで、持続可能なプラスのフリーキャッシュフローマージンが現実的であることを示唆するガイダンスが発表されると見ています。
そして、これをきっかけに、市場の投資家の間で同社に対する強気の見方が本格化すると考えています。
そして、3月から夏にかけて株価は上昇を始め、同社が1株40ドルに向かう過程で株を保持しやすくなると考えています。
センチネルワン(S)を取り巻くリスク要因
私の投資論は、センチネルワン(S)が収益性のある成長を実現できるという前提に基づいています。
具体的には、2025年末までにプラス9%のフリーキャッシュフローマージンを達成する道筋が見えてくることが鍵です。
もし次の四半期のフリーキャッシュフローマージンがマイナス3%を下回る場合、この前提は崩れ、私の考えが間違っていたことを認めざるを得ません。
現在の株価は、予想フリーキャッシュフローの70倍という非常に高い評価を受けています。
この点は理解しています。
しかし、同社がまだ成熟しておらず、収益性を最大化できる段階に達していないことも忘れてはなりません。
目指すべきは、市場の投資家が同社の長期的なNon-GAAPベースの営業利益率20%という目標を信じることです。
この目標が実現すれば、同社はNon-GAAPベースで2億ドルの営業利益を達成し、株価は長期的な予想営業利益の約37倍というバリュエーションになるでしょう。
センチネルワン(S)に対する結論
センチネルワン(S)が2025年夏までに1株40ドルに到達するという私の見通しは、将来を見据えた分析と、短期的な混乱にも冷静に対処する理性的な投資戦略に基づいています。
同社は負債を抱えず、11億ドルもの現金を保有しており、この潤沢な資金が成長戦略の推進を強力に支えています。
直近の業績は期待を下回ったものの、収益性への道筋は依然として確保されており、経営陣はフリーキャッシュフローの改善と年度末までのプラスマージンの達成を見込んでいます。
投資とは、目先の課題に感情的に反応するのではなく、将来のストーリーを見越して判断するものであると考えます。
来年の夏には、市場は同社を収益性のある成長企業として再評価し、その財務面での規律を高く評価するようになると見ています。
このような長期的視点に基づく慎重なアプローチが、私が同社が2025年夏までに1株40ドルに達すると考える理由です。
その他のセンチネルワン(S)に関するレポートに関心がございましたら、是非、こちらのリンクより、センチネルワンのページにアクセスしていただければと思います。
また、インベストリンゴのテクノロジー・セクターのアナリストであるコンヴェクィティ社が、2024年7月のクラウドストライクのシステム障害が起きた直後に、そのシステム障害の詳細とクラウドストライクの今後の見通しに関する下記のレポートを執筆しています。
もし関心がございましたら、是非、こちらも併せてご覧いただければと思います。
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📍テクノロジー&エネルギー担当
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