強気シーシー / SE / 強気:最新の2023年第3四半期決算&強み(優位性)分析と今後の株価見通し・将来性(Sea Ltd)
ジェームズ・ フォード- シー(SE)は、2023年11月14日に23年第3四半期決算を発表している。
- 足元、同社の株式は2021年の最高値圏から90%以上下落しているが、私は同社は多くの成長ポテンシャルを秘めていると見ている。
シー(SE)の概要
シー・リミテッド(SE)は、東南アジアで最も支配的なEコマース・プラットフォームを運営し、世界で最も成功したモバイルゲームの1つである「フリー・ファイア」の運営会社でもある。
同社のビジネスは、Eコマース部門、デジタル・エンターテインメント部門、デジタル金融サービス部門の3つの主要事業セグメントで構成されている。
下記に見られるように、同社の収益は、2019年に爆発的に増加し始め、同社の株価が300ドルを超えるまで急上昇し始めたタイミングである。
(出典:Alphaspread)
但し、上記に見られる通り、2022年には成長が鈍化し始め、営業キャッシュフロー(Operating Cashflow)がマイナスになり始めた。
しかし、2023年にはこのトレンドを転換することに成功しており、前回の決算の後、同社にとってかなり明るい兆しが見えていると考える。
シー(SE)の第3四半期決算の概要
(出典:Vektor Research)
上の表からわかるように、デジタル・エンターテインメント(Digital Entertainment)の売上高は前年同期比で33%減少した。
一方、Eコマース(E-Commerce)の売上は16.2%増、デジタル金融サービス(Digital Financial Service)は36%増となった。
また、前四半期は売上総利益率が低下し、EPS がマイナスとなったこともわかる。
以上より、一目見た感じでは、あまり良い内容とは思えないことから、もう少し掘り下げてみたい。
シー(SE)のデジタル・エンターテインメント部門
(出典:投資家向け資料)
デジタル・エンターテインメント(Digital Entertainment)のBookingは、2022年第3四半期以来、初めて増加し、同部門の売上は前年同期比12%増となった。
そして、「フリー・ファイア(Free Fire)」は、9月も最もダウンロードされたモバイルゲームであった。
その為、デジタル・エンターテインメント部門は、同社が素晴らしい企業である理由の一つである。
フリー・ファイア(Free Fire)は、同社にとってモンスター級のキャッシュ・カウ(金のなる木)だが、投資家はそれが永遠に続かないことも懸念している。
果たして、フリー・ファイアは一発屋なのだろうか?
最近のデータを見ると、そうではないように見える。
なぜなら、既にBookingは回復してきており、更に、ゲーム市場自体がこの20年で大きく進化してきた。
フォートナイトのようなフランチャイズの継続的な成功を見ればわかるだろう。
オンライン・プレイと定期的なアップデートがあれば、ゲーマーは最も成功しているフランチャイズから移る必要はない。
そして、フリー・ファイアは、タイ、ブラジル、インドネシア、インドといった、急速に裕福になりつつある顧客層を虜にしている点もご留意いただきたい。
シー(SE)のShopee(ショッピー)・Eコマース部門
Shopeeについて注目すべき点は、「黒字化を達成することから、プラットフォームを再び成長させること」へと、今期は戦略を変更した点である。
この大きな背景には、TikTok Shopsを通じてEコマース市場に参入したTikTokの脅威がある。
実際にTikTokは数ヶ月前にこの地域での営業を禁止されたが、近い将来、復活するのではとの憶測も聞こえている。
そこで、これに対応するため、Shopeeはより良い配送を提供し、コア市場に集中することで、顧客により多くの価値をもたらすことに努めている。
そして、同社は、決算説明会において、下記の様に説明している。
- 私たちは、メガ倉庫やメガ機械のような物流モデルを構築しようとは考えていない。
- 私たちのモデルは、小規模な仕分けセンターや小規模なハブの大規模なネットワークを多くの地域に構築し、ラストワンマイルのカバレッジを拡大するためのチーム能力を構築することである。
- つまり、より多くの営業費用が必要なのである。
- 過去数年間、我々は一貫して物流に投資してきた。
- それが、物流配送料を削減し続けるという、現在の地位を築いた重要な理由の一つであり、また、我々の持つ重要な競争優位性でもある。
私にとって、同社はアマゾンのような経路を辿るように見え、最終的に、この戦略の実現に対する忍耐は報われると見ている。
シー(SE)のデジタル金融サービス部門(Digital Financial Services)
(出典:投資家向け資料)
最後に、デジタル金融サービス部門の収益は37%増加し、EBITDAは1億6500万ドルを超えた。
私がシー(SE)を好きな理由
私は新興市場に対して非常に強気であり、同社はこれらの高成長経済への素晴らしいエクスポージャーを提供している。
(出典:SEA Economy Report)
GMV(流通取引総額)は2025年までにこの地域で3,000億ドルに達すると予測されている。
言うまでもなく、東南アジアの人口の70%が銀行口座を持たない、あるいは銀行口座を持たないことを考えると、同社のデジタル金融サービス部門は大きな可能性を秘めている。
同社には、この成長市場に進出するチャンスがあり、しかも財務的に健全で、キャッシュフローも黒字である。
同社は、60億ドル以上の現金および等価物を持つ非常に強力なバランスシートを有している。
最後に、バリュエーションの観点から、現在の価格は非常にリーゾナブルに見える。
(出典:Alphaspread)
企業価値/売上高倍率は1.7、株価営業キャッシュフロー倍率は約10、PBRは3.6となっている。
シー(SE)のバリュエーション
DCF法で算出したバリュエーションでも、同社は過小評価されていることが分かる。
(出典:Alphaspread)
私は保守的な成長率を適用しており、営業利益率は徐々に10%まで上昇すると仮定している。
しかし、実際には、これがどのように進展するかはわからない。
なぜなら、同社は成長をより積極的に追求するために営業利益を犠牲にするかもしれない。
しかし、そうであったとしても、私はそれを支持するだろう。
シー(SE)のテクニカル分析
(出典:筆者作成)
週足チャートを見てみると、いくつかの重要なポイントがある。
第一に、RSIが強気のダイバージェンスを形成している。
そして、第二に、32ドル付近に強力な下値支持線がある点である。
シー(SE)に対する結論
同社株価は、2021年に最高値に達して以来、90%以上下落している。
そして、当然ながら、同社株式に対して、一部の投資家は怖がっていることが分かる。
しかし、これはCheap Moneyのおかげで上昇したSPAC銘柄ではない。
私は、同社は、多くの可能性を秘めた非常に確立された企業であり、このレベルでは非常に良いエントリー・ポイントを提供してくれていると見ている。